研究チーム規模と成果&京都企業の特徴

Nature 566, 330-332 (2019) に面白い論文があった。要旨を紹介する。

Small research teams ‘disrupt’ science more radically than large ones

The application of a new citation metric prompts a reassessment of the relationship between the size of scientific teams and research impact, and calls into question the trend to emphasize ‘big team’ science.

The application of a new citation metric prompts a reassess

科学技術の流れを乱して革新をもたらす「破壊度」を引用数指標として用いることで、研究チームの規模と研究の影響度との間に新たな関係性が見いだされ、「大きなチーム」の科学を賞賛する傾向に疑問が投げ掛けられた。

小さな研究チームは新しいコンセプトの提案や科学史上インパクトのある成果をだしている。一方、大きなチームは科学で大きな役割を果たしているとは言えないがコラボなど規模を活かし既存技術の強化において成功している。随分の意訳であるが概ねこのようなことであるが、紳士的でない表現が許されれば「大きな研究チームは過去開発した技術を拡張するか重箱の隅を突くようなことを研究成果としている」と言える。

過去の事例を超える文献、特許などについてWuらは引用指標を設け整理し図に示している。今回のWuらの論文はある発明がそれまでの技術開発の流れを乱すものなのか、それとも現状を強化するものなのかを評価するために最近開発された、特許引用に基づく指標を科学技術の領域へと拡張し「科学技術の破壊度」という指標を提案している。

論文だけでなく、特許、ソフトウエア開発にも適用でき、論文の場合は生物科学から物理科学、さらには社会科学まで当てはまることが示された。筆者の感想では会社組織などは参考になるのではと思う。

 

 

 

図-1 小さなチームは科学に対して大きなチームよりも破壊度の高い貢献をする

今回Wuらは、科学論文の被引用数の中央値(赤色の線)はチームの規模が大きくなるにつれ上昇するのに対し、引用に小渡尽く指標によって決まる、論文の破壊度の平均度(緑の線)はチームが大きくなるにつれ低下することを明らかにした。 研究論文2417万に基づいている。

当方はこの文献を見ながら、以前このブログで京都の企業は何故か元気と書いたことがある。オムロン、島津製作所、堀場製作所、日本電産、村田製作所、京セラ、任天堂、ワコール、ローム、第一工業製薬 などは京都本社であり続けている。大阪企業が東京に本社を移転しても、東京に行く気は全く無い。 江戸時代まで遡れば大倉酒造、福田金属箔、宝酒造、川島織物などがあり、これら老舗企業と先に挙げた企業の共通項は、一人のベンチャー創業者が特徴となっている。 京都といえば寺社仏閣、観光、文化がウリと思われているが意外にも京都7条から長岡京に至るゾーンは機械・電子・化学工業の街でもある。

では何故、京都なのかの解説については「京都企業が世界を変える ⁻企業価値創造と株式投資-」川北・奥野氏共著に記載されている。京都企業にお勤めの方が要旨を纏めておられる。ポイントと筆者の感想を記載する

背景として

①   文化・もの作りの1000年以上の伝承

②   オリジナリティの追求とグローバルな意識(良い意味でのプライドの高さ、気位の高さ)

③   技術志向クラスターの形成 西陣の伝統のように京都企業相互に情報交換し協力、今風で言えばクラスター)

④    ユニークな研究で突出している京大を始め大学の街であり、民間企業との交流が昔から京の街に根付いている。

⑤   京都銀行が創業期から融資に協力。 都銀にはできないフォロー

その結果

*海外での事業展開比率が高い。東証上場全企業比較では10ポイント以上高い。

*利益水準(ROA)が上場企業平均を上回っている。高付加価値の製品販売が多い。

経営者の資質

これだけ他地域とは違う企業は特徴のある創業者・継承者の発言にも見ることができる。例をあげると、一代で世界トップに駆け上った日本電産の永守さんは絶対に負けないという気概をもちつつ百年企業にはグローバル人材の育成が重要とあって

必要な能力は「突破力」「雑談力」「英語力」を挙げている。なんだ常識ではないか。でもそれがなかなかできない。

たとえば、「雑談力」 無駄なおしゃべりではない、気が利いて、気配りができ、洗練されたセンスの話題をポケットに蓄積しておいて、タイムリーに出しながら相手から本音を引き出す。相当の芸術的域の世界なのだ。電車のドア付近に立ち塞ぐ人々を筆者は見る度に「あぁ気が利かない人だなぁ。あの様な人には任せられないなぁ」と思っている。自分では意識していなくても、相手は反感を持つ。そんな人に雑談力は期待できない。人つくりは子供の時から始まっているとしたら地域の性格も反映するのだろう。

漁業の養殖シフト&未利用成分有効化

にわかには信じられないが、「漁獲量は肉を超えている」「漁獲量の半分は養殖である」と雑誌・現代化学5月号の記事である。論文でも抄録でも査読され編集されるので間違いはないだろうとは思う。子供は魚の骨を取り除くのが苦手。ハンバーグで育ったので肉が恋しい。。。と魚は敬遠されていると思っていた。大人でも綺麗に魚を食べる人をみるとなんと上品な人。躾が出来ている人と評価される。魚の頭を右向けに出されても、魚と距離をおいて育った人を責めるつもりはない。魚を家庭で出さなくなった。

