MMT(実験Ⅱ)

大阪造幣局の桜の通り抜けは今年はできない。残念だ。子供の頃、造幣局へ見学に行った。その時、子供心に造幣局で働く人は帰る時に身体検査があること。これは納得。だが分からなかったのは「お金が不足すれば印刷すればいいんじゃない?」と聞いても分かったような分からないような回答だったのを覚えている。

 日本は借金漬けにある。負債が1100兆円だ。こんな国はよそではないの声が強く国民にすり込まれてきた。だから増税だとして3%、5%、8% 10%と消費税がセットされてきた。国民の多くは年金や医療が崩壊したら大変だとして、しょうが無いとして従ってきた。 一方貸借対照表の左側に資産の項目があり、それとの差額は500~600兆円であり、負債額をオーバーに言い過ぎているとの識者もおられる。後者だと思いたい処だったが、そこに来てのコロナ禍である。

 自粛への金銭的手当として政府は数種類の緊急補正予算を国会通過させた。その財源は巨額の国債発行。その上限を従来の80兆円を撤廃して、無制限に買い取るとのこと。日銀が刷って市中銀行が購入し、それを日銀が買い取る。あれ? お金が不足したらお金を(見かけ上)刷ればよいのか。 子供の頃の疑問が浮かんでくる。経済音痴の典型的な頭のままである。 

それを理論的に組み立てたのがMMT(現代金融理論)。米国大統領民主党のバックボーンである経済学者が提唱。撤退したサンダースほどではないが、大きな政府論者のバイデン候補。ざっくり言えば国内で回るとの限定条件であるが、お金は刷って刷りまくってもインフレが起きなければ良い。 なんだ理論は難解だが結論は子供の頃の答えと同じじゃないか。

既に日本では1100兆円までMMT実験(そのⅠ)をやってきたとも言える。今回は一気の実験(Ⅱ)に相当する。

ひょっとすると、これだけだと景気の底支えするどころか、バブル再来もありうるようなバズーカ/キャノン砲。いずれにしても、倒産寸前の企業もECMO的処理で生き返る可能性はある。

 勿論ブレーキはインフレ、日本の場合は今の国債も対GP240%あるのに平気で、インフレ2%目標に異次元の金融緩和をしても到達しなかった。なので国債発行して260%になったとしてもインフレ幅は小さい可能性はある。普通の考え方では、日銀の国債金利見合いで市中銀行の購入ブレーキとなるので青天井とは行かない。 子供のころのぼんやり経済音痴からみると、今回の巨額な国債は何れ償還することなので、年金・医療保険の3割分に税金を投入しているのが限界になるのではないか? サラリーマン厚生年金や自由業の国民年金だけの70兆円で到底い賄えない。さりとて税金も国債償還に取られる。。。。とどの詰まり、年金額が少なくなるか、それとも75歳以上から受け取るようなことになるのどちらか。 年末から1月にかけてWOWOWで草刈正雄扮する総理が国家財政危機改革として年金医療費の福祉予算をゼロとする青山仁原作をドラマ化放映した。コロナ渦前に撮影されたにしては、妙に当たっている。ドラマの構成材料として「ディストピア」。(ユートピアの反対造語)も印象的だ。

年金を受け取って余命までの5年間を愉しく過ごしてくれ、ただ、定年後は現役時代に鍛えた腕で自前で稼ぎをしてくれ。 副業の勧めなる書籍が多く最近見られるのは、この前兆かも。

そうは言っても今回のコロナ不況でGDP落ち込みが30~40%だとしたら失業者300万人は出るだろうとの予測(高橋嘉悦大教授)からすると、副業に預かれるのは一握り。

なので、大きな政府でバラマキするよりは国も効率的な予算の使い方を工夫して欲しいものだ、その意味ではトランプ大統領の民間活用大型投資政策の方が今の日本が見習うことではないだろうか。国土交通省などの公民連携(PPP)が大きく成長することが期待される。

個人に視点を移すと。

日本の会社は採用の時は大きく文系、技術系に分けるが、係長、研究員から課長、主任研究員への昇格あたりから、文系、技術系の区別が曖昧になり、出世の早道としてジェネラル管理者を目指す技術系が多い。技術のエキスパートとして生きる道を選ぶ人は少ない。

問題は彼らは法経商の専門家ではない。中途半端。昨日までは技術用語を駆使しているかと思いきや、ROEを始め覚えたての経済用語を話すようになる。で、その答えは?となると、無いか調査会社に委託して答えを待っている。調査費用は馬鹿にはならない。そんな人を企業が雇用継続するには無理がある。まして腕がないので副業もできない。詰まりは大学と企業の関係を維持をする人事部の意地で持っているようなもの。それも限界。コロナ禍にもたらす能力重視賃金体系がソニーのみならず浸透していくと予想される。さて、何で生き延びるか?長期的な視点で考えることが企業も個人にも求められている。ROE重視の会社は長期視点は分かっていても、その前にROE対策として借入た返済に追われる。個人だけでは何が長期的にありうるネタなのか、その信頼性も不安だ。その時こそ仲間とのゆるい連結であるとすれば、今の自粛においてはTV会議等、自粛明けにではface to faceでの情報交換が頼りに今以上重要になる。

民間対症療法 スペイン風邪そして今

外出自粛対策として平凡社が粋な計らいで「流行性感冒」455頁を4月30日までの期間限定でオープンにした。スペイン風邪を取り上げている。前後の世界の疫病の歴史年表と日本の当時の厚労省の対応などが詳細記述されているので参考になる。スペイン風邪は1918〜1920。 友人の認識では、ウイルスによる疾病は当時、不可視の病毒とされ、電子顕微鏡でないと観えないスケール。時代的に同じ頃の野口英世氏の数々の功績も光学顕微鏡スケールの細菌レベル。今では漸く、ウイルス学、遺伝子学が認知されて来たが、当時は恐らく、不可視の病毒素があるとの医学的提唱でさえ、否定された時代であったのではと想われるとおこと。まして民間ではと。

時代は違えども、現在のコロナウイルス禍と事情はよく似ている。当時は世界大戦もあり、各国は通信規制があり、発生源がどこかも不明、スパニッシュ・インフルエンザ・パンデミー情報隠蔽がちの中、ウイルスのなんたるか不詳ゆえ、対処療法をせざるを得なかった。(尚、スペインの名称がついた疾病であるが、発症源はこの時も中国)

書籍から一文を引用する。

「予防及び治療に関しては報告少し。心身の疲労、寒湿中の曝露、栄養睡眠の不足等身体抵抗力の原体に関連すること大なるを以て成る可く之をさけ、居室の容積を大にし、各人の臥床を隔離し、食器を消毒し、咳嚏噴を注意し、異常あるものは直ちに入院加療せしめ、健康診断を必要とす。いまだ特殊な療法なし。凡て対症療法のみ。鴉片及び酒精をさけ、換気を十分にす。患者及び看護人共にマスクをかく可べし。」 (筆者注:鴉片とはアヘン)

如何ですか? 今の我々の常識になっていることばかりのみならず識者が発言している内容はスペイン風邪とそっくりです。尚、食器の消毒は食洗機が利用できる現在は大いに活用した方がよさそうです。また陽性かどうかは鼻の中から採取し、、、、肺炎合併症、、、、

