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定年後就労と健康

街は地方選挙モード。候補者のポスターや街頭演説が目立つ。地方によっては政令指定都市と府県の二重行政の中で、どの政策が自分に関係するのか分からないことも多い。神奈川は政令指定都市が川崎、横浜、相模原とあり、県は残りの30市町村を所管すると思いきや、共同開催ですと言われ戸惑う。本当に理解している市民は少ないのではないだろうか。

 ラグビー世界大会はてっきり横浜市主体と思っているが、選挙公約をみると県との共催ですとある。県税、市民税がどのような目的で合理的に使用されているか定かではない。元々は政令都市をどうするかの根本的議論がなく、本当は県相当として扱うべきところを道州制の議論の中では決着が先送りされ便宜的に政令都市としたのが本音なんだろうと考えるのが自然。

これを家庭に置き換えれば答えは簡単。家長はとっくの昔から女性である。男性だった時代は概ね不幸な時代であった。現代は女性復活とかなんとか行政が言わなくても家庭は女性が家長を務めることで平和(擬似的平和と自虐の方もおられるとは思うが)である。

父親の出番はホンの一瞬。その時に技を磨いておくことが肝要かと。共催と胸をはるなら。情けない男性が家庭において貰う唯一の根拠は給与を持って帰ること、ぼけないで家族に迷惑をかけないこと、自己管理の拙さ(生活習慣)由来の病気にならないこと。である。

サラリーマンの定年後は給与はゼロ、認知症予備軍的行動、酒たばこ運動不足による病など、、、評価に値しないクラスに転落してしまう。テレビ番組格付けランキングだとフェードアウト的存在かも。

さて、そんな中、日経Goodayが定年退職後も働く人 働かない人より健康で長生きの記事があった。副題が「死亡や認知機能の低下が2年遅くなる」。 これは一石二鳥だと短絡。

でも記事を見る前に、オカシイ?とふと思ったのは、死亡率を取り扱うには定年後にも働いて死亡する相当のサンプル数が必要である。サラリーマンの世界で定年後に働くサンプル数は少ないので、決めつけができるのか?と素朴な考えだった。果たして、その考えは当たっていた。定年があるかどうか分からない自由業のデーターである。タイトルはシニアで働く人は長生きするが適切であろう。

結果は図で示されている。サラリーマンのまま雇用延長されたケースは反映されていない。定年後に起業した場合は自由業の範疇に組み入れられる。その自由業と雇用延長サラリーマンとの違いは肉体的に、精神的緊張など全く違う。社長室にどっかと座っている起業社長はどこもいない。あちこち活動しないといけない。また魅力ある人物は良い意味で引き回される。天から金が振ってくる訳でない。板一枚下は地獄が待っている。上昇か維持あるのみ。

この緊張感とリラックスのサンドイッチ状態が日常生活。肌つやが良いのは当然で若く見える。忙しく、人と交流し、世界に貢献できるなどが愉しいとの境地に至れば寿命も延びるのはなんとなく分かる。

今の雇用延長政策では生き甲斐を見つけるのは難しいのではないだろうか。政府の年金支給年齢を70歳以上にするからといって、雇用延長の年齢を70歳にするには疑問だ。せめて60歳までは企業は人材有効活用と社会安定性もあり協力してくれ、そして60歳以上は企業での経験を踏まえ起業する心構えならば支援策は用意する。というのは如何でしょうか。この政策の先には定年廃止も視野にある。

横並びが精神的に安定である組織が天才を凡才に変換する機関と化している日本。天才を活かす米国との差は思いのほか大きい。将来の日本を考えるには若い人に期待してシニアは補完的分野で起業化精神でフォローする。そんなコンビネーションが好ましいと思うがどうだろう。

 アルツハイマー病防止には筋肉運動が効果的との記事。こちらは納得できる記事である。ピアニストや芸術家は指を動かすから長寿だと信じられてきたが、むしろ大きな筋肉運動が好ましいとのこと。最後にこのデーターを引用する。

ブラインドサッカー

先週のブログで土砂降りでも前の走行車、併走車、追い越し車を正確に把握するにはミリ波、LIDAR, カメラ情報を総合して、もっともらしい位置決めをすることを三菱電機が発表したと報告した。先週、横浜みなとみらいを散歩していたらブラインドサッカーを普及するための活動をしている風景に出会った。

子供から大人まで目隠して僅か1.5m先にあるゴールに向けてサッカーボールを蹴る。目隠しをする前にボールの位置、ゴールの位置を確認してから目隠しをする。そして、ゴールの裏側でスタッフが手を叩く。その方向に蹴ればよいのだが、まぐれを含めても成功率は低い。夏場のスイカ割りでも見事に割るシーンは少ない。京都五条坂にある地主神社の婚活成立占い(二つの置き石間を目を閉じて歩き到達できるか否かをみる)でも成功率は低い。それほど健常者の耳(三半規管)は必要機能を残して退化しているのかと思う。

 ブラインドサッカー神奈川県チームbuen cambio yokohamaのキャップテンに話を聞くことができた。ブエン・カンビオとは「良い変化」の意味だと。この行動を通じて障害者への偏見を解消した上で明るい協奏社会を創りたいとの思いがこもっているのだろう。若い人が参加しているのは好ましい。またスポンサーとしてANAがついている。これは爽やかな会社イメージに相応しいと感じた。国策航空行政に負けずと自主独立で頑張ったANAの生き様に思いを馳せた。