お頭がついていないフライや刺身が魚だと思っているのだろう。そんな嫌味を言っていても鮎が出されると、さてマナーは知ってはいるものの、小生は箸使いが悪く、誠に恥ずかしい結果となる。会食している人の鋭い視線を感じて落ち着かない。

 小学校のころ遠洋漁業、近海漁業を習った。銚子、焼津、枕崎、下関など遠洋漁業基地は活気があった。ここ横浜は漁業基地ではないが下関との関係で大洋ホエールズ球団があった。現在のDeNAであるが、ホエールズは野毛地区飲み屋街名物の鯨料理に名をとどめている。

遠洋漁業は物流コスト、漁獲資源の減少、近海漁業はルール無視政治的要因による不安定操業もあって衰退傾向にある。一方、養殖の技術が向上し、海のない県でも水産は可能とあって高級魚の養殖が盛んになってきたことは分かる。深層水をタンクローリーで運搬する風景を見たことがある。また愛知万博の時に話題になったのは海水魚と淡水魚を同じ水槽にいれても両方が平気で泳いでいることを知って驚いた。ナノバブルで溶存酸素を高濃度に維持することで両方とも生存できる仕組みである。

しかしながら大規模養殖産業にするには根本的に必要なのは餌問題。餌はイワシの魚粉がメインである。イワシの漁獲量が減少している。なので代替材料を開発している。野菜などベジタリアン餌では魚は食べない。初めは興味と空腹もあって食いつくが、2口目から見向きもしない。現代化学の記事によれば、魚粉と植物原料を混合し、魚粉の割合が20%まで減らす事ができたとある。魚のお気に入りはタウリン。魚粉の量を減らした分だけタウリンを追加配合することで成功したとの事が掲載されている。

健康栄養ドリンクに配合されているのもタウリン。食物中のタウリン含有表を示す

 

 

 

なんだかんだ言ってもタウリンは魚介物に多い。だがボリュームと掛け合わせると豚、牛、鶏肉も有効利用できる。2週前のブログで食品廃棄物問題を取り上げた。廃棄物を分別することができれば、餌に利用できるのではないだろうか。これもリサイクルとして有用だと思う。実際ミートボールを配合することもテストされている。

健康ブームでDHA、EPA配合の製品が販売されている。それらは魚介類が原料である。需要は増加する。また、養殖であればプラスチックスなどは排除される。マイクロプラスチックスは水循環途中の濾過工程を入れるなど工夫すれば、需要家にとって安心な食材になることが期待される。魚粉の割合が20%に減少されたとして、そのイワシの中にマイクロプラスチックスが入っているではないか? と心配されるであろうがカバーする技術は存在する。

それでは、魚が料理に多く利用されたとして、未利用の鱗や骨やアラはどうするか? 鱗からコラーゲン取り出すことは既に工業化されており化粧品などに利用されている。骨の再生(歯の再生)には骨芽細胞はコラーゲン線維や非コラーゲン蛋白質を含み体内のリン酸カルシウムを呼び寄せ蓄積させてヒドロキシアパタイト(HA)を合成する。リン酸カルシウムには非晶性リン酸カルシウム(ACP)、リン酸第八カルシウム(OCP)がHAの前駆体になることが知られている。これらリン酸カルシウムは魚の骨に含まれているとして歯にも適用できると考えられる。既にOCPをコラーゲンやゼラチンに分散させた複合体が歯科業界で発表されている。

5G世界を垣間見る

某証券会社のCMで日本、米国、アフリカ、その他の地域でそれぞれの楽器演奏をして統合された音楽を完成させた様に見せていた。昨年の和光市商工会開催の市民祭りに3Dプリンター研究会が出展。説明員をしていた小生に若い訪問客からARで既に出来ていると聞いた。オーケストラを分割して各地で演奏したものを統合する。ARで鑑賞するにはチケット購入が必要だが、オーケストラを一同に集めての演奏会のチケットより格安であると聞いた。結構人気がありますよと。

本当にそうか?と疑問に思っていたら、ビックサイトでベースを、スカイツリーでギターを演奏し、ARスマートグラスで統合されたライブを楽しむ実験がされた。既にお分かりのように相互の通信に遅延が僅かでも許されない。実験は成功と聞いて信用するが、短距離ではないかとも。これが超遠距離だったらどうか5G世界の一端を展示会で目にするが、全体をわかり易く解説したものはないか調べてみた。

 情報通信の管掌省庁は総務省。総務省のHPにその概要から詳細まで5Gの世界が描かれている。大いに参考になるのでplease check it!  201611月の審議会資料「新世代モバイル通信システムの技術的条件について」

 要約 *超高速 4Gの10倍。 2時間録画を3秒で送信可能

    *超低遅延 遠距離治療(このブログでも掲載)

    *多数同時接続 自動運転など

 図-1 1G~5G通信速度 

 

 

 

 

 

図-2 5Gが実現する社会イメージ

スポーツ観戦へのトライとしてラグビーワールドカップでのトライを踏まえオリンピックに向けで新世代を世界からのお客様に提示するようだ。3Kの建設現場を遠距離操作で建機を作動させたり、トラックを数珠つなぎにして先頭だけドライバーが運転することでドライバー不足をカバーするなどは早く実現してほしい。最近、宅配事情が厳しいこともあるのだろう、即宅配ボックスに入れることもあるようだ。インターホン押して届ける時間が勿体ない。それも分かる。

