やれBEV(Battery Electric Vehicle)だ、それ以外だ(例水素エンジン)だと技術論・経済論は喧しい。電池生産の規模が拡大し流れはBEVの中、逆転はあるのか、ドイツのBEV一本脚(槍)打法はいつまで続くのか観客としては興味ある。ご承知のように環境車はディーゼルだとして走ってきたが、排ガス不正が見つかると、BEVに切り替え猛突進している。VWがリーダーで傘下のアウディ、ポルシェもエンジン製造廃止となる。
記憶によると欧州ではバイオ燃料+従来エンジンで決まりと謳っていた。いつの間にか欧州では消えた。あれはオープン戦だったのか。
スッキリする体制作りはドイツは昔からお手の物だった。炭酸ガス抑制にはベース電源の火力発電はしない、原発もしない、海上風力発電とロシアからの天然ガス+近隣諸国からの電力調達で賄うとのこと。実にスッキリしている。だが、余計な心配ながら、本当は危なっかしいのではないだろうか。イギリスの風力発電は風が吹かず停電に追い込まれたことなどを卑近な事例として複数の手立て(保険)をすることが必要ではなかろうか。
日本でBEVに方針を切り替えたメーカーでも、オートバイではバイオ燃料適用や水素エンジンの開発を発表するなど多角的である。メーカー1社ではあれもこれも開発するには荷が重い。そこでトヨタを中心とする共同・協同体として推進すると発表があった。水素については川崎重工がサプライチェーンを担当し、自動車メーカーと協同して出口戦略に出るとのこと。イワタニも水素プロジェクトでは共同歩調をとっている。
しかし水素については現在のコストは経済論では成立しない。相当の技術開発と出口商品量産化の仕組みが必要だ。技術では水素タンク。経済ではステーション建設費だ。BEVではルーフに太陽光発電パネルと組み合わせて走行距離を伸ばすクルマをトヨタが発表した。価格は未開示であるが、このコンセプトはBEVではユーザーは走行距離を気にしているとの声を反映したものである。
今、You tubeではBEV派と否定派とに別れ代理戦争をしている。否定派は長距離走行する様子をアップしている数が多い。充電装置のあるところまで「持つだろうか」「充電渋滞していないか」「スペック通りの充電能力だろうか」など不安を持ちながら運転している。いわばBEV反対派・時期尚早論者がアップしている。充填装置の数を増設したノルウエーでも充電渋滞状況をアップして否定的雰囲気を伝えている。
エンジン車であれば5時間で行けるところをBEVでは充填時間があるのでの8時間と長くなる走行実験もさることながら、何より次の充填まで走行できるかの不安を抱えながらの運転は、心理的危険予知から見ると好ましくない。
バッテリーを多く搭載すれば走行距離は稼げる。事実Lucidは837kmを叩き出している。価格は不明だが誰でも買える代物ではなさそうだ。水素もステーションの数が実用化では大きな障害になるが、水素補給時間が短いのはドライバー心理からはメリットある。
とどのつまり
*家で充電できる戸建ての場合で、短い通勤距離や買い物ではBEV
*充電設備がない集合住宅ではバイオ燃料or水素エンジン、HEVに総括される。
国内平均の集合住宅割合は40%、可処分所得が高い都会では80%を超えている実態を自動車メーカーは無視できない。
アジアの国では助成金ありきのBEVは厳しいとなると複数のパワードライブを必要としている。
自宅充電もレベル2の240Volt の電源環境は必要であり、BEV一本脚打法フィールドは世界地図の中では狭いと思われる。だがいつまでも現状通りではないであろう、徐々に変化するだろう。その時、何だろうか、ネクストボックスで打席タイミングを図っている技術に期待しよう。
大谷選手も右足を小さくあげる打法を修正して2本脚で軸足への力バランスによりホームラン量産と変化したように。
ただし、前提条件があることを忘れてはならない。CO2濃度による温暖化の予測値が色々あり幅がある。常に実際の値との比較をしつつ妥当な式を見つけることであり、これがサイエンスの進歩に必要である。
BMW,Honda,Suzuki,Yamaha はバイクから4輪に展開した。今回のバイクから水素エンジンはこの歴史に照らして再現するだろうか、まだまだ試合終了とはいかないようだ。なにせバイクKawasakiの人気車種はNinja。なおさら今後の展開に目を離せない。