モーターサイクル(その1)

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俳句プレバトルで千原ジュニアが昇格した句

750CC(ナナハン)の タンクにしがみつく 寒夜」

ライダーならずとも上手いなぁ~と感心する。ライダースーツ、手袋、フルフェイスヘルメットで身を纏っていても寒い。タンクを介してのエンジンの温もりは冬の季節はありがたいと。でも、単にそれだけではなく、しがみつく姿勢は快調なツーリングを支えてくれた愛車への例えば乗馬に労をねぎらう様をも想像させる

二輪は排気ガス、騒音規制、及び需要の減退もあり中型・小型の生産中止が相次いだが、その一方でヤマハは前方2輪のLMW(コーナリング時にフロント二輪と車体を同調させ、リーンさせる機能)を、ホンダは、ライダーがバランスを保たなくても自立する二輪車「Honda Riding Assist-e」を発表した。渋滞や信号での発進・停止時など、低速走行時でもマシン自体がバランスを保ち、「倒れないバイク」でライダーの負担を軽減するという。いずれも、新規ユーザーが参入し易いことを意図しているのだろう

カワサキは人気のNinjaシリーズを発展させ300馬力モデルを開発しBMWを追い抜いた。カワサキは航空機エンジン技術を有しているが、BMWは自動車・二輪の前身が航空機エンジン生産しておりその共通点が面白い

カワサキ以外の二輪メーカーは自動車併産にシフトしたが、二輪ライフ・スピリッツを四輪に活かしているように感ずるのは小生だけではないだろう。ヤマハは長年エンジンをトヨタグループに供給して四輪は主に特殊作業用に限定していたが、先の東京モーターショーでは二輪ライフテイストタップリのSUVを発表し、二輪とSUVを結合すると新しいカーライフが提供できることを提案。二輪ライダーも共感すると思われる

カワサキの300馬力、時速320キロを必要とするライダーはそう多くはいないが、その技術への憧れを持たせるには充分である。カワサキスーパージャージャー部品のインペラーは13万回/分の超高速で回転する。川崎重工の航空機エンジン開発部隊が設計した遠心式スーパーチャージャーに組み込まれている。またインペラーと形状が類似している船舶のスクリューを設計製造している同社船舶部隊とのコラボもなされたと聞く。外観風貌は従来のNinjaと変わらないので乗ってみて驚くライダーをバイクが見ているように思える。乗りこなすスキルのないジョッキーを馬の方が値踏みするように

尚、インペラーの製造は金属ブロックからの5軸~6軸切削マシンであるが、将来さらに形状が複雑になると3Dプリンターが登場するのではないかと考える。 製品設計は「成形加工可能技術」を前提になされる。「高速で流体を抵抗なく移送する羽根」を前提にして、高度数学を利用したトポロジー学から得られる解は現状の成形加工技術では不可能な形状となることもあり得る。

その場合、3Dプリンターが活躍すると予想する。 

写真  カワサキZ900RS(東京モーターショー)及びインペラー

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