新型コロナウイルスの影響で仕事のやり方に変化がでつつある。典型的なのは出張禁止措置。代わりにTV会議の利用が増えてきた。従来は海外との通信には利用する以外は、装置は一種のお飾り的な存在だった。これが国内でも活用されると、画面の乱れや固定焦点、マイクの性能など挙げれば欠点はあるものの、トータルすると「非常に便利」となる。TV会議を終えたところで、こちら側の人々とface to faceで会議の中身とこれからの方針などの意見交換をすると、意見の幅と深みが相当違うことがわかる。会議の目的と内容によって使い分けて行くのが現実的か。
事務所の応接室が利用禁止なので、申し訳ないが喫茶店をと指定してくる企業。喫茶店に行けばよく似たビジネスマンで空いている椅子を探すのに苦労。人口密度は企業の応接・会議室より高い矛盾。企業としての「やってます」的姿勢に呆れるが、実働部隊としてはネットでは埒があかない事案だけに、face to faceで事を進める必要がある。その事情はお互い様。
研究所が閉鎖なので、サンプル受け取りは守衛さんとして下さいとの連絡。守衛さんから体温チェックを受け、アルコール消毒をしてから入門票に記入。でも研究所建屋とは別の小屋にサンプルが置いてあり受領。普通ならサンプルに関する生の技術情報交換をしつつ受け取ることで、技術的にも人的にも効果があった。でもこれが出来ない。
今回の負の影響はこちらが圧倒的に大きい。研究所でもシーズテーマは少々時間的余裕があるかも知れないが、他社とのコンペを展開中のテーマを抱えていると閉鎖は実験・確認が出来ないだけに厳しい。特に長期物性 例えば材料の繰り返し疲労特性、吸湿による材料変化、ヒート&クール試験、耐候性評価などは短期間でも3ヶ月、長いと3年もの間データーを蓄積している。
筆者の場合は大学の研究インフラを利用している。入試の季節になると大学は閉鎖となるが、当方には2年の吸湿状況をフォローするテーマがあるので、入試期間中のデーターは信用性がなく、前後のデーターで補正するしかない。今回、新型コロナウイルスで突然学長命令で1日閉鎖した。たった1日でどうにかなるモノではないが、大学としては「やってます」態度を見せることが重要だった。
さて、多くのビジネスマンは自宅勤務を強いられている。ネットのセキュリティ問題もありパソコンの持ち出し、自宅での使用を禁止している企業が多いが、こうなるとどのような対策をしているのだろうか。自宅勤務も既に3週間。部屋のドアには「勤務中」の表示をして意識強くしているが、つい、キッチンでコーヒーを淹れたり、TVを瞬間点けたりと緊張感がやや欠けてくるのも事実。でも家族の監視の下では「会社での働き以上に見せる」必要がある。起床するや洗顔する前にパソコンを起動、そのまま仕事に突入。いつ朝食を摂ったのかも怪しげに、ずーっと仕事・仕事・仕事。 極端に言えば、就寝中に目が覚めるとパソコンの生活。働き方改革としては如何がるものか。通勤時間カット分はできるはず。。。。だが、そのテレワークの結果はコロナウイルス騒動沈静後に判定されるであろう。
飲み屋さんも人が減ってきた。最近はZoom やCluster で仲間同士でバーチャル飲み会参加、ゲーム参加のみならず、学会も開催がなされている。仕事の机やソファーで缶ビールを空ける。個食よりはずっとマシ。でも、これって若い人ならばこそ容易にスマホ・PC操作ができるからである。シニアも邪魔にならないように配慮しつつ参加しないと会社でも片隅に追いやられ、情報化社会でも参加することができず。世の中に自分の姿が見えない状況になってくるかも知れない。と思うと、自宅勤務をチャンスに変えて挑戦しなくては。
先日、中小商社のご高齢の社長から至急合いたいので来て欲しいと電話。時間指定。行くのは気晴らしもありいいのだが通勤ピーク時。気持ちマスクの内側にさらにガーゼを追加し、伊達眼鏡を装着。至急とは何でもなく、過去と同じ案件で答えも繰り返し。この年齢で社会が見えていない。決算は悠長なことを言える立場ではないのにと。中堅社員とランチを共にしたところ、ズバリ懸念材料がゴロゴロ。ネットには挙げられない生情報は貴重だ。
景気が落ち込むことで、いままで、違う分野だからと知らなくても良かった言葉を普通の人でも「常識」として持っていないと拙いことになってきた。 先日、ある社長との会話で「DESをやられそうなんだ。」と。そうデスかと相づちを打ったものの、売掛金の借金棒引きに近い株にスワップするのだろうとぼんやり考えた。ドイツ銀行のAT1債のオプション行使しないとかなんとか。。。ちんぷんかんぷんの話は他山の石ではなさそうだと理解しても、それって日本の銀行と日銀がドンドン金を市中にだしていることとどのような関係があるのだろうか?と理系・文系に限らず理解しないといけないのだろう。両方の話も共通しているのは自己資本を強化するか守るかであろうが、願わくば他社資本率を下げるための、貸し渋り、貸し剥がしの言葉はもう聞きたくない。
筆者が関係した企業ではROE数値がある基準を超えないと世界の投資家から見捨てられるとして、ポートフォーリオの精査と実行をした。他社に譲渡した事業が多くあった。しかしながら捨てられた?事業はその後大復活! 育て方に問題があったのだ。目の前のROEを満たすために物理的な処理は長期的には本当だろうか? 投資家はROEだけを見ているのはないはずと思いたい。思うに無形財産の蓄積量・質がこれからの投資基準になる。そのことは別の機会にブログを書く予定である。自由時間が増えた分は「常識人」に近づくためにも。
何でも、表があれば裏がある。良い面を考えよう。その一つがご家庭での役割分担の変化の機会と考える。家事負担の割合いを増加・子供教育のフォローなど相方に依存させていたことを学ぶことで家庭が明るくなると考えるがどうだろう。