池上線・戸越銀座

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コスモサインは8月に川崎から品川荏原にオフィスを移転した。アクセスは東急目黒線不動前、池上線戸越銀座駅。健脚の人であれば五反田や武蔵小山、夏場は厳しいが目黒駅からも歩ける距離にある。
今回取り上げるのは東急池上線。五反田―蒲田間を走行。歴史的には池上本門への参拝客狙いで開設したものが東急と合体した。池上線の旗の台で大井町線に乗り換え、さらに東工大のある大岡山で目黒線に接続して洗足、田園調布や東横線の自由が丘に行くことができる。うっかり寝過ごすと横浜元町中華街まで繋がっている。

電車の種類がそれぞれ異なるので鉄道マニアには面白いのだろう。池上線は緑を基調で先頭のノーズ部が丸みをおび車両巾がやや狭い。今から24年程前に歌手西島三重子が「池上線」をヒットさせたことがあるが、その歌詞が「古い電車のドアのそば、二人は黙って立っていた。話す言葉を探しながら隙間風に震えて。。。。池上線が走る町にあなたは二度とこないのね。。。」。この歌詞にあるようにややマイナスイメージがあった。乗客数も他路線に比較すると少なかった。数年前だと記憶しているが、「もっと池上線に乗ろうキャンペーン」が始まった。それに合わせて新車両の投入、駅舎のリフォームが行われてイメージ一新。写真(旗の台)のように木材を利用した斬新なデザインとなっている。現在も工事中の駅があり以前の駅の雰囲気をみることができる。(写真:池上駅)

 

 

 

 

 

 

オフィスに来られる方にアクセスは?と伺えばかなりの割合で戸越銀座からと答えられる。その理由の一つがTVなどで有名になった戸越銀座を覗いてみることもあるのだろう、長さ1300mに及ぶ商店街は滅多にない。そぞろ歩きは結構愉しめる。外の商店街ではシャッターになった八百屋、果物屋、魚屋、肉屋さんが店舗を構えている。
地元の人が言うには、以前は今の繁栄は考えられなかったとのことだが、品川区支援による電車内ディスプレーに「どぶろっく」の路線紹介などもあり活気がある。五反田から2駅目が戸越銀座。 名前の由来は江戸を越えて相模国への境界にあるところからだそうだ。銀座は関東大地震で崩壊した銀座のレンガブロックをリユースしたところから命名したとのこと。

【消費税の影響】
この戸越銀座には鯛焼き、たこ焼き、串焼き、揚げもの屋さんが結構ある。鯛焼きの種類も多くて実に美味しい。以前は狭い店内にも椅子があり、そこで食べることができた。消費税導入後は椅子は焼き上がるまでの待ち時間のためで、持ち帰りとなった。店舗の規模によっては10%、8%を区別する経理処理のメリットがないのも分かる。現金決済が主流の街だったが、つい最近は安倍首相が視察に訪れたときからキャッシュレス化のハードが急速に整備されつつあるが、ハード・ソフト側の企業合併・淘汰も予想されることから究極の会社を待っている商店主も存在するのも事実あり、還元キャンペーン終了後にお客様に迷惑がかかることを懸念している。マーケットの現実をみるには良い商店街だ。
冷めた鯛焼きでは味気ない。なので歩きながら食べる。大の大人が歩きながらでは道徳面で後ろめたい気持ちになりサマにならない。一方、子供にとっては仲間と椅子に座ってのワイワイガヤガヤ愉しみが少なくなった。本当は小さな公園があるともっと面白い街になりそうだが。

【新しい息吹】
*アンテナショップ的店舗。初めて知ったのは品川区と姉妹都市の坂井市のテナントショップ。坂井市??ってどこ?でも越前カニや東尋坊の三国、芦原温泉と言えばああそうかと納得する人もおられよう。東尋坊はサスペンスドラマで犯人が絶壁を背に白状する場所としても有名。これから越前ガニが店頭に並ぶだろう。五木ひろしCMの「いちほまれ」も購入することができる。コシヒカリ誕生の土地でもあるが、それに拘らないで次世代米の開発する心意気に乾杯(いや?お代わり!)。

*和歌山の梅干し。スーパーでも高価になった梅干し。この商店街では多種類でかつ安価で求められる専門店がある。これも嬉しい。ポスターにインフルエンザ、生活習慣病予防を謳っている。ただ、和食に拘らず洋食・パスタなどへの展開も考えらるので若い人に期待。

*本格珈琲店
この商店街にもチェーン店珈琲ショップもあるが、昭和レトロ感のある喫茶店も結構健闘している。サイドメニューや年齢層が高い層にマッチングするように室内に工夫を凝らしている。
一方、青山が似合いそうな喫茶店が開店した。道路から全面ガラスを通じて焙煎機が稼働しているのを見ることができる。

一方、内装はオフホワイトウオールと木材の組み合わせ、木材は特徴ある木目をカウンター下の袖板に配置、客席側には別の種類を配置する緻密なデザインとなっている。

肝心の珈琲は極端に言えば「自分は珈琲なるものを何千・万杯を飲んできたが、一体分かって飲んでいたのか?」と自問させるに十分なレベルで正直驚いた。
まず、珈琲豆の味・香りなどコーヒーチャートとして特徴が整理がされている。横軸に「あっさり、爽やか」と対極に「コク・厚み」、縦軸に「華やか・フルーテイ」と対極に「ビター」をとり四面にどの豆が位置するか図で分かるようにしてある。客が指定すると店頭にある大型焙煎装置と粉砕器で粉末を調整。ブレンドの場合はどれを混合するのか、その割合いもアドバイスされる。

ミル直後にお湯を注げば“もわ~っ”として泡粒が浮上。香りが漂うのは勿論である。
戸越らしい会話もあり、贅沢な味と下町の良さがミックスした雰囲気。おもてなし部長は人なつこいわんちゃんの「杏」。とてもお利口でお客に寄り添ってくれる。 近くに星薬科大学など文教機関もあり海外からの教授も顔をだされ会話を愉しむこともできる。チーズケーキもオススメ。

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