量子コンピュータにかける熱意

シニアの技術・研究者が定期的に集まって最新テクノロジーをセミナーする会がある。10人前後の小さな会である。

1年前に幹事から量子コンピュータのセミナーを依頼された渡邊氏は膨大な資料を力づくで整理し発表資料を作成。さてセミナー当日になって参加者の反応は氏の期待とは全く反対。参加者は全員が会社、大学等で活躍し今も現役並に活躍されているだけに日曜の夕方になると疲労もあり目を閉じる人もいた。当方も理解不能だが発表者とは1mの距離にいるだけに、眠ることはしないことだけに注力していた次第。誠に情けない。

参加者にIBMと特許裁判で活躍した専門家がおられ、参加者の理解にアシストになるように、短いコメントをするも、参加者の頭脳を励起することなく終了。

アナログ世界にどっぷり浸かり、30歳台からデジタルも0、1(00.01.10.11)の世界に対応してきた者にとっては無理。電子スピンは自己回転しながら方向は↑、↓でありながらその方向は2つだけでなく、中間に違う方向が数多くあり、それらの組み合わせた計算が同時になされる。化学専門家はスピンにはお馴染みだが方向は2つの意識が強い。方向は中間にいくつもあり・・・で躓き、計算結果を導くアルゴリズムが更にわからない。手法の一つアニリングは化学用語なので、なおさら理解不能の????マーク。

タイトルにある「量子コンピュータにかける熱意」はここから!

このセミナーを失意?のうちに終えた渡邊氏は凄い行動に出た。参加者がどこで躓いたのか、質問を分析して量子コンピュータの書籍を出版することに情熱を注いだのだ。原稿を書き、出版社周りをしては説明するも理解を得られずの日々が続いたとのこと。セミナー参加者は筆者を除いて国内トップクラス大学卒がメインにも関わらず反応しなかったのだから無理もない。でも量子コンピュータは世界を変えうる。その時、日本は・・・の情熱が氏の行動を支えていたと思う。

その努力が報いる日が来た。講談社サイエンティフィク社から「入門講義」として出版することを約束された。セミナーの時に参加者が理解できないところを例題として取り上げ、模範解答を記載することで理解し易い工夫がされている。編集者の力量を見る思いだ。

そして2021秋に出版。現在、増刷も進んでいる。7月の日曜日のセミナーは再チャレンジになった。参加者に書籍を無料配布。財布を取り出す人が続出したが氏の説明によると、奥様が理解できなかった人が入門書を出版するに無言の応援をしたのだから無料で受け取ってもらうべき」と言われた。凄いなぁ、この人ありて奥様も凄い。かくなる上は入門書とは言え筆者のレベルを超えて難解ではあるが、最後まで目を通すのが責任と感じた。アルゴリズの方法の一つアニリングの発明は日本。アニリング発明者の西森氏が本の帯を書いた。その通りだと思う。

高齢化の範疇に入らない=入っている意識がないから若者が到底できない活躍をやってのける。当日の出版記念に幹事の肝煎りで琉球舞踊を披露。琉球お菓子サーターアンダギーと量子コンピューターの本を手に家路に散っていった。サータアンダギーの割れ目の方向がランダムにあることに、確かにスピンの方向が多くてもありかと妙な理屈をつけながら。

貼る人工膵臓

最近、我が家の夕食で異変が起こった。ご飯が既にお茶碗に盛られている。従来、ご飯は自分で「よそう」スタイルだった。既に盛られているのは良いとしても量が少ない。よく言えば京都の料亭風、別の言い方では糖質制限食。幸いなことに家族は自分を含めて糖尿病、高血圧、心血管症などは患っていない。となると物価高の影響がついに来たかと長嘆息。

そんなに嘆かなくてもと言われるであろう。「健康に気を遣っている、予病の意味でも良い機会ではないか」の声が聞こえてきそうだ。

そんな中、近くの図書館で雑誌「日本医事新報 No5123 7月号」を目にした。タイトルは「緩やかな糖質制限の疑問に答える」北里大学・糖尿病センター長の執筆によるもの。

超要約すれば、1日の糖質量は70〜130g であり、毎食20〜40+間食10のパターンを継続すること(図―1)。さすれば体重は(文献中の図―3)のごとく変化する。肥満度が高い人ほど効果があり、痩せすぎの人は逆に体重は増加すると記載してある。毎食や間食にはロカボ(Low Carbohydrate)でありコンビニではロカボ食品があるらしい。

 

 

 

小生は英語を略するよりは「低糖質」と日本語表記したらと苦々しく思っていることと、コンビニには滅多に行かないので初めて知った次第。糖尿病患者や家族が医者に言われて知るような言葉は一般的に普及するには問題だろう。

そう、遅れているのかもしれない。最近流行(バズっている)のメタバースにもついて行けない。ビル・ゲイツやザッカーバーグは時代遅れと言われても、それすら追いついていないと反省なのか落ちこぼれ感が少しある。

話を戻して、「〜の範囲」があるのは人の活動状況(消費エネルギー、脳の利用度)の分布を反映しているのであろうか。脳の活動は糖質分解性生物のブドウ糖に依存する。そうか冒頭の白米の量は家族による小生の頭脳活性指数だったのか。

過剰摂取は中性脂肪としてお腹周りに蓄積される。浴衣姿では恰幅がいいねと言われたのは、はるか昔のこと。一方で高齢者はやや太めが長生きするとも言われている。

従って糖質量についての最適解は中性脂肪量、血圧、年齢などの要素を入れた分布が好ましいと思った。解を求めるにコホート研究に協力してくれる人数、個人情報と処理能力が問題であり、おそらく量子コンピューターを必要とするだろう。また上記文献の著者は糖質が抑制されれば肉には脂質が0だから満腹感まで摂っても良い。と記載されているが、これは脂質ご専門家の文献をチェックする必要はある。

早くタイトルのところを書け! それが頭脳の動きが遅い何よりの証拠。とお叱りを受けることは、枯れ始めている脳でもわかるので、次に糖尿病になった場合の新しいインスリンの投与について、これも最近話題になっている講演会から引用し紹介する。

