地上波・紙媒体とネット

このタイトルはもはや陳腐化している。

電車の乗客の様子を見れば約10年前から一気に変わってきた。スマホ操作80%、読書・新聞5%、寝ている10%、その他パソコン操作5%が一般的な分布ではなかろうか。新聞をタブロイに折り畳んで読んでいる風景はもはや絶滅危惧種だ。鉛筆で熱心に記事に線引きをして、いかにも風体を見なければどこかの研究者と未間違うJRA馬券売り場近くの公園風景は依然としてあるが。電車内で見る紙媒体では来日された人の日本語学習帳、小学生が参考書とタブレットの両方眺めて宿題をしている風景が目立つ。週刊誌も滅多に見ない。電車の週刊誌中吊り広告がなくなった。時代が変わった。

ただし、スマホ、タブレットでも新聞社の電磁媒体を読んでいるので、新聞離れしたとまでは言えないが、宅配新聞、駅売新聞が減少すると、やがて電磁媒体の内容は量・質ともに変化するだろう。

TVが存在する家庭を含めてどうか。総務省が発表した資料によればTV視聴よりネット時間が逆転したとニュースがありHPをチェックした。これが実に面白い

図―1 年度別全年代変移図 ネットの急進により令和2年ついにTVを逆転した

 

平成24(2012年)から8年の極めて短時間に逆転。

 

 

次に年代別に見ると

50歳以上はTV優位を占めているが、10代から30代はネットが圧倒している。10代〜40代はネットがメイン。50歳代からTVメインとなる。TVのコア層は50以上でありCMはこのコア層対象商品になる。10〜40代のコア層はネットにシフトしているのでTVで商品CMしてもチグハグになる。

トヨタがTVでもクルマのCMを削減しているのは、確かに高齢者に購買を迫るのは無理があると見ているのだろう。番組内容云々の前に時代が変わっていたのだ。

それにしても新聞は減少している。新聞の良いところは注目記事のほかに目を転ずれば意図しない記事を目にすることができることである。でもネットでは関連情報や他の人はこれも見ているとして拡張するので、間に合っているのかも知れない。少々寂しい気もする。

その他 総務省の報告書では以下のことも表記されている。

【連絡方法:若年層は電話を利用しない】

固定電話やスマホでも電話で直接声を聞くことが少ない。特に若年層は電話をしない。新入社員が電話に不慣れだとの話は聞くが、職場で電話の掛け方、受け方をOJTしないといけない時代になってしまった。FAXは日本しか残っていないと揶揄されている。確かに固定電話や複合複写機に併用されているが、紙での自動アウトプットがなくディスプレーにfaxありと表示されても見逃す。即時性を求めるなら受発注でもLineでくる時代だ。

【連絡はネット利用】 LINE, You tubeが圧倒している。Twitter, インスタ、他もある。いずれも自分の世界からの選択された情報だと言えなくもない。フェイクが入り込む余地はあるが、玉石混交の中には隠れた真実があるとしたら、それを見つけるレベルが必要だ。

今回の自民党総裁選挙ではネットでのアンケート結果と新聞社(系列TV)の世論調査とは大きく違った。ネットは若者、新聞(TV)は固定電話に出られるシニア層だからと普通に理解した。新聞TVで国民人気ダントツの候補者はネットでは別の候補に圧倒的に差をつけられた。

しかしながら、世論調査の仕方が違う結果だとアンケート専門家からの指摘があり納得した。即ち新聞(TV)では男女、年齢、など区分をした上で整理しているのに対し、ネットではオープン型アンケート。瞬時に大量のデーターが集積できる強みがあるが、複数のアカウントを持って投票している人を排除できない。

毎日新聞がネットでアンケートを開始したが、途中で多分気がついたのであろうか中止した。オープン型でなく、新聞(TV)と同じくネットでもクローズ型に技術的に可能であればより真実に迫ることができるがどうだろう。

そういえば、先の米国大統領選挙においてフェイクニュースのワードが踊った。

大手新聞社の報ずる情報は無条件に受け入れがちな日本と違って、米国では「その見方もあろう」的に重きをおいていない。支援者が家庭訪問して議論する風景を見る。その時に重きをおく議論ネタは身近な話題で、新聞ありきではない。地区のコミュニティが崩壊している日本から見ると羨ましい。

TV不振の理由の一つはコンテンツの陳腐化。旅番組、大食い、クイズばかりで飽き飽き。クイズ番組で活躍する若者が難関大学に入るまでに育てた親を不憫に思うようでは如何なるものか。視聴率は取れないだろうが小説や古典の朗読+風景を組み合わせたシリーズを企画すれば根強い聴取率は取れるだろう。

