FCV,EV ,MaaS

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

何十年前の雪国での風景として、石油ストーブの周りに保護柵があり、洗濯物を置いていた。湿度調整も兼ねていたのだろう。でも洗濯・乾燥するたびに徐々に変色していく。何故か。それは灯油の燃焼から発生している窒素酸化物が原因である。繊維や染料と反応して褐色気味の着色物質が生成するのである。これを業界では「ピンキング」という。

日本で製造している樹脂・繊維製品は添加剤配合なども洗練されており、ピンキングや黄変が発生しないが諸外国で生産される材料では対処されていないことが多い。製品が輸入されてピンキングが指摘されることがある。そのとき思い浮かぶのが冒頭の石油ストーブ。倉庫内のフォークリフトは?と聞くとエンジンでアタリ!日本ではFCV駆動フォークリフトが浸透している。倉庫のような閉ざされて空間でエンジン動力源のフォークリフトが走り回ることで発生する窒素酸化物が貯蔵製品を徐々に汚染させている。

日本は特に食品関係の倉庫では匂い問題もありFCVがパワートレイン。EVでは充電時間が長いが水素供給時間は3分程度と短い。域内走行なので供給装置問題もない。水素タンク耐圧は35MPa(350気圧)と低いこともあり普及している。

 これが自動車適用となると適用車種はトヨタ、ホンダに限られ、ベンツも時々アドバルーンを上げてはいるが、EVとは比較にならない普及度。メリットは走行距離、水素燃料チャージ時間はあるが、未解決課題も山積している。材料では水素燃料電池の触媒(白金)代替の開発、水素タンクの合理的製造法の開発などがある。タンク圧力は70MPaと高く、金属製では水素腐食で使えないので内側は高密度ポリエチンタンク、外側を炭素繊維で何重にも巻く構造となっている。バウムクーヘンのように真ん中の空洞の部分は見かけタンク大きさよりかなり小さい。 ちなみにプロパンガスタンクは2MPaで高張力鋼板の溶接。

炭素繊維製造は日本の得意技術である。だが、、、、材料メーカーのテリトリーではないこと、またクライアント先との競業避止もあって下流の製品化はしない。下流は中小企業が多い。これを突破する製品化技術が必要。樹脂タンクの層構成、炭素繊維巻く機械(口部などの巻き方など工夫が必要)の開発などが挙げられる。

インフラでは誰でも指摘している水素ステーション設置数が少ない、ステーション設備・維持管理費用が高いなど悲観的な事例を挙げる人が多い。FCV走行距離が650kmで多くは日帰りには問題がないが、どっこいEV車が当初の170kmから400kmまで改良が進んできたこともあり、FCVの走行距離だけではメリット幅が狭くなった。

Well to Wheel(油田から車輪)までのエネルギーロスが多いのも指摘されている。EVが効率が良いとも。でもEVは電力が存在しての話。原電は削減、化石発電も抑制され太陽光、風力など変動電力に対して水素は発電量調整バッファーの役目があるとしたら水素社会とEVは共存すると考えるのが自然ではないかと思う。

FCVもEVでも低速時のトルクが高い特性がある。トヨタがハイブリッド車を開発した動機はなんと0→100の立ち上がり速度であって、スポーツ感が味わえることを目的とした。それはモーターの低速時の高トルクにある。エンジンでは速度と共にトルクが高くなり、低速は苦手である。 で、イラチなドライバーはEVステーションで待つことができない性格だろうと思う。そんなユーザーにはFCVが適しているかも知れない。(ステーション問題がクリヤーになったら)。

 パワートレインの将来はどうのこうのとの講演や記事は多い。その多くは2030~2050年頃には。。。の前提付きながら、現在の状況範囲内で述べている。技術の進歩状況を外部からは見えないからである。トヨタやホンダがHEVやPHEVを独占しているのは鉄壁な知的財産であり、財産蓄積中は当然のことながら外部には発表しない。(注:FCV仲間を増やすため公開特許の利用を許可している。但し、もの作りにはノウハウや技量が必要でこれは各社公開はしない)

トヨタの次年度の組織変更が発表された。FCVは残っている。これの意味するところは何なのか。想像を逞しくするのもありだと思う。クルマを含むインフラ全体も視野に入れていく中でFCVEV,エンジンなどパワートレインの座席が決まる。その答えが徐々に表面化してきた。

 トヨタがソフトバンクと組んだMONET TechnologiesMaaS(Mobility as a Service サービスとしての移動体) の動向がパワートレインを左右しそうだ。アプリからあらゆる交通手段の最適化による利用が可能で決済も行われる。Suicaも存在するかどうか瀬戸際になるかもしれない。台湾に出張した家族がウーバーを利用したが非常に便利で驚いたと話している。また横浜みなとみらいを中心とした観光地域ではアプリからバスを呼び出す実験が行われている。徐々にMaaSに向かって動いている。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。