QR決済かPay Payにして下さい。誰でも知っているストアで言われて驚いた。レジ担当の言い分は「精算機で紙幣や硬貨を入れる場合、紙幣が戻ってこないことを確認する手間がかかるのです」 そのような背景があるとは知らなかった。
品物のバーコードを読み取るのは従業員、それを客は指定された精算機で支払う仕組み。経営者なら手数料3%前後を管理会社に取られ、入金は翌月なら、現金支払いの方が好ましいだろうと考えていた。現場の従業員の立場では関係ないらしい。従業員が機械精算に不慣れた客にアドバイスする様子は見るが、紙幣が戻ってくるか否かを確認している風景を見たことがない。
以上が先月、筆者が経験した顛末。精算して他の商品を追加しようと探していたら館内放送があり、先ほどの売り場まで来て下さいと呼び出された。行ってみると精算機に入れた紙幣がその後で戻ってきたとのこと。客が変なことをしなかったのかを知りたいとのこと。そして冒頭の発言が飛び出したのだ。戻ってきた紙幣は折り畳部分なく正常。精算機の不具合を調べるのが先だけどなぁと思いつつ現場検証?に立会い。
政府の目標はデジタル決済の割合を80%とおいている。ビジネスの流れが可視化できるなどメリットはあるのだろう。大きなストアとならずとも小規模商店が連なる戸越銀座は殆どが政府の肝入りでPay Payを導入したのが数年前。だが、現実にお店で聞くと「導入したから客が増えたことはない」と至極まともな声。食堂などは現金を触ってレジした後は丁寧に手洗いをする必要がありデジタル決済の方が良いのはわかるが、それ以外の物品販売では本音は現金が好ましいと推測。
QRは処理中に背後から撮影されないよう注意が必要だし、Pay Payも残高をみようと思えば可能だとしたら、残高が少ないところを見られるは恥ずかしいので使用していない。
NHKクローズアップ現代の中でQRコード詐欺が報じられたが、偽ECでの購入にハマると大変なことになるのもQRコード決済をしない理由。まだまだセキュリティが完璧ではないのでは?と見ている。(もっともイタチごっこで完璧はありえないが)。
最近のレジでは時間がかかっているところが増えた。その理由はスマホでポイントを貯める際に、1回の買い物で2〜3の種類のアプリにポイントが貯まるシステムのためでもある。先日3つのポイントが貯まるとあって、スマホをいじる必要があった。
後ろに並んでいる人に悪いなぁと思いつつ。お店によっては買わなくても入店しただけでポイントが貯まるとのことだが、それをする度胸はない。ポイ活と現金支払い云々とは関係がないが、結論として紙幣は残しておいてほしい。
精巧で偽札が絶対無理な印刷技術で外国紙幣も日本で印刷している程日本紙幣印刷レベルは凄い。7月3日から新紙幣が発行される。3Dホログラム印刷など新技術が織り込まれている。印刷技術は将来の1nm半導体印刷などの基礎技術でもあるので技術(技術者)が継承できるが好ましい。
余計な苦言だがPay Payとなぜ客に2回も命令形で言うのか?奥ゆかしい日本の礼儀に相応しくない表現だと思うのは小生だけかなぁ?
お年玉、賽銭、ご祝儀もデジタルになるのか、読み取り機ですぐに金額が知られるのは気が引ける。また「現金な人」の言葉も若い人から見ると現金派の人と誤解されるだろう。
たまたま、この原稿を書いているときに親戚の幼児が来た。泣き喚く声が止まない。そこでアニメグッズを渡したところ、ニコニコ顔で愛想を振りまいた。現金な子だね〜 となる。
昭和も40年あたりまでは小さな商店ではつけ払いがメインで、現金30〜50%程度。月末になるとつけ払いの請求書を起こし届ける。そして翌月末か2ヶ月後に集金に歩くシステム。だから現金支払いが余程お店としては助かる。現金支払いとなると“ありがとうございましたぁ!”と一段と声が高い対応となる。これを「現金な人」という。知っている人も少なくなったのではなかろうか。