激辛二題

(激辛その1)

京都市南部と長岡京の間に向日市がある。 平城京から平安京に遷都する間の10年間に長岡京が置かれていたところが今の向日市。西に丘陵地、東に桂川に挟まれ、JR,阪急が走り国道171号と物集女街道(もずめ街道)が南北に走る町。長らく町の名前が定着しているので向日町と今でもいう人は多い。向日町競輪は今でもこの名称。

向日市から長岡京の一帯は元々乙訓郡。ここの竹は有名で大枝(おおえ)の筍はシーズンになると送られてくる。エジソン発明による電球のフィラメントは乙訓産。長岡京市には長岡天神前に筍で有名な料亭があるが、向日市は筍スイーツや和菓子のお店がある。やわらかい独特の風味はもっと評価されても良いと思うが大化けは難しい情況にある。10年前から突然向日市とは関係がない激辛で町興し活動を開始。商店街の読みは当たり定着した。ファミレス、レストランにはKARA-1グランプリ加盟店の旗があり、入るには一種の覚悟を必要とする。他所の辛さレベルと同じとして注文すると大変なことになる。

さて、これから向日市が世界的に有名になるであろうとは日本電産タウンである。日本や世界中にNidecのビルがあるので、本社がこの向日市だと殆どの人が知らない(筆者だけかも知れないが)。社長(会長)の永守氏の出身地。京都市中の風情とは異なるデザインの本社ビル。現在JR向日町駅の東側の広大な土地に第二本社を建設中であり約5,000人が働くと言われている。JR線路の間際から広がる土地。それに伴う駅前広場改造と一大プロジェクトが進んでいる。永守氏にお目にかかったことはないが、日産から社長含みで招聘した人材には社長就任と同時に株価が下落したことをもって激辛評価即降格。社長に舞い戻る。また亀岡市の京都学園を買収して京都大学と伍して戦える学生を世に送り出すと豪語し、大学名も京都先端科学大と改名しキャンパスを京都市内太秦に開設した。その時に、亀岡市長から亀岡キャンパスからの移動は勘弁してほしいとの要望に対して、市長に向かって安穏として油断するからそうなるのだ!と激辛な発言をしたことを講演会で披露した。教員も学生からの評価を受けて更新しないと生き残れない激辛システムを大学に導入。向日市商店街が激辛町興しを企画する土壌には永守氏と同じような激辛血が流れているのかも知れない。京都市の付録のように思われている土地に対する反骨精神があるのだろう。長岡京市の村田製作所とのツインシティで安穏としている日本の空気を打破して欲しいものだ。

(激辛その2)

日経サイエンス5月号に「辛い!の科学」が掲載されており、辛みは味覚でない痛みであることが明らかになったとある。舌には甘さ、苦味などを感ずる味蕾があってそれぞれのセンサーになる味蕾の場所が教科書に載っていた。今はこの説は間違いとなっており場所によらず舌全面にある味蕾で感ずると変わっている。ここで辛味と言ってもワサビ〜唐辛子・ハバネラに至まで沢山ある。唐辛子辛味成分であるカプサイシンは脂溶解性で舌の表面から下にある感覚神経TRPV1に着き刺激が脳に伝達。脳は痛みや熱さに舌が炎症していると理解し、痛み緩和のためにβエンドロフィンを出すと共に、ドーパミンを放出させる命令をする。このドーパミンが快感をもたらすことは知られている。これで分かった。快感を求めて激辛を食べるのだと。また、舌の表面でなく舌の中の神経にカプサイシンが浸透することで、辛いから水を飲んでも効果がないことが分かった。詳しくは日経サイセンスを買い求めお読み下さい。引用しすぎと日経から叱られるだろうが、ワサビ類と唐辛子では反応する体温で異なることが図示されている。これをもとに色々考えるところがあるので添付する。先の巨人ー阪神戦の前に軽食を水道橋近くのカレー屋さんで摂った。伝統の試合だけに、このお店のカレーの味も年季が入って非常に美味しかった。

いしアウト

ロッテーオリックス戦での球審の行動について多くの意見・ツイッターが出ている。賛否は別として、ツイッターの文章がいずれも優れていることに良く事案を理解してのことだと感心した。球審が何を言ったのか読唇で解説したYou tubeでもあったが、何よりアップされた目つきが全てを語っていた。まさに口より目がものを言うが如くであった。当方のコメントは「あれはイタダケナイ」。審判は舞台監督のように試合をコントロールしなければいけない。ルール上は審判絶対だとしても、観客あってのプロならば極論をいえばショーマンの一員としての意識が必要だろう。それができる名人域に達した審判になって欲しい。

ところで、バスケの試合であのような光景を見ただろうか? 無いと答える人が多いだろう。2名の審判が対角線状から監視することで判断の精度があるからだろう。野球では球数が両軍投手合わせて300前後を一人の球審で判断するのは酷な作業かも知れない。球速は昔より圧倒的に速く150kmはザラ。球種は昔の直球、カーブ、ドロップ、シュートしかなかった時代から、今やフォーク、スライダー 2シーム、4シーム、シンカー、スプリット、カットボール、チェンジアップ、ナックルと多種多様。ホームベース上をどのような軌道を描くかわからないようなこともあるだろう。バッターが危険を感じて避けたボールが鋭く曲がってストライクになる投手もいる。

