音力発電

慶應義塾や阪神の応援団に味方? をするかもしれない発明が東大から発表。と書き出すと東大の野球部もたまには勝つ時があるとコンプレインがあるかも。音が電力に変換できることが9月1日プレスリリースされた。元の英文の文献には音によりLEDが点灯する、マスクを付けてしゃべることでマスクの先端に取り付けた小さなLEDが点滅するなど、音振動による発電の模様を見ることができるので是非チェックをされたい。

この発表を見て、記憶が定かではないが、圧力を電力に変換するシステムを慶應湘南キャンパスのメンバーが開発し、駅の自動改札口にシートをおいて発電を実証した。東京の桜橋か記憶が怪しいがトラック・自動車の走行により夜間の橋の照明を補填する試みもニュースになった。

踏む圧力と音圧は比較するまでもなく大きな差がある。冒頭の野球応援団で言えば、交互に立ったり座ったりする広島応援団のベンチは圧力変換シートで応援団の人数に依存するがこちらが明るいだろう。慶応は薄暮ゲームになりそうな時は「モリバヤシが足りない!」と大声を出すと明るいフィールとなるかも。阪神がAREを達したタイミングが甲子園であれば阪神・阪急電車は回生電力として利用できるので2度美味しい。そんな漫画のようだがどうなるか楽しみだ。

冗談は生真面目な東大に似合わないので、早速技術内容を見てみよう。超簡単に言えば圧電性のあるポリフッ化ビニリデン樹脂を用いナノファイバーを作成しナノメッシュ電極とサンドイッチしたものである。ナノファイバーの製造は電界紡糸法である。ナノファイバーの製造では以前から実施されているものである。特に福井大学繊維工学ではナイロンなどでナノファイバーを作成し、その表面を金、銀でメッキを施して殺菌、滅菌、ウエラブル導電衣服などの開発を実施していた。 溶融樹脂をノズルから押し出し電界を印加する。 おそらく、事業化には生産性に劣ることから、ノズル付き押出機から噴き出すメルトブローン方式になるのだろうと思われる。

タイトルは「世界最高電力密度の超薄型音力発電素子の開発に成功 ―会話や音楽、環境騒音など様々な音を利用した高効率の発電を可能に―」発表のポイントとして

  •  世界最高電力密度(8.2 W/m2)の超薄型音力発電素子の開発に成功した。
  •  この音力発電素子は、圧電材料を含む柔らかいナノファイバーシート 3 層から構成されており、総厚さは 50 マイクロメートルと極薄である。
  •  会話の音や周辺からの音楽といった環境音を用いて発電することが可能であるため、今後、モノのインターネット(IoT)やウェアラブル機器への様々な音を用いた電力供給が期待される。と記載されている。

 

発明には種類があるが、多くは既存技術+他分野技術+α の組み合わせであり、それぞれの組み合わせにおいて工夫をする。奇想天外新世界を突然発明することはごく僅か。その意味でこの発明は組み合わせの典型的事例だと思われる。工業的には電界溶融紡糸法はラボスケールであって、ここは既に市場でポリプロピレンのナノファイバを製造している企業があることのでプラスすることが好ましい。

大学でやるべきこと、企業がやるべきこと、双方が途中から組み合わせながら実用化を図る。それが特に地域に存在する大学に求められるのであろう。

なお、振動発電には圧電式、静電誘導式、そして電磁誘導式がある。電磁誘導は馴染みがあるのは永久磁石揺動(永久磁石の揺動により磁束が変化)、磁歪(磁性体内の磁束方向と応力により応答が変化)と面直磁界式があると 横浜国大の大竹准教授がJSTで発表している。これもミリ〜数Vまで対応、動作温度範囲が広いなど特徴があるとのこと。今後の発展に期待したい。

このブログを見て、いびき発電、寝返り発電で家計が賄えないかなぁと誰かの超嘆息が聞こえてきそうだが、笑い声発電が世の中をさらに明るくしてくれそうだ。

SDGs酒量とは

「ノンアルコール飲料の提供で飲酒量が減少することを世界で初めて実証」の文献を見た。(筑波大学2023/10/05)。 要旨の冒頭に「過剰なアルコール摂取は世界的な課題の一つで、国連の持続可能な達成目標(SDGs)にも含まれています。」とある。正直にいえば実は知らなかった。

日頃、SDGsといえば脱炭素が主役だけに意外だった。【目標3“すべての人に健康と福祉を”】に該当するとのこと。厚生労働省が推進する国民健康づくり運動「健康日本21」によると、「節度ある適度な飲酒量」は、1日平均純アルコール量約20g程度であるとされている。

思わず缶ビールのアルコール表示を見た。350ml 缶で15.4g。ということはSDGsを信望する人は1.3缶/日が上限となる。一週間まとめれば9本は飲めると勘違いしてはいけない。肝臓はアルコール・アルデヒド分解器官であり処理能力を超えると故障し健康に悪影響する。背広の胸にSDGsのバッチをつけている人は缶ビール1本で我慢しているのであれば立派。そうでないなら、そ〜っとバッチを外すだろう。

前置きはさておきポイントを抜粋。

参加者(123人)を2分。好みのアルコールをそれぞれ選択して12週間。一方には12週間の内3回ノンアルコールを提供。アルコールだけのグループには終了後にノンアルコールを提供する仕組み。(図参照)

この図を見ると (1)ノンアルコールを併用していたグループはアルコール量が減少しており、テスト期間が終了後はやや増えてはいるものの、概ね少量で推移している(2)期間中アルコールのみのグループは期間終了後にノンアルコールを提供されるとアルコール量は低下の傾向を示している。

両方から、この文献の言わんとする「ノンアルコール飲料の提供で飲酒量が減少することを世界で初めて実証」ことは分かった。

世界で初めてとは大袈裟な表現だと呑兵衛なら言いそうだ。初めの頃のブログでは民族により、日本でも地域によりアルデヒド分解能が異なることを書いた。アルコール限界量は個人差が大きい。アルコールバッチテストでの分類ができることが好ましいのではないだろうか。大過剰アルコールを無理に勧める習慣は消えつつあるが、依然として過剰レベル。とてもではないが20g/日で収まるレベルではない。

