またコーヒーの話かとお嘆きの方に新しいコーヒー効果情報をお届けしますのでご勘弁を。京都府立医科大学と関西医科大学が表題をリリース(2026.03.17)
要約を引用。
コーヒーの摂取と大腸がんのリスク低下との関連を示す疫学研究の背景にある分子メカニズムの一端を説明する成果です。
コーヒーに含まれるポリフェノール成分「カフェ酸」がヒト大腸がん細胞の増殖を強く抑制することを発見しました。
ケミカルバイオロジーの手法により、カフェ酸が大腸がんの予後不良に関わるリボソームタンパク質 RPS5 に直接結合することで、がんの増殖を制御するメカニズムを発見しました。
コーヒーといえばポリフェノールのクロロゲン酸と理解されている。双方の分子式を見ると、カフェ酸とクロロゲン酸もポリフェノール化合物であることがわかる。

カフェ酸が初めからあるのではなく、クロロゲン酸が胃や腸で加水分解されて生成するものであるとのこと。確かにクロロゲン酸の分子式の右半分がカフェ酸の素であることがわかる。実にオシャレな命名をしたものだ。
効能の写真では
左;2種のヒト大腸がん細胞(HCT-15、 HCT116)が紫色に染色されている。右;カフェ酸の投与により、がん細胞は ほぼ消滅した。

機作については論文をチェックされたい。
ブログとしては「欧米ではコーヒーを4〜6杯飲んでいるのに大腸癌が多いのはなぜか?」「日本人は多くても3杯が好ましい理由」に関心がある。
鍵は食生活と遺伝子の違いか。
欧米化激しい日本だが、米国の方が赤肉、加工肉の消費が圧倒的に多く、食物繊維が少なく肥満、運動不足の生活スタイルが大腸癌を加速させている。そこにコーヒーが体にいいとか言いつつ砂糖たっぷり添加する飲み方ではカフェ酸が活躍するにも出番が少ないのだろうと推定。おそらく無糖で10杯ぐらい飲まないとカフェ酸の効果はないのだろう。笑い事ではない、日本でも米国の後追い食生活をしている。だったらコーヒーを多くすれば良いのでは?と思うものの、遺伝子がそもそも違うのでそうはならない。
1 肝臓でカフェインを分解する酵素 CYP1A2 の活性の違い。
日本人は遺伝的にこの酵素の活性が低い、あるいは標準的な「遅い代謝型」の割合が高いので、1日に4杯以上飲むと、血中のカフェイン濃度が下がらないまま次の杯を重ねることになり、自律神経の乱れ、不眠、動悸、不安感などの副作用が出やすくなること。
2 骨密度の低下リスク(カルシウム排出)
カフェインには利尿作用があり、その際にカルシウムも一緒に体外へ排出される。もともとカルシウム不足になりやすい日本人。骨粗鬆症の原因にもなる
3 日本人は胃粘膜が比較的弱いので胃炎などの原因になりやすい。
ということで、食事の後にコーヒーを頼む一種のおもてなし文化があるが、本音をいえば、直後に飲むのではなく、1時間後が好ましい。また空腹時に飲むより“お3時”的に(甘くない)おやつと一緒にするのが好ましい。
なお、欧米人では肥満は仕事能力が低いとみなされているので、日本食を取り入れかつ運動をしている。その結果、大腸癌は減少している。今の日本は逆行している。ファストフードショップが満員になっていると。余計な心配をしてしまう。自分でも何年か前は同じだったので偉そうなことは言えないが。