 先日、自宅近くの凡そ演奏会場とは縁がなさそうな明治時代のアールデコ建築の一部を残した建物で矢沢永吉のライブがあり、入場を求めて長蛇の列。夏日の中、長時間並んで開門を待っていた。矢沢ファンも高齢になり並んでいるのが気の毒になるほど。こんな時はARでも良いのでは。。。と。。。でもなぁ あの熱気の中一緒に歓声を上げる、それに呼応して矢沢も燃え上がる。その興奮状態はARでは伝わらない。みなとみらい地区では新横浜にあるアリーナより大きなライブ設備を建設中。誰とも知らない人と一緒に叫ぶ、出口では新しい人的交流が始まる。その価値はARよりは大きい。 

但し、大まかに総務省の資料に描かれている図は着実に進んでいる。ガラケーとiPadで十分といっていた家人が最新のスマホに切り替え、筆者の方が前世代スマホで取り残された。こんな図柄が5G本格化する2020には各家庭でも見られるのであろう。

流れはポリから紙袋。だが?

セブンイレブンがポリ袋廃止のニュースが流れた。天然資源である紙袋への切り替えする方針と発表があった。背景として最近話題の海マイクロプラスチックス問題も関係している。紙の方がエコフレンドリーであると一般的な感覚はある。プラスチックスも原油を分解するのではなく、サトウキビを原料とするモノがある。ブラジルで大量生産され国内でも大手商社から販売されている。海プラ問題がなければ公平にみてエコフレンドリーなのはサトウキビ由来のプラスチックスではある。ご年配の方は覚えておられるだろう、静岡県田子の浦はパルプ製造時の廃水で海洋汚染が激しく教科書にも載った。富士市は今でも製紙製造拠点の一つである。

 製紙にはパルプを木材から取り出す工程とパルプを紙にする工程があるが、主として環境への影響が大きく、エネルギーを消費するのはパルプ製造工程にある。

針葉樹木材を北米カナダからも輸入し、チップに破砕し、反応釜に入れて水酸化ナトリウム、硫化ソーダーで煮て(蒸解)濾過しパルプ繊維を取り出す。次に二酸化塩素や過酸化水素で漂白。。。。。など多くの水と薬品を使用し、海を汚染しないように後処理にも複雑な工程を施す。製紙はエネルギー消費産業でもある。対策としてパルプになっている古紙からインクを取り除き(脱墨)、ブレンドすることで辛うじて成立している。

参考:三菱製紙HPhttps://www.mpm.co.jp/env/pdf_ex/2006/2006-09.pdf

 ここにショックなのは古紙が集まらない事態になっている。スマホ、タブレット、パソコンからの情報で十分と考える若い人が多い。ビジネスマンでも日経など新聞をタブレットで通勤中に読んでいる風景がある。

知人が面白いことを言った「新聞を見て価値のあるのは株式面だけだ!」エッ?この人は株取引の達人? でも刻々変化する株価を新聞では遅いのにと思っていたら、当方の納得いかない顔を眺めて、「いやいや、株価の上下する記号△▼を見ると業界全体が分かる。木を見て森を見ない投資家は素人だ!」と。これには納得。けだし名言である。

 そのような流れで新聞購読者が激減している。ちらしも新聞数と比例するので、これも減少している。統計はあるのだろうが、マンションや町内会での資源回収の日に古紙が集まらないことを見れば分かる。中国が古紙や廃プラは受け取らないので、国内にあふれているかと思いきや、古紙は東南アジアに輸出されており、紙袋の生産も中国からベトナム、カンボジア、タイに移動している。 皮肉なことに紙袋の主な用途は樹脂ペレットを包装する樹脂袋用。これが現実。

デパート向けの紙袋は厳しい価格で合わない。たしかにデパ地下で惣菜をポリ袋に入れるが、有料ポリ袋を利用しても、階上の売り場では無料で紙袋を配っているのがデパート。平均的に1袋が15円~20円(印刷の色数にもよる)をユーザーは無料だと意識しているので、デパートにとってはたまったモノではない。

本音はプラにしたいところだろう。雨の日になると紙袋の上に薄いポリエチの袋をカバーしないといけない。一体なにがエコフレンドリーなのとデパートも気づいている。それに納入しているパッケージメーカー、商社は大赤字が現状。もうしばらくすると、トイレットペーパーに異変があるのでは?と予想される。 つい最近は製紙メーカーの火災も影響はしているがティッシュが品不足になっている。そのうちサニタリー装置も温水洗浄だけでなく、乾燥ユニットも付帯するだろう。手洗い乾燥よりは優しいのが好ましいが(笑)。街からティッシュ配りもなくなるだろう。

 それよりもエコと人に優しいことをしょう。それは食品ロスの低減協力

ライス、パン、ラーメン、ハンバーグ、、、、、なんと全世界では13が廃棄されているとの統計がある。日本では約600万トン/年。プラスチックス国内生産量より多い。賞味期限前でも廃棄されている。欧州では余剰の食品は教会やボランタリー団体に寄付し、食に困窮している人に配っているシステムがある。それを真似してお寺がしても良いのだろうとは思うがいかがか。