アルコール耐性のあるドイツでも日本のノンアルコールが歓迎されている光景を見た。ビールをアルコールと認識していない国民なので、ノンアルコールでもビールと同じ風味であれば受け入れているのかも知れない。ひょっとして本物より別の飲み物として利用されているのかも。日本の抹茶を買い求めるインバウンドを見ると彼の国の人もバリエーションを拡大してみたら美味しい飲み物を発見した・・そのようなことかも知れない。が結論は彼らの健康も促進していることから見ると大いに良い傾向である。

次の図はノンアルコール量とアルコール量の関係。ノンアルコール飲料が増加するにつれてアルコール量は減少している。

実に面白い。理由にはノンアルコール製造技術の進歩があり、アルコールの肴にも、それ以外の料理にもマッチングさせたこともあるだろう。

一方で面白くないのが財務省か。強かな財務省だけにご懸念に及ばぬようだ。2026年からビールも発泡酒、新ジャンルの酒税は一律35円に統一される。チューハイも発泡酒類として酒税がアップ(350mlで35円)。。。この流れで酒粕はもちろんノンアルコールも新ジャンルに知らず知らずの間に組み込まれるかも。そんなことはないだろうが、もしそれが通用するようならとてもその案は呑めない。

だが、なぜ節度ある適度な飲酒量なのか? 根拠はあるのは当然だろうが、最近、岡山大学からマウス段階ではあるが有益な研究が報告されている。(プレスリリース2023/6/29)「ノンアルコールビールを経口摂取したマウスでタバコに含まれる肺発癌物質に起因する肺腫瘍が有意に減少」

要旨は「マウス肺癌モデルにて、ノンアルコールビールやアルコールを除いたビールを餌に混ぜてマウスに食べさせておくと、肺発癌物質による肺悪性腫瘍の発症数が有意に減少し、うち約 2〜5 割(15 匹中 3〜8 匹)のマウスには悪性腫瘍が発生しなかったことを明らかにしました。」

このような研究があってのSDGsご指導があるのなら納得もするところではある。岡山大学の研究継続に期待したい。

灯台方式ビジネスの行方

9月29日から10月1日の3日間に亘ってワールドデンタルショーが横浜パシフィコ&ノースにて開催されました。コスモサイン・Aidite共催のブースにお越し頂いた皆様に厚く御礼申し上げます。加藤社長をはじめ社員、関係者一同気持ちを新たに、皆様のご要望に応えられるべく精進してまいります。従来にも増して皆様のご指導を賜りますようお願い致します。

さて、

ビジネスのやり方に“灯台方式”がある。新規ビジネスを始めたらしいが、軌道に乗りそうなのかと模様ながめを決め込む。成功した会社が出た!となると(これが航海で頼りになる灯台として)資金力に任せて猛烈後追する。それが灯台方式。現在の自動車業界の灯台はテスラのBEV。CO2クレジットを買う立場と受け取る立場を考えれば当然とばかりに欧米をはじめ日本でさえ補助金政策をテコに推進している。これら強固な地盤の上に大型灯台が設置され明るい光を発している。一方のガソリンエンジン、ハイブリッド航路の灯台はやがて撤収するか自然崩壊する運命と予想して。

だが、待てよ。クルマって何?

クルマは「いつでも、どこでも、どこまでも、人と荷物を移動することができる構造体」の要素から成り立っていて、その価値に対して人は金を払う。次に安全運転、価格(含む下取り価格)、デザインがあり環境も要素に入った。だが環境だけで残りの条件を満たさない場合は市場性が低いのが一般的自由経済の原則。

いつでも :チャージ時間ネック、レアメタル枯渇

どこまでも:移動距離はバッテリー性能見合い

電力インフラ不十分な地域は見捨てられる。

移動体  :車重量からくる積載量、道路・ブレーキ摩耗屑問題

安全性  :自動運転レベル以前の問題にバッテリー発火案件

CO2.    :トータルLCA  レアメタル採掘・処理を含めては不明。

この条件から忖度なしにいえば

鉄道>HEV・PHEV>従来エンジン>BEV

米国・欧州ではBEVの在庫がハイブリッド・エンジン車の3倍に積み増しているとの情報がある。わかりやすい市民の反応。筆者の独断と偏見で恐縮だが、一神教の欧州は一択の環境最優先政策がお好きのようだ。日頃気にしていないが日本人は良ければ受け入れるマルチ政策。前者は排他的になりがちで自分が勝つためのルール作りに固執するが、後者はどのような場面であっても柔軟に対応することで先の先までを考える。(体力と基礎開発力があることが条件ではあるが)。

HEV,PHEV,従来エンジンが規制されるとなると、水素エンジンの可能性を追求する他、BEVの中においても蓄積技術と開発力で徹底した差異化を図っている。販売量では現在圧倒されていても追い越す準備万端の雰囲気を醸し出している。全個体電池、水素エンジンなんでもあり状態。欧州勢が勝負できるのは合成ガソリン。合成ガソリンの原料はCO,CO2であり火力発電所からの回収による。風力発電に頼り原発も停止した国が量的供給を含め可能か疑問。

自動車業界も基本シェア競争。どのような業界においても汎用品の製造販売で採算が取れるのは1位と2位まで。3位以下は特異な製品で生き残りをかけるか、別の上位を狙える業界に進出するかである。

現在の自動車業界では1位トヨタ、2位VW  3位以下は2035年(英国は2030年)脱エンジン規制を灯台としてBEVで追いかけている。3位以下のメーカーにとって1位のトヨタはBEVに熱心ではなさそうだ。そこがチャンスと見た。米国IRA法案で米国内工場生産BEVに対する手厚い補助、減税に対してトヨタはもちろん日本BEV車を蚊帳の外に置いた。まさに米国内ではテスラ一強は技術以外の成果ゆえである。

