身近なAI、DX

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ビックサイトでAI,DXを中心にした展示会が開催された(4月6日〜8日)。縁がないなぁと思いつつ東京都産業技術研究センターで打ち合わせの後に立ち寄った。

会場は芋の子を洗うような大混雑に、AI、DXを縁遠いと考えるようでは時代遅れとレッテル貼られそうだと気がついた。名前を知っている会社は少なく、多くのベンチャー企業が軒を連ねて呼び込みの連呼・パンフ・販促品渡しと賑やかなこと。RPA・RPA・RPA・DX・DX・RPAとお祭り囃子のごとく。

東大西垣名誉教授の言われる「うわついたAIブーム」の雰囲気。久々に戻ってきた活気だからまぁいいか。AIといえば、顔認証による改札かな?それとも自動運転、医療関係の画像解析診断、翻訳などの深層機械学習だろうとの予想は綺麗に裏切られた。

AIで目立ったのはチャットボット。確かに身近なAI。従来であれば0120の電話で始まるコールセンターを呼び出し、#ボタンを押して目的の問い合わせ箇所につながる。だが、後でかけ直して下さいと機械音声。この繰り返しで疲れること度々あった。

チャットポットであれば、あやふやな問いかけでも大凡の答えを直ぐに返してくる。以前の機械学習では“あやふや”は拒絶され完全一致検索だった。たが今はそれが解消されている。今はそれがどうした?と不思議がる方が不思議なほどに進歩している。管理する方は何の質問・問い合わせが多いのか、その時間帯は、回答への満足度などチェックすることができ、改善点につながる。もとより窓口業務の合理化が大きい。問い合わせる方の疲労感も低減する。HPの問い合わせコーナーから投稿しても返信がない企業もあるだけにこれは良い。

ただ、問い合わせを予想して回答をあらかじめ作成しておく必要があるのは当然で、異なる問い合わせがあれば学習して追加しておく作業が必要だ。実はここが肝心なところ。冗談でチャットポットの説明員に「貴社には○○は何人いますか?」と質問があったら、どうするのか?」と聞いた。答えは「経年変化する人もしない人もいます。する場合は補充採用します」と。お見事!(注○○のところは読者の方が埋めて下さい)。

不真面目ついでにもう一件。部下の報告書を上司が添削するソフトの紹介がありDXだという。どこかオカシイ! 上司の時間を部下の添削に使うより、そのような人を採用するなと言いたいところだ。

だが、現実にはそんなレベルになっていると教えてくれたブースだった。筆者が入社したとき目撃したのは先輩社員が室長に書類を提出。すると室長は何も言わずに紙飛行機を作って窓から飛ばした。今ではパワハラとして訴えられるだろうが、あの時は身が引き締まる思いをした。上司による添削より自己更新が好ましい。

真面目な話をすると、これから電子契約が増加する。筆者も契約書の形式をどうするか問い合わせがあって、申し訳ないが紙媒体でお願いした。現在で3%前後の普及率なのだが、いつまでも紙媒体は許されないだろう。その時も含めてセキュリティが担保される必要がある。さすがにセキュリティとなると、国全体の安全問題もあるだけにしかるべき大企業の出番となる。セキュリティ会社のブースには大勢が押しかけてはいないが、説明を聞いて基本の基で支えていることに安心をした。

命に関わるAIと言えば医療分野における画像解析である。これについて国立がん研究センターの浜本氏が総説を発表されている。(アレルギー71(2) 107-111 2022令4)を参照されたい。AIの歴史に始まって医療分野の現状と将来に向けた戦略を述べられている。

筆者がなるほど納得したのは機械学習の使い分け(4パターン)である “教師あり学習” (回帰、分類)“教師なし学習” (クラスタリング次元圧縮) “半教師あり学習”(クラスタリング分類) “強化学習” (最適化)。文献のコピペでは詳細が判読しないところがあるので是非本文をお読み下さい。この文献の最後に薬事で承認されているAI搭載医療機器・プログラムがある。日本が誇れる実力を示している。

ところで、自宅近くのマンションの一角にウクライナ国旗がはためいている。避難された人だろうか支援者だろうか。あの惨状は筆者の資料作成作業にも影響している。例えばパワーポイントで資料作成ではBrand Color番号を探したり、ひまわりを想起するBGMをかけたり。この文作成においてはマッコイ・タイナーや田辺らのT-SAXと数原のフリューゲルフォンによる“ひまわり”をループしながら書いている。広いウクライナをひまわりが埋め尽くされた映画の風景を想起させる。戦争で引き裂かれた夫婦を描いた。

それが今、映画よりも悲惨な状況になっている。過去の戦争・争いの結果において人間が成長したであろうか、そうでないとするならば本来あるべきAIのソリューションは完全No! だ。分類で言えば “ありとあらゆる数多の過去の教師ありの学習”だから。

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