これも同じ。英国のワクチンの開発が、、、、。

ただ、対症療法の中で出てこなかったのがある。それは「手洗い」である。今、手を一生懸命に洗うより、こまめに洗うのが重要と説得している。当時は知らなかった? そうではなく、既に日本人の常識になっていたからであるとの説がある。真偽の程を筆者は判定できない。ただ、日本書紀時代の疫病対策の一つとして、各地にある神社の「手洗い」が感染防止に役に立ったとの話もある。 湧き水での手洗い、口腔内洗浄は神にお参りするには必須マナーであるが、疫病対策の側面も否定はできない。

スペイン風邪で欧州では6割の人が亡くなり、中国でも1億2000万人が2500万人まで減少と日本のスペイン風邪で亡くなったのは人口6000万人中35万人(1回目ピークで25万人、2回目で10万人:死亡率は1回目が1.5%、2回目が5%) 今回の新型コロナウイルスが2回目があるのか現時点では分からないが、それにしても死亡率が欧州各国とは違うのは特筆される。今回の新型コロナウイルスについて、日本だけ罹病率が低い理由として各国はPCR検査数が少ないからだ、国内でも妙なマスコミも同様の主張をしているが、死亡者数がこのブログ作成時点で372人(感染者13,441)と圧倒的な少ない数字に検査数は理由にならないことは明白だ。

クラスター対策としては3密が効果大であるとほぼ証明できつつある現在だが、手洗いの重要性については常識の上にも新常識を重ねて実行することがポイントであろう。

具体的には京都大学の宮沢准教授(再生医科学研究所)が提唱する「新型コロナウイルスを100分の1に減らす作戦」 を紹介する。本来は著作権問題があろうかとは思うが、ウイルス禍を乗り切るために、(無断)拡散引用する。

*手を一生懸命に洗うよりこまめに洗う(15秒ほどの水洗いでも可)

*手洗い後にタオルについたウイルスは微量なためほぼ感染しない

*外出時はウエットティッシュで手を拭う

*1枚で拭いたあと、更に1枚で拭けばなお良い

*濡れた手ぬぐいをジップロックに3つぐらい入れて持ち歩いて拭く

*濡れ手ぬぐいについたウイルスは数時間経つとこわれるので気にしない

*帰宅時は手洗いだけでなく、蒸しタオルで顔を拭く

*帰宅後は風呂に直行するのがベスト

*トイレに行ったら蓋をしめてから水を流す(ウイルス拡散を防ぐ)

さて、外出自粛が5月7日に解禁になるかどうか、我々の意識が試されている。だが、日本人は日本書紀のころから、しなやかに疫病を克服してきた。今もこのDNAを日本人は引き継いでいる。誇りに思いつつ、しなやかに誠実にこの難病を克服しようではないか。

 

テレワークとポストコロナ

突然金沢の人から携帯に電話。「5分後にPCスカイプするから」。 以前はスマホのスカイプは利用したことがあったが、時間差と会話が途切れるので利用していなかった。Windows10にはソフトは入っているのでインストールは不要。でもどうやったら通じるのかドタバタ3分。漸くヘッドセットを被りスカイプ開始。相手の顔と声を確認。ホットする。PCスカイプの画質が良好なことに驚いた。従来なら横浜から金沢へ出張する場合は新横浜からひかりで米原へ、北陸線に乗り継ぎ金沢と実に3時間を要する。日帰りだとその繰り返し。工程・時間・費用を計算するまでもなくスカイプを利用するのは凄く合理的である。コロナ騒動により双方とも外出自粛で身動きできなくなったことで利用した。

海外著名人のセミナーをWEBを通じて参加をした。コスモサインでは4月14日のAidite第一回WEBセミナーを開催した。筆者も聴講。パスポート不要で長旅フライトも不要。いきなりセミナー会場に電子媒体で到着する。英語圏以外の参加者を意識してだろう、口調がゆっくりで簡潔な英文説明もあり分かり易いセミナーであった。FBでは都度参加者の質問も表示されるので、セミナー参加者は何にイイネだとか何の質問をしているのかを知る意味でも役に立った。第二回は4月17日に開催。これも聴取。なんだか無料で申し訳なく当該分野の先端情報を聴取することができる。 このような便利なツールとシステムを利用しつつ、ポストコロナの風景はどんなものだろうかと考えた。Aiditeセミナーは継続中。コスモサインはリアルセミナーを7月に予定しているので、予習としてWEBを観ることでリアルセミナーが充実すると思われる。

今回のコロナは語弊のある表現が許されれば、「第三の戦後」とも言うべき変化があると思われる。大手調査会社勤務の友人の専門家は「いや、そう簡単に日本人は変わりません。暫くすると元に戻ります」と言っていることから、日本は半分はそうかも知れない。だが、

世界の方が変化が大きいとなると、時間経過と共に日本も当然影響がある。アメリカファーストの米国が世界のリーダーたる地位が怪しくなるかも知れない。EUは今回は各国境を封鎖し医療格差が顕著となった。ドイツ一人勝ちが明確になり、あの一体感は何だったのか。その間隙をCが云々などの政治的な動きもあれば、COP26温暖化問題より重要な事は人類にとって優先事項は「生きること=医療の充実」が必要だと分かったことなどベース意識が変わった。経済全体もデフレ突入など専門家に任せて、身の回りのビジネス風景を考えると、これも光景が変わるだろう。まず、

① パソコンがおぼつかないオッサンは置いてきぼりになる。定年延長で残っても仕事らしい仕事にありつけないかも知れない。余程のパソコンを越える能力が評価されないと残ることができない。現役でも上司へのヨイショ調子持ちで地位を確保している管理職にとっては、仕事の成果が厳しく問われ居心地が悪い。夜遅くまで残業で頑張って「努力を評価してほしい」は過去のモノ。今どきヨイショはないだろうと思われるかも知れないが、結構その類いの生物は組織の中で棲息している。テレワークの洗礼で全ては「結果重視」となると役員と言えども首が安泰では無くなる。

従来の会議体では声の大きな人がとかくリードしていたが、テレワークでは画面は参加人数により画分されるので声だけでは説得できず、中身勝負になる。まだ参加呼び掛けられるだけでもマシ。呼ばれないこともあり得る。単なる声と顔の表情や手振り身振りだけでなく主張すべきポイントをフリップに書いて表現する人も出てこよう。

録画機能を活かせば、「あの時は・・・」と前言を翻すこともできない。いやはや従来型サラリーマンにとって拙いことになってきた。でも経営者はパレートの法則があるので、むやみに出来ない人を排除すると、生き残ったグループから出来ない人が出てくるので注意が必要。

テレワーク以外の影響として

②接待文化  1~2ヶ月夜の接待場所閉鎖に伴いストレスが溜まって再開と同時に利用が元に戻るか、それとも、米国のように夜はなく、ランチョンミーティングで済ますか。日米欧の同時TV会議の頻度が上がると日本時間帯で飲んではいられない。

