糖尿病&腸内フローラ話題

医者と弁護士を友人にもつとなにかと便利とか。高校の同期会が東京であり京都から医者の同窓生が駆けつけてくれた。司会の粋な計らいで折角だから講演をお願いしたところ、堅い話題ではなく、簡単なクイズ形式で○×をつけて解説するパターンで約30分。○×とはいえ学生時代の試験雰囲気をチョッピリ味わいながら和気藹々。高齢になると25%は罹病する糖尿病について13問。学生時代に先生の一ひねりした問題に往生したことを反映して、設問も一ひねり。うっかり引っかかるような設問に思わず笑い。さて折角だから著作権は同期のよしみで勘弁してもらい幾つか紹介する。

  • A男:糖尿病って遺伝だよね。B子;それは小さいときに発症する1型糖尿病だね
  • A男:やせと肥満で糖尿病に違いある?。B子:インスリンが出なくなるから同じ
  • A男:治療は同じようなものか? B子:インスリン分泌促進薬を使うのじゃない?
  • B子:肥満の人が治療したら痩せるのか? A男:血糖値が下がるので体重は減る

答えは××××

がイントロで、食事や運動に関する情報、腸内フローラの重要性など講演。とりあえずの乾杯をしてからの講演であったが、参加者から活発な質問があり盛り上がり。それを見越して講演者は補習のための資料を用意。最近では話題になり始めたフレイル、サルコペニアなども資料で紹介、日頃の生活習慣に関するアドバイスがあった。

ここで、糖尿病から一旦離れて、腸内フローラについて先月東京農工大の木村教授を中心とする研究チームが食用油と腸内細菌作用について有意義な研究成果を発表していた。食事に利用する食用油だけに気になってメモをしておいた。

テレビや医薬・健康食品メーカーのCMなどでお馴染みのオメガ不飽和脂肪酸。ω3は末端から炭素数を数えて3番目に不飽和結合(二重結合)を有する不飽和脂肪酸でナッツ油、リノレイン酸、DHAなど。ω6は炭素数6番目に二重結合の不飽和脂肪酸で菜種油(キャノラー油)、サラダ油(菜種・大豆など混合油)で日頃の食生活では圧倒的にω6を摂ることが多い。 ω3とω6の摂取バランスが崩れω6リッチになると組織炎症が起こることをマウス実験で確認されたとのこと。

文献のタイトルは「腸内細菌は食用油に含まれる多価不飽和脂肪酸を代謝することにより宿主の肥満を防ぐことを解明」 (日本の研究.com)(Nature Communication9月号掲載予定)

論文 Gut microbiota confers host resistance to obesity by metabolizing dietary polyunsaturated fatty acids

【要旨抜粋転載;腸内細菌が代謝により多価不飽和脂肪酸を(HYA:10-hydroxy-cis-12-octadecenoic acid)など新たな脂肪酸に変化させることで宿主のエネルギー代謝調節に関与し、食事によって誘導さえる肥満を改善する。】

腸内細菌が減少すると、この作用も制限され組織炎症が発症するとのことで、腸内細菌の量を調べると炎症すると減少することが認められるとのこと。

我々はお通じ改善意識でヨーグルトを摂ることが多いが、このメカニズムがマウスから人間に適用されるとそれ以上の価値になるだろう。今までの腸内フローラについて一般向けには善玉菌だの、悪玉菌だの、日和見菌だの分かったような、わからないような曖昧な説明ではなく、専門研究者からの明確にして簡潔な説明を期待したい。知識が曖昧だと過剰反応してしてあらぬ方向に引っ張られることは、最近の環境レジ袋有料化でもみるように木をみて森を見ず的な危険性がある。

腸内フローラの作用について、今回の発表のようなナルホドと納得する基礎研究は重要である。我々は理解した上で毎日の食生活で腸内フローラの栄養源にまで配慮しているかどうかを考え、またそれが食物繊維だとしたら最適化につながるために何ができるか。ナノテクノロジーが専門の化学者としても出番があるのではないかと考える。

この段階まで書いてきて、ふと、気がついたことがある。それはフレイルだとかサルコペニアだとか身体の劣化について定義して老人化の判断としている。でも、法人という「人」にもあてはまるのではないかと。そこでフレイルの5条件(3つ以上あればフレイル判定)を記載すると

(かっこ内は企業法人への読み替え)

  • 体重減少     (現業ビジネスがピークを越えて下り坂)
  • 主観的疲労感  (経営層の改善意識が現場と合わず空回りしての徒労感)
  • 活動量の減少  (営業の活動がルーチン。拡大のための活動をしていない)
  • 身体能力の減弱 (キャッシュフローが回らない))
  • 筋力(握力)の低下 (リストラなどカンフル剤は長期的に会社体力が減退する)

因みにサルコペニアの条件では歩行速度が≦80cm/秒であるが、スピード経営しないと市場から見放される。

まして小判やお仕立て券を貰って平気でいられるような会社は人工透析が必要だ。

台風19号と河川工事

台風19号の被害に遭われた方々に心よりお見舞い申し上げます。千曲川といえば穏やかな風景を思いますが、荒れ狂う濁流が堤防を破壊し氾濫するとは予想外のことでした。千葉、福島、宮城におかれては15号による被害の後片付けや修理も適わぬうちのダブルパンチには体力・気力の限界であろうと思います。

