圧倒的に優れた攻撃能力を有するチームと、どんな攻撃でも鉄壁に守り切る能力のチームが戦ったらどうなるか。スコアは0−0でも、肉体及びベンチ経営を含めた頭脳の戦いを観戦することができるだろう。観衆は興奮する。それを毎週味合うことができればスタジアムが満員になること必定。FIFAワールドカップが始まったので、そこで味合うことができると期待する。国内ではJリーグの経営面を見る目が厳しくなる問題はさておき、観衆が見たいと思うプレーを選手がして、経営者は欧州のメガクラブの収益パターンを見つつ日本らしい経営が好ましい。パトロン文化の中で成長した欧州サッカーと日本の事情は違うことは確か。
そのサッカースタイルだが少しだけ日本人は(自分だけかも知れないが)違う意識を持っていて、日本らしいプレーを提案したい。
日本は柔道、剣道、弓道、合気道、武士道、相撲道、茶道、華道など「道」が意識の底にある。心技体の心があってのスポーツだとも言える。
ユニフォームの引っ張り合いや、足へのスパイク、ファウルをもらうためのシミュレーション、ピッチ外にボールを蹴り出しての遅延行為などは、サッカー戦術の一部(ずる賢さ)としてあるものの、「公明正大」「美しさ」「一途さ」「李下に冠を正さず」を重んじ最後に頂点を極める「道」からは遠い。
日本の伝統的なスポーツ観・気質=道からすると、見ていて美しくないと正直思う。これらを地域の子供達の見本として教育活動もあるならばスタジアムの一部費用は公費で賄うことはアリかと思うが、そうでない場合は、やることをやってみせてから言う方が好ましいと思う。
今回、このテーマを取り上げたのは、ラグビー泣き虫先生で知られた山口良治さんと、さる会合でお会いしてお話する中で、あの荒ぶる伏工を全国優勝に導いた指導力・人間力を一瞬に感服したからでもある。
ではサッカーの改善策はあるのかを3案を考えてみた
1案 現行のサッカーシステムの中で変更する点
時間稼ぎ対策 「正味プレータイム制」とする。イエローカード1枚で10分間退場とする
2案 オフサイド緩和(無しも) これによる中盤の球回しが減少して、ダイナミックになる。または、バスケのように3Pシュート制にする。
3案 サッカーのようでサッカーでないスタイルでビジネスに参考になるシステム
例えば、3分1セットとして攻撃だけ、防御だけとして得点できてもできなくても攻守交代の16セットで戦う。そうすると攻撃のプロ、守りのプロの技が向上する。これはビジネスのチーム作りにも参考になるだろう。というもの。
既存のサッカーの「いつ攻守が切り替わるか分からない連続性」をあえて断ち切り、アメリカンフットボールや野球のような「セット制」にする。
このルールがもたらすメリットとして
このルールがサッカーを激変させる理由 「汚いプレー」の動機が消滅する 「攻撃のプロ」と「守りのプロ」の極限の技が見える(罠を仕掛けるなど 頭脳プレーを見ることができる。まさに「矛と盾」の最高峰の技の勝負
「タイパ(タイムパフォーマンス)」重視の現代に最適
このシステムがビジネスにおいて参考になるかどうかをみた

現代のビジネスでは、一人の社員に「営業(攻撃)もできて、事務処理(守備)も完璧にこなせ」というマルチタスクを求めがちだが、それでは疲弊し、どちらの精度も中途半端になる。
「お互いのプロ領域をリスペクトし、時間と役割を完全に区切ってバトンタッチする」という仕組みを作った方が、結果として全体のパフォーマンスは圧倒的に高まる。
個人の適性を極限まで活かす、非常に日本人的で理にかなった組織。
もしこの「16セット制サッカー」が実現したら、最初の数セットで相手の守備のクセを見抜き、後半のセットでそれを突くような、将棋やチェスのような高度な「知略戦」も楽しめる。
「攻撃のミスは守備側の得点(ポイント)」というルールにすることで、防御専門のプロフェッショナルたちが完全に報われ、ゲームの主役に躍り出る。
日本人が大得意な「仕掛けの守備」と「腹の探り合い」
日本人は、武道の「先の先(せんのせん)」や、将棋・囲碁のように「相手の手を読み、あえて隙を見せて罠に誘い込む」といった緻密な戦略が大好き。
守備側がわざと特定のコースを空け、攻撃側に「あ、ここがチャンスだ!」と思わせてパスを出させ、しかし、それこそが守備側の計算通り。一歩先を予測していたディフェンダーがインターセプトし、攻撃側のミスとしてポイントを奪い取るようなプレー。
オフサイドトラップの芸術化 組織大好き日本人大得意技。
「見抜く」観客の楽しさ
観戦しているファンも、「いまの失点は攻撃が下手だったんじゃない。守備陣のあのポジショニングにハメられたんだ!」と、まるでミステリー映画の伏線を回収するように、高度な頭脳戦のプロセスを読み解いて興奮することができる。
ビジネスにおける「リスク管理のプロ」の価値向上
この仕組みもまた、ビジネスチームにおいて非常に深い示唆を与える。
一般的にビジネスでは、売上をあげる「攻撃(営業・開発)」ばかりが評価され、トラブルを防ぐ「守備(法務・財務・品質管理)」は目立ちにくく、減点方式で評価されがち。
しかし、このサッカーの新ルールのように「守備側がリスクを予測し、未然に防いだ(あるいは競合のミスを誘った)ら、それは守備チームの『得点』としてダイレクトに評価する」という人事・評価システムがあれば、組織の防御力と安定性は爆発的に向上する。
ユニフォームを引っ張るような「汚いプレー」ではなく、相手の心理の裏をかく「美しい頭脳プレー」でポイントを奪い合う。これこそ、私たちが本当に見たかった「正々堂々たる知略のスポーツ」となるだろう。
このサッカーのようでサッカーでないスポーツを名付けるとすれば蹴道か。