③オフィス空きスペースが増える。 オフィス賃貸料見直し。逆に人気の都心オフィスに集中などオフィス間格差が生まれる

④交通網  鉄道・地方空港乗車率低下 インバウンド回復見合いだが、ビジネス客は減少。採算面問われる。レンタカー、シェアカーなど誰が利用したか分からないクルマを利用するには余程の衛生管理の徹底しているかで選択される。逆に簡易清浄装置があればヒットする。

⑤男物衣料の更なる不振。 スーツ・ワイシャツ・ネクタイ・鞄など使用頻度が少なくなる

⑥たばこは肺に気遣い益々減少

⑦現金から即時決済カード・スマホ決済に重点が移動。 清潔の癖がついたことから紙幣・コインにタッチしない。お店の人も触りたくない。

⑧ 事業再編

先端RDイノベーターを今以上に探し出し傘下に入れる動き。それに必要な資金のためにポートフォリオの見直しの結果、事業毎他社売却などが今以上に頻発するであろう。豊富な研究資金で身分安泰環境下での研究より、厳しい環境で研ぎ澄まされた研究の方が育て甲斐があることが今回のコロナウイルス製薬と期待されている富山化学と富士フイルムの関係にみることができる。

⑨ 学生進路・大学学部編成の変化

15年前は環境を冠につけた学科・学部は人気があった。でも卒業しても活かされる場は少ない。このコロナ騒動でいかに基礎が大事か分かった。医薬品開発といっても、量子化学・スパコンを駆使しての医薬分子設計、及び生体内活性の観察など広範な基礎研究が必要で、短時間でできる仕事ではない。有能な人材の集合体をマネジメントするパワーも当然必要。

これを機会に文科省も変化せざるを得ない。と思うが如何であろうか。

無形資産コメント(2)

ついに非常事態宣言が東京周辺、大阪周辺及び福岡に出された。内容はご承知の通り。宣言から1週間経過。潜伏期間14日なので、まだ効果を確認は出来ない。でも押さえ込みに期待したい。
日本より米国の感染者数・死者数は日本を遙かに超えた。では何故なのか?
BCG接種しなかった、マスク文化がない、手洗い励行がない、ティッシュもガサガサで鼻をかむときはハンカチ。なので、ハンカチが汚い。毎日風呂やシャワーを使わない。土足で部屋に入り、その上ベッドにも横になる風習がある。 (日本のホテルでベッド掛け布団の足側に帯がある。あれは土足対策であり、日本人には不要)。 靴に付着した塵埃を部屋に持ち込み、PM2.5汚染度が高く、湿度が低いのでウイルスはPM2.5に付着しエアゾルとして生き延びるなど好適環境にあるのだろう。 また、医療保険制度が充実していないので、多少体調が不良でも病院に行かないので重症化するなど、経済格差も原因として考えられる。

さて、無形資産のブログをアップしてから、先週は読者からの反響事例を取り上げた。果たして、この反響を更に深く掘り下げた人がいる。 「ケイレツ」の言葉に触発されたのであろう、ケイレツが垂直分業とすれば、米国企業(それもエクセレントカンパニー)は「水平分業」になるのは何故だろうと考えて、表を作成した。 実に好対照である。

冒頭の米国はなぜ感染者数と死者が多いのか?について、あれこれ考えらることを列挙して結論としてウイルス生存に都合はよさそうなのが米国だと論ずるのが帰納法的説明である。
これに対して、ウイルスのRNAと分子骨格は**であり、体内に入った場合の増殖のパターンは***であるから、このウイルスは多くの米国人がもっている***と反応しやすい。だから米国の方が感染者数と死者数が多いのだ。 これは演繹法の説明である。

日本は帰納法的論調になりやすい。それは小学校で読書感想文を見れば明らかで、作者の心理・心の襞を読み解く力に重きを置いている。欧米では学習到達度調査として自らの目標を達成し、自らの知識と可能性を発展させ、社会に参加するために、テキストを理解し、利用し、評価し、熟考し、取り組む力が読解力の基準としている。 演繹法に子供の頃から習熟しているのとは日本と好対照である。ビジネスとしては米国のやり方が優れている。日本は苦手ではなく訓練を受けていないだけ、そこで組織で対応せざるを得ない。 少人数からスタートするベンチャーはホラクラシーにならざるを得ない。始めはフラットな組織で自由闊達に自分のプロ技量を提供することで成長することを狙う。

初めから組織でないと動かない企業はたちまち資金面で立ち往生する。分かっているので逆説だがベンチャーが起こり難い。 閣僚も日本式で育っているので論理的な答弁ができる人は少ない。 論理的発想に習熟している役人に依存する大臣を幾度も見てきた。野党も論理よりも印象で追い詰めようと貴重な時間を費やしている。予算委員会でプラカードや委員長席にダイビングするなどして体を張っている姿を選挙区に届くように“頑張って”いた。野党が政権を取った時の国会を思いだした。エビデンスを基に論理的な質問を矢継ぎ早に出されて立ち往生していた。 野党といえどもPDCAをしたかったのであろうが、C(選挙チェック)で止ってAまで経験できなかった。健全な野党の存在があって成長できる機会を自ら放棄した。

一見関係なさそうなスポーツ分野においても日本人らしさが見られる。例えばサッカー。日本はゴール前で、玉回しをして自分でゴールネットを揺らすことをなかなかしない。和をもって尊しとする日本人DNAがここでも発揮される? 連帯責任もあり独走できないのであろうか。 陸上競技は個人力量に依存するが、短距離リレーは日本は得意である。100mで10秒を切るランナーは2名のみであるが、バトンタッチを工夫して戦う様はこの表のような民族の特異性が表れている。

話を戻して無形資産にはエクセレントカンパニーが多いの表現は逆であり、無形資産を増やした結果エクセレントカンパニーになったとの言い方があう。 有形資産の代表的機械装置にしてみても、発展途上国は先進国で利用している装置を導入すれば追いつくことが可能である。先行していた企業はレッドゾーンに突入する。 半導体、造船、鉄鋼などは発展途上国が人件費の安さで日本から奪って行った。

ベンチャーはホラクラシーにならざるを得ないが、既存の大企業でも今回の新型コロナウイルス騒動においてテレワーク、(セキュリティ問題も指摘されているが) スカイプ、TEAM会議などで従来の仕事のやり方が変わるチャンスでもある。TV会議では声の大きさイコール画面の大きさにはならない。人数分に画分される。発言は自動的に記録される。 議事録は電子ホワイトボードに纏められるシステムもある。
新型コロナウイルス騒動がもたらす良い面もあると考える。それが何か?を考えるには外出自粛を活かして考えようではないか。

 

無形資産ブログへのコメント(1)

新型コロナウイルス。強烈なパンチだから意識も直ぐアクションする。手洗いの頻度、駅前でのポケットティッシュは冬場の需要があるも受け取らない。下手にウイルスが付着していたら大変の意識。通常ならわざわざ配っているところまで近づいて行く人も結構いるのに。マスクは足らないのでリユース。使用後次亜塩素酸ナトリウムか二酸化塩素水を噴霧して屋外に干して紫外線をあてないと気が済まない。部屋の埃にウイルスが付着してはダメだと、暇な時間が増えたことで断捨離と徹底した掃除、窓開け頻度も増えた。 ハイタッチもグータッチもしない。袖タッチもしないで今は2m遠距離ジェスチャータッチ。まぁ意識は変わった。

