芋で発電?

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3Rと聞いてReuse , Reduce, Recycle 。その他にある?と言うのが普通だが、若者は違うらしい。Reality , Real time , Remote ソニーの3R Challengeテクノロジーを指すようだが3Rの同じワードだけに紛らわしい。テニスや野球のチャレンジではお馴染みの「人間審判の紛らわしい判定」をデジタルで処理することは既に馴染みになっている。ピッチャーの投球フォーム、手の握りからベースに届くまでのボールの回転が事細かに画像化される。ヤクルトは既に採用しているとのこと。さすが南海ホークス時代にブレイザー監督からthinking baseballの神髄を教えられた野村元監督がヤクルトに根付かせた証拠なのだろう。今年は間に合っていないようだが期待しよう。CEATECの模様は別の機会にして本題へ。

芋、イモ、さつまいも。“ひらがな”で表現すると焼き芋のほっこりした雰囲気になるから不思議だ。これと発電と同関係するのか? 菅首相は所信表明演説で2050年にはカーボンニュートラルで排出炭酸ガスゼロを達成するとの方針を明らかにした。このブログでは森林面積が旧来測定値は間違っており、実際は1.7倍も多いことが分かり、森林の炭酸ガス吸収量が日本は多いことを紹介した。 では、この森林から木材を伐採してチップに加工しバイオ燃料として発電に利用したらカーボンニュートラルになる筈だ!と考えた。平成12年 固定価格買い取り制度(FiT)がスタートしたことで三重県は木材バイオ発電所を紀勢地区に建設した。

しかしながら、木材チップの入手が継続しないことになり停止した。原料のサプライチェーンが切れては何ごとも成功しない。また、山から伐採し、トラックで輸送し、チップに加工するまでにエネルギーを消費する。それとの差し引き(LCAでは負荷)で具合が悪いと報告している文献がある。

近畿大学・鈴木高広教授は森林が固定する太陽光エネルギーを計算している。要約すると

年間木材増加率 68百万m3(水分50%)=34百万m3トン(比重1として)

木材発熱量   20MJ/kg     山林固定する日射エネルギーは

=34×10^9 X20MJ/kg   =68 億MJ   ・・・・(a)

一方で日本の発電は 石炭消費量  5.04 兆MJ 石油消費量7.81 兆MJ 天然ガス5.00 兆MJの合計17.88兆MJ (b) なので (a)は3.8%を代替しうるが上述のように木材運搬、乾燥工程、及び発電効率が25%と低い。 (化石は42~45%)

その上、日本森林全熱量 52兆MJ(c)なので、(c)/(b)=3 となり、日本の森林は3年で丸裸状態になる。 植林に50年かかるので、間に合わない。

困った時は“さつまいも” 享保の大飢饉を救った“さつまいも” 280年後の脱炭素エネルギー飢饉を救うか!? 近畿大・鈴木教授の提案に注目したい。(化学装置 10月号p75-79,2020)

露地栽培平均収率 2.4    kg/m2 (固形分33%)乾物熱量 17.5  MJ/kg

∴ 芋熱量 13.9  MJ/m2茎・葉2 kg/m2 (固形分12%)

 トータル  18.1  MJ/m2   

5月~10月 積算日射エネルギー3000 MJ/m2 とすると、芋の日射エネルギー変換率=0.6 % (太陽光発電は約19%) 森林からの変換率0.05%の10倍。 木材をチップに加工するより遙かに粉砕化は容易と思われる。

大量生産に対して先生が提案しているのは「多層栽培と日陰や痩せた土地でも栽培できるので太陽光発電パネルの下の地面で栽培する。多層栽培を和歌山で実施しているとのこと(図)

いも掘りは幼稚園・保育園の土に馴染む空きの風物詩であり、多層栽培は思いもつかなかった。ヒントさえ貰えればいろいろな応用を考えるのが日本人。冒頭のCEATECと農業がリンクして効率的な“さつまいも栽培収穫自動化”のようなシステムができるか

 

 

 

?楽しみだ。いや、それだけではない。スイーツでも愉しめるぞ。

 

【謝辞】近畿大学 鈴木教授様から参考資料を頂きました。有り難うございました。

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