その一方で東京では地下神殿と称する巨大貯水構造体が機能したのであろうか水害の報告がなかった。例えば板橋区と和光市の境界を流れる白子川は過去何回も水害を出していたが、成増に3カ所の地下貯水構造体(トータル48万m3)を建設してあるから以前より安心だとの声があった。 東京には地下鉄が階層構造のクロス状態で走行している、最下層のホームから5階~6階で地上にでる駅もある。これらが冠水したら長期の都市機能が麻痺する。石原都政において地下神殿建設した。(トータル200万m3)、田中長野知事はダム無し宣言した。行政は結果責任であるだけに答えは明らかである。

ダムの必要性で議論があった八ッ場ダム(利根川流域)。貯水試験の準備中にたちまち豪雨で設定水位になったとの報道を受け、ダムが有効だったとの歓迎の声が多い。一方、ダムが無くても利根川では僅か17cmしか水位が上がらない筈だから不要だとの声もある。どのような計算か詳細知らないが、下流流域の居住者の精神的圧迫度は圧倒的に違うと思われる。

平成27年の鬼怒川氾濫を思い出す。盛岡を夕刻に出発して東京に戻る予定で東北自動車を走行していると、小雨から強雨に変わり、栃木インターから先は崖崩れで通行止め。高速を降りたものの国道も通行止め。夜間で視界不良の中、消防・地元自警団の方々が辻々で「この道は危ない」と教えてくれた。結局、ナビにない農道を“脳内ジャイロ”で地図を頭に描いて、この方向に行けば館林の筈だ!と複数の農道選びながら走行した。抜けて東京に戻ったとき鬼怒川が氾濫し常総市が浸水したことを知った。多分走行中の河川の水位は越水するほどではなかったが、精神的な圧迫を経験した。ダムは警戒警報、避難勧告に対して余裕をもって対応できることでも重要である。机の上の計算ではなく、住民の声を吸い上げることも必要であろう。ビジネスも同じである。

新横浜の日産スタジアムでは日本―スコットランドのラグビーの試合開催が台風で懸念された。試合が行われないと引き分けで自動的にスコットランドは敗退するとあって、スコットランドとして日程や場所を変更してでも開催を要望した。要望すること自体がルール違反ではあるが、スコットランドの関係者も経験をしたことのない豪雨となれば、試合開催は無理と判断したのにも同情する。自動で予選通過できる日本ですら喜んではいなかった。実際は見事に会場が整備され、ラグビーを楽しむことができた。

筆者は正直なところ心配半分・半分できるだろうと思っていた。心配というのは日産スタジアムのある新横浜・小机地区は暴れ川の鶴見川により水害を度々だしていた地域である。 (図:日産スタジアム付近のハザードマップ)

隣を流れる多摩川について今回も氾濫・堤防決壊が放映されている。その鶴見川なので暴れても不思議ではない。が、しかし安心材料として日産スタジアムを含む地区は巨大な遊水池設備ができており、日産スタジアムの地下及び1階は巨大貯水構造になっている。即ち、芝生で覆われたグラウンドは2階の屋上にあたる。ラグビー選手が足下を取られることなくプレーでき、観衆は凄い試合展開に興奮に沸いた。地下に溜まっているであろう水もその観衆の歓喜の声で振動し祝福していたであろう。勿論、グラウンド整備に携わった方々の努力にも感謝。

日本は台風銀座にあたり、急峻な山から海までの距離が短い地形を踏まえるとダムの設置や河川改修工事費が高くなることは仕方がないが、安心・命との引き換えならば納得だ。景観に拘るあまり大迷惑をかけた事例が今回もあった。

堤防の材質としては土砂盛土は容易に崩される。さりとてコンクリートも案外多孔質で長時間の圧力がかかると水は浸透する。もとよりコンクリートを混和するときに界面活性剤を配合することがある。生コンの流動性改良である。このことも水と馴染みが良いので水は浸透し易くなる。なので、コストは高くなるが、撥水性のある樹脂をセメントの親和性のある改質処理をして配合するのもありだと思われる。コンクリート建造物にはポリビニルアルコール繊維やポリプロピレン繊維がコンクリートの靱性を高めるために配合する事例があるが、河川護岸に利用することもあろうかと思う。

また堤防の形状は越水した濁流は恐らく反対側で渦巻き流により堤防の足下から中盤を崩す作用をするので、スーパー堤防が提案されているが裾が長いので適用は容易でない。当然ながら航空機、車両などの航空力学をも参考に計算された形状だろうが、魚・鳥や虫の自然生物の形状にヒントがあるのかも知れない。新幹線の先頭車両をカモノハシを参考にしたが、それも近々引退し、次の形に移行しているように常に見直しがあるように。

治水は文字通り河川をおさめる意であるが、「治」には「先」の意味もあると見たことがある。(素人解釈だが)先憂後楽にも通じるのだろう。

ぶらりバイオ展&すずかけ台

忙中閑ありならまだしも、知恵がなくて困っているミッションに対して遅々状況のなか、分野が全く違う世界を覗く好奇心だけはあるので、横浜パシフィコで開催のバイオ・再生医療展、及び長津田すずかけ台にある東工大科学技術創成研究院に行ってみた。