 話が散漫になった。ブラインドサッカーではボールの中に鈴が入っており、音を頼りにボールの位置を検知する。またパスをするにはチームメイトの声を認識して、その方向に蹴り出す正確な足技が必要だ。相当の3次元位置決めセンサーを耳に、そして脳での処理を瞬時に行う。当然相手もいる。声の主を区別することも。そして激しい衝突により鼻を骨折するようなこともあるとのこと。さぞスポーツの醍醐味に良い汗をかくだろう。ルイ・アームストロングのon the sunny side of the streetなのだ。障害があろうが、まさにGold dust at their feet. life is complete.なのさ。と。

 神奈川ではチームは1つ。全国でも20チームと少ない。試合は勿論、練習風景も是非見たいと思って、同チームの練習グラウンドに見学に出向いた。選手、サポーターが軽めの体操をしたあと、フォーメーションの練習から入る。晴眼者でも球出し先の確認や攻撃するさいのスペースの取り方など基本はあっても臨機応変にフォーメーションを変える必要がある。さて、どうやったら可能なのか?と疑問に思っていたら、ネット裏から番号を大きな声をだしているスタッフに気がついた。ゴールキーパーからの指示もある。

イチ!! ナナ! ゴッ!と。休憩時間にスタッフに尋ねた。それは、コートを9分割や12分割してそのコマの数字の場所にボールがあるとか、その位置に入れ!との指示とのこと。これとボールの中にある鈴の音と立体位置を確認していることになる。因みにゴールも9分割して、どのコマを狙え!との指示があるとのこと。これには驚いた。

さて、準備ができたところで試合が始まろうとしていたら、キャップテンから小生にお呼びがかかった。ランドマークの活動を視て来ましたと挨拶すると、プレイヤー、スタッフ、サポーターの歓迎の拍手があり、まさかですが、試合に参加して欲しいと。一瞬ポカンとしたところ、壁をお願いしますと。壁とはグラウンドに白線はあるが、プレイヤーは白線をみることができない。そこで、晴眼スタッフが壁となり白線を越えそうになったときに壁として跳ね返す役目。両サイドに4名の壁が必要。1名がハーフコート分の約25mを担当する。 

立っていれば良いのかと思いきや、25mをプレイの進行に追随して動く壁となることが求められる。なので、ラグビーの線審のように走り回る。さらに壁際では攻守の激しい球争いがあるので、つい壁であるはずだが、球が白線内にあっても脚で蹴る衝動に駆られた。何回かやってしまった。球のスピードと回転が尋常ではない、卓球でサーブの回転を読ないとあらぬ方向にピンポン球が飛んでいくように、ブラインドサッカーでも壁は良く見ていないとゲームを壊しかねない。

7分クオーターの4回で1ゲーム。全日本の経験した選手。流石にこの選手が球を確保したら、鮮やかな球コントロールとスピード。凄い迫力で思わず、本来無口であるはずの壁が人間であるだけに唸ってしまった。実に愉しい壁を経験した。2ゲームめも壁を担当。単に走るというより、カニの横走に似て手を広げて高速横移動(と本人のつもり)と徐々に様になってきた。トップレベルでは無回転として鈴の音が消すこともあるとのこと。想像すらしていなかった技を駆使していることに驚いた。

試合の模様を撮影できれば、、、とグラウンドに来たものの、壁を愉しんだことで撮影することをつい忘れた。毎週日曜に定期練習をしているとのこと、HPをチェックして参加されては如何でしょうか。肉体的な良い汗と、皆さんと交流することでの精神のリフレッシュ。きっと良い経験をされると思います。

香りと発毛センサー

アロマテラピーは副作用が少なく、ストレス抑制効果、殺菌効果あるいは認知症の改善効果等、幅広い効果が報告されている。富山大学 第二外科講師・長田氏はヒバ精油の揮発成分中に食道がん、胃癌、大腸癌、乳癌に対する抗腫瘍効果効果が存在することを確認し、ヒバ精油を用いた新しい治療法の確立をめざした研究を行なっている。昨年秋に発表し、その一部をブログに取り上げ紹介した。檜の香りはリラックス効果があるのは経験しているが、まさか檜葉油の揮発成分が癌に抗体効果があるとは想像もしていなかった。

 ところが、同じタイミングでドイツから白檀の香り成分が薄毛抑制効果があると発表された。こちらの論文をわかり易く解説した抄録が現代化学3月号に新村氏が紹介している。メカニズムの完全解明一歩手前とはいえ、人間、いや哺乳類、魚に至る生物の精巧緻密なセンサー及び制御システムに驚いた。

気が早い人は白檀となれば、お線香の原料だとして、浅草寺や成田不動尊の参拝客が常香炉の煙を頭や体に掛けているのはその為か??。。と考えるか、それとも日本香堂の株を買うか。しかし天然の白檀は効果がないと論文は冷静である。白檀と同じ香りのするサンダロアという化合物である。天然には存在せず、スイスの会社が合成し香水に利用されているらしい。 サンダロアと白檀の香り成分サンタロールの分子式を記した。 

 

 

