交渉合意の根底にあるものは

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ブログには政治問題は取り上げないことにしている。科学技術開発は正直に愚直だけど向き合う姿勢が重要で、その軸は外部環境の変化があろうがぶれない。

それにしても外野が騒々しい。ホワイト、キャッチオールを知らないと世捨て人と思われかねない。それは困る。 冷静に眺めればホワイトが非ホワイトになろうが、グループBなので実態は変わらないのに大騒ぎ。キャッチオールは民生品が先端技術を利用しているだけに、軍事転用される危険がある。それをみるだけ。日本のマスコミの国語読解力が低く正確に報道していないことと、それを機化として利用して騒ぐことが目的の両面がありそうだ。

小生の考える交渉ごとのキイーワードは国語の読解力、論理力(数学や経済も国語がベース)と行間を読む心情の重なり。

 2018年の今頃はTPP交渉が山場を迎え、交渉担当大臣甘利さんの憔悴しきる姿が印象的だった。合意を取り付けるのは大変なのだ。参加国同士の最終的な関税撤廃を目指すことで世界の経済規模の13.2%を占める経済圏が成立した。EUの21%から比べると小さいが、タイ、インドネシアも参加希望していることと、欧州とのEPA協定を加えると全体の40%と大変な経済圏が成立しつつある。ここで思い起こしたのがK国。米国との2国間協定FTAがあるから参加不要としていたが、後追いでも認可は当然としてTPPに参加する姿勢であった。でも、今日現在はどうか? 政治的コメントはしないがただ一つ、チャンスは「あとで」はダメなのが普通。

松下幸之助さんが誰でも人生のチャンスは少なくとも3度ある。と言われた、それに気づくかそうでないか、それが人生を決めると言われた。そのチャンスのセンサーは、いろんな縁が交錯するときの反応熱を感じるか否かだと筆者は考えている。コスモサインは8月から創業4期目を迎え、手狭になった川崎の事務所から品川に引っ越しを予定している。これもひとえに皆様のご縁が発する情熱を頂いたと思い感謝する次第。

 さて、“合意”には理屈と心情の国語力がポイント。理屈は国語がベースであるが、心情親和性は言語にある。中国とは体制は異なるものの、漢字文化は過去・現在も継続している。ベトナムも漢字文化圏。中国は日本発祥の漢字1000語が導入されている。特に近代・現代を表現するには先に先進国となった日本で利用されている漢字が採用されている。多くの中国人もそれが日本語とは意識しない程に馴染んでいるとのこと。漢字には意味を理論的に構築することで成立する。

余談だが84日は語呂合わせで帽子の日。巾は布を表現。目の上に日(覆うモノ)を乗せるところから頭に被る帽子を意味する。直ぐに分からなくても、一回でも聞けば、巾が布なら巾着袋も布巾そうか、第一布の中に巾がある。。。と展開することが可能だ。

このように、漢字をみれば大凡の概念が理解し易い。日本を訪れるお客様に対して、電車や駅構内案内は日本語、英語、中国語、ハングルの順で表示されるが、中国語を見ても表示が不要なくらい似ている。

ご参考までに、中国語の中の日本語
陳生保(Chen Sheng Bao) 上海外国語大学教授 (原文のまま) 転載する。

一、修飾語+被修飾語   
 (1) 形容詞+名詞
人権 金庫 特権 哲学 表像 美学 背景 化石 戦線 環境 芸術 医学
入場券 下水道公証人 分類表 低能児   
 (2) 副詞+動詞
互恵 独占 交流 高圧 特許 否定 肯定 表決 歓送 仲裁 妄想 見習
假釈 假死 假設  
二、同義語の複合
解放 供給 説明 方法 共同 主義 階級 公開 共和 希望 法律 活動 命令
知識 総合 説教 教授 解剖 闘争  
三、動詞+客語
断交 脱党 動員 失踪 投票 休戦 作戦 投資 投機 抗議 規範 動議 処刑  
四、上述の語による複合語
社会主義 自由主義 治外法権 土木工程 工芸美術 自然科学 自然淘汰
攻守同盟 防空演習 政治経済学 唯物史観 動脈硬化 神経衰弱 財団法人 国際公法 最俊通牒 経済恐慌

「共産党 幹部 指導 社会主義 市場 経済」の言葉がまさか日本から中国に導入されたとは予想外。毛沢東も進んで導入を図ったとのこと。新しい体制を表現する言葉が昔の漢字の中には見いだせなかったのだろう。 このリストをみると思わず「へえ~?」だ。

 合意ポイントのもう一つは“心情”  日本の肩を持つわけではないが、アクションすればリアクションがあるのは力学の基本。日露戦争は世界が予想だにしなかった明治政府が勝利してしまった。その時の欧州の驚きは幾ばくか、想像もできなかったと思うが、考えてみれば識字率は江戸時代で既に90%を超え、鉄砲の精度は欧州のそれより優秀とあれば、不思議ではない。が、俄然、パワーを貰ったのは植民支配されていたアジア諸国。やればできる! 黄禍論ベースの包囲網のなか、第二次大戦をしてしまったのは(もう少し冷静になればよかったと反省はすれど)問題だったが、植民地を解放したことは事実。その恩に対して共同して繁栄しようと盛り上げる気分になるのはあると思う。豪州もアジア圏で生きることを覚悟し、戦後ノックダウン生産や畜産で潤ったこともあり参加。同床異夢なしとは言わないが互恵発展には必要な心情だろう。

 技術開発には“トウダイ効果”の言葉がある。東大ではなく“灯台”である。 誰かが未踏の分野に挑戦しなんだかんだ苦労して開発に成功した。となると、その開発は“可能であるとなり、安全航路の”灯台になる”そこまで船(この場合会社)は安全に運行できるのだ! 要するに2番手戦術である。 以前は米国が灯台になり、日本は安全航路、今の日本は灯台なき海図を探りながら新しい灯台を作ろうと懸命になっている。 中国や韓国の経済成長は後追い環境の中で達成したが、現在は停滞しているのは同じ壁にぶつかっているとも言える。

日本は基本的体力は以前ほどないが、TPPには知的財産が大きなウエートを占めている。 新しい灯台を作るには仲間とシェアしながら進めめるのもありと思われる。

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