米国に限らず将来の自動車がBEV絶対変更なしが前提条件ならば、諸事情あるのは承知の上で、競争レースに参加してシェア獲得をしないと負けになる。ホンダが自動車分野でBEV一本化したシナリオは分かりやすい。BEVの世界には既にBYD1位、テスラ2位。これらを押し除けて2位以内に食い込むのには時間の制約もあり相当厳しい。

開発費用の捻出にガソリン関係の断捨離を始めた。真岡のホンダエンジン工場を2025年工場閉鎖はすでに発表、その前に狭山事業を閉鎖し寄居に集中。長年付き合いのある八千代工業をTOBした後でインドの会社に売却すると発表。樹脂製ガソリンタンクや樹脂製内外装部品の製造会社である。筆者の若かりし頃は金属製ガソリンタンクを樹脂化にするために情熱を注いだだけにこのニュースには驚いた。

断捨離の速度も速い。ホンダの主戦場は海外だけに、海外のBEV風力は厳しく受け止め判断させたことと、ホンダらしい秘策があるのだろうと受け取った。昔の秘策はCVCCエンジンでカリフォルニア排気ガス規制(マスきー法案)をいち早く突破してシビックがカリフォルニアに登場した時のインパクトは印象的だった。

今回の秘策はなんだろうか? 一つはSONY・HONDA連合か。ソニーが得意とするイメージング・センシング、通信、ネットワーク エンタテインメント技術と組み合わせるとパワードライブがBEV自動車の範疇から一歩違う業界で橋頭堡を作り新しい灯台になるかも知れない。

もう一つホンダ秘策に水素燃料電池車(FCV)がある。トヨタより先にクルマを製造したが、一般向け発売はしなかった記憶がある。 水素充填時間はガソリン並と水素ステーションの設置に依存するが今後目が離せない。トヨタとホンダ良きライバルであるが新規の灯台に向けて頑張ってほしい。

英国はBEV一本槍の先頭グループにいた。多くの自動車メーカーがEU離脱に伴い撤退。トヨタだけ英国のことを考えてあえて残った。そのトヨタにも打撃を与え続けた。

だが、ここにきてガソリン車の継続使用期間を延長することが国民のためになると言い出した。トヨタやホンダの新技術がやがて現在のBEVを凌駕駆逐することを考えると引き留める方が得策と見たのかもしれない。灯台の光の光源パワーと継続性を見極める必要がある。刹那的な照るさに目が眩みがち。そこは自動車に限らずビジネスにおいて普遍的なものであるだけに他山の石ではないのだろう。

珈琲由来成分と認知症改善

どちらかといえば日本茶・紅茶派、どちらかといえば珈琲派、その両方派と嗜好だけに人それぞれ。お茶請けも違う。日本茶・紅茶を好む人むけお茶請けに疎いので持参する際に困ることがある。特に京都ではお茶請けに接待する側の意図意味を持たせることがあるので、それを察知しないと無神経だと烙印を押されるのでご注意を。

背景には文化、歴史が大いに関係するが、お茶・紅茶、珈琲の成分にも依存する。因みに緑茶にもカフェインは含まれている。実際の1杯の飲量に換算した場合(量は個人によるが)カフェインは緑茶15mg 紅茶32mg ドリップ珈琲が89-135mg ,エスプレッソ91mg,インスタント42mg となっている。他にコーラは35mg エナジードリンク80mgを見ると少々驚く。この数字を見ているだけでも色々と想像することはできる。

とブログの題材から遠い話題から始まったが、珈琲派に味方する文献を見つけたのでご紹介する。

筑波大学がダイドードリンクとコーヒー由来成分「トリゴネリン」に認知機能改善効果を発見したことを発表した(2023.09.21プレスリリース)。

超要約はコーヒー由来成分の一つ「トリゴネリン」に、老化促進マウスにおける空間学習(空間内での自分の位置の認識)および記憶の改善効果があることを見いだしました。また、この効果は、脳の神経炎症の予防および神経伝達物質レベルの回復によって生じることが示唆されました。」(下線部引用)詳細は本文をお読み下さい。

                       (補註トリゴネリンは通称N-メチルニコチン酸

小生が面白いと感じたのはマウスのモリス水迷路試験は人間のよくある行動と似ていることである。ある部屋に何かを取りに入ったのだが、どこにあったのか忘れてしまった。極端に言えば何故この部屋にきたのかさえ忘れてしまった。そんな経験をしているシニアの方は多いのではないだろうか。このブログを見て膝を叩いた人。おられるかも。かく言う小生も該当する。いつも決まったところに鍵、定期券、文具、書類、衣類などしまうようにしているが、すぐ利用するからとして定位置外におくと、なかなか思い出せないことがある。やたらあちこち探す。まるでモリス水迷路のマウス状態。

小学低学年の頃、町内のお医者様から「夜中停電になっても必要な医療器具は取り出して処置することができる」とやんわりアドバイスをされた。よほど小生の部屋が乱雑で頭脳成長度に反映すると危惧されたのであろう。お医者様の診察が不幸にも当たり現在に至る。

人の名前がすぐに出てこない。デブリのような記憶から徐々に繋いでいき最後に辿り着く。誠に時間がかかる。笑い話で終わるケースがほとんどだが、ビジネスでは困る時もあるので気を付ける必要がある。先日、某展示会で「初めまして」と挨拶されたが、この人には過去にお会いして仕事も出している会社。逆の立場になったら流石にマズイ。

私事はこのへんに止め、この文献のキモとなる機作の図を引用する。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

直、トリゴネリンは珈琲豆には多く含まれているが、焙煎により分解するので焙煎時間、温度分布などに注意が必要だ。今後、自家焙煎の人がこの記事により増えるかもしれないので参考にされたい。