それに対して、ジワジワと目に見えない変化率で変わったのが無形資産が有形資産を上回った経済を紹介した先週のブログ。 毎週水曜日にアップしているが、土曜日に読者からメールが届いた。日頃は多忙の人ではあるが、それでもブログに目を通す時間はあったことで、貴重なご意見を頂いた。

引用する。
「無形資産に早くから気が付いていた企業は米国に多いですね。コカコーラも古いですが、ちょくちょくエクセレントカンパニーに挙げられる3Mもその一つですよね。近年ではアップルですね。アセットを最小限にし、知的財産を持って、アウトソーシングにより時代の変化、ニーズに追従し易い様に身軽にしている。得意な技術、知的財産を上手く深耕拡大、飛地には決して行かず、機軸から離れずに、それでいて多角的に異分野、新分野に上手く展開して来ている様に想います。
強欲さを反映してか、短絡的思考のゴーンさんは有形資産を優先していましたね。部分最適を積み重ねても全体最適にはならない事を身をもって理解していなかったのでしょう。
日本企業は、相変わらず無形資産化が下手ですね。そもそも知的財産を、否、発明者を大事にしない傾向が未だ残っていると感じます。そう言う変わり者を異端児として排除する傾向さえありますね。未だに「士農工商」的価値観、村意識を引き摺っている様に想えてなりません。
一方で徐々に物作りからパソコンさえあれば出来るビジネスモデルに取り組む若い人達が増えて来ているのは、もはや物作りの国ではなくなったせいでしょうか?産業構造がグローバル化に伴い、随分と変わってしまいました。物事、行き過ぎれば、必ず揺り戻しがあります。
変わらぬもの、大事な事が何かを見つめながら生きて行く様に心掛ける必要があると感じる今日この頃です。」 と長文を頂きました。

ここで、実は先週のブログで記載しなかったことがある。それは日本のモノ作りにおいて「ケイレツ」がイノベーションには重要な役割を果たしていたということ。発明だけではモノ作りは不可能で、実際に製品となるには部分を積み重ねての全体最適化が必要だからである。これを実は系列・組み合わせがしていることに他ならない。ケイレツは悪の根源のように誤解して切り離した結果、Tier 1, 2, 3 のそれぞれが、路頭に迷うことになった。

今、米国で日本のケイレツを見直そうとの意見が出ているのを知っている。以前のケイレツの悪とするところは除去して新しいイノベーション融合体として様変わりすることを期待する。

「発明者を大事にしない。」 会社のインフラのお陰で発明したのだから報酬は会社の物の意識が未だに根強い。ベンチャー発明もあるが、共通して安い労賃・低報酬。 最も大きいのは日頃に好奇心をもち、他分野も専門家顔負けに議論できる技量をもち、そして実用化への企画マンと営業のセンスが問われる。逆コースもある。技術者でありながら営業センスで市場とタッチしているからネタが生まれる。「必要は発明の母」コースである。なので発明者が厳めしい顔つきと口調で人付き合いが下手だと、誰か奇特な人が拾って育てないと成功しない。誰かれの意見や声に耳を傾けながら「ああ、これならプロのあの人も巻き込もう」との人脈形成に長けた人だと自然発明も多く、レベルも高くなる。独り研究室で籠もっての発明は限界がある。物理数学の世界ではありえるが。
それにしても、発明者の処遇は日本ではおろそかである。会社では発明出願時に1万円前後、登録して5万円程度が支給される程度である。青色LEDの中村氏と日亜間の裁判以来、発明者への利益還元を実際にしている会社は出てきたものの実際は極々僅かである。 会社に属しないで発明した場合の発明の受け手からの報酬は知的財産の無知もあり更に悲惨なものである。メールにある士農工商の世界では技術=工と文系から低く見られている。

この発明分野において、新型コロナウイル級のショックは3Dプリンターである。実は日本人の発明なるものであるが、出願した後で審査請求をしないで米国に渡った。しなかったのには理由があるのだろう。米国はインフラの強みがあり、瞬く間に応用され、米国、イスラエル、ドイツの3強に3Dプリンターは制覇されてしまった。歯科技工を始め、航空機、自動車まで3Dプリンターが適用されようとしている。この大きなトレンドに日本は発明に対して冷たかったこともあり、海の底に沈んだ。 この揺り戻しをどうするか、筆者および仲間でこの問題を違う角度から攻めたいと考えている。

明るい話題がある。それは理化学研究所は頭脳集団である。今回の新型コロナウイルスでもスパコンと量子化学(分子軌道法)を駆使してウイルスRNAの分子形態を明らかにした。日頃の深耕技術が広く世界で利用されることが本質的な科学であり進歩となると確信しているからである。発足当時の理化研は事業化を種々進め理研7奉行とまで言われたことがある。その後やや学問の塔の色彩が強くなったが、今また民間との事業化にチカラを入れている。良い揺り戻しである。

無形資産

確定申告の準備に国税庁のHPをチェック。新型コロナウイルスの影響をうけて国税は納税猶予制度を設けたとある。但し、猶予条件は「担保物件があること」。これを見て15年前にR&D(研究開発会社)を立ち上げた時を思い出した。

まず、銀行口座開設窓口で

銀行員 「経理とか簿記をご理解されていますか? あのね基本はね、仕入れ原価があり、売値があり、その差額が大雑把な営業利益! 分かります??」

当方「はい分かります。」

銀行員「あなたの事業計画には仕入れに相当するものがない。これで事業と言えますか?」

当方「仕入れは知識と知恵・工夫などの無形資産の活用です」

銀行員「理解できません。無から有へ?そんなことありえない。基本はね、、、と繰り返す」

当方「シンクタンクの会社って存在しますけど、同じじゃないですか?」

銀行員「・・・・」「ともかくダメです」

当方 そうですか一週間後にまた来ます。

そして一週間後、身元を調べたのであろう支店長室で頭を下げられ通帳を渡された。無形資産しかない会社から融資を申し込まれても担保物件がない場合は融資できない。

無形資産はサンク(失敗すれば埋没・蒸発)して差し押さえができない。銀行に無形資産を評価する機能がない。引当金も積みました上で、自己資本率低下なんぞの危険を回避するのは当然である。当時の銀行は日本でのものづくり成長成功体験を海外で再現すべく主軸を移していた時だけになおさら、国内の無形でしがない会社を相手にはしている暇はない。そんな雰囲気だった。当方も銀行員であれば同じような対応をしただろう。

 そして一年後、国税の査察があった。普通は5年毎に査察があり初年度にあるのは珍しい。

査察官「決算報告書に理解不能な箇所があるので査察する。」

「基本的な簿記の知識が無いようですので、まず聞いて下さい。

基本はね。。。。。と銀行員と同じことを言う。

定型式にあてはまらないのは理解不能。官吏に式が違うと理解して貰うのは大変だった。あれこれ議論して漸く理解してもらったが、それまで5時間。これを岩盤というか、システムの硬直と言うべきか。最終的に査察官も「税制のあり方がR&Dの性格と合わないことが分かりました」で落着。