複数のカメラを駆使すれば球の軌道がどうだったかわかる時代になった。野球の内容が変わったのなら、判断も複数にした方が合理的であろう。選手にとっても信頼ある審判で技を披露することが何よりで、観衆も望むところだ。

そんな中、セピア色の話ではあるが、タイトルにある「いしアウト」とはなんぞや。

これが野球とベースボールの違いである。野球道といえば少し理解されるであろうか。ボテボテのサードゴロで打者は走るケース。1塁でアウトかセーフか極めて微妙な時、草野球では「いしアウト」を宣告する。子供の時はこの“いし”がわからなかった。“石?ではなさそう”。後からわかったのは「意志アウト」。

ボテボテにならざるを得ない打者の力量は既に投手に負けている。たまたま塁に到達するのが守備送球と同時であっても試合では勝っても勝負には負けと同じの意味で「意志アウト」。何やら武士道と同じ扱いなのだ。あくまでも草野球の話で、選手生命をかけてのプロでは呑気なことは言えないが、デジタルで判断すればセーフであってもアウトにして次回はクリーンヒットを打つレベルに精進するように促しても間違いではないと思うがどうだろう。

今回の佐々木投手が投げたコースをこのバッターは過去にヒットを打っていたか、バッターボックスの構えかた、空振りしてもその状況から悠然と見逃した“ボール”なのか。手も足も出なかったのなら“ストライク”と言われてもしょうがない。例えが変だが、高速で走る電車の中から通過する駅の表示が読めるか? 大まかな路線を知っているから次の通過駅名の一部でも読めれば言い当てることはできる。これと同じように0−2(2ストライク)であれば次は外してくる確率が高いから、その付近にきた球をボールと言いがちになるのも審判も人間ならありうる。捕手の配給パターンも関係している。

野球が武士道ならば水に落ちた犬をいつまでも叩くのは良くない。多分この球審は米国での審判留学など研鑽を積んできただけに、注意したいところ気が付くことが多いのだろう。極めることで、そうでない場合に遭遇すると絶対矯正しなければとの義務感に背中を押されてマウンドまで行ってしまったと思う。審判もその後 心に傷を負ったであろう。そんな時の特効薬は多少の緩さと笑いだと思う。名前を思い出さないが、球審が半紙厚み1枚分ボールと言って納得させたことがあった。このように言われたなら、次は毛髪ぐらいのぎりぎりを投げると言って練習する。そんなやりとりがあれば殺伐としたあのシーンを見ることはなかっただろう。

TVやYou tubeでは分からないこともあるとして30日の巨人―阪神戦を観戦した。試合前の審判4人のミーティング風景はどこか緊張が伺えた。微妙な判定もあったがリクストと結果が一致。これには観戦している我々もほっとする。判定1秒後には大型しクリーンに角度が異なる映像が映し出される。今回の試合ではトラブルはなかった。審判のキビキビした態度もショーの一部であると再確認した次第。

人肌スペクトル

地下鉄有楽町線にご老人夫婦と娘と子供の4人が乗車してきた。お婆さんは車椅子。一眼でウクライナから避難されてこられた家族だろうと高い確率で思った。ルーシー・コサック系の風貌。子供を除いて深く刻まれたシワ。母親も年齢見合いで疲労感ある肌。日本に以前から留学などでおられる人の透明感のある肌と比べると随分違う。そのことに大変な経験・ご苦労をされたことを物語っている。

車内の行く先表示に目を凝らして見ている。言葉少ない会話。日本語がわからず、かろうじて短く流れる英語表示を頼りにしている。現在コロナ禍にあって電車では幾つかの窓を少し開けている。地下鉄では騒音レベルが地上走行時より高い。防空壕で身を寄せていたことをフラッシュバックするのではないか?など心配になった。日本に到着したら仮住まいなど事務処理があるが、それより真っ先に温泉に浸かって欲しいものだと感じた。肌の荒れも滋養ある食事を摂って疲れを癒すことで復活する気力回復が何よりだ。

日本人は人肌の違いで差別をしない。ホワイトだから優れていると思わない、肌色に関係なく賢い人はいる。身体的能力は抜群であることも知っている。スポーツはいうに及ばず、音楽におけるリズム感覚には圧倒される。ペリー来航に黒人が乗船していたかどうかは知らないが、たとえいたとしても“大きいなぁ”と驚くだけだったと思う。 横浜地下鉄の壁に企業CMパネルがある。そこには浦賀に来た外国人より負けない体格(すなわち相撲取り)にて出迎えた風景が描かれている。なかなか洒落たことをしたものだ。

話を戻して、人肌の反射スペクトル(波長スペクトルのパターン)は白人、黄色、黒人は皆同じ。養老先生のYou tubeでそのようなことを話しておられた。WEBで調べると、元の文献から引用されたスペクトル図が他の人の投稿で記載されていた。(人肌スペクトルで検索して下さい)。

