浴室突然死防止鹿児島キャンペーン

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11月に入ったが温暖な日々が続いている。旅行に温泉地を選ぶ人も多いだろう。調理担当(主婦or主夫)は食事の仕事から解放されての久々の温泉に身を沈める。ドタバタの筆者から見ると羨ましい限りだ。夏場ではシャワーで済ましていたが、この季節になるとたっぷりのお湯がはられたお風呂が疲労回復には心地良い。

だが、冬場に向かうにつれて浴室内突然死だろうか救急車での搬送が多くなる。従来も寒い脱衣場が問題だとはほとんどの人が分かっている。簡易暖房で対応しているご家庭もあろう。鹿児島大学は警察と過去に浴室内突然死が発生した時の環境温度を丹念に調査して貴重な情報を得て発表した。鹿児島の地域TVでは天気予報のように「お風呂注意報」を発している。温暖地の鹿児島で この取り組みは寒冷地では更に有益だと思う。彼らの成果を広めたいところだ。なお、温泉旅館など施設では脱衣場も大規模な温泉浴槽のおかげで暖かいので飲酒しなければ問題は少ないのだろうと温泉地に配慮しつつ。

早速鹿児島大学の発表を見てみよう。下線部は発表引用

この度、鹿児島大学大学院医歯学総合研究科法医学分野の林 敬人教授らの研究グループは、鹿児島県警察本部刑事部捜査第一課の協力のもと、鹿児島県内各地域の浴室内突然死が発生しやすい環境温度(最高気温、最低気温、平均気温、日内気温差)を特定することに成功し、その結果に基づいて浴室内突然死を予防するための入浴時警戒情報を発令することになりました。

鹿児島県内で過去 14 年間に発生した浴室内突然死の検視全例を解析しました。浴室内突然死は、鹿児島県内で年間約 190 例発生し、交通事故死の約 2.5 倍と多いことがわかりました。浴室内突然死は、冬季の高齢者に集中して発生することが判明しました。浴室内突然死の発生は、発生日の環境気温(最高気温、最低気温、平均気温、日内気温差)と密接に関わっていることが明らかとなり、統計学的解析から浴室内突然死が有意に発生しやすい各環境気温を特定することに成功しました。

データーを眺めることで現実を知ることができる

つまり、最高気温、最低気温、平均気温が低ければ低いほど入浴死の発生が多くなり、日内気温差が大きければ大きいほど、入浴死の発生が多くなることが明らかとなりました。以上の結果に基づいて、われわれは入浴死が発生しやすい日に入浴を控えるように入浴時警戒情報を発令するシステムの開発を進めることにしました。

そこで、早速 警戒情報を見た。

浴室内突然死された人の解剖などで本当の原因を追求することは困難であるだけに相関関係を丁寧に調べることにより、悲惨な事故を防止するとの観点は良い試みだと思う。大学となると原因追求に新しい事実を発見することが研究者の仕事と思いがちで、悪く言えば研究のための研究になりがちだが、今回の発表はそれとは一線を画していることは喜ばしい。

さて、民間でこの予報を利用するとしたら、① 入浴を控える ② 65歳以上のシニアは温度感覚が鈍くなり、かつ頑固。熱い風呂に浸かるのが男だ的なこだわりがある。その場合は簡易赤外線測定装置で入浴者の表面温度を測定して納得させる。③ 65歳以上のシニアは加齢臭を気にしているのでお風呂に入らないと家族に迷惑と思っているところがあるので、消臭化処理した繊維があるので(例セーレン)それによる下着により納得させる。今回の鹿児島大学の放った情報をテクノロジー側が受け取って発展させることを期待したい。

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