こんな風景が15年前の当たり前・常識だった。機械や原料など有形を購入し加工して製品とし販売して利益を出す。もしくは、製品を購買し小売りする商売、それが規模の大小に関わらず「事業であり会社」 。GDPは経済指標としては有効であった

 トフラーがポスト工業化として未来は非物質的なものが経済に重要だと指摘してから60年後の現在、目の前の実態を見て初めて、自分だけでなく日本が置いてきぼりされたと痛感する日が来るとは。

 今や無形資産が有形資産を上回っているのが現在の経済。その事例はマイクロソフト社。総資産のうち有形資産は4%、時価総額では1%である。有形もほとんどが現金で簿記でいう有形資産はコンピュータ、机の類い。稼ぎネタは頭脳の集約であるソフトやブランド力。コーラも配合リストの紙一枚だけの無形資産で稼いでいる。有形資産は世界各国のボトラーが製造設備として所有している。ボトラーは装置インフラの費用はかかるが、コーラ本体は無形資産で稼いでいるのだ。日本での高収益企業キーエンスも設計は自社であるが、製品製造をするのは外注で、有形資産は所有していない。この企業の年収は他を圧倒しているのは有名だ。さらにスケールが大きいのはGAFA。マイクロソフト、コーラ同様グローバルに無形資産を活用できる強みがある。有形資産では機械を設置した場所に限定されるが、無形は空間を飛び越えて収益を獲得する強みがある。

ここで無形資産について整理した表があるので引用する(ジョナサン・ハスケル著「無形資産が経済を支配する」東洋経済)

 

 

 

 

 

 

 

米国では既に無形資産が有形資産を超えている。中国や地中海地域は典型的な有形資産が主流で、イノベーションが浸透していない。筆者の感覚であるが、韓国は大型生産設備は最新機を日本から導入してスケールメリット活用コスト競争力で勝負してきたが、足下の研究開発は日本人のスカウトで対応するという、基礎力が低いこともあり無形資産としては小いとみる。

冒頭のベンチャー起業は無形資産での勝負であるが、それでも資金は必要。そこで銀行はみてくれないとなると投資家エクイティに依存した経営になる。ここで問題は短兵急の収益獲得となると見かけは5年程度の新規RD経費を抑制すれば達成可能でも、それ以上の年月には息切れしかねない。

また、無形資産は頭だけあれば可能との誤解を生みやすい。筆者の感覚で申し訳ないが、元南海ホークス(現ソフトバンク)の名監督「鶴岡親分」は「ゼニ(銭)はグラウンドに落ちている」が研究開発にも適用できると考え、その体験は多くあった。研究現場、市場の現場などフロントにタッチしていないと研究ネタも浮かばず、浮かんでも長期的研究としての価値、市場価値から乖離する。そこを考えることが無形資産資本主義ならこそ強く要求されるものと思う。

 新型コロナウイルス問題で理化研が薬効に向けての機作を続々発表している。これこそ無形資産である。理化研はこの研究成果を発表すると同時に世界の科学者、製薬メーカーに利用して欲しいとも。無形資産は利用されてこそ価値があると考える。航空機分野で特許に拘るあまり囲い込みで失敗したライト兄弟。ハイブリッド技術公開のトヨタ。違いはあきらかだ。さて、ナノサイズ企業の筆者の選択も迫られる。

 上述の書籍を読んで面白いと思ったのは都会と冨の偏在。 無形資産は相互シナジーで大きくなる。それは分かる。この著者は金持ちの隣に家を持ちたがるのも、これが一因であると述べている。都会は満員電車など不便極まりない、ましてコロナウイルス温床になりかねない。ただ、それを遙かに上回るだけの無形資産蓄積に好都合な条件がそろっている。SNSが5Gに移行し、インターネットがどれほど進歩してもだそうだ。これから有形から無形に向かう日本は都会集中は避けられないとも読める。

運の相乗作用

富士フィルムが新型コロナウイルス治療に有効な製薬を有しているとの報道は海外でも話題になっている。富士フィルムが社名から「写真」を削除したときバイオ研究所を小田原に近接する開成町にオープンした。当時、豪華なインフラから何が誕生するのかと富士フィルム城下町でさえ半分信じられない様子であった。今回は傘下の富山化学の製品ではあるが、これが大きな起爆剤となってRDへの投資が進む。優秀な研究員を引きつける魅力が増加したと思われる。あとから整理すると企業が成長するには大きなトレンドに乗り、先行逃げ切りが有利であると言える。バイオに舵を切ったが、まさか新型コロナウイルスがアシストするとは経営者ですら思わぬことだろう。 

 自動車といえば、生産台数=会社規模としてトヨタ>日産>ホンダ>マツダ>スバル>>>三菱の順と誰でも答える。昔は日産=トヨタの時代があったが、現在のグローバル生産台数はトヨタが900万台に対して日産は500万台の6割程度と圧倒的な差がついた。ホンダも500万台でもたもたするとホンダに抜かれる。これを営業利益でみるとトヨタの2兆5000億円に対して、2番目はホンダの7,300億円、次いで2000億円にスズキとスバルが続き、日産は0.8億円。 トヨタはスバル、スズキと提携しており更に盤石に対して日産は0.3億の三菱自動車と組んでいるのは対象的。合理化として人員削減と生産拠点の閉鎖が待ったなし。ホンダは研究所を統合することでサバイバル策をとっている。 

(参考 日経Automotive2019 1Q決算)

 

 

日産は「技術の日産」を標榜し、プリンス自動車を傘下に入れてフェアレディZやケンメリのスカイラインなど都会的センスデザインもあり人気があった。最近は三菱自動車のEV技術をさらに進化させてEVに主軸を置いている。皮肉なことにEV車への参入は自動車専門会社でなくても可能となり、CASEのテクノロジーが差配するようになった。テスラを始め、グーグルもクルマ試作はしている。ソニーはクルマ生産はしないものの自社CASE技術のクルマ実践モデルを発表している。(CASE:繋がる、自律走行、共有、電動)

 トヨタはニュー・グローバル・アーキテクチャー(TNGA)の適用率の高めつつ、得意の原価低減、グローバル生産による地域事情による凹凸を平準化できる態勢を構築した。今回の武漢で日産とホンダが影響が大きいのに比較してトヨタは中国にも拠点はあるが、世界全体でカバーしている。

運に運がつく。最近の原油価格は20ドル台。これもハイブリッドには追い風となっている。ディーゼルで不正した欧州は一気にEVに傾いたが現実は進展していないようだ。トヨタのハイブリッドの欧州比率は15%程度だが、今後は50%までに拡張すると情報あり。ハイブリッド車の開発当時の狙いはスポーツ車。決して初めからエコではなかった。ゼロヨンのスタートはEVがエンジンより勝り、ロングドライブにはエンジンが請け負う。ディーゼルは燃費が良くEU内ハイウエーをロングドライブできる。これをハイブリッドが置き換えるだけの理屈がある。