研究者グループを代表して最先端医療技術紹介を東京医科歯科大の松元亮教授が「貼るだけ人工膵臓」を講演された。当日はZOOM講演でありスクショ禁止なので掲載はできない。その代用として、電気学会論文誌2012 年 132 巻12 号 p. 455-458に題名:「自律型インスリン投与デバイスの開発状況と将来展望」を掲載しているので要約から引用する。

「糖尿病は感染症ではありませんが、その急速な世界的流行は「パンデミック」と認識されています。インスリン依存性糖尿病の治療には、継続的かつ正確な血糖コントロールが必要ですが、現在の緩和治療は、ほとんど患者自身によるインスリン注射に依存しており、患者のQOLを損なうだけでなく、過剰摂取を厳に慎まなければならないインスリン量を正確にコントロールできず、重症低血糖を引き起こすことがあります。自己制御型インスリン送達システムの開発は、材料科学の長年の課題であり、グルコース酸化酵素と糖結合レクチンを利用することが、グルコース感受性の機能を取り付けるための有力な戦略である。しかし、これらのタンパク質は変性や細胞毒性があり、長期保存に耐えられないため、埋め込み型医療には適さず、現在も臨床応用には至っていない。本総説では、フェニルボロン酸誘導体化ポリアクリルアミドゲルを用いた完全合成の代替品開発の現状を概観する。」として

フェニルボロン酸のイオンと2種類のポリアクリルアミドを共重合してゲルを生成。その中にインスリンを内包さておく。表面に糖質(グルコースが近寄ると、直ちにインスリンを徐放して血糖値抑制させる仕組み。皮膚に塗布する仕方にも細かな突起物で固定と拡散を助ける工夫をされている。費用も安価で何より会食の前に一人席を外してお腹にインスリン注射する恥ずかしさはしなくて済むのは何より。

原理原則は次の反応式による。グルコースが近づくとゲルが収縮してインスリンを放出する仕組み。

松元教授はこの基本となる高分子ゲルについて2003年の高分子論文誌に投稿されており、現在のほぼゴールが見えるまで実に少なくとも20年以上の熱意で開発・研究をされている。彼らの最終目標は「貼るだけ病院」。研究は地道だが待っている市場は大きい。頑張ってほしい。

酷暑モード

先週は40℃超えの悲鳴が各地から報じられていた。その他の地域も35度近傍の亜熱帯。節電要請に協力するから、原発なんとかしろ!と叫んでみても時すでに遅い。休止中の火力発電の稼働を進めている。ドイツの天然ガス輸入できず、背に代えられず火力発電を稼働。環境先進国を自負するドイツがやるなら日本も止むを得ない。

今週は一転台風・温帯低気圧と太平洋高気圧のため豪雨と変化が激しい。歩数計で見ると3週間前に比較して6割にダウン。酷暑・大雨+それまでの体力消耗も影響している。マスクをしての酷暑は辛い。道行く人のマスク着用を見るに本当に日本人は耐えているなぁと感心する。 一足早い土用の丑を食したので頑張らねば。

節電要請を受けての駅のエスカレーター節電停止には本当に参る。誰だ!こんな地下深くに駅をつくったのだぁ! 延々と続く長い階段を下から仰ぐだけでゲンナリする。若者でも頂上に近づくにつれて速度は減速。大丈夫か投票日。熱中症対策の看護コーナーをセットする必要があるのかもしれない。いや、熱中症の危険がある高齢者はいかない可能性もある。リベラルの人が多い層だけに結果に反映するかもと素人ながら思う。関西風に言えば「知らんけど」。

酷暑は服装に影響する。クールビズが普及した現在だが、スーツが必要な訪問先があるのも事実。上着を手に持っていても鞄はリュックで背中に汗をかきながら傍目に気の毒だ。それに対してフリーの人、退職した男性では短パンを履いているのを見かけるが、申し訳ないが外人はサマになるが日本男子はそうでもない。短足・不潔感の毛脛の男性の横には女性は座りたがらない。そのような男性に限って足を組んで靴底を隣の席にむけている。まさに迷惑^3乗。

そんな中、東横線 武蔵小杉から長身イケメン黒づくめの男性が乗り込んできた。ガウチョパンツを着こなしている。なるほど、今は40代以上の男性はスリムタイプのパンツだが、若者はゆとりのあるパンツであるのは知っていたが、ガウチョ(ぱっと見、長いドレス風か、袴風)なれば脚部からの水分蒸発の効率が高くなって、スリムよりは快適になるのだろうと推測した。ガウチョは似合わないのはわかっているので、フレアワイドパンツに留まるかもしれないが、試してみたいと思う。その素材がリネンであれば買ってみたい。どうみても体操服の延長にしか見えないだろうが。

ここで思ったのは、縫製は日本から中国へ、そしてベトナム、カンボジアと移動して生産されている。亜熱帯地区なのだ。 日本が亜熱帯入りをしたのなら、涼しく過ごせて、その衣服を彼の地において着たいと思わせる商品ができないか。糸に加えて多種多様の織りの技術はまだ日本には健在。日本の縫製技術が活かされ繊維産業が国内回帰のきっかけになればよい。平織、綾織は海外生産にまかせておいて、経編(たて編み)はスポーツウエアでも発揮しているように伸縮性に富む、汗吸収(兼消臭)繊維を組み合わせることで快適ウエアができないだろうか。

政府の節電対策の一つに冷蔵庫の温度見直し、ぎゅうぎゅう詰め込まないこととある。特に海外スーパー(コ○○コ)は販売単位が大きい。これを冷蔵・冷凍しようとすると電気を消費する。本当を言えば、昔の商店街にあった量り売りであれば、使う分だけ購入することで冷蔵庫が小さくても生活はできる。スーパーに行くにはクルマが必要となるとLCAの面からできないが、駅前スーパー、コンビニは本来の利便性から言えば対応しても良いのだろうがフランチャイズが許さないのだろう。この業界にスマートで、そこのお店で買うことが格好良くステータスになるような仕組みを作れば案外ヒットするかも。これも酷暑モードの一つになろう。