歴史物で識者が持論を討論する様子には結構ファンはいた。刹那的コンテンツはほどほどにして人生に必要な教養、芸術、笑の魅力を掘り起こすこともあるのではないかと思う。

マイクロプラスチック

亀の胃袋にレジ袋があったことから海マイクロプラスチック問題が浮上した。レジ袋有料化による消費行動抑制に始まり、最近ではプラスチックを使うなとまで発言した環境大臣。否定・制限では社会は衰退するのが常。このブログでプラスチックがなくなったらどうなるかについて記載したので重複しない。衣服で許されるのは木綿、ウールかシルク。スポーツが可能なのはシルクまわしの相撲ぐらい。靴を履くスポーツは全部ダメ。クルマでは鉄と木のボディに木製タイヤと幌。塗料もプラスチックなので塗装をしてはいけない。電池があっても配線はできない。電線被覆はプラスチックスだ。電子回路基盤もプラスチックなのでスマホ・パソコンもない。北海道の乳製品は国内物流できない。レトルトパックはない。毎日3度3度の原材料からの料理で働く時間が制限され収入減。住居もLED灯りがなく断熱材もない。まるで江戸時代。プラスチックなしでは現代生活はできないのだ。

冒頭の海マイクロプラスチックスは大量生産、大量廃棄されるプラスチック製品がマナーなく捨てられ、光と酸素により分子量が低下するかand/or 物理的に破砕されて微細化したものである。文献(Natureダイジェスト8月号)を見ると研究室で取り上げられている樹脂は発泡ポリスチレンがメインでそのサイズは0.5~20μm であり球状が多い。サイズの理由は肺に刺さって癌を発症したアスベスト(0.1~10μm)を考えたと思われるが、アスベストが問題になったのは針形状(長さと直径の比であるアスペクト比が大きい)にあることを忘れては困る。海を調査した文献数の多くは、100~5,000μmの樹脂破片及び繊維との報告がある。研究室で魚に食べさせて実験していることと実態は大きく異なることが注目される。元々、10μmを肉眼で見えるわけがない。なのでサイズが大きいものがやがて風化して微細化するであろうとの仮定に基づいている。微細化すると孵化したばかりの幼生は餌と間違え飲み込むことで餓死か大きく生育できないとの説明がなされている。

だが、その仮定が合理的か否か考えてみる必要がある。光劣化は対象物の表面積に大きく関係する。微細になれば表面積が大きくなりかつ活性化されるので劣化速度は加速度的に速くなる。

プラスチックと一括りにはできない多くの種類がある。ポリスチレンはエチレンとベンゼンが反応したスチレンモノマーが連結した構造であり酸素、カルボニル、カルボン酸、窒素誘導体を含まない非極性材料である。レジ袋も高分子高密度ポリエチレンであり(骨の代わりに体内に入れるほどであり生体にとって害を及ばさない材料なのだ。)微細物を飲み込んでも排出される説がある。 一方、極性高分子は酸素、カルボニルなど、またオレフィンでも分岐した分子(三級炭素)を含む材料(ポリプロピレンなど)は光・熱劣化が早い。筆者は思うに、劣化しなかった物は確かに海に漂流するが、PM2.5に比較してどうなのかなど定量的に取り扱うことが重要であろう。

議論しても行動を伴わないと解決しない。PETボトルをPETボトルに再生する企業は今までの協栄産業に加え、超大型プラント建設を発表した豊田通商の動きは歓迎できる。PET材料輸入商社としてトップであるが、国内環境はもちろん、原料生産国の経済発展に資することも含めて良いことである。また廃プラを油に戻す油化は小規模ではなされてきた地域があるが、今回、コンビナート規模で実施するとの発表が三菱ケミカルからあった。鹿島コンビナートは国内最大規模の石油化学コンビナートであるだけに良い影響が出ることを期待したい。同社は約30年前から九州、四日市事業所でのリサイクル事業を展開している隠れた静脈産業支援企業でもある。PCB(ポリ塩化ビフェニル)は不燃の熱媒体として以前は利用されていたが、粉ミルク製造過程で混入するトラブルをきっかけに電気絶縁体(例えばトランスなど電気製品)に適用されず廃棄することになったが、廃棄の技術がない。それを救ったのが三菱ケミカル(当時三菱化学にあった別目的)の超臨界熱分解による無害処理だった。

自社製品でもないのに請け負ったのは、化学産業へのリーダーとしてのあり方を見せたといえよう。この処理は2024年までとしていたが、冒頭の責任大臣は延長をお願いしている。三井も言わないと片手落ちになる。三井化学は欧州で生産されるバイオナフサを石油由来のナフサに混合して従来通りの石油化学誘導体を製造することが可能と発表し、大阪事業所から導入することが開始された。バイオナフサの混合割合分については100%バイオ製品として届ける仕組みで、既にBASFは実用化している。バイオナフサを石油由来ナフサに20%配合して石油化学誘導体を製造すれば、20%は完全バイオ材料と認定する仕組みである。三井化学へのバイオナフサ取引は豊田通商。環境をビジネスに直結するにはスピードが重要として動いていることがわかる。

キャッシュカードor現金

駅近に新規オープンしたハンバーガーショップがあり入った。注文のタッチパネルが4面あり、メニューを選びキャッシュカード、クレジットカードで多くの人が精算していた。打ち込めばカウンター上部のディスプレーに注文番号が表示され、やがて受け取り枠に表示される仕組み。どこでもお馴染みの風景となっている。タッチパネルには順番待ちの列。

カウンターには従業員が対面で注文を受けるコーナーがあり、不思議無なことに人が行列を作っていない。妙な気分だが、そちらで注文し現金で支払った。オールドタイプなやり方だ。今時、現金で支払うのは時代遅れなのだろうか。結論は“時代遅れ感70%、様子見30%”。