廃棄食品の有効利用を促進するアプリが登場している。(TABETE, Reduce Goなど)こちらは面白いの普及して欲しい。だが、肝心なのは賞味期限を延長すること!。その為のパッケージを開発すること。

紙袋は不十分。トータルすると回り道のようだが、賞味期限延長のプラ材料、容器を開発することに帰着する。今ではすっかりおなじみのエージレスは三菱ガス化学が開発した。プラ材料のメーカーでもある。別の手法で寿命延長材料開発を友人が挑戦している。 海ゴミ問題は別の対策するのが本筋と言うべきだろう。

 

クルマ・パワードライブ動向

EVって電費がガソリン車の燃費より劣る?? これどちらもウソ・ホント。 停止状態からの立ち上がりはEV車の方が優れ、巡航高速走行ではガソリン(ディーゼルを含む)車が優れる。この表現が今のところ正しいようだ。 EV車はどちらかと言えば都市型乗り物、ガソリン・ディーゼル車は長距離向きである。 EV車の充電スタンドでの充電時間は30分と区切られているので面倒だが、日産のe-Powerは充電する必要がないので人気がある。 基本はEVだが、発電用エンジンを搭載している。この方式は数年前にBMWがバイクサイズの2シリンダーエンジンを搭載し、(走行距離を延長できる意味の)エクステンションとして製造販売したことがあった。なるほど、その手があったかと感心した。

 日産e-PowerBMWも基本は電池―モーター駆動方式であるが、ここに来てホンダがEV駆動モーター/発電用モーター/電池充電向けエンジン/駆動用エンジンの2モーター1エンジンハイブリッド方式(i-MMD)を開発しているとの報道があった。 山の手線の電車は回収電源7割だとか、これと発想は似ている。それよりも圧倒的な複雑なシステムを開発しているのに感心する。早くも今年中に小型に搭載するとのこと。EVとエンジン車の電費・燃費両方を満足することができそうだ。図はホンダi-MMD,日産e-Power (ベストカー3月引用)

一方、欧州ではフォルクスワーゲンの排気ガス不正問題から一気にEVに切り替える機運がある一方で、根強いのはディーゼル車。消費者目線ではアウトバーンを200km/hrで走行してみるとそのフィーリングが分かる。製造者と政府目線ではディーゼル車製造会社・雇用問題もあり、本音はディーゼルを残したい。

高速走行距離の長い欧州では電費・燃費の問題以外に、「運転し甲斐」が重視され、パワフルな運転になれているドライバーからみるとEV、ハイブリッドではモノ足らないと感ずるようである。 欧州でディーゼル車を生産しないと決めたトヨタとしてはディーゼル追い落とし作戦としてハイブリッド・エンジンのパワーアップを図っている。カローラ(ハイブリッド)のエンジンを2リッターにすると発表があった。エンジン機構部分の重量は重くなるだろうが、その他の軽量化でカバーしているものと思われる。 

 対抗するディーゼル車が排気ガスで問題となった微粒子問題と窒素酸化物については酸化還元触媒及び尿素水タンク(アドブルー)をエンジン直後、及び排気直前に設定することで対応しているが、尿素水タンクを都度供給する必要があり、かつ重いことと比較すればディーゼルに勝てると考えたのであろう。

本当に新HEVカローラは欧州車に勝てるか。決め手は「運転し甲斐、フィーリング」だと思う。新東名では区間120km/hrが許されている。ここでのフィーリングは筆者の経験ではフォルクスワーゲン、アウディはクルマがぐっと沈み込み地面に食いつくように安定してくることが分かる。アウトバーンで鍛えられたボディ構造になっているなと理解。 このフィーリングを日本車が満足するならば歓迎されるだろう。 

欧州車の開発やり方が日本とは異なるところがある。日本は材料、設計、製造、イジメテストの循環系を幾度も積み重ねて製品とする。当然のことながら、故障も少なく、メンテ費用も少なく、長寿命乗れる安心感は高い。一方、欧州車は実績は少なくても適用することに躊躇しない。1年間走行して問題ないのならそれでOK的なところがある。 代表的なのはインテークマニホールドや、ブレーキ、アクセルの樹脂化などの機構部品は欧州が先に適用した。日本はずっとその実績を見てから採用の流れ。炭素繊維は日本が世界の70%を占めているが、CFRPの自動車搭載は欧州が早い。BMWではCFRPの接合に工業用ホッチキスを利用するなど、日本では思いもつかない。

 欧州の複合材料メーカーを買収した日本企業がある。欧州で実績があるからと日本の自動車メーカーに売り込みに行くと、玄関で断られるようなことが頻発した。原理原則において疑問だ、信頼性の裏付けが浅い。。。。などがその理由。 高価なクルマを購入するのだから、それは十分に対応して欲しい。だが、これから5Gの世界となると、自動車に求められる機能がドンドン急速に変化することが予想される。その時、日本のクルマはどの道を選ぶのであろうか。2リッターエンジンHEVカローラでアウトバーンを走りながら考えるか、それも良いだろう。