 バイオはまさに花盛りで熱を帯びていた。ユーグレナからジェット燃料をANAに搭載すると発表あれば、他の企業は別の種でJALにと競争意識が高い。お馴染みの糖からの誘導体から最終的に合成樹脂を製造するプロセスの紹介など。説明員の話をきいた。だが、誰一人として、この製品を得るためのトータルエネルギーについて説明できる人はいなかった。

(無理してジェット機にしなくてもプロペラ機なら80%削減でき、各駅停車も可能でエコ割引きゆっくり観光巡りも悪くないと思いつつ)

 製造過程とは例えば、鉱山でマイニングや植物を栽培するための野生林を伐採するエネルギー、水を利用するためのエネルギ、運搬するエネルギー、前処理するエネルギー、そして最後の合成反応に使用するエネルギー、廃棄処分エネルギーなどの累積エネルギーが計算できていない。その計算だけでも学問になる程ではあるが、現在では環境を語るには必須ワード要項となっている。

 最近ではEV車よりエンジンが速攻環境改善に貢献するとあって、エンジン改善に回帰している原因は油田から車輪までのトータルLCA(ライフサイクルアセスメント)にある。勿論EVもリチウム電池の進歩によりLCAが改善されると様子は転換することはある。但し、現在ではガソリン、HEVあたりが環境に好適である。そこはEVのブームもありながら、地道にエンジン効率アップを追求してきた日本自動車メーカーの底力が発揮できるはずであり実績もある。

 政府系研究センターからは医薬向け植物工場の提案があり、投資額と変動費などを聞けば、そんなこと考えたことありません。考える必要が組織上ないのです。。。。と答えられて口があんぐり。千葉大が大型投資した植物工場が倒産したことを知っていたなら採算性は考慮するだろうに。 

次に向かったのが東工大すずかけキャンパス。大隅教授がノーベル賞を受賞されたキャンパスである。今もG棟の入り口には「ノーベル賞お祝い」パネルがある。研究組織が再編され、科学技術創成研究院となって、成果の一部を講演、セミナー、パネルで紹介、さらに研究室見学が許されている。3回目の参加。すずかけ台はとにかく広いキャンパス。それも山を崩していないので、アップダウンがあり、トンネルありで、研究棟間の移動がままならない。

例年は案内が出ていたが、今回はない。そんな不親切なぁ?と思いきや、なんとスマホにアクセスすれば、現在地から次に知りたい会場、研究室へのルートが示される仕組みになっている。Z世代ならサッサと気がついて、サクサク指を動かすところだが、中高年はパンフのキャンパス図をじぃ~っと眺め、意を決して歩き始める。冗談ではなく、延々と階段を上って、会場でない場合は悲劇なのだ。

講演では本村教授のAIチップの研究動向と東工大の戦略について、及び大場教授の先進計算機科学とマテリアルズインフォマティクスがもたらす無機材料研究の新展開の2講演。

前者は全くの門外漢であるが、最近のAI翻訳に見られるようなAIチップの性能アップの限界をいかにブレークスルーするのか。について45分のご講演。講演を聞く前のイメージとは違って、ぼんやり脳にも少しだけ理解することができた。また、海外は政府丸抱えで巨額の資金で開発競争をしているのに対し、日本では東工大を中心としたグループが少ない予算で強豪と戦っていることが分かった。これを育てればノーベル賞級だと感じた。

次の講演は超大型計算機を利用して結晶格子の中に異種元素を挿入を計算上行った場合の半導体が成立するか否かの計算と実際の半導体を合成することの発表があった。当方は有機化合物での計算機科学には少しの理解と利用したことがあるので、素直に学ぶことができた。この計算における工夫と合成を実験で確認した院生・学生のレベルが高いことは勿論である。

研究室訪問では最も身近に感じたのは先進メカノデバイス。金属、セラミックの精密切削、ナノオーダーでの位置決めなど、機械加工、歯科医療など我々の関係する分野だけに親しみを感じた。

さて、東工大の講演会や研究室訪問で気がついたことは、プレゼンの仕方が上手い。洗練されていることである。比較としてJSTでの各大学での技術連絡会でのプレゼンに比べるとコアの聴衆が聴きたいことを明確にかつ、分からない人向けにでも丁寧に説明していることである。比較にあげられたJSTは発表が20分と圧倒的に短いが、それでも上手い先生がおられる。JSTでは講演の後で名刺交換と個別相談がセットになっている。上手い先生なら引き出しが多くありそうだから、直接講演された案件以外でも可能性ありそうだ。。。と考えて個別相談するケースがある。何のための講演なのかを良くわかっている先生若しくは事務局のセンスの違いだろうと思われる。 だが、パワーポイントに頼り過ぎ感があり、飽きられているのも事実。そうなると、別のタレント性が要求される。いやはや大変だ。