このブログでも印刷の何たるかを紹介した。色についてはそれなりにわかっているつもりでいた。ところが、先生の話されたのは「黒人もホワイトも肌から発する光スペクトルは同じだ」。言われれば納得。でも長い間、気がついていなかった。黒体はあらゆる光を吸収してしまうから黒いと思っていた。だがスペクトルが同じであるとするならば明度だけの違いになる。

色彩の表現方法にはいくつかあるが、その一つがLab である(L値、a値、b値)

+a は赤み、-aは緑、+bが黄色、-bが青みであり、明度L値(100になるほど明るく0は暗い)の3次元直行座標で表現する。 ここで先生の言われた“黒い”のではなく“暗い”。これが意味するところは非常に大きい。

日本人の多くは気高く、まして根拠のない肌の色で優劣を判断したことはない。このことを世界の人が知れば無用な人種差別トラブルはないと思う。是非 伝わることを願う。

 

フレキシタリアンは地球を救う?

Flexitarian これからの世界の標準食だそうだ。Flexible+食の造語であることはわかる。まさか柔軟な食べ物ではないこともわかるがさて? 末尾に**anがつく食習慣はある。ベジタリアンは古くからのお馴染みワード。ビーガンも最近はよく耳にする。恥ずかしながらベジタリアンは野菜のベジタブル由来だと長年思っていたが、vegetus(ラテン語:新鮮・健全)とwebで知った。ビーガンとは元は同じでベジタリアンは乳製品を摂るが、ビーガンは全く摂らない違いらしい。

で、今回話題のFlexitarianとは何ぞや。そこには人にも地球にも「ヘルシー」な食生活を指すようだ。気になるので、このタイトルの文献を探した。(nature 3月号P28 2022)。見つけたのは良いが結論を実行するには覚悟が要る。読まずに引き返すならばここだ。だが、地球を救いたくない人は少なくとも日本人にはいないはずなので、おそらく早く結論を言ってほしいとお望みだろう。そこで要旨を記載。

要旨はこうだ。食糧生産により極めて大規模な温室効果ガス汚染が発生している。このままだと、食糧生産以外の工業・物流・生活で排出する温室効果ガスをゼロにしても目標1.5℃に抑えることはできない。

食糧生産における温室ガスは全体の40〜50%を占めるからだという。ご存じのように牛は反芻動物でゲップするたびにメタンガスを放出する。また、牛は餌をエネルギーに変換する効率が低い(約30%)こともあって、植物野菜を直接人間が摂った方が高い効率である。タンパクは僅かな肉や魚で補填するとして。これをなんだかんだと計算すると、30歳平均体重の人の1日必要2500カロリーの食物で1週間中摂る肉は100g。そうすれば1,100万人の命が救われ、地球も救われると記載されている。具体的数字は図参照。Flexitarianのイメージが具体的になった。

経済的に恵まれない国ではとうもろこしの粉をお湯で希釈して食事としているところもあり栄養不足の子供の映像を目にする。まして戦争で農業が破壊された場合はどうなるのか。為政により多くの餓死者が出たことは欧州でも過去に発生した。それが今のウクライナ。決して開発途上国の貧困国だけの話だけではない。健康を維持するための最低限食糧に今一度注目しても良い。戦争で小麦粉、調味料など値上がりした。これを良い機会として見直しするのも間接的に地球に貢献する。としよう。

この記事には卵や乳製品バター、チーズなどが記載されていないが、100gは衝撃的数字だ。過去の日本人なら耐えられる数字だと思うが、欧米化により、この2〜3倍の肉を消費していると思う。これからハンバーガーショップの看板を見ても我慢・我慢。ステーキ屋から漂う香りに誘惑されないか? これは大丈夫。筆者の場合、財布が強いキーパーなのでブロックしてくれる。冗談はこれくらいにしてこの文献が推奨する食事とはを図―1に紹介する。ついで図―2に各地域の食物摂取パターンを示す。

図―3は環境コストと食糧の負担・増加を示している。衝撃的であるが決して無視はできない。大食いタレントとして糧を得ている人がいるので軽々には言えないが、ぼちぼち大食い番組はやめては如何だろうか。その代わりに、Flextarian生活をしている人のエネルギー効率、栄養バランスをコンペするような番組もあっても良いのかも。

ただし、この文献は地球環境面からの記事であり、個人の健康との関係まで深く言及してはいないことに留意する必要がある。炭水化物の過剰摂取は糖尿・高血圧の原因になり、乳製品を摂らないとタンパク質欠如となり骨粗しょう症の原因にもなりかねない。タンパク源として大豆由来、魚などのへの変更も必要だ。要はバランスの良い食事と地球のバランスの両方への意識。個人ではコントロールが困難だけに新規なビジネスが出現するきっかけになるかも。それが何かFlexibleに考えることにしよう。(上から図−3、図ー2、図ー1)