前回のオイルショックに伴う節電では昼間及び11時以後のTV放送はお休みしていた。受信機も昔より4K,8K、有機ELの大電気消費タイプでかつ大画面。しばしTV放送局は昼寝をして頂くのが良いのであろう。キャスター、ゲスト、アナウンサーがクールビズでなくネクタイ着用背広であるのも気になっていたが、相当批判を浴びたのであろうかネクタイは無くなった。それでも熱い照明の下で汗をかかないのは相当の冷房がなされているであろう。だらだらと尺を取るだけのコメンテーターの話はカット。甲子園高校野球中継はしない。ラジオ放送かスマホ・PCで省エネする。それが嫌なら秋の大会にする。スポーツのラジオ中継はアナウンス技術を磨くにはもってこいの材料で、聞く方も想像力を高めるに有効だ。小野アナウンサーがNHK鳥取時代に「大きな当たり・・・・キャッチャーが取りました」なんて逸話を聞くに微笑ましい。

TVが低落しているのはコンテンツにある。この酷暑をうまく利用して見直すのも良いだろう。この文章がだらだらしているのも酷暑のせいと言い訳をしつつご勘弁を。

 

家庭内バランスシート

「家庭内バランスシート」って聞いたことありますか? 勿論ないですよね。と語る定年を過ぎたシニア男性にお目にかかった。奥様が怖くて帰宅できない弱い男の物語ではない。バランスシート(B/S)は会社の健全さを示すことで、資産の部と負債の部が比較対象となっている表のことで、1年に1回から四半期で1回、上場企業はIR報告として提出している。これの家族内バージョンのことだとしたら、ああなるほどと気がついた人は救われるが、何言っているの?と怪訝に思う人は続きをお読み下さい。

ここで注意すべきは「家庭」ではなく「家庭内」とあることだ。「家庭」とした場合、資産の部には現金、株、投資信託、不動産が入り、負債の部には社会保険、食費、維持費、家ローン、進学子供のローンなど借金が、及び親からの援助・相続などの会社でいう資本金と剰余金が入る。左右が同一金額になる。ところが「家族内」となると資産の部に何が相当するのだろうか?がわからなくでも、負債の部はすぐ理解される。専業主婦、短時間のパートなどは家事・育児・就学問題に毎日・毎日取り組んでいる。旦那が単身赴任をされていると、負担がさらに追加されてくる。

定年までのこれらを金額に換算したら恐らく2億円といった人がいたが、少なく見積もっても1億円は超えると言える。そんなことはない、「毎日洗濯もせず、ソファーに寝そべりポテチを食べて韓流ドラマにハマっている。」と漫画のようにいう人もおられようが、それでも夕食の献立を考え、スーパーのチラシをチェックし、遠くとも厭わず出かける。それも“労働”の対価に算入されるのだ。

ところで、家事においてゴミ出し程度しかしていないシニアの方はこの家庭内旦那名義バランスシートにおいて、奥様に対して1億円〜2億円の半分は負債を負っていることにお気づきであろうか。これからの相当の期間、家事をこなさないと負債完済とはならず債務超過になっていませんかと。

冒頭に筆者に語ったシニアは仕事をしながら、家事をまだまだやらないといけないと話してくれた。調理(簡単な下拵え程度)、食器洗い、掃除、片付け、洗濯干し、アイロン掛け、お風呂掃除とお湯張り、アッシー君などの業務をルーチンワークとしてこなしている。本人はイチローのルーチンと同じだと言うが、大谷の二刀流に相当するではないか。確かに、負債の部は返済が進むだろうが、では資産を増やすにはどうするか? 賢明な読者はすでにお分かりのように(日本人には馴染まない“愛”)ではなく慈しみあう雰囲気による明るい家庭運営と言えるだろう。

先日、スーパーに入居している保険統合呼びかけるお店の前で、80歳以上と見られる老夫婦が今からでも入れる保険はありますか?と大声で問いかけていた。厳しいのだろうと素人目には思ったが、お互いに労わる様に金銭的には裕福ではなさそうだが、仲良しで来られているのは家庭内バランスを積み重ねてこられたのだろうと思った。

と同時に現在の医療保健は以前より建て付けが変わっていることから我が身も検討しなければと思い付いた。医療技術の進歩により手術や入院も短期で終わることに対して、従来タイプは短期では保険適用にならない。

筆者の生命保険をチェックしたところ、男性(稼ぎ中心者)に重き、配偶者は付録的な位置付のままであることを改めて確認。生命保険会社としては支払い能力のある人を対象にするのがビジネスの常識になっているのはわかるが、家庭内の分配で対処できることから見直しをすることにした。専業・パートで働いている人が倒れた場合の命の価値は男女問わず同じはずだ。まして年金だけしか収入がない定年退職者の夫婦が従来通りのパターンになるのはおかしい。

男子が育休や短時間勤務を要求し難いのは上司が男子たるもの働くのが本懐だとの家庭破壊理論がある。家庭内バランスシートが浸透すれば、その上司も家庭あっての会社であることに気がついて最後には社会も変貌するのではなかろうか。あなたもB/Sをつけてみてはどうでしょう。他人に言う前に自分も。

節電要請はEV追い風それとも?