神奈川県厚木に本拠を置く南蛮屋では生豆からトリゴネリンを抽出して焙煎後に配合する豆も発売している。そのHPに記載されている図を参考に示す。

 

 

 

 

 

 

 

 

先日、珈琲に凝っている人(認知症とは全く縁のない明晰頭脳の持ち主であるが関係者におられそうな)に評価を依頼した。ですので、このブログを熱心にお読み頂いている人には評価用サンプルが届かないのが正解ですのでご容赦下さい。

そういえば、冬虫夏草(第一工業製薬・天虫夏草)を珈琲にブレンドした京都の薫豆堂もあった。自分が認知症になったら、トリゴネリンや冬虫夏草も思い出せない。家族が治ると信じて淹れてもらうことになる。やはり最後は家族からスポイルされない態度であらねばと妙な落としどころに。

北陸新幹線延伸 雑感

東京―金沢までの北陸新幹線は福井の敦賀まで延伸工事が終り、検査と試運転が始まった。2024年3月16日から営業運転が開始とJR東日本と西日本から発表された。車内アナウンスの練習「次は敦賀・・・」は開始が近づいてきたことを示している。

世の中の鉄ちゃんは久々の大型話題とあって騒がしい。代表的なのは大阪・京都からのサンダーバードが敦賀乗り換え面倒だ、京都から福井までは新幹線利用しても3分しか短縮できない。名古屋からのしらさぎは減便されて米原―敦賀だけのシャトル便的だ(名古屋直行もある)になりそうだ。所詮福井からは東海道新幹線で東京へ行く方が速いので却って不便。などが代表的な声。「かがやき」は金沢止まりがあり全部敦賀までは行かない。かがやき、はくたか、つるぎ が速い順番でもなく多分混乱は必死だろう。

現在、米原にはひかり、こだまが停車。便数の多い「のぞみ」で横浜から京都まで行きサンダーバードに乗車した方が便利なこともある。サンダーバードには京都の次の停車駅が福井の超速達特急がある。北陸新幹線が敦賀まで来たのなら延伸して米原で乗り換えか、米原―京都、米原―名古屋間を別線路で設定する方が現在のユーザーにとっては便利なのは確か。建設費も圧倒的に少なく済むはず。問題はその費用を負担する滋賀県にとって迷惑千万であるので実現性は薄い。

全国的に見れば 新幹線が通るって羨ましい!と思う地域は多い。四国、山陰、九州は大分・宮崎地域など構想はあるが着工見通しが立っていない。人口からみて福井はせいぜい80万人しかいない地域になぜ新幹線?人口や経済規模で言えば同等程度なのに。その理由は鉄ちゃん分かってはいる。

話は突然飛躍するが、

NTTの電話通信網には相手に届く経路は複数ある。東京から金沢に通信していてもルートは極端に言えば沖縄経由、北海道経由などがある。40年前にNTTの人から聞いたところでは日本では7つのルートで情報が伝達するシステムがあると教えられた。今は情報の量が違うので、それぞれのルートの容量とルートの数が増えていると思われる。何故、複数のルートを用意するのか、当然のことながら災害、産業、デジタル医療、防衛など遅滞なく対応できるためである。

北陸新幹線は地域産業・観光などの興隆がもちろんあるものの、いつ襲われるかもしれない南海東海地震のための東海道新幹線サブルートなのだ。野球で言えば絶好調の選手が死球攻勢で調子を落とした場合、同等力量ある控え選手が大活躍する光景と似ている。リニア新幹線も災害予想地域を外したルートであり、大都市・横浜を通らないのも災害対策なのだろう。尚且つ、輸送量は東海道新幹線取扱の総重量をカバーできない。となると長野経由北陸新幹線は地震大災害時には「あってよかった」になるはずだ。逆に言えば北陸地域は東京と大阪の二代巨大都市を結ぶ格好の地域にあるから新幹線が開通する。新幹線に限らず巨大都市を両末端に有しない鉄道・道路のインフラは厳しいのが現実。

リニア新幹線建設は静岡がネックなっている。また北陸新幹線も現行案で小浜経由京都地下を通ることには京都が反対、米原となると滋賀県が反対。静岡は特殊事情らしいので対象外として、それぞれに理由はあるのは承知している。東京のために福島が原発で発電し、とんでもない被害を被った。筆者の仲間が福島ロボットタウンで会社を起こした。可能な限り県内企業製品を活用して福島復興にと汗を出している。当方もささやかながら応援をしている。専門が違うので筆者ができることは福島で海鮮を食する程度だが。

一方、関西では大阪のために福井若狭地区が原発銀座となっている。その見返りの一つが新幹線の小浜経由京都ルートはわかりやすい。京都から見たらこれまた迷惑な話として即拒絶。しかし京都府南部の発展を考えたら地下水枯渇による湯葉・豆腐産業を理由に拒否するのも偏狭な考えと見られる。水の分析技術、濾過技術は優れている。RO水に現在の水の成分を加えることで調整は可能だと思うし更に美味しい湯葉の生産も期待される。

新幹線について地元メリットがないのに負担させられるのは腑に落ちなくて当然。滋賀県、佐賀県には同情する。国と新幹線で利益をうる企業体が負担すべきであろう。もう一つの要因は知事の器が小粒とは言わないまでも、国家感が薄いのではないだろうか。国会議員の鞍替えで知事。国とのパイプを理由に天下りで知事を務める官公庁キャリア。福井に新幹線が通ることで思い出したのが五箇条御誓文。福井藩の由利公正の発案がベース。己の殻に閉じ籠り太平を見ない輩が多くないか。

