経営理念比較

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京セラ設立、KDDIからAUへ拡張、瀕死のJALを再建された稲盛氏が逝去されたとの報道を受け、メデイアは一斉に同氏の活躍、とりわけ経営理念について紹介されている。鹿児島大から松風に就職されての独立は歯科関係者として縁を感ずる人もおられよう。

稲盛経営12ヵ条、六つの精進、従業員をやる気にさせる7つのカギなどはなるほどと思いつつ、なかなか実践するとなると厳しいと思うのが正直なところではないか。これらはWEBを通じて詳細を知ることができるので、あえて記載しないが、側近や指導を受けた方々のエピソードが面白く役に立つ。

その一つが接待は牛丼。大事な相手であれば、それ相当の格式のある場所で、それなりの費用を負担しての接待が普通。だが有楽町の吉野家が定番とのこと。偉くなられた人だから、時間を共有してもらうだけで光栄と思うレベルに到達していればこそであり、そうでなかったら「あいつは世の中を知らない、ケシカラン!」と怒るだろう。

きゅうりを買う時のエピソードも思い当たるところがある。数字は忘れたが、10本300円を買うか2本100円を買うかの選択では、後者を選ぶとのこと。将来利用するかどうかわからない設備に投資する方よりは現在の設備の合理化を徹底することが収益につながる。確かにその通りだが、大型設備をすれば仕事が来るとの考えは昭和40年までの話だが、案外今もこれに囚われている経営者は多いのではないだろうか。

中小企業の経営者が稲盛氏に状況説明した「全部借入金で設備を新設する」。それを聞いて、借入金はやめなさい。自己資金で賄える範囲が好ましいと説得した。確かに右上がりを期待しがちであり、自社の技術を強く信ずるほど、そうなりがちだが、稲盛氏は右下がりの確率もあることに注意が必要と諭されたとのこと。その後の相談者の会社は自己資金率の改善を図ったとのこと。

経営者だけでなく技術者は技術に惚れ込むところから何倍も期待値を高く持つところがあるので、仲間内だけでなく冷静な判断をする人と知り合っているかどうかがポイントとなる。幸い、筆者にはありがたいことに以前の上司だったF氏がおられる。何度か救われた。

筆者が知る京セラ勤務の人は転職組だがスキルもさることながら、人柄が良いことで社内にて重宝されそれなりの立場になった。決して給料が高い会社ではないが、更なる転職する意識はないとのこと。

人柄が良くて周りから頼りにされるほど、新しく未知の分野でも勉強して頑張ることを経営者も見てのことだろう。12ヵ条には努力する・燃える闘魂など精神面の文章もあるが、どこかの会社と違ってギスギスしていない。それだけに闘魂の文字はあるがジワジワと心に浸透して、いつの間にか有益な人材になるのだろう。あの笑顔も触媒効果が大きいのだろうと思う。上述の筆者に対するF氏。よく聞けば厳しいコメントであるが、笑顔と相溶化し、微細にコメントを微分することで、心に浸透溶解させてくれる。

笑顔(明るい姿勢)は良い成果をもたらせてくれる。コスモサイン加藤社長も笑顔が素敵な人だ。

さて、タイトルは経営理念比較である。「比較」に何を持ってくるか、相当規模の会社で社会にインパクトのある会社となると(例えば)今話題の会社の○通になる。その社員行動規範はWEBでは見ることができるので。興味ある人はチェックされたい。女性社員が自ら命をたたれた会社の背景や、今話題の案件で疑惑がもたれている(現段階ではあくまでも嫌疑止まりなのでブログでは、それが目的ではないので取り上げない)

1952年当時の社長が作成されたものであり、今なら彼を責めることもあると思うが、当時は戦後の闇市が幅を利かせていた時代。空襲で焼け野原になったが土地区画帳簿も消失した当時はどうなったか? 成金が跋扈し、腕力のある人物が区画を勝手に拡張して杭打ちをするような乱暴狼藉が罷り通ったところもある。

そんな社会背景があり、生き残るためには悠長なことは言っていられないとして、この行動規範ができたのであろうと解釈していた。だが、残念なことに改定し現代バージョンにしなかった。改定文章はたとえあったとしても経営陣のDNAは受け継がれていたものと推定できる。

経営理念の改定と徹底が待ったなしであるが、社員がそれに遵守するかどうかは経営者の哲学を見ている。その意味で稲盛氏の六つの精進とは非常に重要だと思う。ここにネットから抜粋しておく

 

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