冬虫夏草って何?

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日経1月11日記事に「70歳超えても働く」60代の54% 日経郵送世論調査。

(右図参照)

経済的理由が最も多い。男子の平均寿命81歳。健康年齢が72歳なので、ほぼ体が動けるうちは働きたいとの思いがあるとのこと。健康を崩してから旅行・スポーツ、趣味にと活動する余裕がない程になっている。

一方、定年延長がジワジワ延長され70歳も現実的に見えてきたことから「今のうちに」と45歳になったら、いや30歳台でも。。。と希望退職を募る一部上場の会社が増えてきた。 割増し退職金を払える体力のあるうちに整理し、次世代事業へのシフトを図りたいとの経営側の思惑を隠さない状況になっている。

働く側からみれば、本当の実力がないと若いから大丈夫とは言えないので、本気の実力形成にと刺激になるのは当然だが、経営マネジメント側には、貴重な人材を無駄遣いにしないで将来性を見抜く慧眼とそれまで耐える胆力が要求される。短期収益改善の人員整理するようでは尻すぼみしかないが、本当に会社の将来を熟考し、その上で人を整理することの苦しみを本当に味わった人は優れた経営者になることがある。

若い人より問題児になりかねないのがシニア層。 筆者がつい最近遭遇したのは某役所。シニアの担当者が困惑気味に画面とキイーボードを睨めっこ。ソフトが変更になって、どのFキイを押せばよいのやらと。気の毒になって「働き方改革のためのソフト変更でしょうね。そのうち効果がでますね」と同情。だが、隣の机ではサッサと処理。若い担当者。

かくいう筆者も名前がでてこないことが多くなった。「あの人、そうこんな感じ。。。」で、済むはなしと済まない話がある。 株式で認知症改善医薬品のニュースに超敏感に反応し急騰する銘柄があり、マイナスデーターが知らされると急降下、反証があると上昇のパターン。それだけ巨額の利益がもたらされるのであろう。ましてシニア層の対象人数は増加を背景に。

前振りが実に長い。長すぎる。 でも認知症がジワジワと進行する症状ならば、粘り強く時間を掛けて慎重に、なにより患者、対象者の人間性を尊重しながら、かつ目先の利益を優先しないでも研究開発をやり抜くことが天命だと長い時間を覚悟して取り組む必要がある。前振りもつられて自動的に長くなった。

暮れの漫才M-1で優勝したミルクボーイ風に言えば

ミルク「おかんがな ある老人ホームで服用している健康食品があって効き目が違うとか。でもその名前を思い出せないんやて」

ボーイ「なんか特徴がないか? 一緒に考えてみようよ」

ミルク「服用する前に、あてはまる項目にチェックを入れるんやそうな」

ボーイ「よく有るパターンやな。おかんはどれにチェック入れたん?」

ミルク「*やる気が維持しにくい *捜し物が多くなった *疲れやすい*目覚めが悪い、*興味引くものがない *身だしなみに気を遣わない*部屋の片付け面倒 *笑顔が少ない *部屋にこもりがち*名前がでない」

ボーイ「そんだけ覚えていたら、おかんは問題がないがな」

ミルク「でもな、孫の名前は覚えているのに、お年玉を渡すのは忘れとんねん」

ボーイ「そりゃあかんがな!」

ミルク「なんでもな。虫のようで草やって言いよんねん」

ボーイ「冬は虫のようで、夏になると草になると古来言われているものとチャウか?」それ虫と違うがな、カイコ蛹に生息する菌の一種や、草のように見えるんよ」

ミルク「えらい物知りの相棒やなぁ、冬虫夏草って言うのか」

以下は冬虫夏草の認知症改善に繋がる健康食品(医薬品のポテンシャルあると筆者は考える)の研究に携わった岩手大学 鈴木名誉教授を中心とする大学連携で文科省の科研費申請資料の一部から抜粋した。

カイコ蛹(さなぎ)に寄生するハナサナギタケから熱水抽出画分を老化促進マウスに経口投与したところ、空間パターン認識を司る(脳の)海馬CA3領域に発生した神経膠症が濃度依存的に消失し、老化促進マウスにおける文脈・空間記憶学習機能が改善することを明らかにした

(文献 機関番号11201 研究課題名 カイコ冬虫夏草由来のマウス海馬修復因子の構造解析とヒトへの応用開発)

 

要旨の引用を続けると、「培養アストロサイトに新規生物活性因子を添加することで、神経成長因子と神経成長因子油胴体の遺伝子が発現し、さらに神経初代細胞への効果として神経突起形成を誘導、このin vitroの分子構造に基づいて、老化促進マウスの脳機能は向上し、ヒトのアルツハイマー型認知症患者の前臨床試験でも改善効果が確認され、新しい機能性食品と医薬品候補を提案した。」 水溶性ペプチド誘導体構造を有する新規化合物を「ナトリード」と名付け。実証実験が行われている。

文献中 図4はナトリードの有無による2つの遺伝子発現の時間依存性を表している。

化合物の同定についても最新の分析装置により行われて、逆にそれぞれの各成分を反応により最終品を入手できることは他大学との連携で判明した。まずは、ラボから実用段階へ、その後の将来については合成も視野に入れるのであろう。もとより、健康食品としての成果を地道に、精度よく積み上げての、研究と同じ情熱で仕上げることが期待される。

因みに、この商品は第一工業製薬(本社京都)から発売されている。一袋はコーヒーの値段より安価な設定にして、長期継続服用を期待しているようだ。 大袈裟な宣伝は苦手な企業文化であるが、京都は土地柄、確かなものしか認知しないので長い目でウオッチが必要であろう。

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