と偉そうなことを言いつつ、北陸新幹線で東京―敦賀―米原―東海道新幹線で戻る周遊券で旅行をしたい。と最後は理屈っぽい鉄ちゃんの顔が出ました。単純に敦賀新駅の巨大さには驚く。1階がサンダーバード、しらさぎなど在来線が停車。2階が新幹線改札、3階が新幹線乗降ホーム。乗り換え時間を福井の人が発表したタイムが5分。これが徐々に延びて8分から10分。ここが面白いところだ。福井は大阪並みにチャッチャと動くのが良いと考える文化。それが東京の風が入ってくるとゆっくりの方が品あるように見える。となって乗り換えタイムが延びたのではなかろうか。と表現すれば東京では「ウケる〜」関西圏では「おもろいやん」。東西文化が滋賀県木之本付近で交流して日本活性化の「気の素」になってほしい。やはり乗りに行かねば。

雲水マイクロプラスチック存在

早稲田大学が8月23日にプレスリリースした記事。目に飛び込んできたのは「雲水の野外観測で初めてマイクロプラスチックの存在を実証」のタイトル。エッ!雲水? お寺から托鉢を持って檀家や山岳修行に出かける野外活動をする雲水だけに、最近では環境観測まですることになったのか? 因があるから果がある環境お経を唱えながら? これに雲水が協力しなければ・・・。と冗談半分早合点。

マイクロプラスチックが大気中に存在するのは想像できるにしても、発生させる地域での経済・教育レベル・国民性・廃棄物処理インフラ不足が「因」なのでそれに言及した論文なのか? それともプラスチックがマイクロにならないような機能付与を提案しているのか? タイトルからではわからないが印象だった。

結論は富士山などでサンプリングしマイクロサイズのプラスチックスをFTIR(フーリエ変換赤外線分光分析)で材質を分析した論文。フィールドワーク論文としては価値があることを認めた上で、上記の問いに対する答えがないのは少々物足りなさを感じた。大学の仕事ではないと反論はされるだろうが。

それはともかく、当方の驚き1番目「雲水」は皆さんもご同意されるだろう。国語辞典でチェックしたが一般常識の雲水以外のワードはない。文献にするには用語解説をつけて定義すべき。それがない。特定範囲の人は分かるのだろうが。

本文を読み始めると雲水とは雲や雲の中の水分を指すことはわかる。大気中と言い換えた方がわかりやすいが、著者の意図とは乖離しているので、雲水と記載したのであろう。

富士山、丹沢の高地から山麓までの雲水からサンプリングしたマイクロプラスチックはポリエステル、ナイロン、ウレタン、ポリカーボネート、アクリルで親水性の官能基を分子内に有しているのに対してポリエチレンやポリプロピレンは炭素―水素からなる高分子であって元々は親水性ではない。がそれらも紫外線が長時間(+熱)があたれば、ポリエチレンでは僅かに存在する二重結合の部分がカルボニル官能化されることや、ポリプロピレンでは3級炭素が脱離して同様に官能化親水性を帯びる。そこで雲の中で運ばれて、いずれ大気中に漂うことになるとのシナリオだろう。ありうる。否定はしない。雨乞いにヨウ化銀粒子を航空機で散布することがある。水滴になる手前の水分に核剤として作用することで雨水となるメカニズムと類似して雲の中に浮遊するマイクロプラスチックも同様な作用をすると思われる。

文献に書かれてはいないが、繊維屑はポリエステル(PET)が発生源だろう。ナイロンは漁網か釣り糸など、ウレタンは冷蔵庫などの熱材・建築材料・自動車など解体から。ウレタンのリサイクルは厄介だ。初期のモノマーから変更する必要があるので浸透していない。福井大学橋本教授が提案されて25年。時間がかかるようだ。ポリカーボネートは単独で利用されることがあるが、近年最も多いのはABS樹脂とのアロイとして電気電子製品特に筐体として量が伸びている。衝撃に強く、かつ寸法精度に優れる材料。ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン樹脂)でBは二重結合を含むので紫外線劣化の起点になる。材料価格は高くなるがBをE(αオレフィンエラストマー)にすることで劣化抑制は可能。

ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン)のマイクロプラスチック発生する製品は包装材料だろう。ポリオレフィンは自動車の内外装(バンバー、インパネ)などに利用されているが、耐候性改良添加剤か、紫外線をカットするカーボンなどが配合されているのでマイクロになり難い。その前にバンパーなどは有価物だけにリサイクルに回収される。ラバーはタイヤの摩耗屑だとしたら、EV化によりクルマの重量増大となり摩耗量も増えることに繋がる。

耐候性改良剤が配合されていない包装材料がポイ捨てされやすのは確か。バイオ分解樹脂にするには置き換わる安価な材料がない。昨日コンビニでサンドイッチを買った。小麦粉など諸材料値上がりでサンドイッチのサイズがグッと小さくなった。だが、包装材料の量は対して減少できないことも知った。やはり解決はポイ捨てしないで焼却燃料へ循環することを促進するしかない。

サンプリングされた材料の割合図を見ての印象は マイクロプラスチックといえば海の意識が強かったが、海水より比重の軽いポリプロピレンより比重の重い材料が多いことは何を意味するか?だ。 海や河川が少ない地域=陸上での廃棄を意味していると考えることができる。フーリエ変換赤外線分光分析ではできないが、C13など同位体組成分析などを加えて、より深い解析ができそう。

もう一つの副題は「雲水中のマイクロプラスチックが想定以上に環境および健康リスクを高めていることが明らかに」とある。続けて本文中に「プラスチックの雨」が地上に降り注ぐことになります。すなわち、AMPsを空気から直接、肺に取り込むだけではなく、雨水として地上に降りそそぐことにより水源を汚染し、陸水を利用する農業や畜産業を通じて体内摂取量を増大させ、健康リスクを高める可能性があります。(下線部引用)

ここで環境及び健康被害をもたらす濃度とはなんぞや、マイクロプラスチックの形状はどうなのか、それに対して得られた健康リスクのエビデンスを知りたい。それって環境に対して重篤であるのだとしたら、せっかく今回初めて測定結果を得られたのであるならば、日本及び国際機関に訴えて対策をする必要がある。