政府がキャッシュレスを推進した理由は消費税アップ対策として優遇策を講じた背景がある。促進にはポイント還元は大きく作用したのだろう。Pay Payの100億円還元セールをはじめに、①還元ポイント及びその後の特別セールは魅力。②コロナ禍もあり現金にはなんとなく他人の菌が付着しているかも知れないとして敬遠 ③小銭は重い ④支払い時にお釣りがスマートにもらうために、小銭を付け足して渡すことは苦手 などの理由でキャッシュレスカードは便利だ。

交通系カードのようにカードをかざす決済もあればスマホでQR読み取りスマホの中で精算する方式もある。QRの操作ができないと今や牛丼も食べるのにも往生する。このブログでもスパゲッティ屋に入ったらメニューをQRコードで読み取る店を紹介した。これが、今や精算も行うことになった。恥ずかしながら、直近では祇園祭の仮設店舗にスマホを置き忘れたことがあり、慌てて引き返したウッカリミスをやらかした。戻らなかった時はスマホの無効処理をすれば解決することは分かっているが、それ以来QRコードスマホ精算は気が進まないようになってしまった(時代の落伍者?)。

今までは利用者の立場で書いたが、店側の事情はどうだろう。戸越銀座はすっかり庶民の街として有名になってしまった。この商店街に導入されれば、一つのモデルとしての評価が定まる。時の首相が視察に訪れるとあって導入を急いだ。幟もあちこちに目立った。だが中には冷静なお店もあった「決済手数料ゼロの間はいざ知らず、決済手数料がかかれば、小さな店では厳しいかなぁ」との意見を聞いた。

今、これからその手数料が現実化しようとしている。日経ビジネス5月の記者コメントに「Suicaなど交通系電子マネーは3.25%、楽天ペイは3.24%。今年有料化を予定するLINE Payは10月から2.45%、メルペイは7月から2.6%となる。5月には未定だったPay Payは10月に1.6~1.9%を予定」とある。お店がキャッシュカードに支払う手数料であるが、回り回って商品の値段に反映させるので現金支払いの消費者が払うことになる。キャッシュカードを使えば還元ポイントがある分緩和される。(消費者はチャージにキャッシュカードに紐つけるクレジットカードからもポイントがつくことでなおさら痛くはないのだろう。)

キャッシュカードからお店に支払われるタイミングは即金ではない。1〜2ヶ月後に振り込まれる。その間でキャッシュフローに窮するお店があると思われる。さりとて、即金のカードにデビッドがあるが、店によりけりでこれも万能ではない。QRコードも同じく決済手数料が無料から有料への動きのようだ。お店としてはQRコード方式が便利。印刷したシールがあれば済む。読み取り装置を購入する必要がない。

庶民的な戸越銀座では、大雑把であるがキャッシュカード3割、現金7割のようだ。キャッシュカード別ではPay Payが6割を占め、残りをdカード、楽天Pay ,au などとなっている。総需要が伸びない中、現金がカードに移行したとしてもパイの食い合いになるのでキャッシュカード会社は大変だろう。熾烈な競争しても生き残りをかけるのは、巨大なマーケットなので、たとえPay Payの3年間赤字が1900億であっても、下りるに降りられない状態になっているのだろう。単なる手数料だけでは厳しいと思う。シニアが言った「パソコンで検索すると、関係しそうな商品が帯のところに出てくる。キャッシュカードでは使用履歴からお勧めメニューが表示されそうだ。ダイエットの意思が弱体化するのではなかろうか?」と。ダイエットかどうかは別としてカード会社にはAI情報が集約されることは確かだろう。そのデーターを利用しての新ビジネス展開はありうる。そこが手数料より付加価値がありそうだ。医療関係とりわけ健康食品にそのAIが利用されると面白い、シニアが長寿を希望するなら◯◯がお勧めですと。カード会社は一旦入手したAIデータを有効に利用するはずだ。これが狙いと思う。

なお、高山市を中心に出回っている「さるぼぼコイン」はふるさと納税的で地域活性の意味があるので、これはこれで利用意味はあると思う。単なる現金の替りではなく楽しさも加わる。ネーミングもよろしいのではないでしょうか。カヤックの仕掛けている「まちのコイン」も面白い。ボランタリー活動など人と人の繋がり、結果として地位域活性につながる仕組み。鎌倉で実態を見てこよう。トータルで現金はまだ主流ではあるが、コロナ禍による清潔感の向上意識もあり、徐々に切り替わるのであろう。

一方で新紙幣の先端印刷テクノロジーは残しておきたい。そして年配者は囁くであろう「ただほど高いものはないぞ」。それが冒頭の30%を占めている。ITに弱いシニアは言うだろう 「スマホでapple store やiTunes ,amazon のPOSAギフトカードを購入するときは現金しかダメだろうが… 」 いや、ごもっとも。

タバコの煙にもppmの魂?

