大型重機や船の排気ガスからCO2を回収

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東京科学大学が開発した「魔法のブロック」が凄い

EV乗用車ではバッテリーの重さが全体の60%を占める。大型トラクターやトラック、船などの大型移動体でバッテリーに置き換えたときに作業量、物流量が少なくなることで経済的ではない。バッテリーで長時間駆動する大型マシンは、それだけでスペースや重量がオーバーしてしまう。

そんな中、東京科学大学の研究チームが、従来のエンジンとガソリンスタンドのようなインフラをそのまま使いながら脱炭素(カーボンニュートラル)を実現する超画期的な技術を発表した。

キーアイテムは、新開発された「CO2化学吸収ブロック」で
今回提案されたシステムは「vACRES(Vehicle with Active Carbon Recycling System)」と呼ばれている

仕組みはシンプル&スマート!

  1. e-fuel(液体合成燃料)でエンジンを動かす
  2. 排気ガスに含まれるCO2を、車載した特殊なブロックでしっかり回収する
  3. 貯まったCO2を取り出して、再エネから作られた「グリーン水素」と合成し、再び燃料(e-fuel)にリサイクルする

 

 

 

 

 

 

 

 

つまり、「排出されたCO2をその場で捕まえて、また燃料に生まれ変わらせる」という炭素循環システム。 日本の移動体分野におけるCO2排出量の約50%は大型移動体が占めているため、これが実現すれば環境へのインパクトは絶大

課題を解決した「新開発ブロック」の正体

「排気ガスからCO2を回収する」と言っても、これまでは大きな壁があった。

  • ゼオライトなどの従来の材料:水蒸気があるとCO2をあまり吸ってくれない 蒸気NG
  • 酸化カルシウム(CaO):CO2をたくさん吸える安価な国産材料だが、粉末のままだと繰り返し使ううちに固まって(焼結)性能がガタ落ちする

そこで研究チームが開発したのが、「酸化マグネシウム(MgO)を混ぜた酸化カルシウム」を「ケイ素含浸炭化ケイ素(SiSiC)フォーム」というスポンジ状の構造体に詰め込んだ複合ブロック


3つのポイント

  • 高耐久&繰り返し使える
  • 小さな空間に材料を分散させることで、粉同士が固まるのをブロック。何度も繰り返しCO2を吸収・脱離が可能。

高熱伝導でレスポンスが良い。 熱を逃がしやすい構造(SiSiC)を採用したことで、反応時に発生する熱を素早く逃がし、スムーズなCO2回収・放出が可能となった。

  • 車載がラク。 粉末ではなく「固形ブロック」にしたことで、排気口周辺の装置にパパッと配置でき、積み込みや交換が格段に簡単になった

今後の展開:トラクターでの実証実験(複合ブロックを実際のエンジン式トラクターに搭載した実証実験が計画されている)

エンジンや既存の燃料インフラを無駄にせず、社会変容の負担を抑えながら脱炭素を進められる「vACRES」。 日本の技術が世界の現場をガラリと変える日が、すぐそこまで来ているのかもしれません!これからの続報に期待大だ。

【論文・プレスリリース情報】

  • 掲載誌: Chemical Engineering Journal
  • 研究グループ: 東京科学大学 総合研究院 ゼロカーボンエネルギー研究所(加藤之貴教授、髙須大輝准教授、舩山成彦助教、冨田健太大学院生ら)

 最後に筆者は水素が伸びてほしい1人。既に乗用車では78MPa圧縮タンクを搭載しての走行テストはレーシングカーを初めテストがなされている。このブログでも掲載した小型移動体としてのオートバイは厳しいがバイクメーカー4社+アルファ連合体が共同で開発を推進している。先日の幕張メッセでのモビリティショーではオートバイが展示されていた。

この論文の超大型エンジンにはvACRESプロセスが、自動車、オートバイには水素駆動エンジンになることを期待する。

同時のモビリティショーでは道路からの給電が実用化に近い展示があった。筆者は思うのです。高齢者の割合が多くなる時代において横断歩道の上には給電装置は設置されないとしても、心臓ペースメーカーには影響する。また駅の改札もタッチしないでボケットやカバンにスマホを入れておけば通過できるシステムも紹介されていたが、60ギガヘルツ領域を使用することから、これまた心配なのだ。技術開発は便利・合理的だけ目指すと不適合な領域を置いてきぼりにすることを強く意識することが重要。

その点、今回の発表は非常にバランスが良いと思われる。ただ、合成燃料はコスト問題が依然あるので、超理想はさておき、今の燃料でも良いとして進めるのが得策ではなかろうか。

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