電力・コモディティ物価

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幕張メッセに向かう京葉線に乗り込んだのはいいが、車両間のドアの隙間にリュックの紐が挟まった。ドアの開閉にお手伝いしていただいたご婦人とお礼挨拶をかわし、最近の物価高について話題が転じた。6Pチーズが薄くなった、納豆は豆の量が減った、野菜の代わり?にもやし利用の新メニューなど。納豆はピンキリだが、売れ筋は98円が最も売れている。最近、つゆ、辛子パックを無くして49円の納豆もある。さすれば50円ぶんがあの味付けパックだったのか?と妙な驚き。この物価高をやり過ごすには経験豊富な主婦はできるんだからと色々面白い話をして頂いた。米国のインフレ対策のために円安に触れてはいるが、このご婦人のノウハウで乗り切れるかも知れない。

そんな中FBに面白い図を紹介した人がいた。欧州の8月末の電気料金(円に換算)である後述の資料によれば昨年同期比でドイツは213%、フランス451%ととんでもないことになっている。この図ではイギリスは記載ないが147%。水力発電の多いスエーデンは増加率が小さい。

ドイツはロシアからの天然ガス停止によるもの、フランスは原電の冷却を河川に頼っているが渇水問題で運転できない理由による。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そこで、興味は電力以外のコモディティー商品はどうなっているのか?である。先物買取引をしない限りこのWEBにアクセスすることはない。

https://tradingeconomics.com/commodities

結論を言えば、この統計データからいろんなことがわかる。エビデンスに基づくのであって、誰かの受け売りでない自分の考えを持つことができる。古い考えを改めるにも良い資料だ。日、週、月、年別の増減率が表示されている。(数字は9月9日のデータ)

エネルギー別、金属別、農産物別、鉱工業別、酪農商品別、商品先物指数、そして電力各国別である。眺めているだけで30分は有益な暇つぶしはできる。

冒頭のご婦人の納豆(大豆)は対前年+16%だが小麦粉の+26%に比較すればまだ軽傷部類。納豆の豆を15%減量すればトントン? それよりつゆ辛子パッケージ抜きだろう。小麦はウクライナ侵攻を直に影響している。

コーヒー、オレンジも+25%だがこれは寒波・旱魃など異常気象による。変動が大きいものはバター+79% 、ポテト+52% コーン+39% とモロあの食品が影響を受けそうだ。鉱工業では意外にも瀝青(アスファルト)が+48%。最近の道路修復ではアスファルトは珍しくなっているのと一致か? 同じ表の石油化学原料のナフサがマイナスだけに、コンビナートからのアスファルト生産量も減少とリンクした。

一方で、昔は戦争になると弾薬製造のため銅、鉛が高騰したものだが、約20%ダウンしている。これは意外だった。今や電子戦で命中率が高いので「下手な戦車砲も数打ち当たる」時代では無くなったのか〜と。もしくは在庫処分なのか。リチウムは+256%と大きく値上がり。EV競争を背景に伸びているものと容易に想像できる。歯科でも問題のパラジウムは依然として高止まりだが、ロシアが産出国だけに厄介だ。パラジウムはクルマ排ガス触媒に多く消費されているので、歯科としてもそれに影響を受ける

金、銀の貴金属は戦争や経済危機になると高騰するが、いずれも直近ではマイナス。おかしいなぁと金の価格推移を田中金属のHPで見ると前年同期で+32%と平時の変動よりは高いもののこの32%はウクライナ侵攻に関してもシナリオが出来つつあるのかとも読める。また銀の落下率が−21%と大きい。これは何を意味するか、考えると面白いのではなかろうか。銀については写真がフィルム時代には富士フィルムだけで世界の1/3〜1/2を消費していたが、今は抗菌材料として利用されているので量は減少している。時代の変遷を見るようで面白い。気がつかないところで大幅に高騰しているのが肥料(尿素、ウレアアンモニア)で+78、+115%である。もっと気がつかないのは米の+31% 日本の米作りは儲かる環境にあるのかも。さすれば工業化もありうる。

経済についても門外漢の筆者。日本や某国は財政破綻しそうだとSNSやワイドショーについてコメンテーターが煽っても、ネットでCDS (Credit default swap)を見に行けば実態がわかる時代になった。200,400を超えると警戒領域と言われているが中韓も巷間で言われるほどの深刻なレベルにはない(6月までは)。だがロシアは世界の経済封鎖で10,000と桁外れ。これでは国体維持は厳しいだろう。貿易統計にも乗ってこないので物価は想像するしかないが連動はしているはず。冒頭のやりくり上手のご婦人は習志野市のプールでひとお泳ぎするとのこと、厳しい経済事情を泳ぎきる術をロシアに教えてあげては如何だろうか。

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