ネーミングとの乖離

近くの小学校校庭で保育園の運動会が開かれた。親戚の2歳の子が運動会デビューするとあって見に行った。開会は年長さんグループのマーチングバンドからスタート。三歳からピアノなど楽器を習っていることもあるのだろう、ピアニカもなかなかのレベル。次の体操では米津玄帥のパプリカに合わせたダンスが披露。おやおや保育園の音楽も随分J-POP化したものだ。先生の趣味なのか、このリズムでないと退屈して乗ってこない子供の日頃の音楽環境なのか??と時代隔世の感ありだなあと眺めてた。組み立て体操。今の小学校では避ける種目だが、ピラミッド4基完成。観衆の大きな拍手を受けた。さて、次は親子ダンス。音楽はなんだろうと思っていたら、誰でも一回は聴いたことがあるマリーゴールド。「麦わらの帽子の君が揺れたマリーゴールドに似ている。あれは空がまだ青い夏のこと、懐かしいと笑えたあの日の恋、、、」作詞作曲はあいみょん。正直なところ曲は知っていても作者の名前までは知らなかった。アニメ歌手だろう?と思っていた。

FBにズバリ、J-POPを聴いたオッサンの脳内はあいみょんはアニメの主人公をイメージしていると図星な指摘。はい、その通りですと。ついでに言えばLemonが有名で曲はオッサンでも知っているが、米津玄帥の名前とは脳内でイメージと一致しない。なんとなく江戸時代の漢学者か杉田玄白か浪曲師のような古色蒼然としたイメージ。この人がLemonやパプリカとは!。横浜関内地下街にフリーで弾けるピアノがあり、このLemonが流れると中高生が素直に反応している。その姿を見て、こちらが驚く。このブログをご愛読して頂いている方々の中にも同様な思いをされているのではないかと思いますが、如何でしょうか。

 徒競走に順番をつけないものと聞いていたが、シッカリ1~4位まで順位をつけてメダルを授与。それよりも先生は慣れているのだが、スタートラインに子供の名前を呼んで並ばせるが、よその親が聞いて、さてどんな漢字なのだろうと考える命名された子供がいた。子供に選択権はないが。

 さて、運動会だけの紹介が長すぎた。レールチェンジして二酸化炭素の名前と効用について。

人に覚えて貰うには簡単な短い名前が良いとあって、政治家の名前は短い。麻生太郎、河野太郎、中山太郎、山田太郎、山本太郎。。。太郎だけでも結構政治家がいる。政治信条は違うのは当然。正反対のもこの中に存在する。

一方、不幸な名前をつけられたのもある。温暖化ガス。温暖化ガスイコール二酸化炭素と多くの人が認識している。環境の諸悪の根源のように言われている。これだけ悪者扱いされると少しは二酸化炭素の味方もしたくなる。前のブログにも記載したが、二酸化炭素があればこそ、地球の防寒着として、大陽からの強烈な低波長UV照射も遮蔽し、放射能物資自然発生の抑制の役目をしている。それどころか、植物の餌となって炭素を固定化する重要な役名を果たしている。温暖化に関連しそうだが、二酸化炭素よりメタンガスが温暖化に影響が大きいと言われているが、それは情報として伝わらない。二酸化炭素は海中に溶解するが、メタンは溶解しないので、空気中に存在する。二酸化炭素だけを悪者扱いするのは可愛そうだ。 One issue One solutionはその他に歪みを生みやすい。 せめて、バイオ(植物)の素程度には認識しても良さそうだ。

 一般的に知られていない二酸化炭素の利用の仕方に「熱可塑性樹脂の射出成形におけるヒケ防止、ウエルド部外観改良、成形流動性の改良による樹脂溶融温度の低下による省エネルギー成形がある」「超臨界射出成形」である。米国ベンチャーの発明であるが、たちまち世界に広がった技術である。ポリスチレンなど芳香族環を有する樹脂は二酸化炭素を、ポリプロなどは窒素ガスを射出成形のシリンダーから僅かに注入することで、上記の品質改良がなされている。(日本製鋼所Mucell)。技術紹介はDJK 資料https://www.djklab.com/parts/support/pdf/mucell-3.pdfを参照願いたい

 図1は相図。

温度と圧力により固体・液体・蒸気・気体と形を変えるが、ある臨界点から上の領域では液体でも気体でもない状態となる。例えば二酸化炭素がポリスチレンの溶融体に容易にあたかも液体のように浸透し(実際は気体の性質もあるので)粘度が低下する。その状態で金型に注入されると流動性が高いことから製品末端まで流動し、金型内では臨界点以下の気体となって発泡する。これにより、微発泡成形体となるか、and/or 溶融から固化するときの体積収縮をカバーすることでヒケが防止される仕組みである。

日本ではCAEの技術及び金型設計・製造の技術が進んでいることから、超臨界射出成形に頼らなくても目的を達することは可能であるが、逆にそれが裏目となって、それらの技術がない国ではサッサと導入したのが実態である。