 しかしながら、環境問題でそもそもクルマのパワードライブは議論があり変遷してきた。 ガソリン、ディーゼルの原油/製造/ホイールまでのLCA(環境アセスメント)とEVの原油・石炭火力発電所/送電ロス/バッテリー製造/モーター/ホーイルのLCAはどうなんだ。ドイツのシンクタンクではEVは発電~電池製造など環境負荷がディーゼルより大きいとしてディーゼル車の肩を持っている。新旧のハイブリッドのLCAはどうなんだ。何れも開発進展が激しく、かつ秘密事項が多く、特許で開示されるのは1.5年後とあって、とてもフォロー出来ていない。3Rも含めると尚更複雑で単一企業だけでソリューションがでるとは思わない。 一方で、5Gの世界は上述のようなエネルギー個別解をカバーしてしまうことも妄想される。直接当事者ではない消費者としては両方とも期待し賢い選択をしたいものだ。

急発進対策

連休の後半になってようやく晴れた。鮮やかな新緑と横浜の海を見たくて散歩。途中で自動車販売会社にお勤めのエンジニアと出会い談笑。その話題が老人の運転。

 急発進でコンビニに突っ込んだり、立体駐車場から飛び出し落下したり、先日の池袋の悲惨な殺傷事故に加え、逆走、横着非常識走行マナーなどの事例を踏まえると、免許返納を勧めたいと思う。しかしながら高齢でも運転せざるを得ない事情があることも同時に知っている。

 そこで国として公平性の観点から歯止め制度を設定している。すなわち、70歳以上になると高齢者講習会を免許更新に義務づけている。座学に加えてドライブシュミレーターを利用して欠点指摘、実技試験もある。癖になっている運転マナーを修正するには良い機会である。

 また75歳以上では認知機能検査があり、判定がレベル1になれば高齢者講習会に参加するには医者の診断が必要条件となっている。経験は勿論ないが、もし記憶力や数字を逆に言うようなテストだとしたら、筆者も最近人の名前が出てこないことから、満点をとる自信がない。またスマホ頼りにしている若い人は記憶することの頻度が少なくなっていることから、不合格者がでるような気がする。 逆走の原因が認知機能の劣化にあるのは理解できる。ただし急発進は別の原因があるようにも思われる。

 シニアの立場で考えられるのは、例えば経済的なこと。燃費を良くするために信号待ちや下り坂ではニュートラルにしておけば、最低限のガソリンで済むはずだ。年金暮らしでは少しでも節約したい。。の気持ちがあると思う。AT車ではブレーキを踏みながらロック解除しないとPレンジからシフトできないが、Nレンジからだとブレーキやロック解除しなくてもシフトすることが可能。 記憶が散漫になってくるシニアは今レンジであることを確認せずにアクセルを踏む。ところが動かない。アッ!Dではないことに気がついて慌ててDにする。その結果急発進暴走となる。若い時から誤作動なんてしたことがないとの過信もあり悪循環となる。

Nは牽引するときだけの限定ですよと教習所の科目に入れるのが好ましい。

 更にシニアになれば身長が短くなる。若い時より足の位置が微妙に変わっているだろう。運動性も劣化してくる。 シニアにとって我が身を点検する意識が重要だ、しかし注意だけに頼った対策は万全ではない。 機械的に制御することが最終的に求められる。

 市販の装置がある。これはアクセル踏み込み加速度を読み取り、急なアクセルを踏んでも速度が抑制される仕組みとなっている。3万円程度の装置なのであるが、年金生活者が果たして取り付けるか疑問。クルマが本当に必要な地域には補助が必要かもしれないが、その地域自体が交付金で成り立っているのが多いだろうから、これも無理かも知れない。

 さて、冒頭の自動車に精通している人は面白いことを言った。

それはシニアはMT車に限定すべきであると。なるほどATはクリープ現象があり、エンジン停止機構がないクルマは徐々に動く。これに焦ったシニアはブレーキを強く踏むつもりがアクセルを踏むのだと。これがMT車であれば半クラッチから徐々にアクセルを踏まないと動かない。クラッチ操作を早くすればエンストして動かない。シニアが免許を取得した当時はMT車だったはず。。。。。非常に説得力がある。 

 つい、最近のIOT、自動運転、センサー、組込みCPU、5Gなど先端技術でカバーできないかを考えがちであるが、これよりクラッチは機構が簡単である。想定される危険は坂道発進。左脚が若い時のようには俊敏に動かない。なのでクラッチがかからず、坂道を下って後続のクルマに衝突するか、何度もエンストを起こして後続車の虐めの視線を浴びる程度だろう。でも、世の中全体にしたら許される程度と理解しよう。

 レベル2程度の自動運転の敵は睡魔。MT車での長距離運転では脚は疲労するが、減速でのエンジンブレーキの使用や追い越し加速時のシフトアップなど結構、身体を使うことの他に、如何にもクルマを御しているとの感覚はある。往年のクルマのフィーリングを思い出すのも良いのかもしれない。 レーン維持、併走車接近センサーなどはMT車であってもシニアには欲しい機能である。ナビ画面に運転が長くなると休憩を勧める画面に切り替わる。顔認証でドライバーの年齢など判定し、走行アドバイスができるなどは先端技術を利用しつつ、MT車の良いところも残すようなことができるなら有意義であると思う。

ATで免許を取った人も何れ老人になる。しかしながら、その時はレベル5になっていると信じましょう。

祝!令和元年 夢の創造を!

