感染者数・地域別特徴

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漸く新型コロナも終息しつつある。ロックダウンしなくても自粛要請に対して、ほぼ忠実に守ったことは本当に誇らしい。感染数は毎日報告されており、多くの人は報じられている図表を基に独特のプロットをして眺めて時間を過ごすことをしていた。 人口にほぼ感染者は相関するなのは当然だ。高齢者がいる地域は感染し易いはずだが、接触機会は少ないか?。などの要因探しをした知人が多かった。 誰でも考える影響の大きい要因はざっくり

・人口・人口密度     東京・大阪・福岡など第一次自粛要求地域・・・影響大大大

・年齢構成                   終盤になると20代が多くなったことから・・・・・関係が薄い

・インバウンド要因         韓国、中国、台湾、香港の東アジアで70%・・影響大大

・交通インフラ               従来とはビジネス圏が変わった。・・・・・・・・・ 影響大

・気象(紫外線量)         冬場の晴天日が少ない地域・・・・・・・・・・・・・ 影響大

・環境PM2.5              世界では該当しても、日本に限定すると関係が薄い。

などが直ぐに思いつくところである。

この要因のうち、人口、インバウンド、交通インフラ(人の流れ)など経済的な面から整理することを考えた。地域別の生産性(一次産業、二次産業、サービス産業)と感染者数との関係をプロットしたところ面白い結果となった。

(図-1)に横軸に生産性(2018年)、縦軸に感染者数をプロットした。

 

その結果

・概ね地域経済生産性が大きくなるにつれ感染者数は増加する。(人モノ金流通と関係)

・経済生産性規模が小さい場合は感染者数は少ない

・目立つのは北陸3県はこの相関帯から外れ、生産見合いで患者数が多い

人口10万人あたりの感染者数は当初は福井が東京についで2番目と多く、福井を知らない人から、妙だ、まぁ人口が少ないと少数の感染者数が敏感に反映するのだろう。そのようなフィーリングだった。ところが終盤になると石川が東京を抜いてトップとなった。(表)

 

人口が少ない地域の多くは感染者数は低い事を考えると、北陸地区は特別な要因があると考えられる。何故北陸3県は異なるのだろうか? ある人は北陸の特徴として共稼ぎが多いからと言うが、それは今や全国共通になっているので、該当しない。

これを

【医療面インフラ】でみると北陸や山陰地区はIPCの検査能力が高い地域である。 感染の早い段階で陽性を検出したと見るのが妥当性があるのではないだろうか。

 

図-2に人口10万人当たりのIPC能力を示した。ダントツ徳島、鳥取、和歌山、長崎、島根、福井、石川が上位にある。因みに東京、埼玉はお寒い状況で、これで検査数を増やせと非難している声があるが、そもそも無理難題を言っているに過ぎない。 平素の予算配分がイザとなると露呈するのが見える。 それにしても徳島の感染者数が少ない。別の理由もありそうだ。徳島といえば大塚製薬、徳島新聞、貯蓄高。 地元に詳しい人に聞いて見よう。

 

【経済面の変化】からみる北陸

北陸3県の従来経済圏は富山=東京、石川=(東京・関西)、福井=関西・中京 と大別されていた。 これが北陸新幹線が金沢まで延伸すると東京からの金沢へのアクセスが急増した。ビジネス面での交流増加に加え、インバウンド客も増加した。インバウンド客全体4000万人のうち、金沢に宿泊したのは1000万人。

北陸新幹線の長野、上越新幹線の新潟もインバウンド客が増加しているが、金沢に吸収された格好になっている。

年末から3月の間は、カニ(越前かに、香箱かに、)のシーズンでもあり、海の幸が豊富であり

国内旅行客が増加、インバウンドも金沢を意識している調査資料がある。

北陸新幹線は現在、金沢から福井を経由して敦賀までの工事が進んでいるが、元々福井に関しては在来線で敦賀―網干(兵庫)に通勤新快速が走っているように大阪との関係が密であり、インバウンドより平素のビジネスによる人の交流の影響が大きいとみる。

北陸と一口に言っても半世紀前の教科書は織物・農業県だったが、現在は最先端産業地域である。地震頻度が少ないこともあり多い地区から移動する企業もある。

富山 アビガンの富山化学のように現在も医薬は盛んな土地

石川 機械、半導体製造、炭素繊維と先端産業に衣替え

福井 3Dプリンター複合切削大型機械、炭素繊維複合材料で自動車関連、繊維産業は経編(たてあみ)など高機能化が進んでいる。ラグビーの機能性ユニホームが記憶に新しい。

さて話を転じて、一連の感染情報過多の中で考えたことがある。

【商社は何を伝えたか】

インバウンドは各国も日本も鎖国状態で3月にはピタリと止まった。 産業規模・構成により人の流動性があることが感染の根本であるとすれば、ストップをいかに早くするか。それは情報戦が重要だ。今回はWHOが感染に対して急ブレーキを踏まなかった。WHOを非難する声はあるが、不思議なのは、日本の商社活動は大使館や領事官よりネットワークが充実しているハズなのに動いたとの声は聞こえてこない。 ビジネス取引相手の状況、街の様子、病院の様子など、異常を感知する筈である。政府に届いていたのかも知れない。無責任なことは言えないが、商社のセンサーにもIT、AI重視で肌感覚能力が低下しているのかも知れない。 両方に秀でた人材はいると信じたいがどうなんだろうか。 随分昔のことになるが、経済評論家で“どぶ板経済”を標榜していた人が居られた。街の様子を肌感覚で嗅ぎ取って情報発信していた。今はAIの時代としてスパコンのデータだけに重点を置くようになったのか。

【医師と医者】

冒頭でIPC装置能力の地域別特徴を挙げたが、巷間言われているように陽性・陰性判断精度は高くない。 NHKが以前に各医大のインターンを集め患者のデーターや状態、問診から正確な病名をあてる番組をやっていた。 指導教授が問診状況を続々提供するにつれて病名が変化することを知った。検査と問診の尤度比の問題でもある。

分析データーだけで判断しているとは思いたくないが、コロナの場合は嗅覚・味覚変化があると患者が感じた方が確度が高いとの結果もある。問診能力の高い医者。「医師と医者の両立。かつ命がけの体力勝負」 大変な職業だ。次の感染まで暫時休息ができることが早く訪れることを念じて。あと少し頑張って医療従事者の皆様。

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