経産省は今年の夏は電力がショートするとして企業・家庭での節電警報を発した。特に東京電力地域は深刻とのこと。3月福島沖地震で石炭発電所が二箇所故障停電したことで綱渡状況が現在も継続していると報じられている。

知らなかったが火力発電のボイラーは約1000℃に熱せられるので線膨張で下から支えられないので、吊り下げ方式とのこと。確かに地震で揺れが来たら大揺れに揺れるだろう。綱渡がかろうじてできたのは水力発電の揚水発電、関西電力からの供給と大口企業への操業調整指示。それでも部分停電が東京で発生した。ここに太陽光発電が活躍したとは聞こえない。管内には約1400万K Wのパネルがあるが好天でも寄与率は8%、曇天、にわか雨では更に低下する。6月でも雹が降った関東地方。

一言で言えば頼れない太陽光に電力会社は一般消費者から補助金を徴収している形で不思議な構図だ。(家庭賦課金10,764円)。各種物価上昇のおり家庭の負担は厳しいところがあり、その資金があるのなら原電保安(現在はテロ対策)に振り分けてさっさと工事を進めてほしい。

全国の原電で5箇所(9基)が再稼働しているが、加圧型の関西電力(大飯)は稼働しているのに対して沸騰型の東電は稼働ゼロ。何が保安上違うのか素人には分からない。東電でも厳しい審査を経て工事が終了している原電を稼働させれば良いのだが、そうならないのはなぜか? 関西電力美浜3号が2ヶ月前倒しで運転の報を聞くとなおさらだ。

石炭火力はCO2排出で問題だというが、日本の最新の火力発電を世界に誇るCO2対策がある。発生したCO2を地下に埋設するテストも長く実施されている。かつ、製鉄における熱量を利用しての水素生成も可能として開発が進んでいる。日本は原発、地熱、石炭、水力のベース電源があるのだから、有効に持ち手を使わない法はない。安定に最近もう一つの候補が海水温度差発電。亜熱帯地区が候補だが沖縄を例にすると余剰電力も出るとのこと。ここにも予算をつけてはどうか。

東北地震の時は節電に国民は協力した。エスカレーター使わず、照明もLEDに切り替えた。現在はあれから高齢化が進んだ、階段を徒歩で上がるのは高齢者には厳しい。クーラーなしで外出を控えると熱中症にもなる。あれから7年。コロナ禍で医療設備充実が問題になったが、停電の追い打ちがあったら、それこそ大混乱になっただろう。ミニ原発に関して総裁選挙でも話題になったが、意識のない人がトップになると霧散してしまった。

政府が国民にお願いすることがクーラーある部屋に集合して暮らしてくれ、大型店での節電要請では情けない。スーパーでの貯蔵温度を見直しすれば賞味期限から廃棄食品もしくは値上げが待っている。家庭の冷蔵庫の温度にまで言及しているが食中毒が懸念される

一方、EVは停電時の補助電力としても利用できると言われてきた。停電になってもEV車からの電力で普通の住宅であれば2〜3日は持つ。だが北海道の停電事例では長期に渡ったこともあり、2〜3日の後の放電したEV車は利用できない。大袈裟に言えばビジネス・物流が止まる。IH調理の家庭は3.11東北大震災時の長期停電・節電で大変な目に遭った。基本は節電せざるを得ないと見通しがあるなら、原発を稼働させるに限る。さらにEV一辺倒でなくガソリン車も共存させるのが国体維持の基本的考えかと思う。

一種のブームでEVを生産しないと“遅れているメーカー”と揶揄されがちである。ガソリン燃費では負け、HEVも分厚い日本の技術に負け、残るはEVしか製造できない欧州メーカーが戦略的・政治的に発している背景がある。EVはエンジンより部品点数が少なく、外部からモジュールを購買すれば簡単にできるとして雨後の筍のように製造会社が出ているが、筆者はそうは見ない。最後はエンジン機構部品技術に優れた企業群がEV統合システムで勝ち残れ、ブームに乗った会社はその品質競争から撤退するのではないだろうか。その一例がトヨタ関連会社がbZ4Xに採用したe-Axle(モーター、インバーター、トランスアクスルを一体化した電動駆動モジュール)による小型化技術などがきっかけになるだろう。

クルマに限らず市場はクールで合理的である。製造できる物を売るのではなく、売れる物を売る。クルマと言えばSUVが大人気の米国においてマツダは3リッター車がなく売り負けていた。そこで直列6気筒エンジン・簡易HEVの(C X-60)製造販売に乗り出した。HEVの技術はトヨタの支援を受けているが、ガソリンエンジンについては古くはロータリーエンジン、最近でSKYACTIVEを開発しただけに面白いクルマとなっているようだ。スタート時はEVで走り始めエンジンに切り替えるのが普通。それに対して、逆にスタート時はエンジン音がする。米国人の気質を取り入れた仕込みとみた。

この事例で知ったことだが希薄燃焼エンジンでは容量が大きい方が燃費が良いとのこと。エンジンの効率を高めるにはエンジンのみならず潤滑がポイント。駆動機構のそれぞれで摩擦抵抗を低下させる必要のあるのはEVも同じ。そこが上記で表現したエンジンを追求した会社が最後はEVでも残ると言った根拠の一つだ。EV一辺倒でエンジンを放棄してしまったら、後悔することになりかねない。それが可能なのは頑張っている技術継承シニアと合理的な考えができる若者がいる日本だからこそ可能ではないだろうか。

その一例になるか。川崎重工が水素航空機の開発を発表した。エアバスなどに部品供給するとの報道。水素サプライチェーンとして出口として大胆なアイテムではあるが、そこで排出される水が核となって旱魃地域に降雨をもたらせるとなる妄想を抱かせる。大いに期待したい。

ポリフェノール・腸の働き

ポリフェノールは馴染みワードになっている。化学が苦手な人でもフェノールとはフェニル基(ベンゼン環)にOH(水酸基)がついている形をしていることを子供の頃から(町医者の診察室に漂うフェノールの匂いで)知っている。

樹脂は電力ケーブル被覆材料、自動車、家電、など身近に使われているが、製品寿命に合わせてフェノール系酸化防止剤が基本配合されている。長寿命製品の代表格は電力ケーブルや通信ケーブル被覆材料であり、100年維持設計には水・湿気・温度の環境下で滲み出さない(ブリードアウトしない)フェノール系酸化防止剤が基本。フェノール酸化防止剤が酸素と反応した後で再活性化させるヒンダードアミン系相乗剤との併用、紫外線吸収剤などの配合がなされている。

