鬼滅の刃と骨太日本への期待

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鬼滅の刃の映画収益が凄い。禰豆子にあやかって竹輪が売れているとか。話題に枚挙がない。歌舞伎発祥の地と言えば京都河原町。先月、京都南座の前を通ったら鬼滅の刃ギャラリーを観るべく行列ができていた。歌舞伎衣装を纏った炭次郞などがロビーに展示と受け取ったビラに描いてある(写真)。

歌舞伎出し物「源頼光と四天王」とのコラボだと気がついたのは寺町で夕食を摂りながらである。相当、鈍い頭と言われてもしようが無い。

日本のアニメパワーは圧倒している。映画配信のソニーは収益上方修正している。半導体・イメージセンサーの落ち込みをカバーするほどに頼りになる。電車の中や歩きながらみているスマホやタブレットの画面の多くは漫画、Line、ゲーム、ダウンロードした音楽。アニメなどソフトパワーは大きい。

しかしながら、コンテンツの受け身で成長した大人に世間から喝采をあびることが少ない社会インフラ開拓など可能であろうか?やや心配のところがある。理系や医学方面に進む学生の減少と無関係ではあるまい。そんな時、目を宇宙に向けさせる出来事があった。民間ロケットスペースX社のグルードラゴンによる地球ステーションへの輸送が実現したのだ。日本人野口聡一さんがパイロット兼研究者として搭乗した。宇宙ステーションの実験棟の実物模型が三菱重工のみなとみらい科学館内に展示してある。意外に狭い空間である。無重力だから比重が重い金属でも空間に浮く。当然ながら容器は不要である。この重い金属と別の比重の異なる金属アロイを地上で製造するのは無理だが、宇宙なら可能である。医薬品の開発も期待されている。若田さん、古川さんも順次搭乗の予定で長期滞在ならではの成果が期待できる。宇宙飛行士の宇宙服も相当軽量スマートになった。特別訓練を受けない民間人の搭乗も夢ではなくなった。

さて、目が宇宙に向いたところで、こんどは海。宇宙より攻略は難いチャレンジし甲斐のあるアイテムだ。海洋開発研究機構(横須賀)がビックサイトで開催の粉体工業展のフロアにJAXA と並んでブースを設けていた。展示会の趣旨とあっているのか不思議な感覚だった。それだけ、市民や企業への注目してほしい意味があると理解した。同上の三菱みなとみらい科学館で深海探査船“しんかい”は6500mまで有人では最高の潜水能力があることを展示している。だが海洋開発研究機構の目標はマントルの内部を調査することと聞いて驚いた。マントルまでは3~5万メートル。そこに調査船から掘削棒?を下ろして海底を削るのだ。調査船が波や風で揺らがない技術や、深海まで超高圧に負けない鋼材・真円パイプ成形技術、何をさておき、マントル温度は表面が500℃、内部は7000℃とか言われているが、どの深さまで掘削するかによるが耐久性・耐熱性のある材料を必要とする。

それまでして探索するかと言えば“未知”だからに尽きる。マントル内は海水より多くの水があると言われていると展示会の説明員から聞いてエッ?と驚いた。“どうして分かるのか?”と質問しなかったのは迂闊だった。ニュートン・リンゴの感性がないことを痛感した次第。多分、小学生なら質問しただろう。大陽と同じく核分裂による発熱だとか、地表にない岩石組成物から有用な材料開発が可能になりそうだとか、、、、夢がある。

船が揺れないようにする技術の一つをとっても面白い。ご存じの方もおられようが、高さ634mの東京スカイツリーの建設において資材をクレーンで上げる時に揺れ抑止する装置を開発した。筆者が関係する会社が試作を重ね納入したことを知っている。船は左右だけでなく上下にも揺れるだけに簡単ではなさそうだが、開発の過程で海上風力発電の足場ができたり、やってみる価値はありそうだ。秋田や山口に設営予定だった案件も解決するだろう。必要は発明の母。

だが、JAXAも海洋研究開発機構の説明員両名とも政府予算が。。。。と嘆いておられた。相当のギャップがあると言わないで、波及効果を考え利用する民間の知恵を活用して財政当局を説得することをお勧めする。宇宙も海洋も国家として発展・維持するための要素が数多くある。その夢を語ることが出来ないようでは、元は人間だったが長じて夢を持てなくなって人間界に害を及ぼす鬼に化身するぞと言えば言い過ぎだろうか。今の日本には明日の骨太インフラ構築する人材が必要としている。竈門炭次郞の刃は日本の堕落しそうな日本人精神を救済のために使うと(勝手ながら)妄想した。大の大人がアニメを観て感動した。。。との感想を言うにはコロナ渦がもたらした社会断層化も遠因の深層心理が作用しているのではないだろうか。

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