ロボット・ドローン・宇宙展@福島

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友人が関係するドローンを見て欲しいと案内があり郡山で開催された展示会に行った。南相馬市を中心の大災害復興策として政府・福島県の投資によるロボットタウンが設置され、全国から企業が参集している。当日は市民一般開放とあって子供連れ家族でごった返しの盛況。お子様にはロボットがお気に入り。

ドローンでは2023年で4,000億円の市場規模になっていると聞いてピンと来なかったが、2040年には3兆円越えの予想だとのこと。被災地福島がその開発の拠点になるとなれば嬉しい限り。現在のドローン市場は農薬散布、林業の管理、送電線などの点検などが主な用途。

3兆円に達する主なアイテムは物流で全体の60〜70%とのこと。そのようになるには数多くの現行制約があり解決には課題山積。だが、制約があればこそ技術は進歩し、副産物技術は別のビジネスを産むチャンスになるので期待ができる。現行ルールは次のとおり

レベル1 無人地帯・目視範囲・操縦   小規模圃場農薬散布や空撮

レベル2 無人地帯・目視範囲・自律飛行 大規模圃場農薬散布・生育監視

レベル3 無人地帯・目視外 ・自律飛行 極少人数集落配達(郵便でテスト中)

レベル4 有人地帯・目視外 ・自律飛行 目標だが実現は?

読者の中には、このレベル1〜3でも相当悩ましいと思うだろう。農薬散布が経営として成り立つには相当の圃場規模が必要だが、実際は会社規模で農業に進出するには種々の規制がある。 極少人数集落への物流はコストが問題であり、本当に利用するだろうか。離島で海が荒れる時以外用途があるのか疑問。ふと思ったが郵便で受け取りの印鑑かサインが必要なときはどうするのだろうか? パソコンやスマホで受け取り承認するのだろうか。極少人数集落では老人割合が60%を超えているはずなので対策を知りたい。本当は富山県のように都市近郊へ移住を薦めることが本質的な気もする。レベル4は厳しいので中間のレベル3.5をつい最近設定したとのこと。

都会での物流がドローン一択なのか疑問だ。ドローンは配達先の庭か屋上にあるQRコードを目指して飛行し着陸する。対象の家屋はどの程度あるのだろう。あったとして、1回は試してみても、コスト面からクルマで買いに行くことになりそうだ。ドローンが飛行する高さも考慮する必要がある。航空法や国防上設定された航空ゾーンがある。それを避けて飛翔するが、羽田への航空機の着陸コースは新宿・品川上空からであるので東京でも限定されている地帯に絞られる。伊丹空港を抱える大阪でも然り。気象観測ドローンを福島大学では開発しているが、この航空ゾーンにより十分な高度、適切な地域が制限があるので完全な観測にはならないようだ。

3兆円の半分以上が物流となると複数多くのドローンが東西南北上下に飛行する。衝突しないようにお互い回避するシステムはNEDOが開発しているのは安心だが、万一不具合があったときに下に人がいないところに落ちるとのこと。都会でそのような場所あるのかな? 冗談半分だが歩行者はヘルメットとお守り。ドローン躯体は型式証明・テスト飛行時間・操縦ライセンスが必要となっているが、自動車の様に車検制度が見当たらないが、筆者の見落としだろうか?

多くの現在のドローンの飛行時間は20分前後、ペイロード(荷物)は5kg未満。災害時に一気に大量の物質を輸送するにはヘリコプターか超大型ドローンになる。その様なドローンの実物が登場した。写真の人サイズと比較するとわかるように自重だけで300kg、ペイロード200kgが目標とのこと。(柳下技研;埼玉県和光市と長岡商事庄原市との共同開発)

クルマでいえば、軽自動車、小型自動車、大型車両、特装車の大型特装ドローンと言える。次の災害が来ないことを願いつつ、早期に実用化に向けて開発を進めてほしい。

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