連日の猛暑。「命に関わる暑さです。不要な外出はしないで下さい。」このナレーションが流れない日がない状態。汗腺の数が少なく孔径が細い幼児~中高生、および高齢者は特に注意が必要とのこと。駅などでスーツにネクタイの高齢者を見掛けると無理をしないでと声を掛けたくなる。その駅で通勤途中のサラリーマンが熱中症で緊急搬送されるのを目撃した。寝不足も原因になるのだろう。昼の能率上がらない仕事を自宅に持ち帰りカバーしたとしたら気の毒。
地球温暖化説は間違い・嘘であるとご高説をたれる一部の大学教授、マスコミ関係者の言われることを否定する証拠を自分は持ち合わせていないが、この猛暑・酷暑それに伴う豪雨が続けば地球温暖化説に大きく傾いた上で有効な対策をするのが大学公的研究機関及びこれをビジネスに結実させるべく研究開発をする民間企業が本来あるべき姿だと思う。温暖化を否定して何もしないで人の命が失うのは堪えられない。
日本の温度変化は100年間で気温は図に示すように右上がりで1.19℃上昇している。(日経記事引用) 周囲の海の温度も高くなることから、飽和水蒸気濃度も高く、雨量が増える流れは理解できる。それでは何故温度上昇するのか? 炭酸ガス濃度は産業革命以来増加し続け400ppmまで到達。だから炭酸ガスが主原因を唱える人が多い。もし炭酸ガスがなかったら地球の温度はどうなるかご存知だろうか? 答えはマイナス18℃。宇宙と同じ。地球の平均温度が15℃なので合計33℃が炭酸ガスの温室効果となる。太陽からの熱線を炭酸ガス層が反射して地球の温度をキープしている結果である。当然ながら地球の熱を宇宙へ放熱する際には炭酸ガス層は断熱材となる。
太陽光は紫外線~可視光~近赤外~遠赤外のスペクトルを有しているが、熱線となるのは近赤外~遠赤外である。この領域の光を吸収する化合物は多々知られているが反射する化合物は限られている。日傘や駐車時の反射シートなどはアルミ蒸着シートが利用されている。但し、可視光は通さないので透明な熱線反射日傘は(価格見合いで)実用化されていない。可視光を通すが近赤外・遠赤外を遮蔽する化合物として20年以上前までの輸入車のサイドガラスが緑色をしていたことで分かるように銅化合物が利用されたいた。透明な樹脂に配合しても熱線遮蔽効果はあるが、国内の自動車メーカーが要求するレベルまで配合すると可視光透過率が低下しまるでサングラスカーのようになって好ましくないことがわかった。いまは往年の外車の緑色ガラスを今はみることがない。UVカットガラスは自動車に限らず、車両、建築物に利用されているが、熱線反射には輝度ガラス、偏平形状の雲母、アルミ粉末などを配合するケースがあるが、所望の透明性にはならない。
正解がなかなかない中、液晶での対応が試みられている。25年ほど前、ジーイープラスチック(GEP)がコンセプトハウスをNY州オーバニーに建設し話題となったので見学した。地下のボイラー廻りはエンプラ発泡断熱材(これはGEP得意の変性ポリフェニレンエーテル)だがキッチン廻り、窓廻りは実は日本メーカーからのコンセプト提案であり窓については二重ガラスで液晶がサンドイッチされていた。スイッチオン・オフで遮光・透明と変化する。カーテン代わり。現在の航空機の窓にも採用されている。しかしながら透明ではない。液晶をコレステリック系(螺旋構造の分子)とし、極薄層とすることで透明性が確保できる特許が出願されている。コレステリック液晶では(詳細割愛するが)熱線反射率が50%なので、螺旋の反対回りのコレステリック液晶と混合することで透明性を高めることが報告されている。
街を歩けば、ミストシャワー設備が徐々に増えてきた。蒸発潜熱を利用しての打ち水の応用である。先日、京都駅前でバス待ちをしているとバス停の上にミストシャワーが稼働していた。但し、冷却効果はイマイチ。何故かと見上げるとバス停の屋根が透明樹脂(PMMAかPC)で熱線が通過しており熱バランスが取れていないのだろう。京都市バスの色は薄緑なので、ここは銅イオン化合物を混合した樹脂を利用するのがベターだろうと考えてバス待ちをした。一方、ゴーヤや蔓で熱線反射に利用している工場がある。樹木は高さ10メートルを超えても水をポンプのように汲み上げて上部の葉まで運んでいる。葉の表面から水分を蒸散させている。室温近傍で水が蒸発させることを樹木、植物は何気なく実行している。慶応義塾の佐藤春樹教授はこれにヒントを得て多孔質のセラミックスを冷却システム利用の提案をしている。樹木、植物は熱線反射と水分ミストによる熱線反射及び蒸発潜熱の3役を果たしている。
地球規模でこの植物を乱獲して砂漠化しているのは人間。図は年々緑が後退して砂漠化ししている地域と緑化維持している僅かな地域(日本などごく少数)。炭酸ガス問題・・・石化・・・樹脂・・・レジ袋。。。。短絡する前に留まって考えて欲しい地球環境。砂漠の緑化(これも日本企業が健闘)と短期的収益狙いのプランテーションについては抑制することが必要と思うが如何だろうか。