クリエーティブ創出・働き方改革・ラグビー活躍

日本が成長するにはも二番煎じの灯台主義は成立しない。先行会社が成功している、ならば後から人・金でもって絨毯爆撃で市場を奪う方式(今の中国)は日本では通用しない。残念ながら今の日本で開発と称しているのは一部の例外は除いて、安全運転。やることは先輩の築いた技術の詰めと製造法の合理化。規模が大きい程、当面の金銭的効果は大きい。だから、下手に明日を担うには新開発だとして挑戦した人物がいたとしたら成功率は1%程度なので、出世街道から置いてきぼりを食う。合理化で具体的な成果を出す方が会社に見かけ上貢献している。合理化なら、どのセクションでも共通するから、人事異動でいろんな職場を経験した上で、部長・役員への登用となる。自己資本率をクリヤーすることが会社への投資対象となると、何が何でも手っ取り早い合理化に集中した。でも、それもネタが尽きた。さてどうするか? 落ち穂拾い的小さな改善的テーマをするしか手がない会社が相当あるのが現実だ。

何も技術・製造に限った話ではない。過去の取り次ぎ系列を重視しておれば、商品は捌けた。決して、市場の本音が伝わらなくても、当面のビジネスには、維持がまず求められる。下手に敵側に商社が回すようなことはできない。ゴルフ、夜の付き合いは営業部門にとっては重要である。

でも、今になってみれば何れも滑稽である。会社ができて3年目なのにECで営業規模が急成長しているのは多い。ただ、EC業者の中には金儲けした途端、会社を放棄し社員を大事にしないワガママなトップは経営者とは言わない。

さて、日本を救うのはクリエーティブな人材登用の重視。言葉を換えればプロフェッショナル。

急に態勢を切り替えるには、相当の覚悟が必要だ。まずクリエーティブ性が高い新規ビジネスが成功する割合が低い。成功率が低いなら、最低以下の開発費で実施するなら認めるとの意識がどうしても抜けない。手足を縛って、新規ビジネスの分野で泳ぐように命令しているようなものだ。本当のプロならアマ、セミプロとは破格の予算をつけてやらせるトップの力量が試される。

ではプロと認定された人材は自由に活動できるか?と言えば、これも最近ややこしい問題が出てきた。働き方改革である。部下をもってチームで新規開発に取り組んでも、勤務時間の制約で帰宅させねばならぬ。その穴埋めはチームリーダーの負担になる。さらに、部下のパソコンは会社で休日はブロックされ、アクセスできない。部下に限らず、ユーザーとのメール返信も月曜日と暢気なことで、効率が高いことを目的に働き方改革を実施したものの、それでも実績を維持しているとしたら、どこかに歪みを蓄積しているはずだ。

では、仕事を外注にだすと、どうなるか。その会社も当然だが働き方改革。従来なら1日で仕事が出来たが、2日必要。一日の単価は従来と同じなので、外注費は2倍となる。以前なら2時間の残業で処理していたものが、就業時間にキッチリ決められると2日を要す。

この会社のプロは仕事中に発見があると、これは面白い現象だから予定にはないが追求しましょうと相談があり、当方もその反応が嬉しかったものだ。それが今は、、、、、。

これは両社にとって不幸なことに、ついで大袈裟かも知れないが日本の損失になると思われる。

これと対極にあるのが学生(卒論・修論)での実験。成果が求められるよりは、サイエンスの深遠さを学ぶことで、その後の学者や企業の重要な技術者への育成に目的にある。

化学実験は装置の自製にはじまり、反応が1日どころか3日に亘ることもある。会社ならシフトを組み分担するところだが、学生はそうはいかない。研究室に寝袋・生活用品を持ち込み、只ひたすら、観察と処理を行う。暇な時は文献を読むことを余儀なくされる。あの時の情熱が会社でも出来たら良いがなぁ。。と思うことがしばしばある。

いろいろな意見があると思いますが、会社でプロと認められる人は雇用延長の枠ではなく、勤務時間の制約なくプロの仕事とはこのようなモノだと若い人を納得させるようなシステムがあればと思う。技術も営業もプロならば年齢に関係なく給与体系にするのは勿論だ。

メザシの土光(元経団連会長)さんは閉塞日本を突き破った型破りの経営者だった。彼の残した言葉は今見直しても良いと思う。なぜなら、それと同じようなことを外国人コーチに教えられ、愚直にその指導に従い、更にチームとして工夫を加えたジャパン・ラグビーの大活躍である。言うまでも無く、働き方改革で果たしてなしえたか? 説明を待たない。

ず~っと集中させてはブラック企業になるが、どこかの時点で集中て突き抜けた経験をした人は強い。オーラを感ずるものだ。

土光さんの言葉で筆者が唯一付け加えた言葉がある。

「知恵なきもの汗を出せ、それも無ければ愛嬌でカバーしろ」

成功する人は「知恵があり、汗もかき、愛嬌もある」の条件を満たしていることになる。その人を身近に知っているだけでも大いに幸せになるものだ。

土光敏夫の言葉http://www.g-rexjapan.co.jp/ishikawahironobu/archives/2476

「知恵出せ、出ないものは汗をかけ、それができなければ去れ!」

「これから期待される社員は変化に挑戦しうる人だ」

「成功は次の成功の呼び水に、失敗は次の成功の足がかりに」

「仕事に節あり。朝行ったときに一日やるべきことが決まっている、それを全てやりきって帰宅することだ」

「あるべき姿をみて日々真剣にどうしたら近づくか」

「経済は経世済民でしょう。それからはずれたらいかん」

「ぐずぐずしちゃいかん。60点ですぐ進めるんだ!」

「スピードは命だ!忘れるな」

「毎日、一生懸命やってみる、僕はこれしかできない」

 