身近なAI、DX

ビックサイトでAI,DXを中心にした展示会が開催された(4月6日〜8日)。縁がないなぁと思いつつ東京都産業技術研究センターで打ち合わせの後に立ち寄った。

会場は芋の子を洗うような大混雑に、AI、DXを縁遠いと考えるようでは時代遅れとレッテル貼られそうだと気がついた。名前を知っている会社は少なく、多くのベンチャー企業が軒を連ねて呼び込みの連呼・パンフ・販促品渡しと賑やかなこと。RPA・RPA・RPA・DX・DX・RPAとお祭り囃子のごとく。

東大西垣名誉教授の言われる「うわついたAIブーム」の雰囲気。久々に戻ってきた活気だからまぁいいか。AIといえば、顔認証による改札かな?それとも自動運転、医療関係の画像解析診断、翻訳などの深層機械学習だろうとの予想は綺麗に裏切られた。

AIで目立ったのはチャットボット。確かに身近なAI。従来であれば0120の電話で始まるコールセンターを呼び出し、#ボタンを押して目的の問い合わせ箇所につながる。だが、後でかけ直して下さいと機械音声。この繰り返しで疲れること度々あった。

チャットポットであれば、あやふやな問いかけでも大凡の答えを直ぐに返してくる。以前の機械学習では“あやふや”は拒絶され完全一致検索だった。たが今はそれが解消されている。今はそれがどうした?と不思議がる方が不思議なほどに進歩している。管理する方は何の質問・問い合わせが多いのか、その時間帯は、回答への満足度などチェックすることができ、改善点につながる。もとより窓口業務の合理化が大きい。問い合わせる方の疲労感も低減する。HPの問い合わせコーナーから投稿しても返信がない企業もあるだけにこれは良い。

ただ、問い合わせを予想して回答をあらかじめ作成しておく必要があるのは当然で、異なる問い合わせがあれば学習して追加しておく作業が必要だ。実はここが肝心なところ。冗談でチャットポットの説明員に「貴社には○○は何人いますか?」と質問があったら、どうするのか?」と聞いた。答えは「経年変化する人もしない人もいます。する場合は補充採用します」と。お見事!(注○○のところは読者の方が埋めて下さい)。

不真面目ついでにもう一件。部下の報告書を上司が添削するソフトの紹介がありDXだという。どこかオカシイ! 上司の時間を部下の添削に使うより、そのような人を採用するなと言いたいところだ。

だが、現実にはそんなレベルになっていると教えてくれたブースだった。筆者が入社したとき目撃したのは先輩社員が室長に書類を提出。すると室長は何も言わずに紙飛行機を作って窓から飛ばした。今ではパワハラとして訴えられるだろうが、あの時は身が引き締まる思いをした。上司による添削より自己更新が好ましい。

真面目な話をすると、これから電子契約が増加する。筆者も契約書の形式をどうするか問い合わせがあって、申し訳ないが紙媒体でお願いした。現在で3%前後の普及率なのだが、いつまでも紙媒体は許されないだろう。その時も含めてセキュリティが担保される必要がある。さすがにセキュリティとなると、国全体の安全問題もあるだけにしかるべき大企業の出番となる。セキュリティ会社のブースには大勢が押しかけてはいないが、説明を聞いて基本の基で支えていることに安心をした。

命に関わるAIと言えば医療分野における画像解析である。これについて国立がん研究センターの浜本氏が総説を発表されている。(アレルギー71(2) 107-111 2022令4)を参照されたい。AIの歴史に始まって医療分野の現状と将来に向けた戦略を述べられている。

筆者がなるほど納得したのは機械学習の使い分け(4パターン)である “教師あり学習” (回帰、分類)“教師なし学習” (クラスタリング次元圧縮) “半教師あり学習”(クラスタリング分類) “強化学習” (最適化)。文献のコピペでは詳細が判読しないところがあるので是非本文をお読み下さい。この文献の最後に薬事で承認されているAI搭載医療機器・プログラムがある。日本が誇れる実力を示している。

ところで、自宅近くのマンションの一角にウクライナ国旗がはためいている。避難された人だろうか支援者だろうか。あの惨状は筆者の資料作成作業にも影響している。例えばパワーポイントで資料作成ではBrand Color番号を探したり、ひまわりを想起するBGMをかけたり。この文作成においてはマッコイ・タイナーや田辺らのT-SAXと数原のフリューゲルフォンによる“ひまわり”をループしながら書いている。広いウクライナをひまわりが埋め尽くされた映画の風景を想起させる。戦争で引き裂かれた夫婦を描いた。

それが今、映画よりも悲惨な状況になっている。過去の戦争・争いの結果において人間が成長したであろうか、そうでないとするならば本来あるべきAIのソリューションは完全No! だ。分類で言えば “ありとあらゆる数多の過去の教師ありの学習”だから。

顧問のお手本

人事異動のシーズン。めでたく役員を卒業してあがりポストの顧問に就任される人。お疲れ様でした。俯瞰的な立場からのアドバイスを適宜する、でも出しゃばらないようにと。一方で現役時代より実力バージョンアップして本当に頼りにされている顧問がおられる。今回はこの人にスポットライトを当てる。皆さんの周りにもきっとおられるはずだ。

