腸内細菌叢と疳の虫

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ウェブで疳の虫が強い子の特徴は?と検索すると

落ち着きがない、走り回る、かんしゃくを起こす、キィーと声を上げるなど、「癇(かん)の強い」と言われる子どもがいます。 働きかけても拒否や反発といった行動で返ってくるため、保護者も支援者も対応に苦慮します。と回答例があった。

キィ〜の声が益々強くなり、抱っこしても、あやしても収まることがない。こうなると、電車移動中に発生すると降りる必要のない駅で途中下車することもあると聞いた。親になることは実に大変だ。男親も育休をとる背景が理解される。とても母親だけに任せるには行かない。 いつもニコニコしている幼児もいる。そうなると両親のほうで癇癪持ちはそちらの家系、ニコニコはこちらの家系と押し付けが始まる。

その解決策として疳の虫封じの神社、お寺にお参りなどするところがある。多分遺伝のなせる技だと思いつつ。

ところが9月6日京大・阪大のリリース記事によれば「幼児期の気質は腸内細菌叢と関係する―心身の健康づくりを生後早期から始める取り組みを目指して―」とある。

要旨を引用すると

3~4 歳の日本人幼児284 人を対象に、気質と腸内細菌叢の関連を検討しました。その結果、不快情動の表出や、新奇な環境を積極的に探索接近する特性は、腸内細菌叢の構成の違いや多様性と関連することが明らかとなりました。

腸内細菌叢の構成の違いに寄与する腸内細菌を調べたところ、炎症の誘発に関連する菌(e.g., Flavonifractor、Eggerthella)や抗炎症作用に関連する菌(e.g., Faecalibacterium)が、幼児期の気質と関連をもつことが示されました(図1)

さらに引用する。

腸内細菌叢は、免疫系や内分泌系、自律神経系を介して脳と相互作用しています。これを「腸内細菌叢―腸―脳相関」といいます。成人を対象とした研究では、腸内細菌叢の多様性や構成が、精神疾患や認知機能の低下と関連することが示されています。ここで重要となるのは、個人が生涯もつことになる腸内細菌叢の原型は、生後3~5歳頃までに安定化することです(Roswall et al., 2021, Stewart et al., 2018)。この時期は、がまんなどの感情制御や、推論、記憶、イメージなどの認知機能の中枢となる前頭前野が著しく発達する時期でもあります。この時期の前頭前野の発達は、成人期の健康状態や社会経済状況を予測することも知られています(Moffitt et al., 2011, Richmond-Rakerd et al., 2021)。

成人まで影響とは驚くが、高齢者の突然キレる、奇妙な行動をするのも幼児返りではないかと筆者は考える。今回の京大・阪大の研究成果を庶民レベルではどうするか?癇癪を起こしにくい腸内フローラを増やすための有効的な方法はいずれ見つかるだろうが、今の段階では普通の腸内フローラ増加事例を挙げる。

  1. 食生活の改善 (食物繊維 発酵食品 オリゴ糖)を摂る
  2. ストレスを軽減する
  3. 睡眠をしっかりとる
  4. プロバイオティクスやプレバイオティクスのサプリメントを検討する
  5. 定期的な運動
  6. 禁煙

現役リタイアの高齢者は1、2、3、5、6が欠如しやすい。4を購入する費用もない。さて、どうする?

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