連日のオリンピック盛り上がりは予想以上で愉しませてくれる。柔道、卓球など破竹の勢いもさることがなら、初めて登場したスケートボード、サーフィンなども観ることができた。フェンシングなど過去頂点に立つことがなかった競技でも大活躍である。
インタビューの内容に驚いた人も多かったのではないだろうか。かっての絶叫調はなく、きれいな日本語で理路整然と端的に話す選手が多かった。恐らくトレーニング中には表彰台を目指してのイメージをしており、インタビュー当然あるべしとして作成し自問自答などで鼓舞していたのであろうと思われる。多くの選手は開口一番、開催して頂いて感謝している。この5年間を凝縮した結果だと述べている。リオから来たるべく四年後を目指して体調がピークになるよう積み重ねてきたのが、延長。その間、中止論も持ち上がる空気では、普通の精神力では萎える。この逆境は世界の選手も同じ条件であるが、よくぞ東京大会を信じてやってこられたと感心する。
オリンピック放送の初日に誰の・何の為の大会か?と某放送局は発言した。答えはこの開催期間で十分学んだものと思われるので、パラリンピック終了後に総括の言葉を聞きたいものだ。
誰のため、何のため。 実は3月に筆者は共同通信のインタビューを受けた。
記者:オリンピック開催に対する意見がありますか?
当方:勿論、大賛成!
記者:エッ? ほとんどの人がNoですよ。珍しい人ですね。何故ですか?
筆者:賛成の理由を次のように言った。記者はスマホに凄い速度で記録。
- 日本も世界も未曾有の精神的落ち込みの中にある。活性起爆剤が必要
- 前回の東京オリンピックでの日本人の活躍、アベベの裸足マラソンなど世界には多様・多能の人がいることを知った。
- 東京オリンピック記録映画(市川崑監督)を観ると、例えば男子100mスタート時の筋肉の動き、眼光鋭さなど頂点に挑戦する様を目の当たりにして感動しない人はいなかった。バレーボール、体操、柔道の活躍は記憶と記録に残っている。でも女子110mハードルの依田いく子さんの痛ましいほどの追究した体(テーピング)、国を背負って42kmを走り最後で3位になった円谷幸吉さんの覚悟は現代に欠けている。
悲壮感とは違った形で今回は見せてくれるのではないか。
- ワクチン外交に努力している(3月時点)ことを評価している。
而して、無観客ではあるが開催された。兄妹同日金メダルは空前絶後の出来事で興奮した。卓球混合ダブルスの準決勝、決勝の大逆転劇はTVであっても興奮させてくれた。逆にメダルに届かなかった選手は1年順延の影響が余りにも大きく影響する種目であったと同情する。打倒日本水泳と頑張って成長した世界の選手に拍手だ。
裏方も実は5年間の業務を淡々とこなしてきた。目立たないが、マリンスポーツの沿岸は東京湾を中心に茨城~湘南地区と非常に広い。この海域のリスク管理を海上保安庁は5年間詳細なロードマップを作成し作戦行動を執ってきた。拠点を横浜に置き活動しているのを知っている。自衛隊の協力なしには運営は厳しいが、その自衛隊も熱海土砂崩落に活動されている。このように競技以外のシステマチックな活動があっての開催ができることを有難く感謝している。まだまだ続くオリンピック、パラリンピック。頑張ろう日本。
最後に柔道で金メダルと獲ったウルフ・アロンさんの中学二年の時の作文を転載する。(写真 左下から右上)
この覚悟を今我々は持っているかを鋭く説いている。有言実行・武士道にも近いではないだろうか。