横道にそれるが、一般的に破壊寿命は製品の50%がある劣化基準点に達したときをもって寿命としているが、電力・通信関係は初めの1つが劣化基準点に達した時をもって寿命としている。それだけ国のインフラは信頼性を高く設定する必要がある。筆者は若い時、この材料開発に従事しており、この初めの1点に泣かされたものだ。 今や人間100歳が言われている。そうか、各内臓の50%が不具合ではタマラナイ! ここはどの臓器でも初めの1つが劣化起点に至らないようにするのが重要で、その秘訣は腸細菌叢にあるとの報告は多くある。

フェノール基の数が2〜4(〜それ以上)と多いのがポリフェノール化合物である。 食物でいうところのポリフェノールは化学合成された酸化防止剤とは分子構造は異なるが、複数のフェノール基を分子内に持っている点は同じ。機能(医学用では機作という)は酸化防止剤として作用して体内の活性酸素と反応する。

ここで、お茶のカテキンは低分子のポリフェノールだが、発酵するウーロン茶やワインのそれは重合ポリフェノールであり分子量が高い。不思議に思ったのは、低分子のポリフェノールであれば腸から吸収されやすいが、高分子ポリフェノールは吸収されるのであろうか。活性酸素と反応するには至近距離に存在する必要がある。

しかしながら、ワイン、カカオ、りんごなどを多く摂ると肥満、糖尿病、高血圧、心筋梗塞などに効果があるとするなら別の機作があるのだろうと漠然とTV放映で「ポリフェノールは活性酸素・・・」を聞くたびに思っていた。同じように食物繊維の中でも不溶性食物繊維は便通だけではないのではないか?とも。

そんな中、以下の文献・情報を目にした。詳細はオリジナル文献にてチェック願いたい。

文献からの二次情報であるのでブログではなく、あくまでも筆者の備忘録に過ぎないが紹介する。

  • 「ポリフェノールと腸内細菌 腸内細菌叢の変動を介した生体調整機能」 (化学と生物vol 60,No3 2022 福島大准教授 升本早枝子)
  • 「早期パーキンソン病患者において 2 年後の症状進行を予測する腸内細菌を同定」日本の研究 プレスリリース:2022.06.02 名古屋大学 大野 欽司 氏複数
  • Gut bacteria and mind control; fix your brain, fix your gut! Prof. Simon Carding. Quadram Institute (英国)  (2015年You tube講演)

4) 考える「腸」と「脳」:その不思議なメカニズム 健康・医療科学 環境・自然・生物2022.03/28東北大学大学院教授・福土 審

文献1 は全体を理解するには優れた文献。 序説では、赤ワインに含まれるカテキン、リスベラトロールがLDL(悪玉コレストロール)の酸化を軽減し動脈硬化の進行を抑制し、心血管疾患のリスクを低減したことを挙げ、ポリフェノール類の機能性については動脈硬化抑制、LDL抑制、脂質代謝促進、抗炎症、血圧上昇抑制、血糖値の上昇抑制が報告されていると紹介。

このほか、デンマークではフラボノイド類摂取により癌死亡率、糖尿病・肥満リスクの低下を、日本でもポリフェノール摂取量が脳血管疾患、消化器疾患死亡率と逆相関にあることが明らかになっている。このように脳にはじまり各臓器の活動に深く影響しているのは分かった。

だが、筆者の疑問はまだ解けない。高分子量ポリフェノールの機作(腸内細菌叢との関係)だ。

ポリフェノール類が生体調節機能を発揮するには、腸管から吸収され、その分子構造が保たれた状態で、各臓器・組織・細胞へ到達することが望ましいが、文献著者の升本氏は面白い実験をしている。リンゴ由来プロシアニジン類の低分子オリゴマーポリフェノールとin vivo試験では吸収されない高分子量ポリフェノールを肥満モデルマウスに別々に投与。その結果、低分子量オリゴマー、高分子量のそれは共に同程度の体重増加抑制や脂肪蓄積抑制が示された。

そこでオリゴマー群と高分子群の盲腸内容物の腸内細菌叢を解析したところ、高分子摂取群のみでBacteroidetes門比率が増すことを明らかにした。更に高分子群ではAkkermansia属の増加が顕著に認められた。 この属は肥満者や高コレステロール血症、高血糖などの症状を有する人は少ないことが分かっている。Akkarmansia muciniphilaの増加により肺細胞からの上皮性粘液(ムチン)の分泌が亢進すること、腸管上皮細胞のタイトジャクション関連因子の遺伝子発現が増加し、バリア機能が向上するなど分かっている。図参照。

この文献は紹介すべきところが実に多く、文献2、3、4とも深く関連するところがあるので機会を見て紹介する。特に認知症は気になるところである。平易な言葉で腸と脳の関係を説明しているのが文献4であるので、簡単であるが紹介する。

脳と腸が情報を交換し合う現象を「脳腸相関」と呼ぶが、福土さんによると近年、腸は脳からの指令で動くだけではなく、自ら判断し、行動する臓器であることが明らかになってきた。腸の状態が脳に伝わり、伝達の過不足が、喜怒哀楽や好き嫌いといった心の状態にも変化を及ぼすという。だからこそ、福土さんは「消化管、腸、脳の関係を捉えなおす必要があります」。とのこと。これって禅の教えの心身一如とも通ずると考えるが如何であろうか。

と偉そうなことを言えば血が通わないブログになる。知り合いの人は「りんごの食べ方知っていますか? 皮を剥かないでりんごを横にして輪切りにする。これこそ栄養価が高い」と教えてもらった。(農薬が気になる人は重曹で洗浄)。 子供の頃から包丁での皮剥きは得意だったが、残念! 輪切りは芯のカットする部分が少ないと納得。されば遊び心で、ミキサー(レコルト・ボンヌ)でりんごを破砕(5秒)または“おろし”、ヨーグルト・蜂蜜を掛けてみたところ美味しい。調子に乗って冷凍バナナとリンゴの共粉砕でジェラート風に。これも行ける。ピーマン嫌いの子供にも試してみよう。 ポリ(多くの)やり方で摂るのもポリフェノールに相応しいか?と我田引水。このブログではコーヒーについて述べたが、カテキンにもっと光を当てるべく、それならと最近入手した緑茶(奈良の月ヶ瀬茶)を飲用。