平成から令和にバトンタッチ。 ブラックホールの観察や探査機はやぶさ2が小惑星りゅうぐうにクレーターをつくり確認撮影に成功。iPS細胞が医療現場に応用がなされ始めた。3Dプリンターは歯科技工にあっという間に浸透してきた。遠隔医療に5G利用が始まるなど平成のラストスパートに素晴らしい科学の成果を見ることができた。

何れも技術を綿密に積み上げての成果ではあるが、大きな成功の基は何かと言えば「夢」をもって情熱を傾けた人間にある。

アインシュタインの計算でブラックホールが予言された。しかしながら観えない。観ることが夢として与えられた。地球・銀河系誕生の謎を解明したいとの夢があれば、資金、知恵者の協力が得られる。

 先日、研究仲間のセミナーで金属塑性加工技術開発50年で時代を切り開く技術を開発した人の話を聴くことができた。纏めとして、以下の様に述べている。 全くの同感なので少しだけモディファイして引用すると

    知恵のある者はのある人を使う

    のある者は知恵のある人を使う

    のある者はのある人を使う。  

トドのつまり、夢が必要。 夢があれば金のある人を動かし、知恵のある人を動かし、力を結集する。しかしながら綿密な夢の実現に向けて設計・企画・行動・説得などがことさら重要である。単なるパイプドリームではいけない。全体スケッチを描き、幾重にも色を重ねていく画家の作業と同じだろう。

思いつきに近い夢での起業や、人を動かせない事業では大成しないことを示唆するのだろう。

このブログでも何回も記載しているが、とかく技術者は機能性価値の向上があれば商品は売れると勘違いする。ある機能性で飛び抜けた技術を開発をしたから起業すると多くは失敗する。一方、営業はひと昔流行ったマーケットインを過信していては、今の製品開発の流れでは置いてきぼりを食いかねない。 製品・事業の意味的価値との複視線で見通した夢を描き提案することが重要であろう。それが出来ないと企業では使われる立場に押しやられてしまう。勿体ない人生でもある。

大きな夢は単一企業だけでは成立しないことが普通である。 1980年代の半導体LSIでは日本が最先端を走っていた。ほぼ世界を独占していた。これにはNEC、日立、富士通など四強がチーム一丸となって当時の米国一強からの次世代半導体戦争に備え、凌駕することで一致して当たった。

 高分子材料の分野でも同時期は欧米の巨大ケミカルカンパニーの開発力に対して日本のケミカル会社は規模が小さく、多数の会社が競争している状態であったが、先行き欧米の会社に市場を獲られることを懸念した有志がTPC研究会をセットし、各社の強者を集めセミナーを開催し、相互のレベルアップを図った。現在ポリマーアロイ化、ナノアロイ、複合材料などは世界の先端を走っている。応用として自動車、航空機、電子部品など多岐にわたって浸透している。

半導体の事例は経産省(当時は通産省)が仕掛け人に、高分子化学の事例はカリスマ研究者の夢が各社の研究者の共感を呼んで成立した。現在、半導体も高分子化学の両方で大型の夢を語る人材が枯渇している。

 令和元年にあたり、心機一転、大きな夢を語ろうではないか。

夢を創出できるか、元号が新しくなった今日の記念すべき日に「夢の創造」を考えることは新元号時代へのエネルギーの素になるのではないだろうか。

異方向磁気と異能リンク集団

渡り鳥は大丈夫? 伝書鳩は帰巣するだろうか? 唐突だが、5G時代では3~6GHz、28GHz,78GHzの周波数が割り当てられると聞いている。そうなると鳥は磁気センサーを利用して飛行コースを設定しているが、磁力線が一方向だけでなく縦横無尽に飛び交うことで混乱するのでは?と磁気学に疎い者同士の会話である。当たっているかどうかは、5Gが普及してから分かるので、もう少し先になるだろう。鯨やイルカの集団異常行動は潜水艦やソナーの影響もあるとの指摘があることを考えると満更100%間違いではないだろう。

 さて、その5Gになると大量の映像を瞬時に送信することが可能になる。先日のIOTM2M展では肝臓の手術や歯科支持台の作成を遠距離にいる机の上でメスやドリルを持って動かすと、手術現場では遅滞なく、その動作が行われる様を展示していた。筆者もトライしてみたが、その対応速度に驚いた。身近なところでも変化が起こりそうだ。例えば有料駐車場。踏み台を超えて駐車、精算時には止めた場所の番号をインプットして精算の流れであるが、これからは踏み台無しのETC精算に加え買い物割引きをカウントしたQRコード精算に留まらず、到着時間に変動があっても最適な駐車場を指定するようなシステムが目の前にきている。

 一方、冒頭の鳥の話に限らず磁気の乱れが発生すると、現代の特に5G時代では社会混乱が予想される。太陽風プラズマと空気中の種々の微粒子と反応して発色するオーロラ。北極圏が有名でその為のクルージングが人気である。オーロラは希に北海道でも観測記録がある。オーロラと磁気の乱れとの関係は正確に判明していない。学問的には追究して欲しいところであるが、素人判断では相関があると想定しておくのが賢明である。

 日本は地震・津波・火山爆発など記録が古文書に多く記載されている。地球科学の専門家は古文書とサイエンスを結びつけ研究している。オーロラに関して有名なのが「京都で大規模オーロラ」が明和7年(1770年)に発生したことが明月記に記載されている。

