激辛二題

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(激辛その1)

京都市南部と長岡京の間に向日市がある。 平城京から平安京に遷都する間の10年間に長岡京が置かれていたところが今の向日市。西に丘陵地、東に桂川に挟まれ、JR,阪急が走り国道171号と物集女街道(もずめ街道)が南北に走る町。長らく町の名前が定着しているので向日町と今でもいう人は多い。向日町競輪は今でもこの名称。

向日市から長岡京の一帯は元々乙訓郡。ここの竹は有名で大枝(おおえ)の筍はシーズンになると送られてくる。エジソン発明による電球のフィラメントは乙訓産。長岡京市には長岡天神前に筍で有名な料亭があるが、向日市は筍スイーツや和菓子のお店がある。やわらかい独特の風味はもっと評価されても良いと思うが大化けは難しい情況にある。10年前から突然向日市とは関係がない激辛で町興し活動を開始。商店街の読みは当たり定着した。ファミレス、レストランにはKARA-1グランプリ加盟店の旗があり、入るには一種の覚悟を必要とする。他所の辛さレベルと同じとして注文すると大変なことになる。

さて、これから向日市が世界的に有名になるであろうとは日本電産タウンである。日本や世界中にNidecのビルがあるので、本社がこの向日市だと殆どの人が知らない(筆者だけかも知れないが)。社長(会長)の永守氏の出身地。京都市中の風情とは異なるデザインの本社ビル。現在JR向日町駅の東側の広大な土地に第二本社を建設中であり約5,000人が働くと言われている。JR線路の間際から広がる土地。それに伴う駅前広場改造と一大プロジェクトが進んでいる。永守氏にお目にかかったことはないが、日産から社長含みで招聘した人材には社長就任と同時に株価が下落したことをもって激辛評価即降格。社長に舞い戻る。また亀岡市の京都学園を買収して京都大学と伍して戦える学生を世に送り出すと豪語し、大学名も京都先端科学大と改名しキャンパスを京都市内太秦に開設した。その時に、亀岡市長から亀岡キャンパスからの移動は勘弁してほしいとの要望に対して、市長に向かって安穏として油断するからそうなるのだ!と激辛な発言をしたことを講演会で披露した。教員も学生からの評価を受けて更新しないと生き残れない激辛システムを大学に導入。向日市商店街が激辛町興しを企画する土壌には永守氏と同じような激辛血が流れているのかも知れない。京都市の付録のように思われている土地に対する反骨精神があるのだろう。長岡京市の村田製作所とのツインシティで安穏としている日本の空気を打破して欲しいものだ。

(激辛その2)

日経サイエンス5月号に「辛い!の科学」が掲載されており、辛みは味覚でない痛みであることが明らかになったとある。舌には甘さ、苦味などを感ずる味蕾があってそれぞれのセンサーになる味蕾の場所が教科書に載っていた。今はこの説は間違いとなっており場所によらず舌全面にある味蕾で感ずると変わっている。ここで辛味と言ってもワサビ〜唐辛子・ハバネラに至まで沢山ある。唐辛子辛味成分であるカプサイシンは脂溶解性で舌の表面から下にある感覚神経TRPV1に着き刺激が脳に伝達。脳は痛みや熱さに舌が炎症していると理解し、痛み緩和のためにβエンドロフィンを出すと共に、ドーパミンを放出させる命令をする。このドーパミンが快感をもたらすことは知られている。これで分かった。快感を求めて激辛を食べるのだと。また、舌の表面でなく舌の中の神経にカプサイシンが浸透することで、辛いから水を飲んでも効果がないことが分かった。詳しくは日経サイセンスを買い求めお読み下さい。引用しすぎと日経から叱られるだろうが、ワサビ類と唐辛子では反応する体温で異なることが図示されている。これをもとに色々考えるところがあるので添付する。先の巨人ー阪神戦の前に軽食を水道橋近くのカレー屋さんで摂った。伝統の試合だけに、このお店のカレーの味も年季が入って非常に美味しかった。

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