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♪ゆ~き~が~降る。あなたは来ない~。東京に雪が降ったので口ずさみたいところが、直ぐ降り止みトピーカンの翌日。情緒がない。友人からは「雪が降ろうが降らなくても、あなたはには来ない!」と言われたことも。空を見上げどこかにきっと と乙女チックな男は他にもいるだろうに。

雪国ではこんな暢気なことは言えない。毎朝、除雪してから通勤・通学する風景が当たり前で重労働の割に生産性は全くない。豪雪地帯がある。積雪量が多いのはわかるが、理解されないのは雪質。北海道や長野では粉雪で家庭でも買えるミニ除雪車で吹き飛ばすことで除雪が可能。だが、北陸地区では水分たっぷりなので吹き飛ばすことはできない。サンパチ豪雪(昭和38年)の時はスコップよりは氷屋で使う大型ノコギリでブロック状に雪の塊を立方体に切り取り、チェーンを掛けてお城の石垣のように積み上げたと聞いたことがある。それほどガッチリした固さの雪塊。日本海側を走る列車から田んぼの真ん中に高層マンションが建っている風景を良く見る。買い物には不便だろうにと思うが、さにあらず、雪かきをしないで済むことが最大の理由なのだ。北陸地区は豊かであるが、それにしても鉄筋コンクリートの建物が多い。これも除雪頻度を下げたいことにある。

雪のない地域に慣れ親しんでいると、この感性がない。湘南平塚選出の河野太郎のお爺さん河野一郎が建設大臣(今の国交省)だったとき、珍しいことをした。自衛隊に出動命令をしたのだ。隊員は北海道、三重、鹿児島の陸上自衛隊。火炎放射器を帯同しての突撃命令である。戦争でもない平時に隊員が一列に並んで雪の壁に火炎放射。大臣は半日もあれば解決すると談話したが、連絡がこない。雪は火炎放射に耐え?僅か半日で10cm溶けただけ。午後には燃料も尽き、火炎放射器をスコップに持ち替えての作業。ここでも誤算。雪慣れしている北海道部隊は活躍。雪を初めてみる鹿児島と三重県久居ヘリコプター部隊は足をとられ無駄な体力消耗で効率ダウン。

それ以来、道路には融雪パイプや道路ヒーティングシート(カーボンブラック配合樹脂)の敷設が進んで、往時の豪雪トラブルは解消した。。。。と思っていたら、一昨年は極僅かな時間に集中豪雪があり、それでは間に合わなくなってきた。 このときの国交省及び防衛省は反省をして精鋭部隊を送った。北極からの冷気吹き出し異常現象変化。酷寒の地に赴任している友人から試しにバナナで釘が打てましたなど報告があった。

さて、こうなると、自然天候との知恵比べが開始される。またとないビジネスチャンスの到来でもある。30年ほど前は雪雲が発生したら銀粒子を空に撒けば核となり雨に変わることを実証した事例がある。銀粒子に変わるものは何か??。そこは感性のある地域の大学などが研究しては如何かと。

春になると雪国の道路は地方自治体の経済状態のバロメーターになる。リッチな地方自治体はブルトーザーで傷ついた道路が直ぐ修復されるが、そうでない自治体が増えているように思う。田中角栄は新潟はどうして雪に見舞われるのか、越後山脈があるからだ、それならいっそのこと山をなくせばと考えても不思議ではない。列島改造論には豪雪地帯ならでは想いがあるように想像(妄想)している。

最後に、雪質のよい北信越スキー場で華麗なターンや雪をかき分けてのスラローム。ゴーグルを外さなければモテる。ところが中部飛騨高山や北陸のスキー場ではターン技術が未熟だと綺麗に曲がらない。ゴーグルを装着したままでもモテない。それほど雪質が違うのだ。長野オリンピックのルージュのワックスを設計した某大学教授は自信満々だったが、試合当日は朝からの雨、これで残念な結果。雨でも優勝できるWAXを開発すべきだったとは後の祭り。外見以外にもモテる要素が必要だと分かるのは年齢を重ねる必要がありそうだ。

因みに、雪面とそりの界面の摩擦抵抗を解析するにはトポロジーが差配している。このトポロジーを上手く利用しているのが3Dプリンター。 滑って転んでもただでは起きない感性も技術進展には必要だ。

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