ガラスは液体?。樹脂高速切削とガラス転移点

いきなり、ガラスは固体ですか?それとも液体ですか? と問われると「硬いので固体」「いや、そのような質問されるからには逆の液体だろう」と両方の返事が返ってくる。

 以前なら、ガラスは液体!これが正解だった。ガラスは酸化ケイ素が結合した化合物であり、溶融状態から冷却されてガラス板やガラス瓶になる。冷却過程で溶融ガラスの粘度が極端に高くなって分子がちょっとやそっとでは動かない状態になって“留まっているような状態”。

 酸化ケイ素自身が剛直で、そのネットワークなので液体といえども剛直で透明な性質を利用して、製品として利用している。 ガラス本人にとっては何万年の間にジワジワと流動を継続するつもりなので、その意味ではガラスは液体である。 

ガラスに限らず、金属や樹脂にも溶融状態から冷却によりあたかもガラスのように分子の動きが制約されて硬くなる温度領域があり、その温度をガラス転移点と言う。PET容器に熱水を注がないように注意書きがあるが、一般的にガラス転移温度が65℃付近にあり、この温度以上のPET分子はあたかも液体のような動きになる(ゴム領域)ので容器として形状維持ができないことを示している。 

ポリカーボネート樹脂は自動車ヘッドライトやDVDなど寸法精度がよく透明性があるが、それもガラス転移点温度が145℃と高く、通常の温度領域ではガラスのように硬く、透明性が維持できることを利用している。

因みに、ポリカーボネートの成形温度は280~300℃近傍であるが、極端に380~400℃で長期間溶融状態をキープすると、分子が規則正しい結晶構造をとり、白色となることが知られている。

本来は結晶性樹脂であるが、分子鎖が剛直なために、結晶のような規則性折り畳みが出来ないので、通常の成形では分子はランダムになった状態で冷却されてガラス状態になる。 通常の成形温度、冷却条件では結晶化しない“非晶性樹脂”として、ポリスチレンや歯科材料に採用されているPMMA(ポリメチルメタアクリレート)がある。PMMAのガラス転移温度が90℃近傍なので、体温や熱い食事をしたとしても歯と利用するに十分な剛性を維持できる。

 一方、ガラス転移点温度以下の温度(普通は室温)でかかる製品を切削しようとすると、射出成形、金型内での流動ムラなどの履歴があり、製品中に残留応力があるために、極めて低速で長時間をかけて切削することを余儀なくされる。

今後、フルデンチャー入れ歯を樹脂化するには、口腔サイズをLL,L M Sのニアネットシェイプでモデル型を成形し、そこから切削するアイデアがある。ニアネットとすることで、顎と接触する凹部は切削する必要がない。しかしながら、成形の残留応力と切削時に発生する応力で樹脂は応力解放すべく、クラックを生ずる。これが厄介である。 筆者は材料の分子運動、流動パターン、型内配向、残留応力発生を解析して、高速切削可能なソリューションを提供している。(特許登録済み)

 話を戻して、最近、ガラスは液体にあらず、固体にあらず説が出てきた。(文献:池田昌司氏現代化学2019年10月号P52) 詳細はチェックされたい。

液体にしてはランダムと思われている形態に、やや規則的に凝集しているドメインの存在が確認され、コンピューターで変位を与えることで、本来は液体であれば応力が伝搬しないはずだが、そのドメインからある距離のところに伝搬することが示唆されている。(同紙・図参照)

 

著書らはマヨネーズやシェービングクリープ中の空気泡の構造との関連にメスを入れて追求するとのこと大いに期待しましょう。 

 

 

 

 

 

筆者は最近大ブームのナタデココはデンプンの水和凝集体であるが、これはゲルなのか液体なのか、秋ともなれば栗と白玉のぜんざいの白玉もゲルなのか液体なのか、そちらの方が食いしん坊の筆者として興味がある。

便乗・環境ビジネス

FB仲間から大阪のホテルに宿泊したら,Water Earth Group の国連世界食糧計画(国連WFP)公認のペットボトル飲料水が部屋に置かれていた。「生分解性のPETボトルで10年以内に自然に分解してPET樹脂としてリサイクル可能」とのこと。宿泊者は疑問に思い電話をしたが、確たる返事はなかったとあって、FBに投稿した。

この文章をお読みの方は直ぐにお分かりのように矛盾しています。即ち生分解するのは微生物がPETを食料として食べ、分解して最後にはPETの原料に戻すとあるが、これを人間に置き換えてみると、例えば、ステーキを食べたら、中間品を経て最後にはステーキに戻る。と同じ意味である。どこが「リサイクル可能?」と突っ込みを入れたくなる。国連WFP、生分解と並べ権威があるような似非科学環境ビジネスにこのホテルも乗せられたか乗ったか分からないが、このような非科学的な情報が一人歩きすることは危険である。ストローを紙製にしたら環境改善はまだ可愛い方であるが、これは許されない。

それでは、全くの非科学的な根拠かと言えば、ある限られた条件ではPETは生分解する。この研究者に筆者は論文発表直後にお会いしたことがある。その時の研究者は何故か元気が無かったのが印象的だった。「PETを微生物分解できる!」凄いセンセーショナルな話題で、日本人学者がなしえたことは凄いことだと思っていただけに拍子抜けした。

