南鳥島6000m海底からレアアース泥を取り出したニュースは大きく報じられた。
なぜ南鳥島? なぜ深海? と改めて思った。10年前に東大が報告した当時は正直ああそうか的な印象だった。その後地道にパイロット規模まで開発されたことに頭が下がる。でも先の疑問は残ったままだ。そんな時にこの疑問に応えているかは門外漢だけに断定はできないが、面白い文献を見つけた。
信州大学が2026.02/24にリリース「深海底の泥にREE が濃集する鍵は魚骨類中の炭素にある?! ~魚骨類中のアパタイトにおけるREEと炭素の分布と存在形態から その関係性を探求~」 である(注REE:rare-earth elements通称レアアース)
概要と深海にレアアースが沈着し高濃度化するメカニズした図があるので紹介。
REE(希土類元素)は、自動車をはじめとするハイテク産業において、不可欠な金属として知られています。近年、日本の南鳥島周辺で採取された深海泥には、魚の骨や歯の破片が含まれており、これに希土類元素(REE)が高濃度で濃集していることが明らかになりました。魚骨類にREEが濃集するメカニズムを解明することができれば、海水などの流体から効率的に希土類元素を回収する技術の開発に貢献することが期待されます。したがって本研究では、このREE泥中の骨片類にREEがどのように濃集しているかを詳しく調査しました。
アパタイト中の炭素がレアアース(炭酸塩)を引き寄せ、海底の温度、加圧(500〜600MPa = 5,000気圧〜6,000気圧の条件下でコラーゲンが分解しレアアースが残るメカニズムを提案されている。
歯科に関わる関係者であればこの500MPaの数字に敏感になるかも。CAD/CAM冠を成形する時の圧力と略同等である。緻密な構造体ができる成形法。
話は横道にそれた。
アパタイトは歯科には象牙成分として熟知しているところだが、骨もアパタイトが主成分であり背骨においては増血機能もあることから非常に重要である。その周囲に(炭素を含む)コラーゲンが緩衝材として存在している。

図ではレアーアース泥の中からアパタイト100%の歯と骨のCa,P,Y(カルシウム、リン、イットリウム)濃度を示している。確かに骨の方にレアアースが存在していることがわかる。
ここまでの説明で海底5000~6000mの温度は1℃前後。その温度でコラーゲンが分解するはずがない。人間の体温でも分解しないではないか。と疑問を持つ。
どうも南鳥島の今は現在の場所に存在するが、約3,500万年前〜4,000万年前には海底火山があるところからプレートに乗って流れてきたとの説を聞けば、なるほど海底火山では100〜500℃の熱水が噴き出しているのでコラーゲンは即分解するであろう。
魚が豊富で海底火山があるところは約3,500万年前〜4,000万年経つと新しいレアアース採取場になるのだ。壮大だが多くの人はそれを見ることはない。
それを待つことは現実的ではないので、大昔海底火山活動がありプレートの動きから現在ありそうな地域を探している。小笠原、ハワイ、チリ沖などは日本の試採取結果を注視していることは考えられる。 ロマンがありますね。