能登半島地震

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1月1日16時までは全国平穏なお正月を迎えていた。それが突然の地震と津波情報で雰囲気は一変した。震源の震度7には驚いた。かつ震度1が全国津々浦々まで記録したことは覚えがない。震源が能登半島先端から始まり佐渡方向に約150kmの範囲で群発しているところから海面下で岩盤が雪崩的に崩落していると予想される。私事になるがおもてなしで有名になった加賀屋に泊まり海岸ロードを楽しんだことがあるだけに関心は人一倍。

「震度」は被害状況レベルを表現するのに対してマグニチュードは地震のエネルギー強度を表現する。能登先端は今回の地震で1.3m西方向にずれた。マグニチュード7.6と極めて大きい。参考までに阪神淡路大震災は震度6 マグニチュード7.3  鳥取県西部地震 震度6強 マグニチュード7.3 東日本大震災 震度7 マグニチュード9.0 熊本地震 震度7 マグニチュード6.5である。震災の表現は地震だけの被害に加え津波・火災による被害が甚大であると考えれば納得する。

その意味で能登地震の余震は震度4〜5レベルが1ヶ月以上継続するとの報道があるので震災にならないように祈るばかりだ。

能登半島では三年前から群発地震が発生していたとの報道がある。地震予測は困難中最大の困難とのことである。だから南海地震が発生した時の物流補完対策として北陸新幹線を東海道新幹線の建設を急いだ。本年の3月に敦賀まで延伸することになっている。皮肉なことに北陸が先に地震の影響を受けることになった。しかしながら北陸新幹線は2日の15時には速度制限や運休便はあるものの回復している。日本の新幹線建設・保安技術のレベルの高さを認識した次第。

一方経年劣化もあるのだろう家屋の倒壊が多い。屋根は軽量が好ましいが、みたところ重い瓦屋根の家がまだ多い。かつ平野部が少ない漁村の典型的風景であるが建築物が密集していることもあり火災・延焼で焼き尽くされる。区画整理や耐震基準の建物に建て替えるだけ経済基盤や親子継承が断絶しているなど諸要因を見ることができるのではないか。短期的な救援策ではなく、都会集中から地方分散に移行させるにはどうするかの政治的な見直しが必要だろう。

地震予測が困難であっても、準備は怠りなくする。震災があったら和もって復興する。そこが日本。

昨年12月に筑波大学が興味ある文献を発表しており地盤は動いていると再認識した。タイトルは「温泉水は水の化石? 温泉に含まれる特異成分から超深層水循環の実態を解明」である。

要旨は「水と岩石の相互作用を数値モデル化し、中央日本の温泉水に含まれる非天水成分が、150 万年〜500 万年以上地圏に閉じ込められていた水であること、またその場所が、フィリピン海プレート、太平洋プレート、および特定地域(新潟・南西群馬)の海底堆積物の3カ所であることを明らかにしました。」

新潟や群馬県の温泉から採取した温泉水から雨水や雪由来の天水を除いた水(H2O)のH(水素1)の同位体2H、O(酸素16)の同位体18Oの割合の分布を測定して非天水の性質を調べ、それと対応するフィリッピンプレート、太平洋プレートが日本大陸に潜り込む時に放出される水が150 万年〜500 万年以上地圏に閉じ込められていた水と分析された。

これって凄くないですか? フィリッピンプレート、太平洋プレートが温泉地まで来ていたことに驚く。温泉に浸りながら何万年前の地震どころではない地殻変動があって今があることに。今回はユーラシアプレートがどのような作用で動いたのか、加賀温泉郷(石川)、芦原温泉(福井)、有馬温泉(兵庫)三朝温泉、皆生温泉(鳥取)なども調べては如何でしょうか。

精密な地球観測衛星、地下地盤中の化学成分、そして地表の地震計など多方向からの監視ができるのが日本の実力であろう。

今ちょうど正月の菱はなびら餅を頂いている。味噌餡をコア/中間層/羽二重餅を表層からなる柔らかいお菓子である。一方を押せば餅全体がしなやかに変形する。地球の地殻はマグマの対流などにより変形しやすいものと誰も知ってはいる。だがお願いだ。せいぜい1万年間隔にして欲しい。被災地においては遅れるものの本当の正月が早く訪れることを祈る。

追記) このブログをアップする直前に羽田空港での日航機と海保機との衝突事故が発生。海保機は能登半島地震に救援するためとあって非常に残念な事故となった。地震にお亡くなりになった方々、支援のためにお亡くなりになった隊員の皆様にご冥福をお祈りします。

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