論文Science, 351, 1196-1199 (2016)に詳細記載してあるが、PET以外の餌がない状態で生分解する菌を発見し、発見場所にちなんでIdeonella sakaiensis 201-F6株と命名された。この細菌のゲノム情報を基盤としてPETを分解する酵素を探索したところ,PETからモノヒドロキシエチルテレフタレートをおもに遊離する活性をもつ酵素が同定された.さらに,遊離のモノヒドロキシエチルテレフタレートをテレフタル酸とエチレングリコールとに加水分解する活性をもつ酵素も同定された。と論文要旨に記載されている。

研究者の業績としては高い評価は勿論あるが、これが実用となると話は別である。即ち、
1)地中に餌はPET以外に多く存在する。
2)途中の分解で微生物がやめた時、それまで生分解した中間化合物は環境で認可されている許容量以下であるのか?
3)最終的分解物を微生物から分離し、精製、重合モノマーとして処理するエネルギー(LCAライフ・サイクル・アセスメント)として合理的であるか?
4)10年も特定コンポストで炭酸ガスと水にまで戻るまでの土地など日本ではありえない。
5)炭酸ガスと水に戻る前に、エチレングリコールとテレフタル酸の段階でストップさせるのか?

などを考えると、実用性とは異次元の世界であると言わざるをえない。2)について、帝人がケミカルリサイクルのパイロットまで建設し、検証実験をしたことがある。ケミカルリサイクルは技術的には可能となったものの、中間化合物の取り扱い問題があること、さらにPET樹脂をケミカルリサイクルするよりはマテリアルリサイクルがLCAにも有利だとして、この検証実験の結論で纏められている。

筆者はホテル側の善意の誤解だろうとして、バイオ由来のPETを生分解PETと勘違いをしたのではないかとの推測に基づいてコメントをしたが、本気でWater Earth Groupが行っているのなら10年間の経過報告をして欲しいものだ。日本の学者が分解菌を発見し発表したのは2016年で世界で初の出機事だったから、現在まで4年しか経過していない。

我々メディカルに関わる人間としては、科学的根拠、フィールド実験検証を通じての証拠を積み重ねる慎重さが求められ、歯科医療に携わる全ての人がその高い意識でいる。それだけに、今回の記事には呆れた。

話は脱線するが、関西では“阿呆”はどことなく憎めない可愛いところがあるが“バカ”と言われると怒る。関東では逆である。バカの語源は仏教の“バーハッ”の当て字“馬鹿”だとか聴いたことがある。その意味は“無知”。相手が無知だとして進めるビジネスはどうかと思う。一方、頑なに過去・現状に固執するのも考え物で、本当に頭の良い人は全方位に興味をもち、愉しく前向きに積極的に勉強するとのこと。なので、この日本人の論文をどのように活用するのが良いのか考えることが本当に環境を考えている人なのだろう。

炭酸同化作用とCO2問題

子供の頃からずっと今まで、植物は空気中の炭酸ガスを吸収しその光合成反応の生成物として酸素を放出する。恥ずかしながら疑うことはしなかった。その“常識?”に待ったをかけることが出てきた。アマゾンの森林火災を切っ掛けに、森林破壊により地球の再生酸素の20%が喪失するとの話題があり、これに対してサイエンスの面から否定したニュースに接したからである。

このニュースによれば、確かに植物は炭酸ガスを吸収し光合成により糖を蓄積する。そこまでは正解。ただ光が当たらない夜間はどうかと疑問を投げ掛けている。答えは日中に蓄積した糖を分解するために植物は酸素を消費するとのこと。大まかに言えば、昼発生した酸素は夜間で消費するのでプラスマイナスとなって酸素増加はない。一方、大気は80%の窒素、20%の酸素、炭酸ガス0.5%、その他成分となっており、通常の植物の光合成による酸素バランスから大気中の20%もの酸素濃度になるはずがないとも指摘している。

実は海洋中の植物プランクトンも光合成をしており、全体の酸素生成量の70%を占める。この植物プランクトンも微生物により分解するために酸素を利用するのであるが、分解する前に埋設されてしまえば、生成量が蓄積されて20%になったとのこと。即ち地球が誕生以来の海の植物プランクトンによる蓄積作用によるところが大きい。

この文献にそれこそ、NHKのチコちゃんではないが「ぼーっとしてるんじゃない」と怒られたようなものである

地球の砂漠化が激しくとも、大気中の酸素濃度に変化がないのは、大きな蓄積酸素によるものである。植物の主な役目は葉から水の蒸散による地球温度調整作用と炭素固定化にある。

炭酸ガスは地球の防寒着的役目をしている。もし、炭酸ガスの層がなければ地球の平均温度はマイナス15℃以下である。過剰にあれば温暖化が進行する。なので、炭酸ガス濃度を制御するかが課題となっている。

対策として

  • 炭酸ガス固定化 大型植林と植物由来のバイオマスの利用(バイオマスを焼却してもカーボン量は変わらないとの考えに基づく)
  • 炭酸ガスを枯渇した油田層や深海に放出する
  • 炭酸ガス固定化の派生ではあるが、炭酸ガスポリマーの合成