 さて、自動車も「写真フィルム」のような時代が来るのではないかとの危機感をもっているのがトヨタ社長。マンションの駐車場が空いている。スマホでタクシーは勿論、バスも来てくれるトライが都市で行われている。世界不況も大袈裟でなくなっている今日この頃、高価なクルマが本当に必要か、見栄でもっていないか?。東京一極集中のみならず、政令都市、中核都市へ人口が集中する時代におけるクルマの存在価値は加速度的に低下すると予想される。駐車場利用料金を高齢者増加となると医療費、介護費負担に回すこともあるだろう。

 多分、トヨタ社長はその場合に人の生活に役立つモノのみならず、役立つソフトを組み合わせた理想的空間がありうると考えたのだろう。裾野にモデル都市をこれからつくると発表している。トヨタが研究インフラの一部を裾野に設けたとき、町の雰囲気が普通とは違うとは思っていただけに、計画が具体化するのが楽しみだ。昨日NTTと共同検討すると発表があった。

 バイクから自動車そして航空機まで発展させたホンダのDNAにも大いに期待する。さて、日産、銀座から生まれ故郷の横浜に帰ってきた。悪運を禊ぎして心機一転頑張って欲しい。

 総括すると 「幸運には更なる運が相乗する。その準備が大事、怠ると不運が」

テレワーク功罪

新型コロナウイルスの影響で仕事のやり方に変化がでつつある。典型的なのは出張禁止措置。代わりにTV会議の利用が増えてきた。従来は海外との通信には利用する以外は、装置は一種のお飾り的な存在だった。これが国内でも活用されると、画面の乱れや固定焦点、マイクの性能など挙げれば欠点はあるものの、トータルすると「非常に便利」となる。TV会議を終えたところで、こちら側の人々とface to faceで会議の中身とこれからの方針などの意見交換をすると、意見の幅と深みが相当違うことがわかる。会議の目的と内容によって使い分けて行くのが現実的か。

事務所の応接室が利用禁止なので、申し訳ないが喫茶店をと指定してくる企業。喫茶店に行けばよく似たビジネスマンで空いている椅子を探すのに苦労。人口密度は企業の応接・会議室より高い矛盾。企業としての「やってます」的姿勢に呆れるが、実働部隊としてはネットでは埒があかない事案だけに、face to faceで事を進める必要がある。その事情はお互い様。

 研究所が閉鎖なので、サンプル受け取りは守衛さんとして下さいとの連絡。守衛さんから体温チェックを受け、アルコール消毒をしてから入門票に記入。でも研究所建屋とは別の小屋にサンプルが置いてあり受領。普通ならサンプルに関する生の技術情報交換をしつつ受け取ることで、技術的にも人的にも効果があった。でもこれが出来ない。

今回の負の影響はこちらが圧倒的に大きい。研究所でもシーズテーマは少々時間的余裕があるかも知れないが、他社とのコンペを展開中のテーマを抱えていると閉鎖は実験・確認が出来ないだけに厳しい。特に長期物性 例えば材料の繰り返し疲労特性、吸湿による材料変化、ヒート&クール試験、耐候性評価などは短期間でも3ヶ月、長いと3年もの間データーを蓄積している。

筆者の場合は大学の研究インフラを利用している。入試の季節になると大学は閉鎖となるが、当方には2年の吸湿状況をフォローするテーマがあるので、入試期間中のデーターは信用性がなく、前後のデーターで補正するしかない。今回、新型コロナウイルスで突然学長命令で1日閉鎖した。たった1日でどうにかなるモノではないが、大学としては「やってます」態度を見せることが重要だった。

 さて、多くのビジネスマンは自宅勤務を強いられている。ネットのセキュリティ問題もありパソコンの持ち出し、自宅での使用を禁止している企業が多いが、こうなるとどのような対策をしているのだろうか。自宅勤務も既に3週間。部屋のドアには「勤務中」の表示をして意識強くしているが、つい、キッチンでコーヒーを淹れたり、TVを瞬間点けたりと緊張感がやや欠けてくるのも事実。でも家族の監視の下では「会社での働き以上に見せる」必要がある。起床するや洗顔する前にパソコンを起動、そのまま仕事に突入。いつ朝食を摂ったのかも怪しげに、ずーっと仕事・仕事・仕事。 極端に言えば、就寝中に目が覚めるとパソコンの生活。働き方改革としては如何がるものか。通勤時間カット分はできるはず。。。。だが、そのテレワークの結果はコロナウイルス騒動沈静後に判定されるであろう。

飲み屋さんも人が減ってきた。最近はZoom Cluster で仲間同士でバーチャル飲み会参加、ゲーム参加のみならず、学会も開催がなされている。仕事の机やソファーで缶ビールを空ける。個食よりはずっとマシ。でも、これって若い人ならばこそ容易にスマホ・PC操作ができるからである。シニアも邪魔にならないように配慮しつつ参加しないと会社でも片隅に追いやられ、情報化社会でも参加することができず。世の中に自分の姿が見えない状況になってくるかも知れない。と思うと、自宅勤務をチャンスに変えて挑戦しなくては。

 先日、中小商社のご高齢の社長から至急合いたいので来て欲しいと電話。時間指定。行くのは気晴らしもありいいのだが通勤ピーク時。気持ちマスクの内側にさらにガーゼを追加し、伊達眼鏡を装着。至急とは何でもなく、過去と同じ案件で答えも繰り返し。この年齢で社会が見えていない。決算は悠長なことを言える立場ではないのにと。中堅社員とランチを共にしたところ、ズバリ懸念材料がゴロゴロ。ネットには挙げられない生情報は貴重だ。

 景気が落ち込むことで、いままで、違う分野だからと知らなくても良かった言葉を普通の人でも「常識」として持っていないと拙いことになってきた。 先日、ある社長との会話で「DESをやられそうなんだ。」と。そうデスかと相づちを打ったものの、売掛金の借金棒引きに近い株にスワップするのだろうとぼんやり考えた。ドイツ銀行のAT1債のオプション行使しないとかなんとか。。。ちんぷんかんぷんの話は他山の石ではなさそうだと理解しても、それって日本の銀行と日銀がドンドン金を市中にだしていることとどのような関係があるのだろうか?と理系・文系に限らず理解しないといけないのだろう。両方の話も共通しているのは自己資本を強化するか守るかであろうが、願わくば他社資本率を下げるための、貸し渋り、貸し剥がしの言葉はもう聞きたくない。

筆者が関係した企業ではROE数値がある基準を超えないと世界の投資家から見捨てられるとして、ポートフォーリオの精査と実行をした。他社に譲渡した事業が多くあった。しかしながら捨てられた?事業はその後大復活! 育て方に問題があったのだ。目の前のROEを満たすために物理的な処理は長期的には本当だろうか? 投資家はROEだけを見ているのはないはずと思いたい。思うに無形財産の蓄積量・質がこれからの投資基準になる。そのことは別の機会にブログを書く予定である。自由時間が増えた分は「常識人」に近づくためにも。

 何でも、表があれば裏がある。良い面を考えよう。その一つがご家庭での役割分担の変化の機会と考える。家事負担の割合いを増加・子供教育のフォローなど相方に依存させていたことを学ぶことで家庭が明るくなると考えるがどうだろう。 