ポリフェノール・ポリフェノール健康にはポリフェノール含有食品。 TVやネットで見聞きしないことはない。健康の内容についてポリフェノール効果を文献にした数を調べた文献がある。

ポリフェノールに関して45,382件も発表されている。何に効くのか調査資料から抜粋した。癌8,738  糖尿病3,103  アルツハイマー1163 高血圧807  パーキンソン502 動脈硬化448  鬱病359  他に目の病気、歯周病等なんでもあり状態。ウコンのクルクミンも取り上げられており全部で17,162  朝鮮人参(ジンセン)10,927 とこれも多く癌、糖尿病に関する文献数が多い。(抜粋文献 石浦章一 現代化学9月号「食べ物の有効を調べる」から)

石浦氏は医薬品と食物と混同してはいけないとコメントしている。想像するに医薬品の代わりになるにはポリフェノール含有食品で賄えば満腹以上の摂取になるだろう、ワインであると酔い潰れて副作用も出るだろう。ポリフェノールと言えば無条件に良いイメージがある。あくまでも定量的な判断が求められる。

一方、圧倒的に悪いイメージの筆頭はタバコ。最近コロナ禍の中で緩み勝ちになり路上喫煙を見る。紫煙を燻らすなんて上品とは誰も思わないどころか蔑みの視線を投げかける。あの煙と一緒にウイルスが伝播すると思うとゾッとするとの危険予知もあり遠ざける。電子タバコでも同じで同情は誰もしない。

ところが! タバコの煙物質がコロナウイルス感染抑制 ニュースがある。

意味は違うが一寸の虫にも五分の魂なのか? 文献を紹介する。

関西医科大 広島大学  掲載Scientific Reports論文タイトル: Inhibiting SARS-CoV-2 infection in vitro by suppressing its receptor, angiotensin-converting enzyme 2, via aryl-hydrocarbon receptor signal.著者名: Keiji Tanimoto*, Kiichi Hirota, Takahiro Fukazawa, Yoshiyuki Matsuo, Toshihito Nomura, Nazmul Tanuza, Nobuyuki Hirohashi, Hidemasa Bono, Takemasa Sakaguchi

(要旨を転載)新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)がヒトに感染する際に利用する受容体の構成蛋白質の一つACE2量が芳香族炭化水容体(AHR)を介して低下する機構を明らかにしました。

AHRを活性化する様々な化合物(薬)によるACE2発現抑制を確認しました。それら化合物の中で、食物などに含まれるトリプトファン代謝物や既存の胃潰瘍治療薬による細胞への新型コロナウイルス感染抑制効果を確認しました。

一般的にタバコ煙成分は新型コロナウイルス感染症の病態悪化を促進すると考えられますが、ウイルス受容体の構成蛋白質の一つACE2発現量にどのような影響を及ぼすか不明でした。そこで最初に、タバコ煙成分をヒト細胞に処理して、ACE2遺伝子発現量の変化を観察しました。その結果、驚いたことにタバコ煙成分はその濃度依存的にACE2発現を抑制することが明らかとなりました。

 

安直にタバコを吸っていいのだと短絡してはいけません。あくまで抽出物の話。一寸の虫にも五分の魂とはいうが、煙では五分では多すぎるのでppmの魂とした。

また、トリプトファン含有食材としてwebには主に、「豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、米などの穀類などです。 その他、ごま・ピーナッツ・卵・バナナにも含まれています。」と記載があるが、それも冒頭に記載したことを考慮にしての話だと考える。

Macintosh/Windows/Mac

はじめにお断りしておきますが、パソコンは今でも素人レベル。立ち上げた画面に¥マークの後に命令文を入れて、、、、の88、98時代は、アイコンから立ち上がる方が楽だとしてMacintoshを選択した。マウスではなくトラックボールが可愛かったのも理由の一つだった。

月次報告書や稟議書などは会社の定型フォーマットで提出したが、週報など縛られない時はDTPソフト(Desk Top Publish)を用いて新聞スタイルで提出していた。スポーツ新聞のようなド派手な見出しと写真・図表満載。時には号外も発行して地味な研究職にあってはユニークな色を出していた。文系経営者から新聞方式は分かりやすいと評価を得て一人悦に入っていた。理系経営者はさぞ苦虫を潰していただろう。

Macintoshはその後iMacとなりボンダインカラーのスケルトンボディとなると速攻切り替えた。アイコン、画像編集、透明な付属品など時代の先頭を走っていた。スティーブ・ジョブズの生き様や見えない回路でも美しさを希求するやり方に共感した。

ところが、ビル・ゲイツのWindowsがMacと同機能で売り出し、あっという間に市場を席巻したのはご承知の通り。銀行のオンライン取引は当時のMacはできないとあって、Macからwindowsに切り替えざるを得なくなった。それから幾数十年。Windows一筋。個人ユースの利用したパソコン累計15台。現在のPCはインテルcore i7 SSD搭載だけに圧倒的な速さでサクサク動く。だが酷使したのが裏目に出て発熱が激しく、パソコンの下に冷却ファンを設置しても効果が小さく、連続仕様に耐えられなくなった。ある日パソコンからキーンと悲鳴が聞こえ停止。修理に出すことにした。ファンの故障だと良いがと念じつつ。

実は、その1週間前に家族の2台のiPadのうち1台をMacBook Airへの切り替えを考えていた。スマホ、iPad ,MacBookとデータ連携もよく同じアイコンなので気に入るだろう、ダメならMacへの郷愁もあり自分が利用すれば良いとして、最安価機種(8GB)を購入していた。Windows修理の間、急遽このMacBook Airを借用することにした。

