オンライン教育・会議

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コロナ渦で新入生になったがキャンパスは閉鎖され、オンライン教育ではや2年以上経過した。授業料返せ!の声もある。愉しみなキャンパスライフが送れない、人脈構築ができない。。。。など不満は多々指摘されている。

教員はオンラインとなると従来の教材をデジタル仕様に再編(寧ろ)新規作成する必要がありオーバーワークになっているN高校のような情報もある。

大学においては普通の講義よりインプットされる知識の濃度は濃いの良い面もあろうが、あくまでも一方向性が強い。定期的面談はあるようだが少ない。逆に時間に余裕があるので自分のやりたい事ができるメリットはあるとの説明もなされている。

日経2021年5月26日の記事に、【有名大卒脅かす学びのデジタル証明の未来】として、角川ドワンゴ学園が運営する通信制の「N高等学校」は、2020年度の卒業生約4300人に「電子卒業証書」を発行した。高校や大学、社会人の学び直し(リカレント教育)を含めて学習履歴をデジタルで証明する技術が日本でも広がり始めており、習得した知識やスキルを「見える化」し、実力本位の学習へと導くからだ。

自宅がキャンパスでオンラインの一面は上記のように納得できる。これによると知識とスキルの両方を習得できるとあるが、スキル習得はどのようにしてなされるのかについてはこの記事では見当たらない。

医学部があれば入学しようかな。手術はロボットになるから執刀熟練度は問われない? 複雑な症例もAI診断でこれからは人間が判断するより正確かもしれない(勿論冗談)。顔つきや動きに現れる情報などから患者が口にだしていう症状とは違うと見破るのも医者として必要なのであって完全な置き換えは不可能だ。その感性を磨くにはオンライン教育は可能であろうか。医学に限らずどの分野でも言えそうだが、答えは卒業性が中堅に活躍する時まで待つことにしよう。

世界にはこの両方を既に実践している大学がある。ミネビア大学である。大学キャンパスを持たずオンライン教育を徹底し、世界7カ国にて合宿を行うなかでface to face のリアル討論を実施し、多種多様な考えがあることを学ぶ。また、地元企業、NPO法人で実習することでインプットされた知識がアウトプットの行動に通用するか否かを極めるシステムの様だ。(東洋経済7月2日号下線部引用)

日本もそうだが、米国の大学の授業料は非常に高い。奨学金がないと苦しい。昨年の米国大統領選挙においてサンダース候補が奨学金返還無用の政策が反響を呼んだことがあった。その高い授業料をもってしても実際、教育成果についての大学側の評価と実業界の評価には大きな乖離が指摘されている。オンライン教育の傍ら彼らは1年次にはサンフランシスコの学寮に滞在し、この都市のさまざまなプロジェクトに参加する。2年次前期はソウルに移る。後期はハイデラバード、3年次前期はベルリン、後期はブエノスアイレス、4年次前期はロンドン、後期は台北である。4年間で世界を二周くらいしながら、異なる社会文化的、政治的環境のなかで、実践的なプロジェクトに関与することを通じて学びを深めるのである。 と記事紹介があった。

教授・指導教官との生の接触により得られる薫陶や学生交流を通じての人脈形成はその後の人生には非常に重要である。ZOOMやTEAMS会議では本音が話しづらく、テレワーク会議で決定したように見えて、実行の速度が遅いと感じているのは筆者だけではないだろう。エモーショナルな部分が伝達しえないからだ。Face to Face の有効性を改めて重要と認識させてくれたのはコロナ渦の良い面かも知れない。尚、お断りしておきますが、ZOOM会議は便利なのは間違いない。先日、出張が先約で変更できない状況下で、後から別の会社とのZOOM会議の案内がきた。重複だ。どちらも断れない案件。出張先の企業のご高配で別室でZOOM会議してはどうかと提案があり、本当に助かったことがある。出張先の企業様とは初顔合わせで仲介者から人柄・性格は聞いてはいたものの、緊張されていたようでした。ただ駅でお会いするなり仕草と口調で一気に和み打ち合わせも順調。その雰囲気はZOOM会議ではかなり難しい。仲間内ならよいが。

さて、理系(医学、歯科医師、歯科技工、工学、農学)は実験が必要で、原理原則を身を以て体験する。歯科大学のYou tubeで石膏の膨張を計測しグラフを作成する様子を見た。石膏に加水して泥漿を作成して型に流し込むと膨張する。その様子を観察してエクセルに纏める作業である。この時、新入生として石膏って膨張するのだと体験し、だとすると後のモデル作成においても、それを勘案しなければ、、、、と理解が進む。オープンキャンパスに偶々参加してみたところ、石膏を切削するコンペが行われていた。同じ石膏でもカービングの腕で仕上がりが異なることを学んだのだろう。

工学部出身でも半田ごてを使ったことがない人がいると聞いて驚いた。付き合っている会社の開発中堅者の多くは子供時代にラジオ、模型飛行機、ラジコン、パソコン自作の人が多く引き出しが実に多い。その引き出しは決してデジタル由来ではない。引き出しの少ない人が検索したデジタル情報は、それ止まりでその先の応用が利かないので相談相手にはならない。

なので、初めからデジタル証明の大学には行かずに、従来通りの大学を経たたうえで社会で実践するなかで不足していると思われる知識、スキルを補完する目的で利用した方が本人の爲、強いては企業の爲だと思われる。その時両方の大学が存続する理由になると思われる。結論は「古くて新しい融合」

 

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