カラフルな図も見つかっている。後年、扇形に広がっているオーロラが計算で求められるパターンと一致していることも記録の正しさを証明している。僅か250年前の出来事。 (文献:極No.17 2018冬号7

 

この図は京都の東丸神社で発見されている。インバウンド観光客が一番多い京都伏見大社の入り口の右側に小さな祠がある。「あずままるさん」と親しまれている。特に受験シーズンとなると参拝客が急増する。決して賢くない小生を憂いたのであろう、父親に連れられて良くお参りをしたものだ。天神さんの牛を撫で、あずままるさんにお参りするパターン。その効果は?そこは神のぞ知る。

 古文書分野/サイエンスの異分野の結合で新しいものが見えてくる。記録が重要であるが、その前に好奇心がなによりも重要である。会社では効率を追求するあまり他分野に興味を示し斥候検討することは、あまり歓迎されていない。特に中央研究所なるものは深耕するには適しているが、他分野との交流を意識的にかき回さない限り出来ない人間集団。

 社長直轄の遊軍組織を有する会社の株価が上昇している。直面するビジネスの調子より、先の将来性を反映するのが株価。異能にして好奇心が旺盛で人に会うのが何より愉しい人々が活躍している。確固たる基礎ビジネスがあればこそであるが、規模に関わらず社外の異能集団とのコワークを進めている。そんな会社が何故か京都に集中している。

これからのビジネスは一方向だけでなく、XYZ A,Bの5軸に感度良好の経営が求められるのであろうとすると5Gが開く世界とも無縁ではない。

日本の生産性

桜一色から新緑を愛でる季節。愛すべき日本の風景。本当にありがたい。この季節になると昔は春闘・メーデーなど労働環境改善を求めて労使の協議の期間となった。特に安倍政権になってから、労働組合が賃上げを要求する風景が目の前から無くなり、政府が企業に最低賃金見直しや給与改善を要請している。経済の素人である小生から見るとエッ?と思う。合化労連、総評、ゼンセン同盟、連合などが春闘に活躍したが、死語になってしまったと小生には映る。政府主導にせざるのを得ないのは2%インフレターゲットに対して依然目標未達状態にあり、脱却の政策だと言われると なるほどと納得する。外国人を格安賃金で雇用することと、全体の経済をどう読むか、それこそ超大型コンピューターAIで計算がなされているのであろう。

しかしながらインプットする条件が正しいか、アルゴリズムは従来の人口増加と経済の関係を踏襲していないかどうか。インプットとして60万人もいる中高年の引き籠もり層や、障害をお持ちで就職ができない人、就職氷河期に卒業時期があってしまった層、スーパーのレジ係も自動精算方式に変更など、従来の職場から変更せざるを得ない主婦層のなどの活用を条件にいれているのか。人手不足を嘆き、即、外国人に依存するのは、将来の歪みを生ずるのではないかと思われる。

 英国がEUから離脱しようとしている原因の一つが外国人を無条件に受け入れ、過去から積み上げている社会福祉を入国と同時に利用できる権利を持つのはケシカランと思うのは素直な反応の結果だ。北アイルランドとの国境問題を英国離脱のポイントとして人質にとっているEUとの攻防は日本とは事情が違うが、英国が今後どのような方向に活路を見いだして行くのか参考になる。

GDPを国力の指標とするのは時代遅れではあるが、ざっくり人口増加率とGDP成長率は相関する。米国は人口増加、日本は人口減少し、2060年頃は8,5000万人程度と予想されている。今のドイツ並み。日本の現在は人口12億。マーケット規模があるので、輸出割合が少ないが、これが人口8,000万人になったらどうするか。デービット・アトキンスは近著「日本の勝算」で、人口減少+高齢者人口=強いデフレ圧力に作用する。その解決策として生産性を上げ、輸出比率を高めることであると論じている。

分野毎の生産性について米国及びドイツとの比較を作表した。

 この表を眺めていると、日本として何をしなければならないか、成長するネタが浮かんでくる。浮かんだら、どのようにするか?の5WHが描ける。

まだまだ、日本が頑張らざるをえないことが分かる。専門科学技術の点数が低い。但し特許出願件数、ノーベル賞は決して少なくない。評価点が低い理由は特許出願が企業の保険・防衛特許的性格が多く、攻めの知的財産が少ないことにあると小生の経験からのコメントである。ノーベル受賞をどのように大型育成企業にするか、あのiPS細胞の山中教授でも金策に走らざるをえなかったことに、縦割り行政の欠点をみることができる。

これらを解決する処方としてアトキンス氏は

*起業化精神・文化 

*過当競争しない ・無駄な脚の引っ張り合いをやめる。価格より品質が日本の特徴を生かせる

*女性の活用

*賃金の緩やかなアップで生産性向上投資をしない企業の尻を叩く

を挙げている。 同氏は、「日本人の優秀さこそ、日本の宝」と持ち上げているが、実質的に持ち上げるには大変だと驚くと共に、目標が分かればバカチカラと団結で頑張る日本人。やってやろうじゃないか。

新型たばこの功罪?