COV-19撲滅兆候と活動

明るい話題が徐々に出始めた。その一つが「ダイヤモンドプリンセスで陽性患者を受け入れた神奈川県立足柄病院から快復3例の報告」があり、二つ目は横浜市大が感染評価簡易キッドを発表した。まさに「やるぞニッポン」。 まず一つ目は

COVID-19肺炎初期~中期にシクレソニド吸入を使用し改善した3

オルベスコ(帝人)気道の炎症を抑え、喘息による咳の発作などを予防する吸入薬を吸引させたところ、快復陰性になって、入院時は歩行はおろか倦怠感、食欲なし状態から歩行まで可能となった高齢者の事例を報告している。 富士フイルム富山化学のアビガンや欧米の2候補の評価と比較して素人には分かりかねるが、最後はサイエンスに期待があるまる。

二つ目の横浜市大の簡易キッドは「ELISA法とイムノクロマト法を用いて、新型コロナウイルス患者血清中に含まれる抗ウイルス抗体(IgG)の検出」法で測定器の外観は妊娠チェックとよく似ている。 原理は大学ジャーナル記事参照。

* ELISA 法(Enzyme-Linked Immuno Sorbent Assay): 抗原または抗体を使った免疫学的測定法の 1 つ。試料溶液中に含まれる目的の抗原または抗体を、 特異抗体あるいは抗原で捕捉し、酵素反応を利用して検出および定量を行う。 *イムノクロマト法: 抗原抗体反応と毛細管現象を応用した免疫測定試薬。簡単な操作で病原体などを目視で検出するこ とが可能であり、15分~30分で検出可能とのこと。

写真はSARS-Cov-2検出器 既にインフルエンザウイルスや妊娠診断などで実用化されている。

 

庶民の現場と医者・歯科医の現場では相当の差がある。歯科医の場合は腔内との接触及び洗浄飛沫との接触があるので、殺菌には更なる注意が必要である。国立感染症研究所と国立国際医療研究センターは3月5日は医療現場における洗浄方法について発表している。アルコール、次亜塩素酸ナトリウムでの洗浄も対象部位ごとに濃度を推奨している。これらは庶民レベルでも役にたつ

一方で、マスコミでは台湾政府のIT活用撲滅策が成功したのに対して日本は国際から非難されている。IT大臣はスマホができる理由で選任されたとかマスコミの口汚さには辟易する。 タレントと化した医師、厚労省OBなどコメントはいつも同じ。 そこで、発表されるデーターを違う視点で眺めたらどうだろうか。日経3月7日時点での世界各国別発症地図が掲載されている。

発症地の中国との交流度合い、距離、人口、人口密度、医療体制など複雑な関係があるので、一概には言えないことを前提にして、とりあえず、発症数と人口、発症数と人口密度のマップを作成した。

その図を眺めると、面白いことに気がつく。

中国、韓国、イラン、イタリアが人口見合いで突出している。次のゾーンが日本、ドイツ、フランス、米国、台湾などである。 えっ?台湾は抜群の対策で発症数が少ないのでは?と思いきや、人口見合いでは同じレベルにある。

人口が多いが発症数が少ないのは中国との関係を政治的に抑制しつつある国か南半球の国々。 

次に人口密度見合いでみると、台湾、シンガポール、香港が発症数が低いと分かる。中国系の人口が圧倒的に多いにも関わらずである。台湾はIT活用、シンガポールは不潔案件は罰金制度が効いているのかも、香港はなんといっても中国事情を熟知するだけに対策もできているのかもと推定。あくまでも推定。で、日本であるが、マスコミ大好きな欧州(ドイツ、フランス)と同等・若干低いレベルにある。決して非難されることではないと思うがどうだろう。

この図では中国が人口密度見合いで少ないように見えるが、中国が2段階で発症数の算出を変更したことも影響している。従来の算出法であれば、このゾーンの右にシフトしてほぼ、イラン、イタリア、韓国とよい相関が得られると見ている。 米国は日本との人的交流に制限をしていない。 米国と日本は人口見合い、人口密度見合いで同じゾーンに属している。日本が米国を排除しない理由は米国が日本を排除しないことに通じるのが当然である。

さて、これだけクラスター禁止、在宅勤務、外出抑制で不便極まりないが、愚痴を言ってもダメで、この機会を活かして何をするか? マスクなどは前回取り上げたのでここでは、以前とは変わったなぁと思うところを挙げてみた。

  • 読書が増えた。図書館が閉鎖なので、本屋か物流業で購入している。
  • 5S 整理・整頓する時間が増えたことと、塵埃にウイルス付着しているのでは?と疑うと掃除をせざるを得ない気分に。 寒くても窓開け頻度が増えた。 考えたら、テーブルや床の掃除はまめな方だが、壁、ドア、天井はあまりやっていないことに気がついた。

壁材、クロス布などは初期は帯電防止剤配合されていても、寿命で効能は消失している。でエアコンなどの風で壁材・クロスの表面は帯電しやすくなっている。ここが掃除のポイント。掃除用具を買ってこよう。

  • 出張禁止でTV会議利用が増加。
  • ミーティングの人数と時間のカット。 極端には1:1の面談、時間は従来1~2時間から30分程度に圧縮。 やってみると、それで十分であることに気がつく。

でも、短時間で終わらせることにチカラが入り、欧米タイプの結論ありきを冒頭に話す人がいると、厄介なことに、日本人の感情では?がつき、再ミーティングが必要となる。やはり、漫才でも客のこころを「つかみ」が大事なように、日本人の会議では潤滑油が必要だ。

⑤ 歩数が極端に減少。 昨年の筆者の年間平均は7777歩/日。2月~現在では5600歩/日。外出抑制もあるが、移動には電車利用をなるべく避けてクルマに切り替えたこともある。これでは体力維持とはならない。なんとしなくては。

⑥ パン屋で包装されていない陳列品は買わない。 今までも美味しそうなパンがあっても包装していないと見送っており、包装されている定番だけ買っていた。逆にむき身でも購入する人がおり、トングを利用する人の気が分からなかった。先日から横浜の名だたるパン屋さんは個別包装するようになった。 これで安心。

⑦ これが最も大きい変化として、医学分野の文献を読むようになった。コロナウイルスがどのようにして体内に入り込み、コピーを繰り返すのか、その機作を説明した文献を多く目にするようになった。

その他、学校が閉鎖された対策として、理化への関心を高めるためのFB(未来館チャンネル)もあり、これは大人にとっても有益な勉強材料である。 さすが日本だと大いに感心。

庶民の新型コロナウイルス対策

新型コロナウイルスが衰えない。発生地の武漢から特別機で引き上げた乗客900人のうちの罹患数から経済数学者の高橋洋一教授はサンプル数としては十分だとして15%が罹患すると予想している。12000万人では180万人が罹患することになる。三重県(県別22位)の人口に相当する。その12%が死に至ると18から2万人と、いずれも尋常な数である。治療インフラとのバランスから発症ピークをずらす必要がある。そこで政府は学校閉鎖策をとった。大型娯楽設備閉鎖、動物園閉鎖、図書館も事実上閉鎖、コンサート中止、デパートは時短。一方で実施するかどうかは地方自治体・区役所によりまちまちであるだけに現場は混乱している。現場から通信簿をどうするかと教育委員会に問い合わせしたら「わからない」と言った東京都。小学校と幼稚園が同じ土地にあり、小学校は閉鎖、幼稚園は開園とチグハグの声が聞こえている。責めることはできない、それほど撲滅に殺気だっていると解釈をしたい。

