JR桜木町から、又は地下鉄みなとみらい駅から2色の流れがパシフィコを目指して歩く。スーツ・カバンの流れと中高年ご婦人の流れである。おや?画像センシング・精密加工展を開催しているはずなのに何故華やか?なご婦人ドメインがおられるのか? 画像センシング展では4K、8Kの精密画像を競い、一方のご婦人方は深い皺・シミをいかにしてカバーするかのはずだが、、、と思いつつパシフィコに到着すると、やっと分かった。ご婦人向けにアンチエージング展が併設されていたのだ。化粧品やサプリも観察が開発の基本なの共通する。
さて、本題に戻って画像センシング・精密加工展からトピックス(筆者が知らないだけであるが)を拾ってみると。
① カメラ撮像向け半導体はCMOS。すでにCCDから切り替わって経過するが、昔はビデオカメラの横にはCCDのロゴが強調されており、初期のCMOSは駆逐されていた。それが最近は復活。ソニーOB名雲氏から勉強会を通じてCMOSは当初のDRAM工程で作成され、低電力・低コストで生産はできたが、低感度で劣悪品だった。スマホが登場するとCCDの感度技術をCMOSに応用し感度向上(東芝)。さらに読み出し速度改善もあり(ソニー)ついにCCDからCMOSに主役交代となったとのこと。3D積層構造などもあり、今どきの感度は0.00Lxでも撮れる理論限界まで来ているとのこと。量販店に暗黒ボックスがあり、その中に模型の家があり、それをボックスの孔からスマホで撮影する仕組みがあり、ほぼ真っ暗でも撮影できることをPRしている風景をみることができる。トライして驚いた。多少輪郭が甘いがカラーで識別できる。(人間の目では真っ暗でもレンズは赤外領域を利用)
スマホのカメラの距離測定は昔は土木観測のように3点測定法だったが、今の世代は対象物への照射/反射速度差を精密瞬時に測定できる方式に切り替わる予定と3年前に聞いたが今回はほとんどの装置に採用されていた。(ToF. Time of Flight センサー 赤外線反射の時間測定差=距離換算)
② 次に面白いなぁと思ったのはカメラが揺れてもカメラ内で処理して画像が安定して見える。例えば、スポーツではランニング併走しながら選手の顔を当方のランニングの上下動に関係なく撮像することができる。大谷がホームランを打つ。カメラマンが重いカメラを腰にあてかがみ込みながらホームやベンチまでの帰還を撮影している。カメラ触れしないのは流石にプロであるが、この揺れ自動修正カメラであればもっとダイナミックな画像が撮れるだろう。横浜ラグビーワールド大会に5Gがトライされる。競技場の多くの地点から、フィールド側から、多くの画像を遅滞なく同時送信される。多角的視点でスポーツを楽しむことが可能である。海上保安、防衛、公安などセキュリティ面でも活躍するだろう。歯科口腔内でのベテラン医師の処置を揺れなく観察できることはありがたい。使い方を考えるのも呆け防止にはなりそうだ。
③ 時代遅れの脳みそにおや?と刺激を与えてくれたのがリキッドレンズ。レンズの凸部を外部からの電圧・電流で変化させる。概ね各社のリキッドレンズは4段階は変化できる。いちいちレンズ交換しなくても良い利点がある。凸部を変えることは視野深度焦点を変えることができることを意味することから対象物を正確に撮像することが可能である。人間の目もレンズを囲む筋肉への電流値で変化させている訳で理屈は分かったが、それしても面白い。
④ 熱硬化樹脂の反応に伴い屈折率が変化する。その屈折率をモニタリングすることで重合度が判断できる(島根大学)原理を説明。これは光重合3Dプリンターの開発に応用できそうだ。光重合の場合、光増感剤を配合し、紫外線を照射による反応熱を評価する紫外線示差熱分析DSCが利用されているが、屈折率評価を加えることで、更に精密な材料開発ができるのではないかと想像した。 いつものことであるが異分野の方々との会話は刺激的である。