もし、吉田茂首相が葉巻たばこを燻らせなかったら、戦後処理の講和条約はスムーズに成立したであろうか? 英国紳士の佇まいを醸しだし相手を引き込むには葉巻は必要だったのだろう。葉巻を相互に交換して交渉が始まる。コミュニケーションには必要な道具だったと推測する。ただ、バカヤロー解散で有名な吉田茂が生存していたら、「バカヤロー!そんな外見のことより思考回路に葉巻たばこは有益なのだ!」と言うであろう。頭脳が冴える(今風で言えばドーパミンが出る)効果は確かにある。国内反対勢力には曲学阿世の徒として頑として譲らなかった。日本復活成長エンジンはたばこにあった?。愛煙家をヨイショするとしたら、このような想像を差し上げたい。

 それから69年。たばこの健康への影響が徐々に明らかになって嫌煙家が登場すると喫煙率は低下してきた。第二回東京オリンピックを迎える日本では受動喫煙に関わる法律が昨年成立し、努力から罰則のある義務への動きとなってきた。今どき、喫煙しながら歩く人を見かけると品性が疑わしい人とみるか、禁煙が決断できないビジネスマンではね~の評価がされるか、煙がこないように歩くコースを変える人もいる。電車で隣の席にニコチン臭が強いが来るとそっと立ち上がるご婦人も見かける。

それほど受動喫煙の害についての意識が浸透してきた。受動喫煙による病気を雑誌 治療(vol 101,No4.2019)から抜粋すると下記の通り。

1)     軽度の疾病では めまい、吐き気、頭痛、倦怠感、体調不良、うつ病、鼻炎、咳、気管支炎、狭心症、心房細動発作。。。。だとか、どこが軽度なのか。これって十分重度だ。

2)     中度(慢性受動喫煙症)では たばこアレルギー、アトピー皮膚炎、気管支喘息、糖尿病、メタボ、心筋梗塞、脳梗塞、閉塞性肺疾患、気胸、肺結核、肺炎、中耳炎、認知症、身体発育障害、注意欠陥多動性疾患、食物アレルギー、虫歯

3)     重症では、癌(肺、咽頭、副鼻腔、子宮頸、乳) くも膜下出血、脳梗塞、心筋梗塞、心臓突然死、肺気腫など。。。。

など。認識していなかった疾病もリストアップされており驚く。

 尚、ここで注意すべきは、煙だけではない! サードハンド・スモーキングがある。家具、壁、に付着したニコチン、タールやその他成分は半年経過しないと消滅しないともいわれており、家具などを指で触って経口喫煙の形になるので注意が必要だ。ホテルの喫煙ルーム価格はとびっきり高くして、13)の疾病税金に充てるのが宜しいかと(笑)

 そんな中、愛煙家の救世主になるか新型たばこが販売されている。加熱式と電子式がある。このうち電子式は国内では販売されていない。加熱式にも3種類あり、たばこ葉を直接加熱、エアロゾルをたばこ葉カプセルを通過させニコチンを吸入する方式がある。どのみち、ニコチンを吸入する。そこで燃焼と加熱方式で組成がどう違うのか調べた。(単位μg/1本)

気になる化学成分だけ抽出したが、ニコチンの量が加熱方式では50%~10%に低下している。また発癌誘起物質であるアセトン、ベンゼン、トルエン、アクロレインの濃度が低下している。一方、葉を直接加熱する方式やアエロジルでたばこ葉カプセルを通過させる方式ではグリセロールやプロピレングリコール濃度が高い。常温では安全な化合物だけに濃度が高くても問題はないと素人ではあるが考えられる。 専門家の中には加熱中に成分が変化する危険もあるから一概に言えないと主張する声もあるようだが、その主張には裏付けが必要だ。

 さて、 喫煙は頭脳が冴えることを上述した。これを具体的に説明した図があったので引用する。(文献同) 

 喫煙→脳→ニコチン受容体を刺激し大量のドーパミンを放出→幸福感、満足感→ニコチン量濃度低下→不安感・イライラ→喫煙 →スモークチェーン→中毒患者の完成

ここで、オカシイと思うのは加熱方式はニコチン量が少ないので、初めの冴えが少ないとしてもドーパミンの減少量も少ないのであるから不安感・イライラにならない筈だと。

思うに、喫煙を始めるときから加熱方式であれば中毒患者までは行くには喫煙回数が2倍以上必要だろう。だが、従来方式で喫煙してきた人は加熱方式で吸引したニコチンが少量であっても、トリガーとなって次のたばこを要求するようになる。ここが問題だろう。サンプル数は少ないが身の回りの加熱方式たばこを利用している人に聞くと、頻度はかえって増えた。物足りないのでたばこタイムが増えた。。。などの声があり納得した。

「中毒」にはアルコールもある。 現代ではスマホ中毒が追加されそう。スマホがなければ生きていけない人が増加。電車に乗ると約6~7割の人がスマホ操作。首がいつも下を向いていることから頸椎動脈圧迫による疾病が遠くない将来でてきそう。かくなる小生も予備軍。偉そうなことは言えない。現金支払い拒絶でスマホの○□△ペイのお店がでると、都会でも買い物難民となる。それこそ生きていけない。 

(ここで訂正:ブラインドサッカーのブログでANAが支援していることを記載しました。特定のチームを支援していることではなく協会を支援しています。誤解を生じたことをお詫びし訂正します。)