そこで驚いたのは、最安価機種ではあるが、処理速度が抜群に速い。インテルCPUからMac独自のM1チップ搭載に切り替えた効果であるとのことだが、冷却ファンがないにも関わらず発熱しないのも好ましい。マイクロソフトのOffice365もMacで動く。windowsで作成したクラウドに上げていた資料はMacで利用できるのは、修理を待っている身にはありがたい。右クリックがない(トラックパッドで2本指押し)、ショートカット、コピペの仕方など指使いがwindowsで慣れていると戸惑いはあるものの、徐々に慣れてきた。

さて、脈絡なく書いてきたが、ある人に言われてハッとした。

*iPhone , iPadは既にパソコン並み機能を有しているが冷却ファンはないよ。

*パソコンの処理量はiPadより多いが、M1チップ搭載CPUにおいて8GBや16GBで画像編集などしない汎用の利用にはファン無しで十分適用できる。と

今まで、パソコンが上位にあり、スマホは下位であるとの思い込みをしていた。それが スマホやiPadで培った技術でパソコンを救済している逆転現象になっていることに驚いた。昔のMac愛好家にとってはまさに浦島太郎的である。

PCの市場は圧倒的にwindowsが占めている。ところが、スマホ、iPad分野はMac。今回Macを触ってみて、スマホとの連携が凄いことになっていることがわかった。ミラーリングが実に面白い。ソフトではwindowsに比較して負けてはいるが、スマホによるPCユーザー囲い込み戦略は見事だ。

ぼーっとしていてはチコちゃんに怒られそうだが、これは他のことにも通ずるものがあると思う。逆に言えば、急に表に出てきたことを驚くのではなく、その準備に何を実行してきたか、それを見せてくれたMac/windowsの変遷だった。修理されたパソコンを昨日受け取ったが、今度はMacに慣れた指がギコチナイ。頭と指の刺激は○○防止に良いとのことなので両方に付き合っていくことにした。

クルマのセキュリティ

たまたま見たTVのニュースに車の盗難報道があった。この種のネタは過去色々あった。だが、今回の監視カメラの映像は従来とは違うやり方だ。のちにYahooニュースで「CANインベーダー」と呼んでいることを知った。

キーレスエントリーがどのクルマにも採用されているので、多くの人はキーを自宅に保管する時には電磁波シールドのある金属容器に収納されていると思われる。裸で置いておくと微弱な電波を増幅して盗難する輩がいると知ってのことだ。当方もそれで良いと思っていた。しかし、先日の監視カメラ映像では、クルマのバンバーを外してパソコンを接続して巧妙にデーターを書き換えて盗難する監視カメラ画像が報じられていた。従来のイモビライザーだけでは厳しいとの声があるようだ。

こうなると高級車を所有する人は安心できない。当方は言うまでもなく関係がないが、気になる。

クルマは電子部品搭載移動体と化している。パソコンを購入すれば必ずセキュリテイソフトを入れるが、クルマはさてどうなっているのか? テスラ車はキーフォグがなくてもスマホで作動するようだ。そのスマホがハッカーされたら?と余計な心配をする。

2022年から車両監視サービスが強化され、車両メーカー+ソフトメーカーがそれぞれタッグを組んで進めるようだ。

(図―1)にあるように、クルマの差異化にセキュリテイの性能競争が加わった。(日経Automotive 9月号)

ソフトは国内ではNTTが名乗りをあげているが、パソコンなどのソフトで培ったノウハウを活かして海外勢力が攻勢をかけている。それにしてもイスラエルがドイツ、日本へと食い込んでいるのは驚く。軍事産業の成果なのか、優れた頭脳集団なのか、それとも政府のベンチャー投資政策が功を奏しているのか。いずれの因子も絡んでいるのであろう。

さて、そもそもどこがハッカーされるのか(図―2)に示すように、外部の要因が多い。

 

今までクルマ1台についてのセキュリティを書いてきた。ふと三年前の北陸における大雪で車列が一斉に動くことができず、物流に大混乱をきたしたことがあったことを思い出した。もしハッカーが日本の幹線道路走行の車列に一斉攻撃をした場合、道路は閉鎖状態になり、経済的打撃となる。クルマは自動走行などCASEが進めば進むほどハッカーに脆弱になることは避けねばならぬ。ドイツではレベル4の略自動運転が認可されたが、ユーザーが求めるのは、本当は新世代CASEであろうか? クルマって意のままに操作して見知らぬ所にまで行くことができる楽しみがある部分を削いでいる感もある。

そういえば、高齢者のブレーキ、アクセルの踏み間違い事故が多発した時、ディーラーの人から、高齢者はマニュアル車を運転すれば良いのではないかと言われたことをこのブログに書いた。そうか、その考えだと、クルマってエンジンかモーターの駆動部とタイヤ、そしてハンドルとカバーする覆いがあれば十分なのだ。まるで馬車のようだが。

