10月は各種展示会が目白押し。ビックサイト、横浜パシフィコ、幕張メッセ、その他とこちらの時間見合いで駆けつける。日本企業の他に中国企業が4割を占める展示会もある。以前は日本から吸収するだけの国柄が日本にPRする立場になったこと、また諸事情があるのでしょうか日本市場に攻勢をかける必要性があってのことだと思う。
展示会出展には費用がかかる。コスモサインは昨年秋のデンタルショーに6コマブースをセットした経験があるだけに、展示会の経済的負担におおよその感覚はある。
首から下げた入門証にQRコードが印刷されている。出展者は運営会社からQRコート読み取り装置を借用するが、その費用が1日6万円。それを借りないで名刺交換やノート記載の従来パターン会社もあるのは理解できる。
今回、新富士駅近くの会場「ふじのくにバイオセルロース展」に久々に足を伸ばした。セルロースナノファイバーの開発企業の一つ日本製紙の工場横の展示場。セルロースナノファイバー(CNF)ブームがあり、CNFや樹脂とのコンパウンドなど企業が参加している。
ここで意外な経験をしたので紹介する。展示会は多くの場合、前日にセットして、翌日の10時にオープンする。今回もてっきりそうだろうと出かけた。だが現地に着いてみると、準備を開始したばかり。
一般客は午後からだと言われたものの時間潰しの喫茶店など近くにない。ちょうどその時、顔馴染みの会社から出展者の入門証を頂いたので出展者メンバー一員として会場内に入った。各社の準備段階を見ながらの情報交換などができた。
各出店社の準備は着々と進む中、一向に準備が進まないブースがあった。机一つ、椅子一つがあるだけ。遅刻してくるだろうと思っていたが、オープンになったらご高齢の方一人座っているだけで、机の上にシートが1枚おいてある。説明パネルなし。説明資料パンフもなし。誰も近寄らない様子。何をしに来たのか考えるほどだ。123のブースがあり盛況のなか珍しい。今回は静岡県支援とあってブース参加費用は無料なので、机1つの企業も出展資格はある。
当方は間違って早く到着し、セットアップ中に情報交換も略終わっていたこともあり、その空白ブースが気になって近寄った。説明は「シートにバシャと掛けてね〜。それでOK」のみ。禅問答みたいで、この程度の説明でわからないような人には用事がない・・と言っているような雰囲気さえある。
挑発されたものの、あっと気がついた。そこでその人に「このようにしてみて下さい」とお願いしたら、今度はその人がえっと驚いた。相手もそのような機能があるとは予想外だった。冗談のようだが、本当の話で、それから当方は某テーマに取り入れるかどうか検討することにした。
大企業は大きな展示会に何度も出展し発表することができる。資金規模が違う。ただ、新しい見方・発想ができるか否かは企業サイズとは比例しない。下手をすると大企業は同業他社と同じような発想で開発をしていることも多々ある。レッドオーシャンとわかっていてもだ。奇想天外の発想は開発の対象からどうしても排除されることもある。
机1であっても価値ある発想を受取る企業があれば実用化に結びつけることができる。それなりの企業が出展している展示会は見るが、今回の展示会では、たとえ机1つの企業からネタを掘り起こすのも必要であると感じた。展示会への視線・視野を変えることは面白い。