なお、文中で細菌の名前・分類について注釈をしなかった。興味を持っていただいて文献調査をすることで医学分野は面白いと感じてもらえたらと考えた。免疫など解明すべき課題の解決ははその方々に委ねたい。

敬語とマナー

ある会社から返信用封筒が同封された見積書が送付されてきた。「お見積りに同意したら発注書に記入・捺印して送付して欲しい」発注書の発注先蘭及び返信用封筒には***株式会社 御中。

国語に自信がない筆者でも驚いた。マナー講師と江頭2:50のマナーバトルが炎上しているそうだが、エンターテイメントとしての出来事なので炎上してある意味成功している。挑発的にマナー違反をする江頭2:50に対して激昂しながら指導する講師。これが、お淑やかに指導していては番組のコンセプトに合わない。結果として局を含め三者とも視聴率を稼いだ。

今回の見積書事案でブログのネタを提供してもらった形である。勿論冗談だが、真面目な話ビジネスであれば、赤ペン先生ならずとも、ツッコミたくなる。

ただし、この会社の言い訳にはなるが、担当が業務を長期間放置しており迷惑をかけたこともあり、書類送付案内付箋に長いお詫び文章が綴られている。そこは尊敬語、謙譲語、丁寧語を混合して駆使されている。読みづらいがお詫びの誠意は汲み取れた。しかし残念ながら最後の最後で力尽きたのであろうかミスをした。TV視聴率的に表現すれば番組打ち切りに近い。

既に皆様ご理解の通り、自社宛に「御中」は使わない。個人の手紙で自分に”様”を付けることはない。返信用封筒宛先の御中には「行」と書き、差し出す人が「行」に線を引いて御中とするのがマナー。この会社の返信用封筒は初めから印刷されている。返信する人の手間を省いているとも言えるが、まだ多くの割合の人はそうは見ないだろう。

「御中」は会社全体に当てたもので、開封した人が社内組織に従って転送・割り振りをする。今回は名刺が同封されていたこともあり、「会社+個人名+様」の形で返信した。

発注書に記入するところは発注者の名前だけなので「署名・捺印」が普通。その他の箇所も指摘されるが国語は時代によって流動するだけに大目に見ないといけないのだろうか。

も、個人宛に「様」ではなく「殿」と記載されると妙な気分になるのも日本人。ご承知のように「殿」は”しんがり”。戦国時代の争いで退却する際に敵に追撃されないように強者に任せたのが”しんがり”。なので、殿と書かれると「あなたは決してトップではない」と烙印を押されたとなる。 今後は宛先などは To 、 From が普通になるかも。日本語は他言語をミックスするのが上手だから。

さわありながら、(ややシツコイが)お見積りの「お」や詫び状の中の「ご提案させて頂きます」の「ご」に引っかかる人がいる。この時の「お」「ご」は尊敬語ではなく謙譲語だが、なんとなく自分の行為に尊敬語をつけるか?と誤解する人は多い。次の「させて」は頻繁に目にする。貴方が命じたので的な使役動詞。こちらからお願いしたことではないケースでは妙に聞こえる。全体的に「提案します」の方がスッキリする。

話は転じて。

国語と数学は世界が違うようで、実は数学は国語表現の一つであると言う人は多い。小学校の頃の算数文章問題は数式(方程式)の空欄を埋めるための国語表現だとわかる人は多いだろうが、難解なアインシュタインの相対性理論も国語と言えばホント?。理路整然たるシナリオ(理論)を文章にすると小説に、式に置き換えると理論物理になる。数学・理論物理は長年の積み重ねで到達しているが、その間において確立した形式は継承している。

世界の巨大化学メーカーの経営者や重鎮には化学工学出身者が圧倒的に多い。化学工学は化学物質を扱うものの、考え方は数学(ニュートニアン力学で十分)だけに経営にも応用ができるのであろう。日本の経営者において数学が本質的に嫌いな人は珍しいと思いたいがどうだろうか。雰囲気だけの気合いだけのコメンテーターは淘汰され理論数理学経済学者に信頼が集まったのはなぜか。数式に裏打ちされた図表など表現が馴染みのある国語として理解されたのだろうと思う。

マナーで思い出したのは京都の和菓子。何十年も前の話だが、ある家でお茶とともに和菓子がでた。筆者はその和菓子が提供された意味を知らなかった。隣にそっと合図を送る女性がいて手が止まった。長い歴史の中で提供された和菓子には意味があったのだ。無知蒙昧と恥いった次第。それにふさわしい会話をしてから頂戴する作法だったのだ。最近関東地区で頂いた和菓子で思ったのは、甘いことが最高の贅沢だった時代のお菓子については、現在の健康志向の動きを微分して変化しないと、取り残されることになるのではないか。それが新しい礼儀マナーだとして。

人とくるまのテクノロジー展から

ブログの本題とは関係がないが、つい最近の出来事。ドアホンから宅配ボックスに間違って配達したので取り出して欲しいとのアマゾン配達員を名乗る男の声と顔が。在宅か確認せずに直接宅配ボックスに入れるのはアマゾン流なのか、配達員の対人苦手によるものかわからないが、テレワーク会議の途中であったが気の毒なので対応した。真面目な配達人に見えたが、後で考えると、宛名を見る余裕がなかっただけに、はてさて本当に間違ったのか、故意だったのか疑念も出た。厄介な品物のロンダリングだったかも知れない。即渡すのではなく、確認する必要はあったかも知れないと反省。一方でアマゾンデリバリープロバイダーの経営状況は佐川が撤退したように厳しいコスト要求を受け物流の末端まで影響している可能性は否定できないなと(あくまでも)推測した。在室確認し届ける時間は宅配ボックスがあるのなら無駄としているのだろう。物流合理化にはドライバー不足と省エネから長距離トラックの合理化には過去から種々提案があった。古くはピッギー輸送、現在では先頭車両にだけドライバーがおり、あと数台のトラックは無人・数珠繋ぎ運転方式が提案されているが実現に至っていない。