カーナビが導入されてから地理音痴が増えた。歩いていてもスマホのルート案内を眺めながら下向きで歩いている人が多い。事前に地図を頭にインプットしておくとか、道に迷ってもあれこれ考えることで神経ニューロンが新しく成長し、接続することがあるかも知れない。ニューロンが枝を伸ばす様子を撮影できる時代。この方面の医学研究が進むことが予想される。

今のクルマは駐車時において、あたかもクルマの上から見ているような画像を見ながら所定のゾーンに駐車することができる。また自動駐車機能もある。ドアを半開きにしながら白線を確認してのバック風景は見ない。おそらく20年前のクルマを今の人が運転したら枠線からはみ出た駐車や、助手席の人が誘導する光景になる。人間らしいといえば人間らしい。運動神経も試されていた。

欲望のエントロピー拡大がもたらす将来は必ず反作用があることを、地球温暖化などに鑑みて考えることが重要かもしれない。チャップリンが見ていたら格好の喜劇ネタと思うだろう。とはいえ、技術の進歩が人に幸福をもたらすことはある。そこの見極めが重要であり厄介な課題に現代人は当面している。

 

EU2026 エンジン生産停止に思う

2026年 エンジン車製造廃止を打ち出す メーカーが特にEUで続いている。EV車への切り替えだ。ハイブリッド車もダメとは裏にはトヨタ潰しという人がいる。その通りだろう。EVの電源はどうかにもよるが、水力発電が 90%以上を占める スウェーデン、原子力発電のフランスは良いとしても、 不安定なエコ発電を補完する火力発電に頼る国では トータルのCO2削減できるか見ものである。

“見もの”と無責任な表現をした。太陽光発電、風力発電の余剰電力を蓄電し電力平準化する技術とインフラ規模でカバーできることに自信があると思われる。

古色蒼然たる火力発電を見ると、一気にこの際、火力発電不要を唱えるのもわかる気がするが、日本のように技術の選択肢が豊富でないだけに、二者択一的なやり方はやや焦りに近いものがあるような気がする。

筆者の愛用車は 当該国で生産されたエンジン車であり、次回は生産しないと報じられているので、次回買い替えることがあっても、このメーカーを選択することはない。実際国内のドイツ車のディーラーでの営業マンは頭を抱えている。都会ではマンションが圧倒的であり、マンションでの充電設備設置の費用捻出や運営方法については相当難航する。早々と見切りをつけて他の業界に転出したディーラー営業マンもいる。後述のe-fuelが入手できることや、水素エンジン、アンモニアエンジンの実用化を期待して現在のクルマを乗り続けることになろう。

基本的にEV車は

(1)電池コストが高い (2) リチウムバッテリーイオン電池は リチウム資源に限界がある。ニッケル水素電池でもバイポーラ電極(ミルフィーユのような積層電極)で従来の2倍のパワーがトヨタで開発されており、リチウムに頼らないことができる。(3) 現在のリチウム電池EV車は補助金がないと販売は厳しい。 中国はEV車による乗合タクシーを増やしたが、補助金廃止に伴い、HEVに切り替えられ、EV車は下取りでも人気なく、まるでEV墓場と揶揄する写真が公開された (4) マンションなどでは 充電設備がない 。戸建てでも200ボルトの電源が必要であるなどだ。

日本では一気のEV車比率アップにはなかなか結びつかないようだ。テスラは高速道路のSAには充電インフラが揃っているので、なに不自由なく長距離走行が可能とのYou tubeがあり見た。なるほど、課金も自動で対応できるなど便利だ。ただ、ドライバーは優雅なランチ、ディナーを採る必要がありそうだ。充電時間1.5hrを甘受できるユーザーはそうは多くはないだろう。走行しながら充電するe-Power方式(発電用エクステンションエンジン)に慣れているユーザーは、何故100%EVの必要性あるの?と思う。

このブログで幾度かエネルギーの多様化と将来について言及してきたので 重ねて言うことはないが、そういえば10年前に京都の市バス燃料として 家庭用の天ぷら廃油利用が奨励され 町内会で特定の日に集合場所へ持ってくる運動をしていたことがあった 現在 57万キロリットル集め これをメタノールと反応させてバイオディーゼルとして ゴミ収集車燃料として利用されている 京都がその後拡大しているかどうか 実家の周辺でもあまり聞かない メタノールとケミカル反応するには業者の規模が合わないと推測する。

2013年の資料ではあるが、それぞれの位置付けが一眼でわかる図を紹介する。やはり液体燃料系が優れている。京都の事例は小スケールであるが、これを大規模に植物油から石油化学の原料のナフサを製造すれば、これから誘導される従来の石油化学プラントでプラスチックス、繊維、タイヤなどがバイオ材料となる。そのような動きが出てきた。これば別の機会にレポートする。

