コロナで多くの有意な人材が逝った。 志村けん。まさか。岡江さん。まさか。 岡本行夫さん。まさか。である。 岡本行夫さんの米国との外交調整能力は日米双方から高い評価があった。また、ダンディでわかり易い口調での講演はご婦人の圧倒的な人気があった。講演中にスマホを主婦が向けると「この角度がよろしいですか?」とポーズをとる。モテモテ・シニア。討論では安定した論陣を張った。グローバル視点で日本の成長・危機を下支えしてきた実績に安定感・信頼感があった。 スーツはいつもブルーで、若い印象があった。
岡本行夫氏は橋下・小泉政権を総理補佐官として支えた。沖縄問題の普天間基地問題、沖縄振興策に尽力された。
この訃報を聞いて、沖縄返還を実現した佐藤内閣。この時に密使としてキッシンジャーとハードな交渉をした人物を思い出した。若泉敬である。 沖縄返還にあたり佐藤内閣の核3原則に対して米国から事前通告で持ち込むことができるとの要求に対して、事前協議に落とし込んだ。
佐藤―ニクソン会議で沖縄返還が決定した。佐藤栄作はノーベル平和賞。一方の若泉敬は政界から京都産大などに活動拠点を移した。だが、沖縄返還交渉を通じて沖縄の人々に対しては完全完璧の決着とは言えないことに強いこだわりがあった。沖縄戦没者お墓の前で自裁をするところを沖縄の太田知事に、十分立派な使命を果たされたとして制止されたが、その後、故郷に戻り服毒自殺をされた。
現在の沖縄が抱える諸問題を解決することができないと予見しての身の処し方。政治の正念場交渉での命掛けの凄みを見る思いである。筆者の卒業した高校出身でもあるだけに、今の自分の仕事に「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」の言葉は重い。確かNHKで沖縄返還交渉から自裁まで活動記録が放映されたことを覚えている。
自分の能力を何に、誰に、活かしているのか。 決して表舞台でスポットライト浴びなくても。
もし活かすことができない事があったら、それを世界が変わったからなど言い訳していないか。 今回のコロナがもたらす経済的変化は以前より相当変化する。 米国、日本も超大型経済出動したことで、株価は実体経済とは関係なく、上昇をしている。だが、ミニバブル弾けた後の実体経済は正社員の給与削減程度では済まないデフレが待ち構えている。まして年金を頼りに退職後の生活は以前より、様変わりになるだろう。その時に向けての新ビジネスを経済界は用意しているか、コロナ渦をやり過ごす瞬間は補助金、給付金、失業保険割り増しなどで対応可能。会社経営での対策が瞬間刹那的な人員整理策は愚策であったと過去が教えている。
「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」と言い切る程の経営者の覚悟とそれを支える社員のミッション実行能力が問われている。
今日5月13日はコロナ自粛解除か否か知事にとって、ギリギリ決断が迫っている日である。 自動継続では経済的犠牲者があまりにも多い。さりとて第2波がいつ来るかも分からない。その中で諸条件を吟味し最後は政治決断をしないといけない。 十分過ぎる程検討した上で「他策ナカリシヲ信ゼムト欲ス」として情報公開するなら国民は従うだろう。
次世代に明るい世界をもたらすことが出来るチャンスでもある。日本人はできる。それを信じて。