 スペイン風邪(これもウイルス)の時の人口6500万人に対して死者数が45万人(7)の過去がある。これと比較すると低い。その間に医学・観察技術・医療・医薬面での進歩及び水洗トイレなど生活環境が向上したと評価することができる。しかしながら防疫態勢となると大正時代のスペイン風邪とあまり変わらない。

庶民にできることは、マスクの着用、手洗い、うがい、部屋の換気、こまめな掃除、タオルの共有しないこと、食器の加熱乾燥処理、そして十分な食事と熟睡して体力温存に努める事ぐらいしかできない。言うは易く簡単ではない。個人的なことながら幾つかの風景を。

 *マスク

ウイルスのサイズは約01μm (1万分の1ミリ) なので不織布からなるマスクでは本来はウイルスは通過してしまう。咳や唾となって飛ぶ飛沫のサイズは大きいので、患者から発するウイルスをトラップするには適している。人と人の距離を2m以上が好ましいとしているのは、咳・唾のウイルス含有凝集体が落下する距離を指している。では防御ではマスクは役に立たないのかとなると別の意味がある。マスクや眼鏡で顔を覆っていると顔を手で触らない。この効果が大きい。本気でマスクで防止するには活性炭層を有する防塵マスクの利用だろう。それも品薄と聞けば理化学の濾過として利用している濾紙(目開きは6μ)を2枚重ねてマスクに挿入することだろう。

電車での着用率をみると90%。さすが日本。ただ、薄汚れているマスクも見る。毎日新品は無理だ。薬局、コンビニ、ワークマン どこもない。筆者が偶々見かけたマスク配布の行列に並んでみた。残念ながら一人前で完売。途中で受け取る心ない人に邪魔された。列を知らずに手にしたものの気づいて戻した良心的な人もいたことで吉とした。

 マスクの再利用は×~△である。どうしても再利用するにはアイロン(PP不織布なので)低温を掛ける、熱水蒸気噴射もお持ちならやるのもありか。もとよりこのブログで紹介した波長260290の深紫外LEDに30分以上照射させることでも可能とは思われるが、既存のウイルスでは確認されているが、今回の新型ウイルスでは確認されていないので、そこは自己責任。でも上述のようにウイルスはマスクの表面だけに付着している訳ではない。裏側や紐にも付着していることに注意すべきである。

 *ドア・エレベーターボタン

中国でエレベーターのボタン押しに爪楊枝や側にティッシュが置いてある風景が放送された。接触感染。これはどこに潜んでいるのか分からないから厄介である。手であけるドアに躊躇することがある。手以外の部位で押し開けてもウイルスが付着することは分かっているが、筆者も時々やっている。これを切っ掛けに小銭・紙幣からキャッシュレスに移行する可能性がある。手洗いが以前より丁寧になった。手洗いの方法では2年前にブログで記載したが、見落とし部位は親指の根本と手首。流水30秒意外と長く洗う必要がある。

 *アルコール消毒

アルコール消毒液もドラックストアで品不足となっている。品不足だからといってメタノールを使わないよう注意喚起される程である。日本薬方局消毒用エチルアルコールである。ただ、濃度高く、頻度高くするとアレルギー性の人は発疹、はれ、灼熱感がでるので、その場合は使用は控える。

*部屋の換気

窓が開かないビルが多い。その分換気しているのだろうが、ウイルスキャッチするだけのフィルターの後始末の仕方に注意が必要。従来の業務用可燃物だとすれば焼却前の保管・作業状態もチェックが必要だ。

超高層マンションは知らないが、一般マンションや戸建ては窓は開閉できるので、寒いといって開けないでいるとウイルスが漂う空気を吸い続けることになる。窓を開けても壁などの断熱材の熱で部屋の温度はそれほど下がらない。

着替えするときに窓から差し込む光で衣服から剥げ落ちる繊維微粉末を見ることがある。なかなか沈降しないで浮遊している。あれより細かいウイルスは長時間漂う。通勤電車は相変わらず満員を運んでいるが、今は姿を消したが6ドア車両の方が換気には好ましいのかも知れない。後の祭りではあるが。

余計な話をもう一つ、海のマイクロプラスチックで比率が高いのは繊維屑である。摩擦摩耗により剥げ落ちて水に流れて海。それにタイヤと道路の摩擦によるタイヤ屑。嘘だと思いの人がおられれば玄関フロアが黒ずんでいるのは、タイヤ屑が靴に付着している証拠。

*睡眠時間と水分供給

カリフォルニア大の報告では6時間以上の睡眠が必要とある。これが意外と難しい。仕事が頭にあると、つい起きて途中で仕事をやり始める。働き方改革のしわ寄せで、仕事が集中する人が出ている。会社は重要な人材のことに配慮すべきではなかろうか。

 さて、上に上げた事例は庶民ができる話である。ただ今回問題になったのは、国全体、地方自治体の動きの悪さと受け入れ設備の不足問題。

 ダイヤモンドプリンセス号の対策は本来は船籍のイギリスがすべきところ逃げた。運営会社のアメリカも特別機をだして自国民を米国に移送したが、これも責任を取ろうとしない。。検疫は厚労省の仕事だが、下船した人をフォローするのは地方自治体の保健所が原則である。下船前から神奈川県・横浜が対応する必要は基本はないのだが、目の前の大黒埠頭に停泊の船をみるとそれぞれの範囲がコンタミせざるを得なかったのだろう。それでは下船乗客をフォローするのが地方自治体だとして、病院数・病床は十分なのか、検査態勢は十分かと言うと現実は厳しい。その背景にあるのは地方自治体の経済的疲弊問題がある。 関東圏の住みたい都市ランキング1位は横浜。その経済健全度の指標である経常収支比率(80以下はセーフ)をみると3年連続の977%前後である。100を超えると財政破綻(倒産)扱いになる。隣の川崎市も同様。補助金と地方債で辛うじて賄っている歳入もこの比率が高いと地方債の発行が不可になる。それだけ、全国の地方自治体は綱渡りの行政をしていることになる。なので何年に1度の疫病が発生しても柔軟に対応するだけの医療設備やドクターなどインフラを維持できないお寒い状態なのだ。

時あたかも226日に東京・日野市が財政破綻声明を出した.。 経常収支比率が100を超えた。 日野といえば日野自動車の城下町で筆者も大きな仕事をさせて頂いた馴染みの都市である。コニカミノルタも存在している。まさか、破綻するとは思いもしなかった。相当の無駄遣いをしていたのだろう。

横浜市はいま財政破綻寸前。だからIR誘致をしていると理解したいが、みなとみらいを見下ろす超高層市役所ビルが完成間近であることを対比すると腑に落ちないところもある。

横浜港大黒桟橋に停泊しているダイヤモンドプリンセスが市政に頂門の一針を刺しているように筆者には思う。ともあれ、今は国難。結束して撲滅にあたろうではないか。