CD・DVDリサイクル

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何年ぶりだろうか、CDショップを訪れた。30数年前に流行った曲が再燃しているとあって、当時のCDもしくはカバーCDがあるだろうかと。横浜でも最大のショップ。昔はビルの中心部を占めていたが、今は地下の一角に、日曜日だというのに訪れる人も疎らで中高年が目立つ。イマドキCDを買うのは時代遅れなのか、デジタル配信が中心になり、わざわざ出かけることもなく安価に手に入れることができる。モバイルに保存して通勤時に愉しんでいる。イヤホンコードがやがて無くなりBluetoothになるのも時間の問題かと思われる。著作権に疑問はあるが、You TubeからMP3に無料ソフトでダウンロードできる。DVDにも転送することができる。これら一連の操作を苦も無く若い人はサッサとできる。中高年はそうは行かないのが現実だ。

話は脱線するが最近のクルマ「コネクテッドカー」電話はBluetooth,ナビの行く先は音声入力、センターとのガイダンスを受けることも可能、Google機能搭載・・・・。昔のクルマ運転の腕のみせどころは坂道発進、スマートなコーナリング。なめらかな縦列駐車だったが、今はこれらの電子機器をスマートに使いこなせないとダサいと評価される。確実に時代は変わった。

話を戻す。CDは透明なポリカーボネートを基板として、その上に色素記録層や金属反射層、保護層、下塗層、塗膜層、ハードコート層、反射防止層などが設けられている。ご存知の方が多いと思うが、CD、DVD、ブルーレイは主としてケミカル会社が製造販売している。アルミなど金属反射材料以外は化学品であることと関係している。特に色素記録とは有機化合物に光が照射されると分子の形が変化する/変化しないをデジタル信号1,0,1,0.・・・として記録するもので機能性色素を開発した。

20年前はCD、DVDの生産量が増産につぐ増産状態で、製造に伴う工程内不合格品をどうするかが問題であった。「リサイクルをしよう!」かけ声はいいが、色素、金属反射、ハードコート層などを除去する必要がある。これらが少しでも異物として残留すると光を乱反射させ正確に10101を刻むことができない。ポリカーボネートをプラント製造する場合に最も気を遣うのは微粒のゴミである。製造プラントからローリーで輸送する場合も窒素ガスを封入して圧力を大気圧より高くして、外部からの混入を回避している。

そのCDからゴミのないポリカーボネートを回収することは1000%無理と判断する人が多いなか、社長からトライしてはどうかと背中を押されて検討し始めた。その頃、写真フィルムや偏光フィルムをリサイクルしている会社が南足柄にあることを知り、写真の感光剤が残留しない技術に驚き共同研究を開始。プラントも同社内に建設し営業生産を開始した。再生ポリカーボネートをDVDや自動車部品へ利用することができた。CDと自動車部品では要求品質が異なるので、再生品を原料とするコンパウンドでは分子設計に工夫をこらした。ご興味有る方は特許・特開2006-89509を参照願いたい。

この研究が切っ掛けでNEDOの3R諮問委員として活動した。30年後の3R政策にアドバイスするものであるが、めったにない良い経験をした。背中を押した社長のもう一つの思いを知ったのは後だった。

 

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