選抜高校野球が終わり、N PBが開幕。MLBでは大谷が好調。まさに野球シーズン突入。実況中継では子供頃になかった球種「フォーシーム」「ツーシーム」などを聞く。その度、アナウンサーは凄いなぁと冗談半分思う。
投球からキャッチャーに届くまでの0.4秒の間にボールの縫い目の数を数えられるのだから。スライダーの言葉は馴染んできた。子供頃は直球、カーブ、シュート、ドロップが使われたものだ。ちなみに筆者はシュートが得意だったが肘に負担がかかった。
子供の頃の話が続くが、ピッチャーで滑り止めの粉が入った袋を「ドージンバック」と聞き間違えて使っていた。長じてロージンバックをアナウンサーが話すことで、ロジン(松ヤニ)と炭酸カルシウムが配合された粉だったと気がついた。松ヤニとしてはハリマ化成、荒川化学がロジン由来の製品を開発している。繊維や紙産業向けから現在は電子材料まで幅広く利用されている。
以前のMLBではピッチャーの帽子の鍔のところに粘着剤を塗布して指とボールの粘着を高める不正を盛んにやっていた。必要もなく帽子や袖に触る仕草があった。今はマウンドを降りたピッチャーに審判がチェックする仕組み。それでもツバで指を舐めることは今でもあり、キャッチャーが返球の際にボールをこれでもかと捏ねる。
前置きが長くなった、ここはピッチクロックよろしく本題投球開始。
東北大学と宇都宮共和大学が「野球における投球時の指先のすべりを初めて定量化! ~投球パフォーマンスの向上や投手の障害予防などへの貢献に期待~」なる文献を発表した。 2025.03/28 リリース
要旨を転載すると
- 高速度カメラを用いて、野球において直球を投球する時のボールリリース過程(注 1)における指先とボールのすべり距離を推定する手法を開発しました。
- 水で指先を濡らした場合に比べてロジン(注 2)などのすべり止めを使用した場合には、ボールリリースまでのすべり距離が 1/2 以下(平均でおよそ 8 mm)ということがわかりました。
- 摩擦力の低下によってすべり距離が増加すると、球速や回転数が低下し、ボールは狙った位置よりも上方に到達する傾向がみられました。また、特に回転数の低下に大きく影響することがわかりました。
実際の指から離れるところを撮影した図が本文にあるので見ていただきたい。
投球速度が遅くても「キレがある球」とはこの回転数を指しているらしい。プロ野球のピッチャーであれば平均ボール回転数は2,300rpmとのこ球速が遅くても176勝,奪三振2041の実績を上げた星野伸之さんのような人はどのような指をしているのか知りたいところだ。放送を聴きながら次の球種が区別できるでしょうか。同じような球道だけに素人にはわからない。
シュート/ツーシーム、スライダー/カットボール、シンカー/ドロップ。
わかるのはカーブ、ナックル、チェンジアップ。打撃の神様である川上哲治だったら球種がどうであれ球が止まって見えたそうだから関係がないのか。長嶋は「きた球をカキーンと打つ それだけ」これも球種は関係なさそうだ。
今のピッチャーの160km超える場合はどうなのか架空実験をAIでやってみたら面白い。現在ほどの精度のある高速速度カメラがない時代の豪速球投手、江夏、江川や尾崎行雄、金田さんなどは知りたいと思いませんか? シュートでは稲尾、西本や平松さんを比較したい。エッ知らない人ばかり。それを聞いて落ち込む=それをシンカーというのか。