筆者が出入りしている企業の一つに中規模製造会社がある。国内外に複数事業所を持って手広く事業をされている。社長の懐刀で働いている方は80歳の顧問。背筋がスッと伸びた姿勢と張りのある顔に加え人当たりも良く若い社員からも慕われている。今般、ある案件で某都市に事業所を設置し事業展開をすることになった。その手続はこの顧問。補助金申請にあたって約50ページに及ぶ書類をパソコン駆使して3日で仕上げたのもこの顧問。いやはや若輩の筆者には到底できない仕上がりに驚いた。本来は次期社運を担う若手中堅がすべきだ。しかし日本の企業はおおよそどこもリーマンショック、グローバル化による海外拠点、そこに来てコロナショック、社員には手厚いベースアップもしないといけないとあって要員についてはギリギリのところで踏ん張っているのが実情。そこで非定常の飛び込み案件は時間が勝負のところがあるだけに、即行性のある顧問が代行して対応する。有能な顧問であれば、“非定常な瞬間”が次々と来るたびに対応することから定年を遙かに超えて「終身顧問」のようになっている。

さすがにプロジェクトが重なると特定顧問に集中するのはまずいとあって社員募集をかけているが、タスキに帯だという。そうかも知れない。有名企業で役職経験者であってもスキルの幅は非常に狭い。貫禄はあるが腰が重い。あれこれ異業種に対応するには一からの勉強とあって速攻戦力にはならない。むしろ役員にはならなかったが、地上の星として何でもござれ的にアイテムをこなしてきた人材はどこでも、いつまでも活躍できる。でもこのような人材は目立たないし、たまたま見つけた企業は離さない。

長年の経験はこの企業に新規案件を持ち込む人の人物査定を通じて怪しい案件を排除することにも活かされている。決して守りに入ってはいない。理由を聞いた。元々は金融商品営業マンだとのこと。世間の多種多様の人と交流してきて得た何かが基本にあると納得した。持ち込まれる案件も元を正せば取り扱う会社及び人だから過去の営業で得たセンスでフレキシブルに対応できるのだと。てっきり製造現場から叩き上げた人だと勘違いをしていたのを心地よく裏切られた。そして改めて凄い人だと感心。だが、時折筆者にあるべき顧問はどうなんだろうかと相談をされる。自戒・反省・そして向上したいとの気持ちを持ち続けるには年齢は関係がない。

ある日、当方が無理難題をこの会社にお願いすることになった。社長と顧問はその場で了解し、即あれこれ指示を出された。そのスピード感に驚いた。一般にはこちらが稟議書を作成しプレゼンをし、採算面を厳しく問われ、そしてご判断を頂くのが普通。

ビジネスであれば当然の見返りを計算し社業にどれだけのメリット、デメリットかを判断するのが通常だが、この案件については伸びる、伸びないは別の尺度で見ていることに気がついた。この案件に乗るのなら応援しようではないか、例え見返りが小さくても、それでいいではないか。今まで経験しなかったことが会得できる。社員にとっても良い機会だろうとの判断をされたと推察した。 社長も顧問も正に「粋」「鯔背;いなせ」な男の見本のようだ。今の日本に忘れかけている言葉を思い出させて頂いた。短期株主還元ありきのグローバル化で抜本的基本技術に取り組まなくなった日本。「粋でいなせな男気」を見せてほしい。今は女性に見ることが多いようだが、それも大いによし。突き上げるエネルギーがあれば。

 

太陽光発電は砂漠or宇宙?

今、東京電力の火力発電2基が地震による影響で停止している。節電の呼びかけに協力している。太陽光発電や風力発電はいざという時のベース電源になり得ないこと、原電を停止したことが問題と明らかになった。夜は除いて常時太陽光を受けている砂漠に設置したらどうかとの考えがあり、太陽光パネル生産の中国もサハラ砂漠に敷き詰めれば地球で消費される電力の4倍は賄えると主張している。

送電ロス、電力を政治的理由で人質にされることから現実ではない。果たして、太陽光発電パネルをサハラ砂漠に敷き詰めたらどうなるのか? 雨が降りやすくなるので砂漠の緑化にも繋がる。とても良いではないか。と思いきやサバクトビバッタにとっても大繁殖環境になると警告している学者がおられる

サバクトビバッタ大発生は2019~2020に中東で発生し農作物を食い尽くしインドまで到達。いずれヒマラヤ越えして中国まで到達するだろうと報道されていた。生物学者の前野浩太郎氏によれば砂漠ではサバクトビバッタは少数が分散して生息しているが、まれに雨がふり植物が生育すると、バッタの生殖(数の増加、生育までの時間短縮)及び天敵がいないことで一気に大発生するとのこと。空を覆い昼なのに暗い空の映像を見た。サバクトビバッタは変温昆虫なので、天候でバッタの体温と同じゾーンを移動するとのこと。それを追いかければ、ある気象変動と紐付けできるのではと考えたのは気象学者でスーパーコンピュータを駆使して気象変動を研究している土井氏。スパコンでの予想とバッタの実際の行動と紐付けすることでスパコンに投入する数値、数式の改良を図っている。

