事件や事故で被害者の年齢と職業を報道するたびに例えば「○○さん。75歳。無職」と紹介される。マニュアルに名前・年齢・職業を言うことが決められているにしても「無職」がなんとなくマイナスイメージを醸し出すのは如何なるものかと都度思う。75歳でも仕事に従事していないといけないのか?と。 しかしながら、それが冗談ではなくなるかも知れない。政府は企業に定年延長を指導し、年金支給開始を70歳からに設定すれば30万円/月給付するとの構想を発表している。65歳以後も健康で「職業」に就くことができる人は限られている。皮肉的だが、会社の空気を読んで仕事に邁進し成果を上げた人ほど、社内外の付き合い、空気抜きとして酒は必需品だ。
仕事ができる人ほど定年前から種々の病気を潜在的に抱える人がいる。会社の健康診断で全く問題ないと発言をしようものなら「仕事していないからネ。」と陰口。高度成長時代は特にそうだった。仕事ができたが健康を害している層。健康ではあるが仕事ができない層。いずれも70歳を迎えるには厳しい。
話は飛躍するが酒党には辛口のデーターがある。アルコール摂取積分値が120kg(人により200kg)に達したらいろいろな疾病がでるとの報告がある。これを200ccの罐として換算するとビール 10,000 ワイン4,800 日本酒 4,000罐 。 連続飲酒で蓄積した場合の数字なので、蓄積しないように休肝日が必要だが、それにしても少ない量で発症の危険があるということ。閾値に達したら発症する花粉症と同じと考えれば納得がいく。
話を戻して労働者人口問題へ。政府の年金給付70歳開始構想を批判するのは簡単だ。国の立場からすれば年金バランス解消もあるが、なによりも労働人口の減少対策が重要と考えているだろう。65歳以上も貴重な労働者として働いて下さい。それが国の衰退を決めるとして協力要請している。
人口の増減と国の経済力は強い相関関係があり、特に高齢者1人を何人の若者で支えるかの比率が低下すると国は衰退する。日本に限らず中国も同じ。飛ぶ鳥落とす勢いの中国は人口減少による経済停滞の危惧、社会不安対策もあり一人っ子政策を廃止した。効果がでるのは20年後。それまで民間債務残高29兆ドルもの借金漬けバブルが弾ける危険がある。すでに始まっているとの情報もある。
労働人口対策としてロボットやAIが補完するから大丈夫との見方があるものの20XX年まで待てる体力のある企業と、待てないで労働者不足倒産の危機に瀕する企業もある。海外労働者入管法改正法案が国会を通過した。具体的細目は省令で決定するとのことなので、白紙投票しろとの野党の抗議は分からないでもないが、それなら政権時代に統治システムを変更すれば良かったが、しなかった。
今回の海外労働者入管法で対象となる職種でロボットやAIでは代替可能なものか、独断と偏見で考えてみた。 入管法では14業種が対象となっている。
*外国人技能実習制度(技能検定試験に合格で3年の在留資格)
*特定技能1号(最長5年滞在可能だが家族帯同は不可)
*特定技能2号(追加予定 条件では永住可能)
ここで、AI や IOT、ロボット化など開発が進むロードマップを読んで滞在期間を決めているのでは?と推測する。
現在の代替率0%の業種であっても開発が進めば割合が50%まで削減できるならば労働人口問題は一つのソリューションを得る。逆に言えばイノベーションのネタでもある。
【介護職】介護パワースーツなど補助装置、リハビリ自動化、新モニタリング装置で介護負担の軽減
【農業】除草剤頒布の頻度を少なくする除草剤及びドローン利用による農作物管理から出荷検査など
【ビルクリーニング】 クリーニングする必要のない表面コート剤の開発。光触媒の進化とコート剤の自己組織化による表面ナノ凹凸撥水防汚材料
【自動車整備】 外板修理程度しかするアイテムがないほど電子化が進み、整備自体が縮小するだろう。補修部品を自動車販売店傘下かタイアップしている3Dプリンターで製造
【宿泊業】 ハウステンボスの事例のように受付フロント業務はロボットが置き換え、客の車管理もAIが請け負う。お客様が外出時にクルマ手配をスマートにこなしていた優秀なドアマンも顔認証とリンクしてクルマが立体駐車場から自動搬送されてくる。
【産業機械製造】多軸CAM、3Dプリンターで現在の金属加工業から変化する
人口減少、高齢化社会のモデルケースとして日本は注目されている。一方、ドイツ、フランスでの外国労働者による就職機会が奪われている社会問題は深刻さを深めている。 注目されると組織を挙げて対応する日本の企業・社会文化。ここは全体の空気を読んで活躍できる特にシニア層に期待しましょう。