超々臨界火力発電

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ついに我が家の照明はLED化工事を余儀なくされた。蛍光灯の水銀問題から国内で生産中止になっていたのは知っていた。早晩、この工事が必要なことは分かっていた。長寿命で低電力消費だから切り替えをとのメーカーの声がある一方で、蛍光灯の取り替え頻度と当時のLEDの価格を比較すると、慌てて飛びつくような話ではあるまい。と構えていたのが正直なところ。

国内の家庭でのLED切り替え率は2107年統計でやや古いが55%なので、恐らく現在は60%を越えているのだろう。量販店でもLEDしか陳列していないので万事窮す。LEDが開発された当時、白色度、暖色度、寒色度などLEDの素子によって異なり、如何に昼の光源と同じになるかの競争がなされていた。 前職のショールーム(LED原料や封止材料開発)ではステーキ肉が美味しく見えるのはドッチ?的な箱をしつらえていた。 ステーキ肉を用意できないときは、手を箱の中に入れてもらうことで代替した。余程のことがない場合は“この手”で対応した。

さて、水銀問題は当然納得していたが、ビル内照明でLED徹底浸透した現在、皮肉なことにオフィスがテレワークは“がら空き”になって照明を消しているか、間引きしているところが目に付く。 極端に言えば「コロナ自粛期間、アフターコロナ新勤務状態」で電力供給が減少したり、

急に増加したりと電力供給サイドとしては表に出ない苦労があり、今でも継続しているのだろうと推定している。 おまけに太陽光発電など再生エネルギーは集中豪雨の毎日で効率が上がらない。 昼でも夜間並の発電パターンでカバーしなければならない。

 

今回のコロナウイルス罹病率・死亡者数割合いはも圧倒的に小さい。しかしながら、決して威張らない。理由が明確でない時に間違っていれば恥になる。それも反映しているのかも知れない。

しかし我が国のエネルギー政策を知らないで発言し、まして国際的な場でするのは流石に拙い。 COP25でK環境大臣がまだ日本は石炭発電を継続し、増強するのか?と質問され、答えに窮したことから、日本ダメとの印象を持たせてしまった。同時に国民にも負い目を持たせてしまった。 「石炭発電」言葉は同じでも「State-of-the-Art Thermal Power Generation」 であり、そのプロセスは「先進超々臨界圧火力発電」を旧装置を置き換えて行く。と説明すれば、興味を引いたかも知れない。 そもそも、これが何か分かっていなかったと悪いが想像する。各国のエネルギーは下記の通りで、決してキレイゴトでは済まない事情を抱えているのだ。

 

ドイツは石炭発電は2038年には停止すると発表しているが、隣のフランスの原発を利用することで成り立つ話である。 石炭も原発もやめろと言うのは暴論であることを知るべきであろう。原料が石炭であれ、液化天然ガスであれ効率が非常に高い先進超々臨界火力発電に置き換えるのが現実的なエネルギー政策である。

 

では、日本だけが先進超々臨界火力発電が可能であるかを簡単に説明しよう。

基本原理は蒸気でタービンを回す。水はご承知のように1気圧100℃で液体から水蒸気になる。超々高圧の35MPaで700℃の条件では気体のようで気体でなく、液体のようで液体ではない“臨界状態”になる。これをタービン室に誘導してタービンを回転させることで、入力エネルギーに対して48%前後の効率で発電ができる仕組みである。従来に比較して圧倒的である。 ここでは日本の材料メーカーのチカラが設計を支えていることが分かる。

即ち、超臨界状態ではタービンの金属は腐蝕が激しい。また高温・高速でタービンが回転することで、回転軸はクリープ破壊となる。 まして超々臨界状態である。そこで、この開発については平成22年から企業連合軍で分担し開発とイジメテストを繰り返した。

 

 

クリープイジメ実験のデーター例

 

 

最後に。

日本には蓄積された材料開発と実用評価技術インフラがあり、冷静に解析する技術者が日本のもの作りを支えている。 今回紹介のLEDについては企業内研究者がコツコツと開発したものであり、超々臨界タービンも同じである。今回紹介の事例で全てではないが、環境改良には、いきなりの王手はない。藤井棋聖の2億手先読みアルゴリズムを学び継続進歩を続けることか。将棋にちなんでSilver Bullet(一発で効く簡単な薬)はない。

 

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