砂漠での太陽光発電がダメとなれば・・・・宇宙での太陽光発電だ!と叫んだかどうか知らないが宇宙での発電は確かに検討されている。

記憶が曖昧であるが、2010年ごろ福井大学の展示ブースにて宇宙で太陽光発電をし、レーザーで地上に送電のプロジェクトをJAXAと共同開発し、敦賀を受電地域として検討していることをお聞きした。うろ覚えなので間違いがあれば訂正願いたい。

昨年末に横浜パシフィコで開催されたマイクロ波利用技術展では京都大学がマイクロ波ワイヤレス電力伝送技術の可能性として、現在は気球から地上への伝送の実験を兵庫で実験をされていることを知った。2015年から本格的プロジェクトを立ち上げたとのこと。やがて宇宙太陽光発電システムを実用化したいとのこと。目処はいつになるかは現段階では言い切れないようだが2050年ごろのようだ。 敦賀も丹後にしても人は生活している。新幹線が通過する地域は特に影響を考慮する必要がある。日本には人が住まない島が多いので、そこにターゲット拠点を置くこともできる

地上が太陽光パネルで覆われ農業食料不足、異常気象に影響するよりは宇宙発電は優れているだろう。太陽は核融合により熱・光を発生している。地上での核融合発電も進んできている。太陽は水素の核融合、地上では太陽のような重力で閉じ込めることはできないので、三重水素、重水素の水素同位体を磁力やレーザーで閉じ込めて1億℃以上を発生させる。宇宙と地上での競争は興味深い。どちらも早くできないか。待ち遠しい。日本はフランスを中心とするEU諸国との共同研究を進めており、頼もしいリーダーである。これにこそ大型予算をお願いしたい。

象・シロツメクサに見る異変

たまには部屋の整理でもするかとして溜め込んだ本のページをめくれば、驚きの記事があった。「密猟がアフリカ象の牙にもたらした遺伝子的変化」nature digest 12月号(2021)。牙は歯の一部だけに見逃せない記事だ。長文だが抜粋。

「モザンビークで1977-1992年に起こった内戦では象牙取引が資金源とあって、ゴロンゴーザ国立公園には2,500頭を上回るアフリカ象が生息していたが密猟に伴い90%以上減少し2000年代前半には約200頭になった。」「牙なしの形質を持つ個体は、成長しても牙が生えないので密猟の標的にはならない。」牙なし雌の割合は内戦前18.5%に対して内戦後に生まれた91頭の雌では33%に増えていた」。「研究チームでのゲノムを解読してX染色体上に見られる差異を調べ、最近働いたと見られる選択の証拠を探し、その結果、候補遺伝子としてAMELXとMEP1aの2つが見出された。AMELXについてはヒトで上顎側切歯の形成不全などのX連鎖性遺伝性疾患と関連付けられている」

人間を含む動物の進化・退化は何万年を経て進むものと教えられていただけに、衝撃の記事だ。牙なし雌から生まれた牙なし、牙ありは50:50だとしても遺伝子も牙なしに傾いているのか。1977年からだとしても僅か45年程度でこの大きな変化。

仲間の像、配偶像が銃弾で倒れ牙を取られる様を見てどれだけの涙を流したであろう。象牙取引はワシントン条約で禁止になった。当時勤務していた樹脂研究センターに印鑑業者やピアノ鍵盤製造業者から象牙代替材料の問い合わせがあった。象牙の構造は非常に複雑であり同一性能は無理だったが近い物性の樹脂複合体を提案した。それを思い出しながら記事を読んだ。

元に戻り、象の牙は土を掘って植物の根を食べ、樹木の皮を剥いで恐らく食用セルロースを摂るためにはえている。牙がないと木の実や地表の草が餌になる。結果として景色が変わる。象の鼻は高いところにある木の実を取るためにキリンに負けまいと長くなるかも知れないと妄想するのは良いが、人間の振る舞いで動物に悪い影響を与えるとブーメランのように人間が困ることはある。困って初めて気が付くのが通常だけに象牙の記事は筆者の鈍感な脳にも響いた。

一方で、北海道大学北方生物圏フィールド科学センターの内海俊介准教授らは5 大陸・26 ケ国・160 都市で,都市環境と約 11 万個体のシロツメクサを分析した結果を報告。シロツメクサは,植食者への防衛や乾燥ストレス耐性にシアン化水素を放出するのに対して都市でこの性質が喪失していく進化が起きていることを発表(2022 年 3 月 18 日SCIENCE 誌)

シロツメクサという身近で世界中に存在する植物から,人々の暮らす都市が生命の進化のありかたを変える決定的な証拠が得られたと報告している。

この場合のDNAは都会によらず変化していないとのこと。世界の都市化の速度に合わせて、必要でないと体内で防御物質は生産しない。人間にとってシロツメクサの事例は何を暗示しているのだろうか。人工的な舗装道路、街路樹、公園など特定の場所にしか緑がなく、それも一律の同じ種類の樹木。多様性の昆虫からシングル種が生息する。そんな環境ストレス社会に晒されていては、身体の方が変化しない方が不思議だ。

