自動車の潮流

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西日本豪雨で被災されました皆様に心よりお見舞い申し上げます。皆様のご安全と一日も早い復興を祈念しております。

さて、国内自動車生産台数は510万台。たしかに米国を始め世界各国で現地生産しているから徐々に国内生産台数は減少している。これは理解できる。都市交通が発達しカーシェアリングに抵抗がなくなっている若者のクルマ離れが言われて久しいので尚更だろう。

ところで、中国の生産台数は2800万台!エッいつの間にこの台数? さすがに驚きます。年配の人の「サニー、カローラ競争」「隣のクルマは小さく見えます!」のCMを覚えておられる方からみると高度成長時代に年収が徐々に増え、ついにクルマを買えるところまで来たと感嘆に耽るまもなく、「いつかはクラウン」のCMが刷り込まれると、そうだなぁ~頑張らなくては!と。特に第一次ベビーブーマーの人々が「おぉ~モウレツ」に煽られて頑張った姿が想像できる。

6月発売のカローラの国内販売販売台数より海外輸出分が多いので製造ラインを海外と共通化するとして車格をBからCへ変更し姉妹車種も整理。その結果5ナンバーから3ナンバーに変更となった。「あのカローラが3ナンバー!」 クラウンの姉妹車マジェスタなど3種類を統合してクラウン1車種に絞り込まれた。これも時代の趨勢か。

その中国、大気汚染問題、部品点数が少なくて組立てが容易、電池産業の大型育成で自動車後発でも覇権を握ることが可能とあってEV車に特化している。黒電話の時代を経ないで携帯に移行したように、自転車からいきなり自動車に突入したように思える。自動車学校ではエンジンの仕組み、駆動システムを学習し筆記試験を受け、クラッチの使い方ができないと坂道発進で合格できなかった時代があったのに、EV車は遊園地のバッテリーカーを運転するような気分で目的地までの移動手段として利用できる。それで十分ではないかと。

EV車。三菱自動車が開発したのを皮切りに日産自動車が国内では先行している。トヨタ圏はPHV(プラグインハイブリッド)で対抗しているが、ガソリン使用には違いない。メリットは長距離運転が可能。EV車も走行距離を伸ばしてきたがどうやら300kmあたりとなると、俄然脚光を浴びるのがFCV(水素燃料電池車)。EVでは高速充電でも30分を要するのに対して水素チャージは約3分程度でガソリンと変わらない。水素ステーションがあれば何処までも走行できる。問題のステーションの数がネックのようだが政府の肝いりで2020年までに最低限整備し、2050までには充実させるとの方針がある。欧米を含む世界の自動車関係者によれば2050年にはFCVが主流になるとの予想もある。そうなるとEVと異なり、高度で複雑な技術体系になることから、技術覇権は日本が握ることになる。頑張れニッポン!

さて、自家用車より深刻なのは物流業者。バスに乗るとバス運転者募集を良くみる。トラックもバスも運転手のなり手がいない。アマゾンなどを利用者が急増するなか従来の運転手募集だけでは追いつかない時代になってきた。IOT活用での効率的運用が必要となっている。国内トラック・バスのトップ日野自動車はコネクト技術所有のVWと組んだのが象徴的である。日野レンジャーは過酷なサファリラリーで何回も優勝しているハードに強い会社である。エンジンは20万キロ超でも故障がないくらい頑丈。日野自動車はコネクトに移行しつつあるトヨタ圏ではあるが、物流の事情はそれを待っていられないのであろう。往路では荷物満載でも復路が空にはならないよう物流情報と車の位置情報をコネクトして効率を上げるなど種々の提案がなされている。

今、政府も支援する中でトラックの運用の方法として面白いのがトラックの縦列走行。先頭には運転手がいるが、2番目、3番目は無人運転の方式。これにはトラック間の情報やり取り、処理能力などが必要である。荷物の荷下ろしも考えないと運転手一人で3台分のデバンが必要では大変だ。でも、そう考えるのは頭が硬直している証拠かもしれない。その時は気の利いたロボットが活躍するだろう。

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