空気中のPM2.5や粉塵質量は観測衛生から知ることができる。(例:2023/8/25データ)。

この衛星観察のようにマイクロプラスチック全体及び種別分布が見られることを期待したい。

大気中マイクロプラスチック問題が深刻であれば、誕生から墓場までマスクで過ごすのだろうか。せっかくの研究はこのようなことにならぬと警告を発するべきであろう。それが学者の使命。それで人の幸福を祈り修行に励む雲水と命名した理由なのかも知れないが。

石油化学にしろ、バイオ原料にしろ気が遠くなる時間をへて製品になる。フィルム然り、自動車然り。廃棄するときに、「ありがとう おかげさまで 便利だった」と声掛けをすれば、まかり間違ってもポイ捨てはしない。それが人としての所作だが。

幼児発達とスクリーンタイム

戦後に社会・人物評論家として活躍された三宅壮一氏が残された名言多々あるが、多くの人の記憶にあるのはTVがこれから隆盛するタイミングで「一億総白痴化」と発言。一方的に情報受動することが続くと、考えることをしなくなることを警鐘した。

自ら発信しない場合のYou tubeもそれに該当する。TVが内容がつまらなくなってオワコンだとしても、受け皿のYou tubeもいずれそうなるだろう。会話型のChat(Twitter ,Line, TikTokなど)も昔の駅の伝言板代わりだから白痴とまでは行かないにしても、そう大して頭脳を使っているとまでは言えない。(と、偉そうに言う自分がいて大反省)。

シニアにはその警告は酷だ。TV、DVD、You tubeは時間潰しだから勘弁してよと言うだろう。それは納得。だが、幼児にとっては全く事情が違う。本人はもとより極端に言えば将来の日本において損失になるからだ。

日本の研究.com(8月22日)に1歳児のTV,DVDなどスクリーンタイムが長いほど知恵の発達が遅れる研究結果を掲載。1時間未満に対して4時間では2歳になると約5倍の遅れが証明と凄くショッキング。大宅壮一氏の主張が証明された。内容を見てみよう。東北大と浜松医科大が発表。タイトル:「1歳時のスクリーンタイムが2歳・4歳時点の発達特性の一部と関連」

評価項目:1 日あたり、1 時間未満、1〜2 時間、2 〜4 時間、4 時間以上の 4 群に群別。5 つの領域における発達の遅れ:コミュニケーション (喃語、発声、理解)、粗大運動(腕、体、脚の動き)、微細運動(手や指の動き)、問題解決(学習、おもちゃでの遊び)、個人・社会(おもちゃや他の子どもとの遊び)で構成。7,097 名の子供が対象となった。

ただ、著者らは デジタルデバイスによる教育面は有益になるであろうから無闇にスクリーンタイムを制限することにも注意するように主張している。

確かにそうではあるが、記憶を深くするには、大人ではデジタルであってもプリントアウトしてチェック、手で紙に書くこと。

プレゼンテーションではパソコンからスクリーンに映し出し説明をする場合が多い。実際、理解度はどうかと言えば、紙資料の方が圧倒的に高いこを多く経験している。なぜなら、目と資料の距離が短い、自分のペースで資料をチェックできるから。プレゼンターのリズムより自分のリズムでないと理解は高まらない。ロボットではないのだから。WEB会議でのもどかしさから、今はリアル会議に戻ったのもそこに大いに関係あるだろう。

新生児では親との会話、デジタルではないゲームに興ずるなどが有効だと考える。昭和の人だ・・・と失笑されるかも知れないが、意外に重要。共稼ぎ家庭、幼児受け入れインフラ問題、狭い住居事情と色々制約事項はある。今回の結果を100%実行できるかと言えば本当のところ厳しいのかも知れない。新生児の時に親の愛情をどれだけ注いだかはその後の成長と関係との文献もある。抱きしめる、なでなで、声掛けなど親の愛情が発する自然の行動が幼児の発達に関係する。

大人になると幼児の時の記憶を覚えていないが、それをやってくれた親に感謝する文献だった。

野球応援に想う

慶應義塾の応援に色々な声があった高校野球。徐々に下火になり話題は次に移った。本来は敵味方なしに、いいぞっ!と褒める応援、エラーした時にドンマイと落ち着かせるのも応援、ピッチャーが投ずる球の風切り音やキャッチミットの音を聞きたいときは静かにするのも応援。金属バットの乾いた音を楽しめる場を作るのも応援。

両校の選手が審判の前で整列してお辞儀をして試合開始。両校の応援団も相手に対してエールを送る。MLB(ベースボール)にはない。150年前に野球が導入された時から剣道・柔道と同じく礼に始り礼に終わる形式が今でも継続している。これが基本。学生の応援団にはグラウンドの選手と同じく節度を学ぶ場でもあるのだろう。大人用ワードは「矩を踰えず」かな。

その範囲内での応援の創意工夫は歓迎される。麦わら帽子にカチ割(氷をアイスピックで割ってポリエチ袋に入れたもの)の時代からPL学園登場の時からスタンド風景が変わった。PLは赤白のパネルで大きくPLの文字を表現。甲子園出場が決まると学生も練習を重ねたであろう。三三七拍子は消えた。ブラスバンドの規模が小さい学校の時は地元西宮の有志が賛助カバーするなど絆が見られた。見ていても微笑ましい風景だった。

学校も変わった。生まれた土地の高校に進学して野球をするスタイルから野球留学の言葉が出始めた。学校も中学生もブランディングを重視するようになった。最近の応援風景はエンタテインメント・ショー的要素が入りつつあるのではないかと思う。エンタテインメント・ショー的だからyou tubeでもアクセス数稼ぎに利用された。

慶應の確固たるブランディングに加え都会風応援は仙台育英も持ち合わせているものの、少なくとも相手攻撃の時は遠慮しろよと観衆は感じたのであろう。確かにショーならば幕間がある。学生に罪はなく、マネジメントの問題だと思うが「慢」のゾーンにいると案外気がつかないものだ。

