全仏OPで加藤未唯さんがサーブボール出しのボールキッズに向けて返したボールが顔に当たったので、失格と保持していたポイントが没収される事件があった。相手ペア選手の執拗な審判への抗議活動により決定したとあってテニス業界は大騒ぎ。近づいてスマッシュのような豪速球を故意に当てたなら別だがとんでもない判定。別の混合ダブルスで優勝したから、少しは安堵したものの、間違っていても白を黒と言い張り通すのが正と考える文化?のなせるところだろう。日本人は「お天道さんが見ている」「恥の精神」があるのでまさかと思うところがある。
スキージャンプで日の丸が独占すると、途端のルール変更は日常茶飯事。スキーの長さのほかに、ウエアに難癖をつけて失格させるなど、マネーが強く絡むようになってスポーツ精神は堕落した。最近でもルマン24耐久レースにおいてトヨタ潰し策として、直前にBOP(バランスof パワー)を持ち出した。トヨタに37kgの重石を載せ、フェラーリには24kgと差別。トヨタの7連勝を止めるためなら何でもあり。ホンダが強すぎる時にはターボチャージャーを直前に禁止したり無茶苦茶。
ルールを作り、ルールを都度変更するのは、決まって欧州とカリフォルニア。
そのクルマバージョンがEuro7。 タイヤやブレーキからのマイクロプラスチックスや摩擦粉塵問題は前のブログで取り上げた。驚いたのは、Euro7ではEVも規制対象になっている。従来のLi問題や発電所及び製造時のCO2ではなく、バッテリー寿命そのものに焦点が当てられている。BEVはもとよりPHVEもバッテリー搭載のパワートレインは対象となる。
提案は 5年後(又は10万km走行後)のバッテリ寿命が80%あること
8年後(又は15万km走行後)のバッテリ寿命が70%あること
筆者はBEVを所有していないので厳しいのか甘いのか分からない。比較にならないがスマホで充電を普通の頻度ですると2年で80%を切る。バッテリーとモーターさえあればBEVは製造できるとしているメーカーは厳しいことになりそうだ。(あくまで想像だが)。
購入者としては中古車市場でBEV価値がエンジン車に比較して大きく劣るのは問題で、資源節約の面からも、ある程度の制約はありうる。それに乗じて何らか別の意図があると思われる。その一つは競合BEVメーカの排除。他の一つはルールが本当になったらとメーカーは開発費をかけて準備をせざるを得ない。開発費イコール経営体力消耗であるだけに競争相手を潰せる。できもしない目標を努力目標として掲げて、できないとなると自分が対応可能な目標に変更することもありうる。油断できない。
日本は米国との自動車摩擦交渉をはじめ、種々のルール変更を味わってきた。業界が壊滅するのでは?と思われるルールにも対応し、可能ならしめたのは日本の企業だけだった。何やら今回の案件も日本の底力がものを言いそうだ。期待しよう。
口の悪い友人が言うには「バッテリー寿命延長策としてBEVが雨露に濡れないように温度湿度調整密閉ガレージ対策補助金を出すことになるかも知れないので、一回だけ購入するか」。あながちバカにできないかも知れない。ルート案内には時間と高速料金が表示される現在から、高低差を計算に入れて使用電力と寿命表示が追加されるかも・・・無責任な妄想なので何卒ご容赦。
バッテリーは勿論、ブレーキ(制動システムを含む)技術、タイヤの素材・形状も含めて総合的な知的財産を手にするか、否かで企業運命は決まる。タイヤがないドローンに移行しても航空法がさらに強化されるだろうから自由になりそうにない。その一方で水素は対象外に今のところなっている。ルールを持ち出さないといけないほどの脅威規模になっていないからだろう。これがメインとなると、いろんなルールを言い出しかねない。その他、排気ガスにアンモニアが追加、トラックと乗用車の基準が同一など本当に短期間に可能か不明。何か急ぐ理由でもあるのだろうか、そこを本当は知りたい。
日本は後手後手の対応がいつまでするのか。悪いが政府省庁に欧州のようなルール作りとロビー活動できるプロがいないのが最大の問題。スキアラバ競合相手を弱体化するかの戦略を常に考えている国柄と、和を持っての国柄とは異なるのかも知れない。日本の政治家は常在戦場と言いつつ睡魔と戦っているようでは失格。明治時代の遺訓を学んでほしいものだ。 英語がたとえ苦手でもそれが問題ではない。本当の国のための戦略を構築し行動できる人材育成が最も重要だ。そのために小学生から英語学習をするための時間消費が勿体無い。
AI同時通訳のレベルは日に日に進歩している。AI通訳はニュアンスが伝わらないと御仁は言う。AI自身も今は言っている。だが字幕映画を見たら理解するだろう。字幕映画で感動するのは言語が違っても表情が何より深いニュアンスを表現しているのだから。
話の筋が違う方向に行ってしまった。思い出すのは捕鯨。国際捕鯨委員会(IWS)は調査捕鯨から捕鯨反対行動とルール改定が暴走した結果、海の生態系が荒れてしまったように、その時の思惑・感情に流されて策定されるのではなく、全体を俯瞰して共有することが重要であろう。地球温暖化を思うならCO2一辺倒ではなくメタンを何とかするのが筋だろうが、自動車メーカー消耗作戦にその声は届かない。