キャッシュカードor現金

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駅近に新規オープンしたハンバーガーショップがあり入った。注文のタッチパネルが4面あり、メニューを選びキャッシュカード、クレジットカードで多くの人が精算していた。打ち込めばカウンター上部のディスプレーに注文番号が表示され、やがて受け取り枠に表示される仕組み。どこでもお馴染みの風景となっている。タッチパネルには順番待ちの列。

カウンターには従業員が対面で注文を受けるコーナーがあり、不思議無なことに人が行列を作っていない。妙な気分だが、そちらで注文し現金で支払った。オールドタイプなやり方だ。今時、現金で支払うのは時代遅れなのだろうか。結論は“時代遅れ感70%、様子見30%”。

政府がキャッシュレスを推進した理由は消費税アップ対策として優遇策を講じた背景がある。促進にはポイント還元は大きく作用したのだろう。Pay Payの100億円還元セールをはじめに、①還元ポイント及びその後の特別セールは魅力。②コロナ禍もあり現金にはなんとなく他人の菌が付着しているかも知れないとして敬遠 ③小銭は重い ④支払い時にお釣りがスマートにもらうために、小銭を付け足して渡すことは苦手 などの理由でキャッシュレスカードは便利だ。

交通系カードのようにカードをかざす決済もあればスマホでQR読み取りスマホの中で精算する方式もある。QRの操作ができないと今や牛丼も食べるのにも往生する。このブログでもスパゲッティ屋に入ったらメニューをQRコードで読み取る店を紹介した。これが、今や精算も行うことになった。恥ずかしながら、直近では祇園祭の仮設店舗にスマホを置き忘れたことがあり、慌てて引き返したウッカリミスをやらかした。戻らなかった時はスマホの無効処理をすれば解決することは分かっているが、それ以来QRコードスマホ精算は気が進まないようになってしまった(時代の落伍者?)。

今までは利用者の立場で書いたが、店側の事情はどうだろう。戸越銀座はすっかり庶民の街として有名になってしまった。この商店街に導入されれば、一つのモデルとしての評価が定まる。時の首相が視察に訪れるとあって導入を急いだ。幟もあちこちに目立った。だが中には冷静なお店もあった「決済手数料ゼロの間はいざ知らず、決済手数料がかかれば、小さな店では厳しいかなぁ」との意見を聞いた。

今、これからその手数料が現実化しようとしている。日経ビジネス5月の記者コメントに「Suicaなど交通系電子マネーは3.25%、楽天ペイは3.24%。今年有料化を予定するLINE Payは10月から2.45%、メルペイは7月から2.6%となる。5月には未定だったPay Payは10月に1.6~1.9%を予定」とある。お店がキャッシュカードに支払う手数料であるが、回り回って商品の値段に反映させるので現金支払いの消費者が払うことになる。キャッシュカードを使えば還元ポイントがある分緩和される。(消費者はチャージにキャッシュカードに紐つけるクレジットカードからもポイントがつくことでなおさら痛くはないのだろう。)

キャッシュカードからお店に支払われるタイミングは即金ではない。1〜2ヶ月後に振り込まれる。その間でキャッシュフローに窮するお店があると思われる。さりとて、即金のカードにデビッドがあるが、店によりけりでこれも万能ではない。QRコードも同じく決済手数料が無料から有料への動きのようだ。お店としてはQRコード方式が便利。印刷したシールがあれば済む。読み取り装置を購入する必要がない。

庶民的な戸越銀座では、大雑把であるがキャッシュカード3割、現金7割のようだ。キャッシュカード別ではPay Payが6割を占め、残りをdカード、楽天Pay ,au などとなっている。総需要が伸びない中、現金がカードに移行したとしてもパイの食い合いになるのでキャッシュカード会社は大変だろう。熾烈な競争しても生き残りをかけるのは、巨大なマーケットなので、たとえPay Payの3年間赤字が1900億であっても、下りるに降りられない状態になっているのだろう。単なる手数料だけでは厳しいと思う。シニアが言った「パソコンで検索すると、関係しそうな商品が帯のところに出てくる。キャッシュカードでは使用履歴からお勧めメニューが表示されそうだ。ダイエットの意思が弱体化するのではなかろうか?」と。ダイエットかどうかは別としてカード会社にはAI情報が集約されることは確かだろう。そのデーターを利用しての新ビジネス展開はありうる。そこが手数料より付加価値がありそうだ。医療関係とりわけ健康食品にそのAIが利用されると面白い、シニアが長寿を希望するなら◯◯がお勧めですと。カード会社は一旦入手したAIデータを有効に利用するはずだ。これが狙いと思う。

なお、高山市を中心に出回っている「さるぼぼコイン」はふるさと納税的で地域活性の意味があるので、これはこれで利用意味はあると思う。単なる現金の替りではなく楽しさも加わる。ネーミングもよろしいのではないでしょうか。カヤックの仕掛けている「まちのコイン」も面白い。ボランタリー活動など人と人の繋がり、結果として地位域活性につながる仕組み。鎌倉で実態を見てこよう。トータルで現金はまだ主流ではあるが、コロナ禍による清潔感の向上意識もあり、徐々に切り替わるのであろう。

一方で新紙幣の先端印刷テクノロジーは残しておきたい。そして年配者は囁くであろう「ただほど高いものはないぞ」。それが冒頭の30%を占めている。ITに弱いシニアは言うだろう 「スマホでapple store やiTunes ,amazon のPOSAギフトカードを購入するときは現金しかダメだろうが… 」 いや、ごもっとも。

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