セブンイレブンがポリ袋廃止のニュースが流れた。天然資源である紙袋への切り替えする方針と発表があった。背景として最近話題の海マイクロプラスチックス問題も関係している。紙の方がエコフレンドリーであると一般的な感覚はある。プラスチックスも原油を分解するのではなく、サトウキビを原料とするモノがある。ブラジルで大量生産され国内でも大手商社から販売されている。海プラ問題がなければ公平にみてエコフレンドリーなのはサトウキビ由来のプラスチックスではある。ご年配の方は覚えておられるだろう、静岡県田子の浦はパルプ製造時の廃水で海洋汚染が激しく教科書にも載った。富士市は今でも製紙製造拠点の一つである。
製紙にはパルプを木材から取り出す工程とパルプを紙にする工程があるが、主として環境への影響が大きく、エネルギーを消費するのはパルプ製造工程にある。
針葉樹木材を北米カナダからも輸入し、チップに破砕し、反応釜に入れて水酸化ナトリウム、硫化ソーダーで煮て(蒸解)濾過しパルプ繊維を取り出す。次に二酸化塩素や過酸化水素で漂白。。。。。など多くの水と薬品を使用し、海を汚染しないように後処理にも複雑な工程を施す。製紙はエネルギー消費産業でもある。対策としてパルプになっている古紙からインクを取り除き(脱墨)、ブレンドすることで辛うじて成立している。
参考:三菱製紙HPhttps://www.mpm.co.jp/env/pdf_ex/2006/2006-09.pdf
ここにショックなのは古紙が集まらない事態になっている。スマホ、タブレット、パソコンからの情報で十分と考える若い人が多い。ビジネスマンでも日経など新聞をタブレットで通勤中に読んでいる風景がある。
知人が面白いことを言った「新聞を見て価値のあるのは株式面だけだ!」エッ?この人は株取引の達人? でも刻々変化する株価を新聞では遅いのにと思っていたら、当方の納得いかない顔を眺めて、「いやいや、株価の上下する記号△▼を見ると業界全体が分かる。木を見て森を見ない投資家は素人だ!」と。これには納得。けだし名言である。
そのような流れで新聞購読者が激減している。ちらしも新聞数と比例するので、これも減少している。統計はあるのだろうが、マンションや町内会での資源回収の日に古紙が集まらないことを見れば分かる。中国が古紙や廃プラは受け取らないので、国内にあふれているかと思いきや、古紙は東南アジアに輸出されており、紙袋の生産も中国からベトナム、カンボジア、タイに移動している。 皮肉なことに紙袋の主な用途は樹脂ペレットを包装する樹脂袋用。これが現実。
デパート向けの紙袋は厳しい価格で合わない。たしかにデパ地下で惣菜をポリ袋に入れるが、有料ポリ袋を利用しても、階上の売り場では無料で紙袋を配っているのがデパート。平均的に1袋が15円~20円(印刷の色数にもよる)をユーザーは無料だと意識しているので、デパートにとってはたまったモノではない。
本音はプラにしたいところだろう。雨の日になると紙袋の上に薄いポリエチの袋をカバーしないといけない。一体なにがエコフレンドリーなのとデパートも気づいている。それに納入しているパッケージメーカー、商社は大赤字が現状。もうしばらくすると、トイレットペーパーに異変があるのでは?と予想される。 つい最近は製紙メーカーの火災も影響はしているがティッシュが品不足になっている。そのうちサニタリー装置も温水洗浄だけでなく、乾燥ユニットも付帯するだろう。手洗い乾燥よりは優しいのが好ましいが(笑)。街からティッシュ配りもなくなるだろう。
それよりもエコと人に優しいことをしょう。それは食品ロスの低減協力。
ライス、パン、ラーメン、ハンバーグ、、、、、なんと全世界では1/3が廃棄されているとの統計がある。日本では約600万トン/年。プラスチックス国内生産量より多い。賞味期限前でも廃棄されている。欧州では余剰の食品は教会やボランタリー団体に寄付し、食に困窮している人に配っているシステムがある。それを真似してお寺がしても良いのだろうとは思うがいかがか。
廃棄食品の有効利用を促進するアプリが登場している。(TABETE, Reduce Goなど)こちらは面白いの普及して欲しい。だが、肝心なのは賞味期限を延長すること!。その為のパッケージを開発すること。
紙袋は不十分。トータルすると回り道のようだが、賞味期限延長のプラ材料、容器を開発することに帰着する。今ではすっかりおなじみのエージレスは三菱ガス化学が開発した。プラ材料のメーカーでもある。別の手法で寿命延長材料開発を友人が挑戦している。 海ゴミ問題は別の対策するのが本筋と言うべきだろう。