筆者の具体的に困ったことは人の名前が出てこない。パソコンやスマホがある時代だから記憶しておく能力は徐々に減少+加齢による脳細胞の劣化。これがさらに進むと100年後に生まれてくる人間の脳は空っぽでも問題がなく、クラウドからダウンロードすれば良いとなるであろう。複数の業種で天才を発揮したダヴィンチ、将棋天才藤井さんの脳情報も高額だがDLできるかもしれない。外国語は全く問題ない。今のスマホでも通話と同時に文字起こしができ、翻訳もしてくれる。選民主義、ロボットに対して本来ありうる人間性は遠くへ。そんな未来を見たいか? 元カノの家に入り込み家族ごと殲滅するような脳情報はアンインストールしないといけない。などなど考えているといつまで経っても部屋の片付けが終わらない。いいではないか人間だもの?となんだか聞いたことのあるフレーズ。

ロボット展より

3月9日から12日までビックサイトでロボット展が開催。通常展示会は水曜日〜金曜日が定番になっていたが、今回は土曜までの4日間、ビックサイトの東館全部、西館一部と殆どビックサイトフル稼働状態。それだけ日本のお家芸が少なく、頼れるのはロボットだけになってしまったのかも知れない。DXと相まって、多種多様のロボットが展示されていた。

例えば従来のパーツピックアップも3次元ピックアップと変化。バラバラの部品も方向を整えてピックアップするなど人間では手首の回転が無茶でもロボットは自由に動く。今までは人間が勝っていたのは目視作業であったが、これもカメラの進歩で難なくこなしていく。値段を聞いてみた。説明員は躊躇して800万円と答えた。エッ安いですね〜と言えば説明員もエッ?安いですか?高いと言われると思ったと。安い根拠は250日24時間1年間稼働したら時間給1,300円。6年間無修理で働いたら時間給220円。この作業は人間にはできない。

ファミレスでの配膳もロボット化してきたのはご承知の通り。原料や複数の作業工程品の移動に利用されているものの応用に過ぎないが、面白いのはマネキンを外装とし、衣装を着せることで親近感を持たせている。機械でありながら機械と人間の間を埋めようとの方向にきた。TV番組「新婚さんいらっしゃ〜い」のスポンサーであるロマン吉忠(現)吉忠マネキン社がブースを持って他のロボットメーカーと協業しているのは納得した。マネキンの製造も3Dプリンター(FDM)もなるほど。京都梅津の老舗企業であるが、情報はやはり東京と進出を決めたとのこと。でも京都らしさを活かして日本舞踊を妖艶にこなす舞妓ロボットにも少し期待。花代は?と余計な妄想。

川崎重工のブースは圧巻。他を圧倒していた。手術ロボットが2回目の公開とあって人気を博していた。泌尿器科(前立腺癌、膀胱、子宮など)に関わる手術としては先行して米国ダヴィンチが4000台もの実績があり、基本特許が切れたものの関連特許が網の目のようにあって追随を許さなかった。それをクリヤーしての病院での採用が出始めたのは賞賛に値する。医者は患者より距離を置いた画面をみながら操作ステックを動かす。

この作業を見ながら、医術と工学とは似ているところがあるぞと感じた。疾患部の有無、検出は不良品を検出する工程、手術はそれをメンテか部品やソフト置き換え、そしてMR、CTの検査に対して製品品質検査を受け世の中に出す。同じではないか。さすれば将来は・・・・とこれもよからぬ妄想を。最近の医者は患者の様子を見ないで検査データーばかりに見ているとの評がある。いずれ顔の色相変化などロボットが検出して肝臓、腎臓などの疾患を見破ることも出てくるかも知れない。さて医者はどうする?

昨日、とある企業でモーターの巻き線の話を聞いた。それはロボットで巻くとテンションが一定なのはいいが、爪痕?がどうしても残る。平たく巻くばかりでなく、徐々に傾斜をつけて巻くことがある。これがロボットではできない。巻く速度を聞いて驚いた。ロボットより速いのだ。(但し女性が終日ペースを崩さないのに対して、男性は気分のムラがあり事実上ダメ)とのこと。いずれはロボット化するだろうが、特殊分野ではまだ人間の方が勝ることもある。

ビックサイト全館フル展示なのでここに全てを記載することは無理がある。なかには超巨大なロボットが展示。いずれくる建設労働むけだろう。でもいずれに共通していることはハードは得意な日本であるが、いつものことながら制御ソフトは遅れているようだ。

 

生まれながらにしてコンピューターと違和感がないような世代に期待せざるを得ない。そんな中、オモチャロボットながらバク転をしたり、踊ったりするおもちゃロボットを展示。その場合、振り付けするのは手元にあるiPadにバク転の区分、手を上げる区分などのユニットを画面にスクロールして組み合わせてGoボタンを押すと合成されたプログラミングで動く仕組み。これだと幼児から親近感を持ってプログラミング当然の世代が育成されると期待が持てる。

 

 

 

 

 

 

では購買力がありながらロボットに距離感をもつ大人向けにはどうか? それに答えたのがエプソンのブース。カルテットの楽器をプログラミングの図表をロボットが押せば4つの楽器を持った4ロボットがメロディを奏でるもの。