サンダロアは毛根細胞にあるOR2AT4という嗅覚受容体の一種によって受取られ. OR2AT4はサンダロアと結合し,活性化されることもわかったサンダロアを振りかけることによって,毛髪の成長を促進するIGF_1の発現量と分泌量が増大した。とのこと。

 この記事で知らなかったことは「鼻腔の天丼部分には,嗅上皮とよばれる,嗅神経細胞がびっしりと並んだ組織がある。嗅覚受容体は,嗅神経細胞の膜上で発現してぃる。嗅覚受容体

に匂い分子が結合すると,受容体が活性化し,その情報は脳へと伝えられる。ヒトでは,嗅覚受容体は約400種類存在する。それぞれの受容体はさまざまな匂い分子に結合でき,1種類の

匂い分子は複数の受容体と結合できる。私たちは,400種類の受容体のうち どの受容体が活性化されたかとぃう組合わせによって,数万種類ともいわれる多様な匂いを認識してぃるのだ。」 臭いの分析装置がない理由がこれだ。

 熱分解ガスクロマトグラフで揮発成分を分析しても臭い成分を特定できない。そこで研究室は違うが友人が発明したのは熱分解ガスクロと自分の鼻を並列につなぎ、官能検知した瞬間の熱分解ガスクロマトグラフに現れたピークを臭い成分と決定した。発表した時はサイエンスに遠いと評論する人がいた。だが、これが精一杯の正解に近いやり方だったのだ。精一杯と書いたのは、臭いは単一成分だけではないからだ。

嗅神経細胞が鼻の天井以外に皮膚表面にあることも知らなかった。,角膜,心臓,,肝臓,,精巣,卵巣にもあることも。香り成分が皮膚の特に毛根のあるところのOR2AT4と結合することで、化膿が早く治癒することが知られている。 

この記事を見ての個人的感想であるが、脱毛美容はどうなんだろうか? 暴論・妄想の誹りを免れないが、魚は目だけでなく臭いを皮膚で感じて餌と判断する。とすれば、今問題の海プラは魚が餌ではないと判断する臭い成分を配合することもありか??とも考えた。

 さて、話は飛び、自動車の衝突防止センサー。前走行車に一定の距離を保ち走行する。停止も自動。横に併走する車の存在も知らせてくれる。とても便利である。カメラ、ミリ波レーダー、及びLiDAR(赤外線レーザー光)を利用している。しかしながら、土砂降りの雨となると性能が低下することが知られている。そこで、三菱電機では、それなら3つの手法で測定し、最も確からしい数値に変換することで回避できると悪天候に対応可能な車載向けセンシング技術」発表した。 臭い成分を400のセンサーの組み合わせで特定する生物に比較するには小さい歩みであるが、理にかなっている。 図は三菱電機発表資料抜粋。

エネルギー展より

太陽光発電などエネルギー関連の展示会がビックサイトで開催された。東西展示棟フルの展示会。東棟1~3は主役が展示するところで、今回は太陽光発電関係。4~6は風力、火力、資源リサイクル関連。西棟は水素・燃料電池、二次電池である。

 人気を反映した混雑具合は二次電池>水素関連>>>太陽光発電の順。太陽光発電は閑散で拍子抜けした。電力買取り価格の低下、海外メーカーばかりで日本は代理店の形では、現在のシリコン半導体での太陽光パネルは終わった感が漂っていた。光変換効率の高い半導体(先週ブログのパワーデバイス)が適用できる時まではステイなのだろうと。その時は国産メーカーの復活が期待される。

 二次電池は新開発情報満載で注目を浴びていた。日立造船は固体電解質として硫化物系材料を用いた全固体Liイオン2次電池「AS-LiB」を出展した。全固体リチウム電池は発火危険性がない、高温、真空でも利用可能とあって、宇宙を始め幅広い利用が想定されている。筆者の関係では病院の予備電源として特に有用だと考えられる。

この展示会の直前に東芝は急速充電が可能で、長寿命の新型リチウムイオン電池を開発したと明らかにした。 レアメタルの「ニオブ」を材料の一つとする酸化物を電池の負極に使い、高容量化を実現した。 充電6分・走行距離320kmが可能とのこと(日経)。水素燃料FCVの水素ガス注入速度が約3分なので、いい勝負になる。

 古河電池は正極材にリン酸鉄リチウムのフィルム電池を小型モジュールに充填した開発品を展示。繰り返し疲労が少ない、熱暴走しないなどの特徴がある。EV車に必要な電力まで小型が可能であれば面白い。材質は開発品なので、ポリプロの鉛蓄電池ケースを利用していたが、実際は難燃性が必要である。PPS(ポリフェニレンサルフェート樹脂)が好適と考えているが、耐衝撃、耐熱、寸法安定性、バリ無し成形と課題が多いのも事実。筆者は数年前にこれらを解決した発明をし登録された。その事もあって、ああ時代がやっと追いついてきたか!と感激した。(写真参照)

 水素燃料電池についてはタンクの開発が継続している。自動車は軽量が必須。トヨタは樹脂層タンクの上にガラス繊維/炭素繊維/ガラス繊維のロービングでぐるぐる巻きで軽量化。円筒部をロービングで巻くのは誰でも予想ができるが、口部とタンクの底の丸い部分をどのようにして巻くか、これには繊維の多軸経編み(たてあみ)が利用されていることをフランスの会社がビデオ紹介していた。日本の方が経編みの機械は得意だけに改良はあるだろう。