テレワーク会議に戻り、中座のお詫びをしたところ、「誤送金とは違うのか」「食料品であって食べてしまった時の責任はどうなのだろうね」と山口県阿武町の案件と重なり妙な話題提供をしてしまった。

前振りが長くなってしまったが自動車税納付期限になった。自動車税の納付先は普通車では都道府県、軽自動車では市町村になり、地方自治体としては道路に関係なく一般財源として利用できる。そろそろ見直しをしてはどうかと思う。理由としてクルマの自動運転により歩行者もクルマも安全両立するためのレベル4、5を達成しようとすると現在のLidar, カメラ等による自律型自動運転ADASでは限界があると考えるからだ。業界誌によるとV2Xに注目が集まっているとのこと。Vehicle to Everythingの略であり、Everything なので自動車同士(現在の200m程度からロングスパン)、道路からの情報(落下物・事故・工事)、瞬時の気象状況などの変化を反映させる相互通信網とデバイスが必要となる。相当前に、国交省が将来ありうる姿としてスポット試験をしたことがあったが、道路サイドからの通信に費用が重いとの結果だったと記憶している。これが欧州では実用化直前となっている。道路・通信インフラなど巨額の予算を必要とするだけに、自動車税やガソリン税を一般財源にしていることを見直ししないと遅れをとるのではないだろうか。

そんな意識で横浜パシフィコにて開催された人とくるまのテクノロジー展を見たが、ADASの改良バージョンはあった。しかしながらV2Xを思わせる展示は見たかぎりなかった。カイゼンを得意とする日本とも言えるが骨太の将来図を示して、これから背負う若い人が自動車世界を魅力あると感じて欲しい。

モーターショーより技術志向の展示会だけに技術者の参加者が多く、最終日の午前中は豪雨にも関わらず鮨詰め状態の盛況だった。多少皮肉な性格の筆者としては、展示されていない案件を探す癖がある。それで言えば、CFRPの出展が1社だけと一時のボディをはじめ軽量化の切り札としていた割には異様な感じだった。今はEV化、ADASを充実する方が優先されていることと、相変わらずCFRPのコスト問題が解消されていないのだろうと想像する。熱硬化CFRPは大型加熱炉に入れて長時間の硬化反応はコスト的に厳しい、さりとて熱可塑性樹脂CFRTPではナイロン樹脂が圧倒的に不足しているので、今すぐ対応は厳しいのだろう。CFと並んで高強度が謳い文句のセルロースナノファイバー複合材料の製品はなかった。ここもセルロースナノファイバーを自動車に適用するだけのコスト乖離が大きいことと(小生が指摘しているに過ぎないが)複合材料の靭性不足をどのようにカバーするか、実用試験を重ねないと採用しない日本風土では相当の時間と資金を材料メーカーやTiear1は必要とするだろう。

一方で水素タンク関係が4社展示されており、ジワリジワリと波を寄せつつあることを感じた。化学企業の展示は多くはバイオ材料とリサイクルに集中していた。ただ、化学会社としては化学プラントでは水素を多く使用していることもあり、合理的な水素の製造法、バイオ合成燃料の実用化に期待している。石油化学で培った触媒などノウハウは既に有している企業が骨太でやるならと期待しているが、さてどうなのか。

how to 営業 (講演会から)

先日、大崎にあるSHIP(品川産業支援交流施設)主催の“これからの営業”について,2名の講師による講演会及び討論会が開催された。SHIPのインキュベートオフィスに入居していた企業に出入りしていたことがあり、タイトルもさることながら、懐かしさもあって参加した。

結論を先に言えば、講師の一人は新しい視線でビジネスを起業した対象が営業パターン分析・解析であること。二人目は既存のビジネススキームの中で営業成績をどのように高めるかに至った経験談から辿り着いた至言。

講演はまず、このインキュベートオフィスに入居しているコグニティ社代表の河野理愛氏がAIを駆使した営業トーク分析のビジネスを紹介。超要約すると、営業マンと顧客とのトークを録音・録画してこの会社に送信すると、営業成績の良い人の営業トークとの比較が図示解説文付きで送信される仕組み。顧客との挨拶の後での質問の内容も単なるYes,Noで引き出し能力が小さいだとか、ポイントのところでの押し・確認がされていないなど数ページにわたり解析。

既に大手企業との取引が活発で、資本金が5億円に達する規模で国内、海外にサテライト拠点を擁しているとのこと。インキュベートオフィスから卒業と良い意味で言える。このAIを利用しているところが2つの意味で重要で面白いところに目をつけたものだと感心した。

すなわち、OJTは上司や組織を挙げて教育訓練をして一人前の営業マン、社員にするところであるが、それをAIに付託することで組織のスリム化を図っている。また、訓練能力のない?(無ければ上司に本来なり得ないが、往々にして存在するのが実態だ)上司に当たれば、パワハラとして最悪は訴えられ会社の不具合が世間に知れ渡る危険がある。

同じような指摘内容であってもAIから言われると、心理的には納得しやすのではないかと思う。 ただ、AIだけに営業の隠れた要因を引き出してパラメーター化できない。例えば、腹芸の評価。冗談のような会話を伏線としておいて後で浮上させて効果ならしめるケースは評価されないのではなかろうか。欧米スタイルでは交渉時の時だけが営業結果を反映する割合が非常に高いが、日本ではそれ以前に営業の人間性に重点を置いて商品を買うことがある。同じスペック商品でありながら成績が良い理由が人間性にある。

2番目の講演者は宋世羅氏(you tuberで25万人・33歳)。独特の視覚から鋭い見方を発しており、感心して視ている。本物見たさに講演に申し込んだ次第。You tubeでは野村證券に3年、フルコミ保険営業何年と早口で話してからテーマを話し出す独特の話し方。