人によって同じワードを発しても受け取る方は違うことはよくある。当方が経験したのは地方大会での出来事。その地域では歴史ある進学校。その応援スタンドから野次がとんだ。それが翌日の新聞に載った。言った方は意識がなくとも、相手ベンチは侮辱と受け取ったはずだと記者の感想。漢文の学校教育方針を読めないはずのない生徒でも「慢」の意味を知らなかった。(尚、小生の知り合いで慶應卒の人が多くおられますが、自ら慶應卒と言う人はいない。言われるのを嫌う人も多い紳士・淑女ばかり。(これホント)

今回の件はこれくらいにして、球場全体が両方の高校を応援したことがあった。お分かりように、沖縄首里高校が参加した本土復帰前の記念大会(1958年昭和33年)。相手は強豪敦賀。米国占領地域から本土への渡航にはパスポートかそれに準ずる手続きが必要であり、試合終了後に甲子園の土を持ち帰ろうとしたら、沖縄への持ち込み禁止でやむなく海に捨てたあの試合と出来事。もちろん応援も沖縄からの参加は望むべくもなく、沖縄出身者+有志からなる応援になるところだが、こうなると事情はまるっきり異なる。球場全部が首里を応援し、球場全部が敦賀を応援。本来の応援の姿はこれが原点ではなかろうかと思う。

余談:決勝の日に東横線で帰る途中に慶應のある日吉駅で途中下車。やはり高校野球はなんだかんだ言っても引きつける。小生の場合それを野次馬と人は言う。

ディベート 雑感アラカルト

「突如って一人称ですよね」 この発言をしたのは今や時の人になった広島県安芸高田市の市長石丸伸二氏。記者会見での出来事。一人称が何かは知っているが、これをFacebookで見聞きするまで「突如が一人称」とは自分は思ってもいなく、見事に隙をつかれたアッパレ感があった。詳細はFacebookをチェックされたい。

このワードが出てきたのは市長の記者会見の時。 議会で不信任決議や問責決議案が浮上したときに記者は前後を切り取り「突如」と記事にした。正確な報道が好ましいとして市が記者に問うた。(本ブログは政治・宗教には踏み込まない)。通訳するまでもなく「記者さん一人のみが感じたのですね」と。その意味で一人称。この模様を眺めながら、日本でも本物のディベート力が必要になったことは面白いと感じたので取り上げた。

議会のやりとりを見た多くの市民のエビデンスがあれば一人称ではないと反論すれば良いだけなのだがなかった。わずか6日間でアクセス230万回。前後半合わせて2時間。飽きもせず見てしまった。悪いがドラマ半沢直樹よりインパクトはある。「突如だけではない」全体の論点と筋道が整理されているところが心地良い。市議別の活動比較など市民モニタリングが公開されているのも今風で刺激的。

話は飛躍するが、数学を得意としている人から「数学は国語を単純に記号で置き換えたに過ぎない」というのを何回も聞いたことがある。国語ができる人は数学も得意だという。だけどオール5をとる人は持って生まれた頭が良いのでは?と勘ぐりもする。ビジネスや人間関係において三角関数、微分積分は理解しやすいが、偏微分方程式も国語だと言われても違うだろうと思い、その後で「そういえばそうかもだなぁ」を経験した。尤もE=mc2 の相対性理論になると国語より哲学かも知れない。

つまり話し言葉でも、文章の時でも言葉の定義があり論理的で数式になるかが自分の頭も、相手の頭脳に受け入れてもらえるには必要なのだ。と。 それがわかっていないと敬遠されるだろう。だが一朝一夕で身につくものではない。修羅場を経験して身につけた人はPDCAを(自分が意識したかわからなくても)何回も回していたに違いない。

囲碁将棋の世界のPは桁が違うが、通常のビジネスなどでも複数のシナリオを考える。経験は少ないが頭脳が良い人は多くのシナリオを考える。だが、多くは悲観的なシナリオの比率が多くなり結局は動かないか、動いても遅い。

そこで今はDCAの時代が主流となっている。とにかくDから始めてやりながらCを実行して本格的なPを構築する方式が浸透している。だが、良いことばかりではない。Dから始めると成功する打率が低いのだ。少ない予算で大きな成果なんて無理。小さな成果から発展を予想しリードする会社体質なら成功するが、多くのケースはいかがだろうか。これを突破するには 1つは情熱 2は説得するに十分な論理展開力。3 粘り

かくして日本の会社には潜在的飛躍可能なネタが豊富に在庫しているが、振り返り見直すようなことはサラリーマンとしては事実上できない。実にもったいない。

冒頭の安芸高田市の実情は知らないので、それこそ迂闊なことは言えないが、市長の前職である銀行員の経済分析能力をベースに市を分析し、将来ありうる経済困窮を回避するためのPを提案した。受け取ったのは市民。従来型の広報活動に加えTwitter, Facebookでの発信は情熱と粘りを感ずる。議員はPDCAにより市長の論理展開と同じ能力を獲得すれば良いだけの話で簡単。肉体年齢は高齢でもITを駆使し、頭脳を使って論理的議論ができる人は素敵だ。もっと素敵になるには、対応できない人には全体に迷惑にならない上手な逃げ道を作ることなのかもしれないが。

話は突然変わるが、ある超大手企業において経営陣におられた人(現在顧問)から半年前に小生の後輩を紹介するとして、この企業が参加している展示会の合間を縫ってお会いした。すごく頭脳がシャープで論理思考は確かな上に、市場分析に長けており、かつ腰が低い。おまけにイケメン。いうところなしで少しだけの会話でデキルと直感した。小生の前職の会社に所属していたことをもって後輩と理解していた。先日、同社顧問との縁あってそのイケメン・出来る人材が所属する会社でプレゼンテーションをした。後で大学学部も同じですと言われ驚いた。2重の縁ある後輩が凄い人。先輩としてどうなのか?と反省させられた。と同時に新しい目標ができた。