結婚式でよく謳われる中島みゆきの「たての糸は。。。よこの糸は。。。」は経の糸と緯の糸。が正式な名称。

一方、ホンダは水素バリヤ特殊アルミを採用している。価格は炭素繊維巻きより安価であるが、重いのが欠点。水素ステーションは重量より耐圧が課題である。日本製鋼所はコバルト・モリブデン配合の鋼材を開発している。

 EV車もFCV(水素燃料電池車)も白金触媒を利用している。白金 高価な上に資源がかぎられている。そこで白金代替の研究を進めている東北大の藪准教授は錯体化合物に可能性を追求している。 開発中ではあるが、既に白金よりサイクル性、メタノール被毒がない、製造性に優れる等の特徴が報告されている。業界へのインパクトは非常に大きい。

 写真はトヨタ・ミライの水素ポンプと燃料電池 、 古河電池モジュール、

自動車動向及び新半導体の登場

球春を告げるオープン戦が始まった。日本ハムは二年目清宮の活躍した直後に戦線脱離、後がない斎藤佑樹の力投、中日新人根尾君のデビューと話題豊富。今年ほど監督交代が話題になったこともない。実績のある監督、高いコミュニケーション能力で2軍優勝をもたらした監督など。トップダウンで球団改造を図る巨人と選手のやる気を引き出すことに巧みな阪神矢野の試合は楽しみだ。

 不幸にしてCEOの乱暴狼藉やりたい放題で準備不足のチームがある。日産ルノー三菱自動車連合である。自主トレは各社実施しているだろうが、合同チームとしての開発は暫時休止せざるを得ないであろう。う開発や営業の現場としては離婚希望の声も聞こえてくる。

横浜駅から日産本社ギャラリーまでは遊歩道で直結していることもあり、散歩がてらに歩く。都度、新聞記者、カメラ陣が今日は張り付いているのか?をつい見てしまう。 いつもはE-Power車種が所狭しと展示してあるところが、先々

週の土曜日はステージに模様替えされてジャズコンサート会場に変身。大勢の観客の視線を浴びて山中千尋トリオの演奏。さすが日産だけに洗練されたステージ、音響、照明効果、ナレーションなど一流。山中千尋のパワフルなピアノに圧倒される。 小柄な山中さんのどこに凄いパワーがあるのかと感心した。

 おそらく聴衆はホールぎっしりの500人ほどいた。なんだか、戦う日産部隊への慰問ではないかと一瞬頭をよぎった。ジョージガーシュインのメロディなど演奏の終わりは出身群馬の八木節のフューチャー。民謡がジャズに変化するように横浜地元の日産も変化するように鼓舞しているように聞こえた。軽快なピアノ、ドラム、ベースのトリオの息のあった演奏は3社連合もかくあれとも示唆しているのか。

 そんな3社連合をよそに自動車業界は変化を続けている。ホンダの英国工場閉鎖は脱EUとは違うとは言えタイミングが重なり6000人解雇問題が英国経済に深い憂慮をもたらしている。一方、米国ではGMが2工場閉鎖を決めてトランプと対立している。メキシコからの再関税問題や、米国でのセダン販売は既に30%台で、従来のプラットホーム稼働率は低下し工場維持が困難な理由である。その分SUVにシフトし、かつトランプの環境規制緩和があり、パワフルなガソリンエンジン搭載となっている。ドイツはディーゼルへの回帰が必ずあると、このブログでも予想したが、アウディがディーゼル車を日本でも発売、これをみてイタリア・アルファロメオが自動車メーカーとしての存在価値はディーゼル車だとか妙な理由をつけて、これも日本へ持ち込むと発表。 スポーツカー人気もあり、トヨタはスープラやレクサスのスポーツ仕様も発表した。スープラに関しては生産台数が少ないこともあり、企画、設計はトヨタが担当するが、そのほかは、エンジン、組み立てはトヨタ以外の海外メーカーとのコワークで対応しているなど、なにがなんでも単独での生産よりは合理的な方法にシフトしたことが注目される。レクサスは炭素繊維複合材料により軽量化がなされている。

ここまでは、筆者の予i想通りである。しかしながら、専門外のところで予想が外れたことがあった。それはパワーデバイス。シリコン系から炭化ケイ素や ,窒化ガリウム に移行すると1年前の半導体の常識をお伝えした。 パワー指標を基準のシリコンを1とすると炭化ケイ素が340倍、窒化ガリウムが870倍だからである。 レクサスに炭化ケイ素を搭載して、順次量産車に適用するとの計画がある。ただ、炭化ケイ素ウエハー製造能力があって量産車適用は相当先になるとの観測が出てきた。

予想が外れたのは超大型新人の登場である。 トランジスターには電子を足らなくしたP型と電子をあまらせているN型との組み合わせが必要だが、P型として酸化ガリウムが、N型として酸化イリジウムをそれぞれミスト(霧状)に基盤に吹き付けて反応膜を生成させるという合理的な製造法を京大が開発。シリコンの3444倍高い効率を示すことが発表された。京大ベンチャーのフロスフィアが実用化検討を続けている。さて、これが実用化されるのが早いか、炭化ケイ素のウエハー製造能力整備が早いか、競争が繰り広げられる。どの半導体でも日本がトップで、自動車、電子産業などのもの作りに大いに貢献することは間違いない。