デング熱と蚊の撥水・撥油性

オリンピック開会式及び閉会式では全身オイルでテカテカの旗手が際立った。トンガの名物選手とのことで冬のオリンピックでも出場したときもオイルボディを披露。凄い肉体だと感心したと同時に、それって趣味なのかトンガで暮らすにはオイルが必要なのだろうか?と思った。思った理由は花王の研究者によるデング熱の媒体である蚊よけ技術開発の文献を読んでいたからでもある。トンガは日本でもラグビー選手を輩出する国であり、多くの選手はオイル塗りをしていない。なので、この旗手は趣味だ。花王の文献(化学Vol.76.No8 2021)によれば蚊の脚の先端は皮膚に引っ掛ける爪と水溜まりで成長するに必要な撥水性をもたらすナノ凹凸構造からなっている。シリコーンオイルを皮膚に塗布して蚊の様子を観察すると、皮膚にタッチするやいなや逃げて行くとのこと。凹凸部に親油性物質が侵入して身動きができないとのこと。例えば体重60kgの人が急に57kgの荷物を持たされたようなものと表現されている。

蓮の葉は表面のナノサイズの棘で水玉ができて濡れない。これを利用したのがヨーグルトの蓋。これが採用されてから蓋に付着することは少なくなった。約20年も前の話なので、若い人は何ら不思議とは思わないだろう。確か東洋アルミが最初に製品化した。

文献を疑う訳ではないが、ヨーグルトの蓋にオリーブオイルを垂らしてどうなるか観た。接触角を測定する術がないので、見た目で判断しかできないが「文献の通り」と言える。(左:水滴 右:オリーブオイル)いずれ人肌に優しくテカテカしない製品ができるのであろう。

話をデング熱に戻して、

WHOによれば、「世界人口の約半数が感染の脅威にさらされており。全世界では、毎年、3億9000万人(95%信頼区間:2億8400万人~5億2800万人)が感染していると推計」とある。亜熱帯・熱帯地区+水溜りがある箇所はネッタイシマカが主として発生し媒介するが、温帯で見られるヒトスジシマカも媒介する可能性があるとのこと。 温帯は日本も入る。まして地球の温度が予想より早く1.5℃高くなるとのICPP報告を受け報道が最近目立ってきたので、日本も亜熱帯・準熱帯地域になりかねないので注意が必要だ。厚労省のHPではワクチンはないとのことだが、武田薬品工業がデング熱予防ワクチンを開発しており欧州医薬品庁へ承認申請をして受理されたとある。日本の製薬会社もコロナワクチンの陰ながら、立派に仕事をしていることに感心した。

横浜ではアフリカ会議が開催されるが、その時の人気商品の一つが蚊帳である。日本では姿を消したが、住友化学のアフリカでの主力商品となっておりニーズがある。昔の蚊帳ではなく、防虫剤を糸に配合した蚊帳で、確か奈良の会社が製造していた。古いが新しい事業展開へのヒントになる。

それと、このブログでも触れたが、猫がマタタビの葉を夢中になって擦り込んでいる理由は蚊除けであるとして成分を特定した。また、花王の研究者はカバの表皮にも蚊除け成分があるのでは?と注目した。自然を観察し仮説をたて、実証する手順も非常に参考になる。コンピューターの中にソリューションがあるとは限らないと教えてくれているのは嬉しい限りだ。

あったらいいねシルバーセンター業務

オリンピックは盛大なうちに閉会となった。次はパラリンピックだ。大いに応援しよう。オリンピックに10種目競技があるが、日頃の生活では10種どころか、あれもこれも、こなさないと社会においても、家庭においても間に合わない人となりかねない。

先日 駅前広場でシルバー人材センターが臨時会場を設営して道行く人に求人案内していた。パネルには求人状況の幾つかが貼附してある。貰ったパンフを見た。自分がシルバーになったとして、紹介された業務が可能かチェック。結論は「到底できないものばかり」と気がついた。日頃、家庭における10種アイテムをこなしていなかった証拠を突きつけられた。

 

技能、体力、持久力、経験が不足しているとできないモノばかりだ。網戸張りは○でも襖張りはX、簡単な木工作業は△でも綺麗なペンキ作業はX いずれもDIYのプロ並経験がないとダメ。まして料理は××。除草と水遣りなら○でも剪定はX。 草取りなら可能とは言ったものの、交通量の多いカーブで運転手から見づらいような道路の縁に座って実に丁寧すぎる作業をしているのをよく見る。草が道路走行部分のところまで延びていると体を道路側に移動しつつ除草している。危険を感じて、そこはテキトウにやっても良いのではと声掛けしたことがある。シルバーの人は実直な人が多いと思う。

 

老人の話し相手ならできそうと思っても、女性は圧倒的に井戸端会議の実力があり○、男は敬遠されるであろうし、珍しく男性老人相手の話があっても、過去の経歴によってはマウント取り合いになりかねないなど、男性シルバーで合格する人は希だろう。

話題:昭和~現在までの話題についていける記憶力が必要

姿勢:すぐ友達感覚になれるか、シルバー人材の性格が大きく関係する

態度:またお会いして次回の日が愉しみなるような愛嬌の良さと顔の雰囲気

勝手に妄想した筆者の条件であるが、まぁ該当する人は多くはないでしょう。老々介護で疲れているのであれば尚更人材不足であろう。別の言い方をすれば、高校生や大学初年度当たりで経験すると、その後の社会生活においても幅(選択肢)を広げるのであろうと思う。