広い会場からこのブースが気になったかと言えば、奏でる和音は不協和音に近いもので、誰だこのヘタッピーはとブースに引き寄せられたのだ。そこで気がついた人間のそれもプロが奏でるには隣のリード・リズム、転調を聞き取り、あわせているのではないだろうか。観客の反応を見ながら変えることもライブではこなしている。上述のロボット日本舞踊然り芸術はロボットでは追いつけない職業の一つだろう。小説家、歌人など文筆家も心情を表現するにはやはり生身の人間。ロボットやAIで可能である現場を見ると逆に、その世界で生き残る職種がわかる。当然と言えばそうだが可視化できる展示会は便利だ。

確定申告

国民三大義務の一つ「納税の義務」。2月16日〜3月15日にかけて確定申告の季節。いつもながら慣れないことをするのは気が重い。サラリーマンは年末調整で保険などの書類を会社に出すだけで還付金をもらう手続きだと思っている人もいるが、毎月会社が納税しているので意識が薄い。精々給与明細書を見て取られているなぁ〜と感嘆するだけで終わり。給与以外の収入、高給取りの人、自営業となると個人での確定申告をする。個人の多くは白色申告だろうが、e-TAXが普及する前は申告書に給与源泉徴収票、医療費、生命介護保険証明書などを貼り付け、封筒が膨らむ状態で郵送もしくは申告場所へ提出していた。筆者はe-TAXが出ても特別な装置が必要とあって敬遠していた。最近ではパソコンやスマホでも可能になってきたので利用するようになった。カードリーダーにマイナンバーカードを挿入して申告や、税務署で発行されたID・パスワードでもe-Taxが可能とあって後者を利用してきた。

今年はカードリーダーからの申告を試してみた。前年データー.date は使えないので新規となる。来年のことを考えるなら、これもアリかと作業を進めた。登録作業を終え、申告書類作成になり所得の項をチェック。ここで?????が発生。期間を記入するところで「令○年」の○の箇所に3を記入したところ平成24年までの期間か令和20年以降を記入と赤い文字の警告。3がダメなら03はどうか、結果は同じ。画面の写メを撮って電話が不通なので最寄りの申告場所に行った。

混雑を整理する役人、受付表を渡す役人、パソコン作成をアシストする人。アシストどころか殆ど代行せざるを得ない状態。高齢者は横に立っているだけ。おそらく50台以上のパソコンで処理をしている。待っている人は百人超。パソコンで不具合が出たので教えていただきたくきたのですがと言っても最後尾に並んで下さいと言われた。これなら昨年同様のやり方でやればよかったと若干の反省と、この際、新システムの方もマスターしておきたいとの思いで、混雑整理の役人に写メを見せた。2人の役人はこの画面見たことがない。一人は消費税の項目なら見たことがある。本当に所得ですか?と疑問を呈された。

みなさん丁寧ではあるが解決できず、パソコンに詳しい若い人を呼び寄せてくれた。では実際にやってみましょうと自分のマイナンバーカードでパソコン操作。結論は写メ通りの画面が再現。対応も教えていただいた。来年は対策が載るであろう。紙時代の申告書作成が年々使いやすくなって行ったことから今後のデジタルではその改善のスピードは速くなるだろうと思われる。

混雑整理されていた中堅〜シニアの役人の方の専門は徴税、調査などであろうが、ことパソコンとなると入省経験が浅い若い人が頼りになることを如実に示した。申告はあっけないほど簡単でe-TAXにて送信にて終了・受付完了。

デジタル庁ができてマイナンバーが浸透し金融機関との紐付けが完全にされているなら、個人の確定申告作業も不要にして欲しいと思う反面、お上からの年貢米のような命令で拠出するのもなんだか嫌だとの気分がある。今風に言えばEBPM(Evidence Based Policy Making証拠に基づく政策立案)。税のみならず政策立案も自動になっていく世界は怖い意味もある。HPで以前見たところが何度も出てくるようなところで既にEBPMの世界に居るのではあるが、なんとなく進歩性が出ないことは人間とは相容れない。(AIの限界でもある)

元に戻って、税を喜んで申告・納付するために、とある妄想が浮かんできた。それはe-TAXで税務署業務の効率化に寄与したとしてe-TAX申告者にはポイント還元として減税還付枠を設けては如何だろうか。

それにしても申告場所の風景は社会の縮図だ。年配者が多いのは単にパソコンができないからではない。年金以外の収入が多岐に渡りかつ金額が多いのであろう。老後を暮らすには現金2,000万円が必要と一時騒がれた。平均値は1,750万円であり若い人から見ると逃げ切れた人々に該当する。3,000万円超は19%居られるとの統計がある。

不動産、株、投資などの安定収入があり申告も慎重にしないと査察で追徴されかねない。一度でもいいからそのような心配をしてみたいものだ。一方で中央値は1,000万円であり2,000万円とは程遠い。人生100年だとすると2,000万円でも不足の事態になるだろう。確定申告は年末調整と同様に無駄な出費はないのかをチェックする節目でもある。医療費控除額は幸か不幸か0円を維持するためにも食事、運動などの習慣を見直すタイミングでもある。ということでできる範囲でウオーキングに努めますか。