トヨタは炭化ケイ素の実用化を、グループ企業のデンソーはフロスフィアとの共同研究を実施しており、EVの立ち上がりには遅れをとったとしても抑えるところはシッカリ抑える。生産台数はVWにトップを譲ったものの、長期戦略は流石である。

写真はミスト法膜形成法及び直径4インチのサファイヤ基板上に Ga2O3薄膜を形成したもの(フロスフィアWEBより)

翻訳と科学創造性

京都。多くのインバウンド トラベラーズが訪れる古都であるが、グローバルにおいて存在価値が高い先端企業が集中するテクノロジーシティでもある。この短い文章にカタカナが5つ。分かるけど、まだ許せる。次は如何でしょうか。

「京都レジリエンシーシティ・SDGsフォーラム開催」京都市民への広報である。こうなると一体何を伝えたいのか分からない。市役所の役人でも理解している人がいるのか?と訝りもする。開催フォーラムの中にシンポジウムがあり、パネリストとして。。。? フォーラムとシンポジウムの区別は?パネリストのお名前を見て「なんだ座談会」かいなと分かる。

 レジリエンシーを日本語で言えば「災害、犯罪、貧困からの回復が可能な都市であり、サステイナブルで開発の目標を決める大会」である。これでも咀嚼不良となる。サステイナブル=持続可能として形容動詞が開発にかかるのか目標にかかるのか分からない。

 何故こうなるのか? カタカナの直輸入で意味を咀嚼し、わかり易いように意訳する能力に欠ける人が増えてきたことと、単にカッコしいで使っているかも知れないが、使っている人さえ概念を理解していないことが多い。旧制高等学校の学生がショウペンハウエル。イッヒ・リーベ・ディッヒと叫んで、意識が高いぞ!と自慢していたことと変わらない。庶民はカタカナ用語を多様する人は本当は分かっていないと見抜いているものだ。

 空襲と地震で壊滅的破壊された都市がフェニックス宣言したことがあった。こちらの方が一発で意味するところは理解できる。フェニックス=不死鳥は誰でも知っているからである。

 FB仲間の一人はビジネス・マネージメント・コンサルタント。この人が言うには「工業社会が終焉し情報化社会に世界が移行しつつある中で、先行している米国から様々な組織マネジメントの考えや手法(成果主義、目標管理、リエンジニアリング、バランス・スコアカード、360度評価、サーバントリーダーシップ、コンピテンシーなどなど)が紹介 されました。しかし、それをうまく日本の組織に取り込むことができなかった。」と記載されました。

 しかしながら、皮肉なことに成果主義と目標管理は多くの企業が採用した。採用できなかったのは全てカタカナ用語。日本語に翻訳か意訳がなされていない。これで概念から具体的な手法まで理解して実行するには無理がある。江戸時代はオランダからズックやランドセルが、ポルトガルからはカステラの単品商品はそのまま日本語にしてしまったが、哲学・概念はカタカナでは通用しない。逆に日本哲学や宗教を外国に知ってもらうには英語に的確な翻訳か意訳する必要ある。新渡戸稲造、鈴木大拙らが高く評価されている理由は的確な翻訳が出来たからである。

 明治の文豪は意訳することが富国にもつながるとして色々工夫をしている。正岡子規や森鴎外など。。。とFBで返したところ、もう一人の知人がこのような文献があると紹介してくれた。それが福田眞人の「明治翻訳語のおもしろさ」である。

 I love you.をどのように訳するか。意外に難しい。愛と訳すには仏教の愛とは違う。さりとて、恋、色恋、惚れた、ともやや違う。君を愛していると言っても日本人の琴線に共鳴しない。君が大好きだ!がまだ近いのだろう。この本では二葉亭四迷が浮雲の中でラブと表記し「愛=死んでもよい」と訳したとか。漱石は「月が綺麗ですね」と訳した。遠回りだが、前者は熱い情熱が、後者は好きですと平易な言葉では言い表せなく胸がときめいているのを敢えて抑えてやっと口にだした精一杯の言葉と解釈できる。この心の動きが読み取れるような意訳をしないといけないと考えたのであろう。

 日本の科学技術が強い理由として学術用語が日本語であり原理的意味が納得できる言葉であること、日本語で論文を読むことができることが大きく関係している。

全ての科学技術を外国語で対応している国は強くない。表面だけの成果に活用できても基礎技術が育たなくてと嘆いている国がある。日本人のOBがスカウトされて教えても、とどのつまりは結果だけ教えて欲しい。出世には手っ取り早いとのことなのだろう。創造性は基礎分野の掛け合わせが重要である。医学、物理、生物、化学、機械、電気電子、農水産、数学、計算化学などのどの分野においても即概念を理解できることが本当の強みを発揮できるのである。明治時代の翻訳・意訳された方々に頭が下がる思いである。 

地域産業技術研究センター

「産学官」連携に金融機関が加わり「産学官金」連携になりつつある。日本の産業は中小企業に支えられている。ただし先端技術をフォローするには産学官連携だけでは実用化が困難である。一方、特に地方の金融機関は貸出し利ザヤで利益を出す従来のビジネスでは通用しなくなっており、中小企業を金融面でフォローし育てざるを得なくなっている。

