IT介護とレベル3自動運転クルマ

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3月は引越シーズンだった。転勤はもとより、進学により引越が増える。大学内でも専門課程に進むと学び舎が変わり、それにつれての引越もある。業者に依頼することもあるが、規模が小さい場合、普通免許で運転することが可能な4トントラックをレンタルすることがある。今回は筆者の身の回りで発生した出来事を紹介する。4トントラックの運転は男の甲斐性とばかり若者が請け負ったものの、実はマニュアル車を運転したのはドライバースクール以来のこととあって、クラッチとギヤシフト操作には自信がない。京都から滋賀に掛けては百人一首で有名な逢坂山がある。坂道で渋滞が発生しやすい処だ。運転しながら止まりそうになると“ト・マ・ル・ナッ!”と大声で汗をかきつつ運転。それでも停止し坂道発進が試される時がきた。で、どうするか、グア~ッゴ~ と爆音と黒煙を噴かして発進。回りのクルマの運転手からの冷ややかな視線。空回りして後続車にぶつかる最悪事態は回避できた。実は助手席に父親が座り、クラッチのメカニズムの説明と操作仕方を教えていたとのこと。今の若者はオートマでないと運転できない。年配者の運転アドバイス介護を必要とする。

これがITとなると介護されるのは年配者。3月末に筆者も部分IT介護を経験した。散歩して休憩しようとしていたら、チョットした広場を数本の幟で囲い、80人前後の椅子がセットされ、約10人分はまだ空席の様子。幟には政府+自治体共催のPCTモニター(無料)と書いてある。コロナは規制緩和があり盛り返すこともあるので、PCT検査が無料なら受けようかと考え椅子に座った。バイトの若者からQRコードが印刷された紙が配布された。スマホを取り出しQR読み取り、Apple store からダウンロード。必要項目をインプット。やたら項目が多い。この手は電話番号ではハイフンが入ったり無かったり。エイヤッと入れてやり直し、そんなことをやって漸く窓口へ。この段階で回りを見回すと若い人はサッサとインプットを終えている。20名ほどがまだ操作している。ほとんどは年配者。バイトの人に質問しては首をかしげながらの操作で、まるで若い人に介護されている様子。筆者もこの段階までは介護は必要がなかったが、受付窓口でさらに新規記入項目があり、特定のPIN数字がスマホのSNSにきて、それをインプットすることになっているが、数字が2種類あり、それも7桁。覚えて元の画面に戻ると“間違い”表示。新規PINが与えられるので、この繰り返し。これが終わったら、メールアドレスの記入。これが見当たらないと拒絶される始末。窓口の人から小文字・大文字の打ち間違いではないですか? @マークが大文字になっていませんか? まるで介護するようにあれこれヒントを貰うが全部空振り。理由が分からないまま、持っている4つのメルアドの一つがヒットしPCR検査キットを頂く。ITは人並みと思っていただけに軽いショック。自宅に戻り検査キットに唾液をいれ郵送。翌日(日曜日)10時にはダウンロードしたソフトに陰性の連絡がありホット一息。

上述の事例はクルマの仕組みを知って十分な経験をすること、とソフトの中身は全く知らないが、操作の方法には熟知していることが必要で、それが不十分であれば介護が必要であることを意味している。

ところが、クルマの仕組みもソフト使いこなしも不要な自動運転レベル3の実用化がホンダのレジェンドにより現実となった。レベル3は日本が世界に先駆け許可されたことはこのブログでも詳細報告した。今回は日経の記者が試乗しての感想を寄稿している。

概要は高速道路走行で速度30km以下の時に自動運転となり、ハンドルから手を離しても、問題なく走行することが確認できたというもの。限定車だが1000万円。

 

1000万円と聞いて大阪・登美丘高校ダンス部・荻野目洋子のダンシングヒーローの光景を思い出した。自動車電話が登場。肩掛け電話だった。あれが、今やスマホでパソコン並機能のデバイスになったことを考えると、価格も下がるだろう。何れ、不思議がることもなく自動運転レベル3は浸透するものだと思う。まるでクルマが知らず知らずに同乗者を介護しているように。

後ろから救急車がサイレンを鳴らして迫ってきても、避けることしないとか欠点を指摘する記者。だが、そんなことは解決できるはずなので記事にする必要もなかろう。それよりはトラックに採用されると、何台ものトラックが“じゅつ繋ぎ走行”できることでドライバーの合理化や労働環境改善、強いては物流合理化に役立つことを期待したい。

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