さて、この人材募集の項目を眺めて気がついたことがある。それは「あったらいいね業務」だ。

イマドキの高齢者はスマホを始め若者が扱うような電子機器も使いこなしている。

各地にいる家族、孫とはLineやZOOMでやり取りしている。検索でも音声入力を実に器用に利用している。Lineでは気の利いた絵文字や動画も送ってくる。

但し、インストール、ダウンロード、ID、PW設定などは苦手(元会社員であってもシステム部任せ)の人が多い。今はスマホを購入しても取説がない。パソコン購入してもソフトインストールには以前のようなDVD、CDがない。まずはインターネットの接続、ウイルスバスターのインストールなど手順がある。量販店ではやってくれない。身近な詳しい人にお任せしているのが多いのではないだろうか。法人相手のシステム会社では相手にしてくれない。これって意外に“あったらイイネ”的な仕事だと思うが如何だろうか。Windows でもMacでもサポートセンターがあり電話相談は可能だが無理。何に困っているかを聞き取る能力は高齢者が適している。また、電話相談の多くはマニュアル通りの回答になるので、それで解決できる領域は少ない。Face to faceでの解決が圧倒的に優れている。

実際使用して自分もネックを経験したのは強みである。隙間産業として成り立つのではないだろうか。今のスマホでは家庭の照明などホーム管理ができる機能がある。高齢者が外出時の不安を除くにもこれから重要度は増すのではないだろうか。

最後に、シルバーセンター作業価格をチェックした。民間企業でも家事お助け事業をしているので、それと比較してみたが、ほぼ同額。公が民を圧迫してはいけない理由があるのだろうが、逆に言えば民の方が安いとも言える。そちらの方が問題ではないか?とも思う。テレワークでは家庭内作業もこなさないと仕事にも影響する。さて10種のうち、せめて5種はマスターするか。

盛り上がりオリンピック

連日のオリンピック盛り上がりは予想以上で愉しませてくれる。柔道、卓球など破竹の勢いもさることがなら、初めて登場したスケートボード、サーフィンなども観ることができた。フェンシングなど過去頂点に立つことがなかった競技でも大活躍である。

インタビューの内容に驚いた人も多かったのではないだろうか。かっての絶叫調はなく、きれいな日本語で理路整然と端的に話す選手が多かった。恐らくトレーニング中には表彰台を目指してのイメージをしており、インタビュー当然あるべしとして作成し自問自答などで鼓舞していたのであろうと思われる。多くの選手は開口一番、開催して頂いて感謝している。この5年間を凝縮した結果だと述べている。リオから来たるべく四年後を目指して体調がピークになるよう積み重ねてきたのが、延長。その間、中止論も持ち上がる空気では、普通の精神力では萎える。この逆境は世界の選手も同じ条件であるが、よくぞ東京大会を信じてやってこられたと感心する。

オリンピック放送の初日に誰の・何の為の大会か?と某放送局は発言した。答えはこの開催期間で十分学んだものと思われるので、パラリンピック終了後に総括の言葉を聞きたいものだ。

誰のため、何のため。 実は3月に筆者は共同通信のインタビューを受けた。

記者:オリンピック開催に対する意見がありますか?

当方:勿論、大賛成!

記者:エッ? ほとんどの人がNoですよ。珍しい人ですね。何故ですか?

筆者:賛成の理由を次のように言った。記者はスマホに凄い速度で記録。

  • 日本も世界も未曾有の精神的落ち込みの中にある。活性起爆剤が必要
  • 前回の東京オリンピックでの日本人の活躍、アベベの裸足マラソンなど世界には多様・多能の人がいることを知った。
  • 東京オリンピック記録映画(市川崑監督)を観ると、例えば男子100mスタート時の筋肉の動き、眼光鋭さなど頂点に挑戦する様を目の当たりにして感動しない人はいなかった。バレーボール、体操、柔道の活躍は記憶と記録に残っている。でも女子110mハードルの依田いく子さんの痛ましいほどの追究した体(テーピング)、国を背負って42kmを走り最後で3位になった円谷幸吉さんの覚悟は現代に欠けている。

悲壮感とは違った形で今回は見せてくれるのではないか。

  • ワクチン外交に努力している(3月時点)ことを評価している。

而して、無観客ではあるが開催された。兄妹同日金メダルは空前絶後の出来事で興奮した。卓球混合ダブルスの準決勝、決勝の大逆転劇はTVであっても興奮させてくれた。逆にメダルに届かなかった選手は1年順延の影響が余りにも大きく影響する種目であったと同情する。打倒日本水泳と頑張って成長した世界の選手に拍手だ。

裏方も実は5年間の業務を淡々とこなしてきた。目立たないが、マリンスポーツの沿岸は東京湾を中心に茨城~湘南地区と非常に広い。この海域のリスク管理を海上保安庁は5年間詳細なロードマップを作成し作戦行動を執ってきた。拠点を横浜に置き活動しているのを知っている。自衛隊の協力なしには運営は厳しいが、その自衛隊も熱海土砂崩落に活動されている。このように競技以外のシステマチックな活動があっての開催ができることを有難く感謝している。まだまだ続くオリンピック、パラリンピック。頑張ろう日本。

最後に柔道で金メダルと獲ったウルフ・アロンさんの中学二年の時の作文を転載する。(写真 左下から右上)

この覚悟を今我々は持っているかを鋭く説いている。有言実行・武士道にも近いではないだろうか。