大企業は比較的財力に余裕はあるものの、最先端技術の間口が広すぎることもあり各方面で開発できる力量のある研究者に枯渇している状態にある。

このような諸事情の中、地域産業技術研究センターはもっと知られて良い存在であり、活用されることをお勧めする。ある産業技術研究センターでは大学・高専・隣接県の技術センターをプールした運用をするところもあり、大学から博士過程の学生を産業技術センターに派遣して実用技術を習得させることで、地に足がついた人材育成も実行されている。

各県の産業技術研究センターの発足は概ね明治時代の中期から後期に掛けて発足している。多くは繊維産業、窯業産業から出発している。繊維産業が発展して近年では炭素繊維複合材料となりロケット、自動車、ロボットに展開。織機が工作機械に展開し、現在では3Dプリンターにまでつながっている。

各県の技術研究センターの特徴は明治初期の産業を反映している。事例を挙げると山形県は蔵王・出羽三山からの美味しい水を利用した酒醸造へと展開、福井県は繊維から炭素繊維及びデザインセンターへ、鳥取県ではカニからキチン・キトサンバイオナノファイバーへと発展している。岩手県は南部鉄の歴史を踏まえ、鋳造材料を東北各県と協力しながら鋳造でありながら鍛造品レベルへの材料開発を実施するなど地域ならではの活動を見ることができる。

 それでは、大企業が集中している都会はどうか。産業技術研究センターが不要な大企業が多く存在している。さらに地域の特徴が取り立てて無い、と思われ勝ちである。しかしながら、中小企業は東京でも存在する。太田地区、多摩地区、葛飾墨田の城東地区などは、機械加工、繊維産業、江戸文化の新時代へのバージョン転換など工夫を凝らした技術で生き残りをかけている。太田区の城南支所は精密三次元寸法測定、CAD/CAMシステム、3D プリンター、最新電子顕微鏡SEM,TEMを揃え、金属、セラミック、樹脂の解析には相当のチカラを有している。多摩支所では繊維を中心としているが、コンピューターシミュレーションの開発にはレベルの高い人材を配している。城東地区はやや雰囲気が異なるが、例えば漆の原木を粉砕したパウダーに漆の液を混合し熱プレス成形すると一気に漆食器ができる。見事な仕上がりである。指導されたのが城東支所。お台場・青海に全体コーディネート機能と基礎研究センター機能を有している。

当方が良く利用するのは材料分析、熱力学的物性評価、形態観察などである。依頼する場合もあれば、単独で利用できる場合がある。共同研究も可能である。一番のお勧めは技術専門家との事前相談と結果に対する議論ができることにある。相談員の多くは博士、修士を取得し、大学や企業で専門職を勤められた方もおられる。民間分析センターは存在するが、例えば分析では赤外線でこれを調べて下さい。と要望すると、その通り回答がある。ただ、よく利用している都立産業技術センターでは、本当は何を知りたくて相談しにきたのか?の背景をよく聞いて、それなら、赤外よりも熱分解ガスクロが効果的ですね。とアドバイスがあり、それが的を射ていることもあった。また相談を受けた者や、実験に携わった人からみれば、現在の業界の実態を知る機会ともなり、双方にとって有りがたい存在となる。

 東京都に肩入れする訳ではないが、中小企業で料金が別体系になっており中小企業にとってはありがたい。他府県の企業でも都内企業と同じ条件で利用できる。また被災に遭われた地域に製造・開発センターを所有する東京都本籍の企業の場合は、無料にすることも(アイテム次第ですが)ある。これは石原知事の時から実施しているが、さすが東京だけの財力に預かっているが、でも、その決断には驚いた。 東北地震に続いて現在は熊本地震での被災者起業救済が行われている。

写真はお台場にある都立産業技術センターに展示してある3Dプリンターによる樹脂製バイオリンである。その製造までの工程で関わった技術は次の通り。(パンフより抜粋)

 *XCT 3Dスキャナーを用いたバイオリン構造データーの採取

 *3D-CAD ソフトによるリバースエンジと3Dデーターの構築

 *コンピューターシミュレーションによる構造、振動、音響の解析

 *3Dプリンター 粉末ベッド積層法

 *音色など各種測定

かなり広範囲なインフラと人材が必要であることが分かる。

そこまで対応できないこともあるが、例えば国の産総研やNEDOと組みサテライトを技術研究センターに置くことで迅速にして広い要求に備えるネットワークを構築したところもある(福井)。官ではあるが、なかなか民営のセンスがあると関心している。

♪ゆ~き~が~降る。あなたは来ない~。東京に雪が降ったので口ずさみたいところが、直ぐ降り止みトピーカンの翌日。情緒がない。友人からは「雪が降ろうが降らなくても、あなたはには来ない!」と言われたことも。空を見上げどこかにきっと と乙女チックな男は他にもいるだろうに。