百薬の長 主役交代と細胞機作に学ぶ

先の日経記事に「酒は百薬の長 今は昔」とあった。 最近多くの文献によりアルコールは身体に好ましくないとのことを当ブログでも書いた。しかしながら、コロナ明けでプライベートでもビジネスでもアルコールを通じての交流がこれからと言う時になんたる気遣いのない記事であること。

知人から記事の紹介があったので、次のように返事をしたところ なるほどとリプライがあったので紹介する。あくまでも無責任なことにご留意下さい。

*昔は寿命が短く成人病が発症する前に亡くなるので酒が原因とはわからなかった

*毎日のように繰り広げられる戦でのストレス解消には酒は良薬だったのだろう。

*昔の酒(清酒)は濾過しない白濁状態で発酵残渣(今でいう酒粕)を含有しており、それが健康維持に作用したのではないか・・・と。

前の2つは当方のこじつけに過ぎないが、最後の酒粕については可能性ありと思っており実感もしている。そこで最近 注目した文献を紹介する。

最初に紹介するのは、清酒の需要が減少していることから、副産物である酒粕に着目して「清酒製造副産物を用いた新たな食品素材の開発」 食品と包装 2023 vol 64 N04 新潟県醸造試験場専門委員 佐藤博士の投稿。

超要約すると酒粕を①乳酸菌 ②酢酸菌により追加発酵させると①では乳酸菌が290倍に、②ではフェル酸など複数の酸が109倍増加することを確認した。地元食品加工業と新商品の開発を進めている。日本全体で副産物酒粕は5000トン。酒粕漬け魚の切り身などは美味しいが、量的にはカバーし切れないのだろう。スーパーで酒粕は豆腐や漬物コーナーの目立たない片隅に2〜3グレードが陳列してあるだけに、新食品素材が応用されて、今のヨーグルト売り場に伍して陳列することを期待している。

期待する理由は当方2年前から朝食に酒粕を味噌汁にブレンドして摂っているが、概ね1:1の比率で混合、塩分控えめもあり何より美味しい。これが原因かどうかは別の食品の効果と分離できないのでわからないが、凸形状の腹周りが変形しベルトの穴の位置が変った。

素人の感想はさておき、アカデミックなアプローチを調べた。酒粕が腎臓病進行抑制するのではないかの検証が金沢大学で実施されている。慢性腎臓病患者に対する酒粕を用いた食事療法による血中の尿毒症物質の減少効果を明らかとするためのプロトコール作成研究 (日本の研究.com) 慢性腎臓病患者に対する酒粕を用いた食事療法による血中の尿毒症物質の減少効果を明らかとする臨床研究: パイロットランダム化比較試験(日本の研究.com)の連続したテーマで研究が進められている。結果が待ち遠しい。(プロトコールとは治験実施計画の意)

一方、千葉大学では腎臓病進行を抑制する方法が発見され、新薬への手がかりをつかんだ模様。ここで酒粕ワードは出てこないが、金沢大学との結果と結びついたら面白いことになりそう。食品素材から医薬品レベルも価値がアップするから(無責任極まるが)期待する。千葉大学文献タイトルは

腎臓病進行を抑制する方法を発見 糸球体に現れるデンドリンの核移行抑制が腎臓病進行を遅らせる (日本の研究.com 掲載2023.05.09)

超要旨は

「腎臓の糸球体足細胞(ポドサイト)に発現するデンドリンという蛋白質の細胞核への移動を抑制することが、慢性腎臓病の進行を遅らせることを発見し、慢性腎臓病の進行を抑制する治療薬の開発につながることが期待」とある。機作を素人が説明するには困難なので、本文引用する 下線部

腎臓は血液を濾過して体内で産生された老廃物を捨てる臓器。腎臓の中で、糸球体という毛細血管の塊で血液を濾過して尿を作る。その毛細血管を外側から支えている糸球体足細胞は血清蛋白が尿中に漏れ出ないための最終バリアとして機能する細胞。つまり、糸球体足細胞が傷害を受けると蛋白尿となる。以前の研究で、デンドリンという蛋白質が糸球体足細胞にのみ発現していることを発見しており、今回はデンドリンを核内に配達するインポーチンの制御」を確認した。(インポーチンとは特定のアミノ酸配列を持つ蛋白質と結合し、細胞の核へその蛋白を運ぶ役割を担っている)。

インポーチンの核への移動を阻害する物質(イベルメクチン)は、デンドリンの核への移動も抑制することが分かりました。(図)

ここでインポーチンと聞き慣れないワードがあったので、PDBj で調べた。それによると細胞内において、タンパク質合成の過程は2つの区画に分かれて行われている。前半はDNAがRNAに転写される部分で、この仕事は核で行われる。後半はRNAが翻訳されてタンパク質が構築される部分で、この仕事は核の外、細胞質にあるリボソームで行われる。次にインポーチンは何千種類ものタンパク質を核内に輸送し、ゲノムの貯蔵、読み取り、修復などの様々な仕事を行っている。しかし、分子種ごとに特有のインポーチンを設計するのは手間がかかりすぎる。そこで、多くの核タンパク質はそれが分かるように特有の札(タグ)をつけている。これは核局在化信号(nuclear localization signal)と呼ばれる短い配列で、輸送機械にそのタンパク質を核内へ輸送するよう伝える。インポーチンはこの信号を認識してそのタンパク質に結合し、核孔を通って核内へと輸送するとある。

面白い。なんだかSLA(光液曹重合3Dプリンター)の操作と似ているなぁとの印象を持った。形状スキャン、CAD内設計、タグ付き重合液体ボトルのプリンターへのエクスポート。3Dプリンターの将来はこのような生物細胞の機作・仕組みを学習してさらに進歩するかも知れない。将来の結論は百薬の長どころではなく、それに着目させた効果は億万倍の長になるだろう。