証券も保険も自分で新商品を開発し営業することではなく、既存商品を売り込む。その時のやり方がポイントになる。当日の参加者は営業を主としている人の割合は30%で若い人が多いことから、実は起業したとして営業をしないと成長どころか維持さえできない、技術志向のベンチャーであっても営業技術が必要として講演会に参加されているのだろう。同氏の幼少期は独特の地域環境もあってサバイバルのための戦術・戦略を考える必要があったこと、大学時代(早大野球部・投手)においては球速では圧倒的に劣るのをカバーするために魔球の開発したエピソードを紹介。You tubeではシナリオ通りの話をされるが、講演会ではあまりにも多い紹介したいエピソードをお持ちで、サービス精神旺盛であることからシナリオ無視に近い人間性前面押し出しの講演だった。それも生だからこそ。さりながら結論はしっかり強調していた。

それは①戦略 ②応援したくなる人物 ③プロ意識(対価を正当に要求できるレベル)だとのこと①③は当然だろうが②の応援したくなる人物 は 誰でもできるようで厄介。それは応援してもらうためにはプロとして応援を先にしないといけない。その際プロならば対価を取って当然であるが、そこは無償の応援にしないといけない。矛盾もある。言うは易く実行するにはできない人が多いのではなかろうか。

先日、生命保険の新担当者から着任の挨拶を受けた。担当者が誰であれ長年継続しており、保険コース変更もなく自動継続している次第。生命保険新人の行動パターンは親・親戚・知人を頼りに確保していく、その結果、当方も複数の生命保険に加入。加えてカード付属の保険、団体保険・・・と整理整頓には程遠い状態で放置。

挨拶をした瞬間に分かったのは、先日の血管・脳年齢測定のロビーでフリーの通行人を催しに誘う係をされていた人だった。(ブログにて内容は掲載。)看護師さん、生命保険の社員さんは各ブースの列整理、書類整理のいわゆるバックヤードを受け持っているのに対して、誘う役割に任じたには理由があると直感で思った。まず笑顔、清潔感があり惹きつける何かがある。当方もその人と測定の間、無駄話を延々と話をしたが、聞き上手であり良い印象を受けた。その人がまさに今回の担当者とわかって驚いた。

当方から、髪を切りました?と聞けば「あの後で切りました」と。それだけ印象があったことを示している。前回はこちらが名乗らなかったので、お互い担当になろうとも知らずに長話を聞いてもらった。これが点の伏線から太い実線として浮上してきた格好になった。

そこで、面倒な性格で保険を整理するにも放置状態なのでプロからアドバイスして欲しいと依頼したところ快諾された。これがこの会社のメリットになるかどうかわからないが受けて貰えたのはこの営業マンのプロ意識(FP2級)と長年継続してきた信頼のなせる結果だろう。ローマ同様営業も1日にはならずだが、毎日の笑顔と聞き上手は心がけたいところだ。やはり人間性が営業には大きなポイントかな。

野菜摂取度

看護の日(5月12日)を前に、とあるビル内で血管年齢、脳年齢測定ブースがあったので散歩の足を止めた。健康志向の中、人気があり 暫しの行列を必要としたが、いずれも実年齢より15歳若い結果でホッと一息。3年前は25歳若かっただけに少し残念。(測定法が全く違うが)3年間で10歳も劣化したのだ。

血管は弾力性ありと判定され問題なくクリヤー。脳年齢も15歳若い結果であったが、どうみても脳活動のうち動体視力を測定しているので本当に脳年齢と一致しているか不思議。脳年齢の測定法は画面に数字が①〜○35まであり、①から②と順番に押し25番目までの時間と探す時間をチェック。二回実施。一回目は数字がばらついてはいるが固定画面。二回目は都度シャッフルしてのトライ。座る位置と画面の距離が近くて画面を俯瞰できないブース構造。離れてみるとわかりやすいが、手が画面に届かない。反射運動神経を競っていることで、理解考察能力・記憶など脳の他の部位の働きを反映しているのか専門の方の意見が欲しいところ。でも結論は15歳若いのだから良いではないかと。

問題は次のコーナー「野菜摂取チェック」では及第点ギリギリの状態で看護師さんから要努力を言われてしまった。皮膚のカロテノイドを光学測定するもので抗酸化レベルがわかるとのこと。カゴメとドイツのBiozoom servicesが共同開発した装置と説明があった。看護の日ブースでは明治安田生命がかごめと協賛の形で測定しておられた。

この装置に手のひらを乗せるとレベルが判定される。レベル8以上が必要に対して緑ゾーンの最下位レベルの結果で「泣の繰り上げ合格」。

トマトジュースを毎日摂っていても足らないとは残念至極。先のブログではこれから目指すはFlexitarianと書いた。「1週間に肉10g程度にするのが地球にも健康にも良い」と記載。興味とブログアップの責任もあるので実行しているつもりだが、実際は付き合い外食、家庭においては、やはりスタミナは肉でしょ!的な雰囲気があり、目標実現は遠いと実感しているところ。

そこを見える化装置で見事に暴かれてしまった。皮膚表面で観察されるには野菜摂取して2〜4週間後だとのこと。ブログアップしてまだ1ヶ月未満なので・・・と見苦しい言い訳せずに目指すは合格安全圏。がんばろう。

ちなみに一日の野菜量は350gとのことで、6ベジ摂って下さいとアドバイスをもらった。1ベジは片手分の野菜でサラダ、野菜炒め、おひたし、野菜ジュース、ミニトマト5個分とのこと。

本当にこれだけ摂っている国民はいるのだろうか?として厚労省「国民健康・栄養調査」 http://www.mhlw.go.jp/toukei/itiran/gaiyo/k-eisei.htmlをチェックした。その結果が以下の図である。

総数で見ると国民の30%はクリヤーしている。ただし、平均値でみるといずれの年代層も350gには到達していない。特に、若い層は肉偏重食になっている。 一方、高齢者は比較的摂っている。これは何故だろうか? 年金暮らしになると時に高騰する野菜の量が少なるはず。だが、年配者ならではの工夫があるはずだ。(農家ではご高齢であれば野菜中心になるだろうが、)都会の年金高齢者は特に工夫が必要だ。

さらに超高齢者になれば嚥下障害もあるだろう。少量のゼリー状でも野菜成分を摂る必要がある。そこに新規ビジネスが興る可能性がある。筆者のカテゴリーの一つであるナノテクノロジーが活かせるのではないかと密かに期待している。