雪国ではこんな暢気なことは言えない。毎朝、除雪してから通勤・通学する風景が当たり前で重労働の割に生産性は全くない。豪雪地帯がある。積雪量が多いのはわかるが、理解されないのは雪質。北海道や長野では粉雪で家庭でも買えるミニ除雪車で吹き飛ばすことで除雪が可能。だが、北陸地区では水分たっぷりなので吹き飛ばすことはできない。サンパチ豪雪(昭和38年)の時はスコップよりは氷屋で使う大型ノコギリでブロック状に雪の塊を立方体に切り取り、チェーンを掛けてお城の石垣のように積み上げたと聞いたことがある。それほどガッチリした固さの雪塊。日本海側を走る列車から田んぼの真ん中に高層マンションが建っている風景を良く見る。買い物には不便だろうにと思うが、さにあらず、雪かきをしないで済むことが最大の理由なのだ。北陸地区は豊かであるが、それにしても鉄筋コンクリートの建物が多い。これも除雪頻度を下げたいことにある。

雪のない地域に慣れ親しんでいると、この感性がない。湘南平塚選出の河野太郎のお爺さん河野一郎が建設大臣(今の国交省)だったとき、珍しいことをした。自衛隊に出動命令をしたのだ。隊員は北海道、三重、鹿児島の陸上自衛隊。火炎放射器を帯同しての突撃命令である。戦争でもない平時に隊員が一列に並んで雪の壁に火炎放射。大臣は半日もあれば解決すると談話したが、連絡がこない。雪は火炎放射に耐え?僅か半日で10cm溶けただけ。午後には燃料も尽き、火炎放射器をスコップに持ち替えての作業。ここでも誤算。雪慣れしている北海道部隊は活躍。雪を初めてみる鹿児島と三重県久居ヘリコプター部隊は足をとられ無駄な体力消耗で効率ダウン。

それ以来、道路には融雪パイプや道路ヒーティングシート(カーボンブラック配合樹脂)の敷設が進んで、往時の豪雪トラブルは解消した。。。。と思っていたら、一昨年は極僅かな時間に集中豪雪があり、それでは間に合わなくなってきた。 このときの国交省及び防衛省は反省をして精鋭部隊を送った。北極からの冷気吹き出し異常現象変化。酷寒の地に赴任している友人から試しにバナナで釘が打てましたなど報告があった。

さて、こうなると、自然天候との知恵比べが開始される。またとないビジネスチャンスの到来でもある。30年ほど前は雪雲が発生したら銀粒子を空に撒けば核となり雨に変わることを実証した事例がある。銀粒子に変わるものは何か??。そこは感性のある地域の大学などが研究しては如何かと。

春になると雪国の道路は地方自治体の経済状態のバロメーターになる。リッチな地方自治体はブルトーザーで傷ついた道路が直ぐ修復されるが、そうでない自治体が増えているように思う。田中角栄は新潟はどうして雪に見舞われるのか、越後山脈があるからだ、それならいっそのこと山をなくせばと考えても不思議ではない。列島改造論には豪雪地帯ならでは想いがあるように想像(妄想)している。

最後に、雪質のよい北信越スキー場で華麗なターンや雪をかき分けてのスラローム。ゴーグルを外さなければモテる。ところが中部飛騨高山や北陸のスキー場ではターン技術が未熟だと綺麗に曲がらない。ゴーグルを装着したままでもモテない。それほど雪質が違うのだ。長野オリンピックのルージュのワックスを設計した某大学教授は自信満々だったが、試合当日は朝からの雨、これで残念な結果。雨でも優勝できるWAXを開発すべきだったとは後の祭り。外見以外にもモテる要素が必要だと分かるのは年齢を重ねる必要がありそうだ。

因みに、雪面とそりの界面の摩擦抵抗を解析するにはトポロジーが差配している。このトポロジーを上手く利用しているのが3Dプリンター。 滑って転んでもただでは起きない感性も技術進展には必要だ。

剛と柔

入社して配属された研究室には115人がいた。5つの研究室でひとつの樹脂関係の研究所を構成していた。海外との交流もあり、文書作成にもそれなりの格調が求められていた。英語が嫌いで文系には向いていないので技術を選択したはずが、それでは通用しない。分かっている。だが、先輩が室長に提出した書類を窓を開けて外に放り投げられる様を目の前にすると指が硬直して動かない。 

 具合が悪いことに外国の技術者と情報交換する機会が来た。四苦八苦して作成した資料を上司に加筆修正して頂き、これで用意万端と会議に臨んだ。しかし、先方は書類のある一点を見つめている。英単語が理解できないとみた上司は厚さ15センチの古色蒼然たるウエブスター英英辞書を開きながら、「ほら!これですよ」と指し示した。格調のある単語には間違いがない。本当に知らなかったようだ。その時は上司の知識に驚いたものだが、あとで考えると日本人だって古文書を急に理解しろと言われてもお手上げで解説が必要。通じてなんぼのモノと思ったが、上司には新人だけに逆らえなかった。 言えば当方の稚拙な文章を説教されかねなかった。

英国人が感心するとは凄いですね~と。 持ち上げたのが災いしたのは、その冬にスキーに出かけたときに事件が起こった。T大スキー部出身の上司はチャラチャラした流行のストックは使わず、伝統のトンキン竹製にこだわる。かなり使い古している。環を止めている皮が切れかかっている。楽して頂上まで行けるゴンドラやリフトは使わない。ひたすらハの字スケーティングで山やゲレンデを登る。そして滑走。もう読者は想像できるとおもいますが、滑走中にストック先端の環が雪に取られてしまった。麓付近まで降りてきてから探してくるようにと指示。山が暮れるのは早い。雪に埋まっていてどこかも定かでない。またスケーティングで登り始めた。この無茶ぶり。今ならパワハラで訴えられるところである。今にして思うと世の中や会社のなかにも無茶・苦茶・理不尽は山ほどあるとの教訓だったのかも知れない。千本ノックなければ長島はミスター長島にはなりえなかった。

 時は20年経過し、プラスチックスの成分が川のオスの魚をメス化するとの小説がカナダの作家から発表された。社会にとって衝撃的な事案であった。関係する諸外国企業も憂い、協調して真実を追究しようと研究組織を立ち上げた。錚々たるメンバーが会議や夜の寿司バーで話し合う。医学用語が飛び交う場で、またまた小生の頭は???マークで埋め尽くされた。だが、面白いことに英文そのものは中学英語程度で会話している。それでいて皆さん上品。無理して格調高い単語は使用していない。相手の話をじっと聞き、間髪入れずに意見を述べる。当時の社長は医者の家系であるが、その雰囲気だけで言葉は平易であっても格調に化学反応で変化するものだと気がついた。 側に控えていた小生に医学用語をそっと解説してもらうことで、共通の場に居ることができた。 新人のころは「剛」をたたき込まれ20年後に「柔」を学ぶことができた。 「柔は剛を制す。ただし剛があっての柔」。

その事案から随分と経過した今。あの当時交流した会社・人脈とは全く異なる案件でも、「あの時の」の一言で例え初めてあった人も一瞬にして邂逅。そして本音で話しができた。これは有りがたいことだ。先日来日の客人。銀座もやや外れの串揚げ屋でざっくばらんなランチ。立て串だけでなく横串でも互いに協力しましょうと約束して別れた。

川柳・俳句・プロ魂

サラリーマン川柳100選が紹介された。そこで私的にも作ってみた。

「ヤバイの語源調べてマジ・ヤバイ」。 若い人の言葉は「悪い意味」なのか「良い意味」なのか区別がつかないことがある。「ヤバイ」とはその筋の業界用語だったはずなので、普通の人は口にするのも憚れる言葉だったはず。

「怖~、こわっ!」も驚いているのか、凄いと言っているのか分からない。TVで芸人コメンテーターが盛んに発している様をみると、正鵠を射た言葉を使って欲しいと思う。歯科技工の方が心をこめて作られた作品を患者が装填した結果「ヤバイです」と言われたら、ウ~ン??。この人には日本語よりGJor NG?と聞いた方がよいのかと歯科医。それとも本当に怖い「鬼のような怖~い歯」を作りましょうか?と突っ込みたくなるでしょう。

♪ちょっと前なら覚えているが、、、的な意味不明言葉に「シャレにならない」があった。上司の指示に対して意見が言えないで自分を無理やり納得させつつ上司にも一矢報いるために利用していたように思うが、「洒落」という言葉に失礼だといつも感じていた。もう聞くことはない。だからヤバイやマジも何れ消滅するだろう。

 川柳は人にまつわる悲喜こもごもを詠むのに対して俳句は風景、季節が人の心をどのように感動し行動したのかを詠嘆する。同じ五七五であるが内容が全く異なる。TVでの夏井先生とタレントの掛け合いが俳句人気を底上げしている。完璧な俳句よりも凡人の句を先生が詠み人の本音を聞いて句を因数分解のうえ加筆する。その工程の鮮やかさと、そのような発想があるのかと驚く。風景や心情を浮かび挙がらせる様は3Dプリンターの作品と同じだ。無駄がない。また無理にこじつけ感の言い方で恐縮であるが、拙作な文章を見事な切削で修正し本来の姿を表現しているとも言える。いつもながら感心する。キリに「や」なのか「に」なのかで俳句の趣が変化する。まさにプロフェッショナルの称号に値する。

 先日の豪州オープンテニスで優勝した大坂なおみ選手。プレーはまさにプロフェッショナルは言うまでもない。ランキング1位!。でも驚いたのはチャレンジ精度。審判・線審の判断が違うのでは?と再審査を要求する。その精度に驚いた。チャレンジは12回可能。肝心なところ(点においても、相手への心理作戦面)で使う。滅多矢鱈使っていいものではない。審判への尊敬と試合コントロールで決まっている。大坂選手のチャレンジは当たっていた。目で判断しているよりも、何千回、何万回もの体で覚えたストロークがアウトであるはずがないとのプロ意識がさせていると思う。

 これらのプロ意識は業種は異なるが参考にすべきだろうと思う。スポーツは元々dis port が語源と見たことがある。文字通り、port その場をdis 離れることが転じて運動になった。なにも運動だけでなく、お客様の場所に立って、もの作りの方々への場所に立って、技術開発の立場に立って、上司になったつもりの場所に立って、、、、いろんな角度からリフレッシュ感を現業に活用していくことは重要だと考える。

筆者もそうありたいと願うが、、、で句会に勤しむ家族に向かって、下手な川柳を最後に。

「句会の部屋、会食準備は俳句無縁のこのワタシ」

「あの人俳句のセンスあると先生言い」対句で「が・と・はの意味知り傷つくワタシ」