がある。バイオマスの利用は最近急激に成長してきた。セルロースナノファイバーは日本の期待の材料として東大が触媒による開繊技術の開発を、京大が耐熱性のある材料(コンパウンド技術を含め)で先頭を走っており、実用化面では第一工業製薬、日本製紙、王子製紙、大王、中越パルプなどが開発を競っている。また、バイオ樹脂として最近実用例が増加しているのがイソソルバイトを原料とするポリカーボネート樹脂である。非常に外観が美麗であることからペレットに顔料を分散させておけば、塗装品と変わらないとあって自動車内装材として、また耐光性の実績がつけば外装材にも応用が進んでいる。自動車にとって塗装は焼き付けのためのエネルギーがバカにならないので、塗装レスは願ってもない材料といえる。従来のバイオ材料は既存材料とよくて品質が同等狙いながらコスト高が敬遠されていた、この樹脂はコストを塗装レスと相殺できるメリットで伸びている。今後、単なる“バイオ”原料では市場は受け入れないので、この傾向は好ましい。

 

 

 

 

東京大学では炭酸ガスとブタジエンと反応させて、ポリラクトンを合成したと発表している。(2004年)このプロセスも面白い。柔軟な分子鎖と剛直な分子の組み合わせはどんな物性を有しているのか、適用しうる市場は何か、興味がある。

 

 

 

 

2004年にミカンの皮にあるリモネンと炭酸ガスを反応させた樹脂をコーネル大学が発表し6.6million$のベンチャー資金を集め起業化したが、その後の消息を知らない。市場が単なる環境によいだけでは物性(品質・コスト)が採用のポイントになるだけに、厳しいとも言える。

炭酸ガスを利用した樹脂開発は単なる出発原料としてだけでなく、リサイクルできない製品は焼却することになるが、廃棄物のもつエネルギーを利用(エクセルギー)して廃棄物をガス化させ、ついでモノマーを合成し、最終的に樹脂にする循環系を完成させるためにも必要である。

従来の3Rとの比較をした文献があるので紹介する。(CO2固定化技術マップ2005年より)

 

 

 

 

 

②の地球、海中、海底への埋設・拡散についてもコストと海への環境アセスメントが不十分なのであろう2005年に構想が発表されて以来、進んでいるとの情報を知らない。ここにも炭酸ガスを発生して工業を維持拡大を図る国家間の問題があるだけに容易には進まないのだろう。

 

アフリカ会議とヨコハマ

先週、横浜みなとみらいパシフィコではJapan-Africa会議が開催されていた。今回が7回目。会議そのものには参加できはしないが、各国及びアフリカビジネスに参画したい国内企業のブースを見ることはできる。アフリカは現在人口13億。これが25億に増加することが予想されている一大市場に成長する残された地域である。

会議の主目的はアフリカ地域の自立のための支援活動(シビル・ソサエティ作りに)にあり日本政府の後押し、民間企業の協調により東南アジアなのでの成功パターンをアフリカに適用しようとするものである。

(国内企業展示内容の変化)

前回はアフリカ諸国が日本市場に紹介したい商品などの展示が多くあったが、今回は見られず、アフリカ諸国が日本企業の現地進出を促すブースに変貌していた。焦点が明確になってきたと言える。前回までの文化紹介、お祭りなど派手さはなかった。あくまでもビジネスに徹している。一方、日本企業は前回と変わらずアフリカが必要とする商品・技術・インフラ整備などを展示していた。だが、おや?と思ったのは前回目に付いたアイテムが陰を潜めている。例えば緑化灌漑事業やマラリア蚊を防ぐ蚊やは利益がでない事業になっている。なぜならば、日本企業はアイデアをだし、現地化に苦労して立ち上がる。そうすると中国、インド企業が類似商品で製造拡販をしていく。日本としては知的財産が確立していないか、確立していてもお構いなしの国からの攻撃にはお手上げなのだ。ここから、アフリカと協調成長していくためには工業所有権など意識した独立した技術開発力を付けるための日本政策も必要だと感じた。

今回政府は2兆円規模の支援を約束したが、留学生など交流を含むソフト面もあるようだが、是非、産業育成面もあれば良いがと感じた。 中国は巨額の借款で港湾設備開発など実施しているが、産業がそれに伴っていないので、返済できず領土長期借用の形で進出している。借款はそれが目的であるが、歴史でみると長続きしない。

 アフリカに限らないが、容易に真似されるような機械・装置では通用しない。2番手にやられる。なので、真似をしようにもできない材料・素材のビジネスが有効だろうと思われる。国内企業でそれを展示PRする企業はなかった。申し訳ないが、明日儲かる商品。そして翌日にはひっくり返される商品。うーん。これに2兆円か???と長嘆息した。

 (横浜が会議開催のためのインフラ)

筆者はアフリカには行ったことがないが、魚や花卉ビジネスの商社と関係したこともあり、多少の知識はある。今回こられたアフリカの方々の服装は男女とも正装で気品がある方々。さぞ本国でもそれなりの上級国民であることは間違いがない。会議が終われば積極的に市内観光。不案内だろうと思い、幾つかご案内したが、できないこともあった。それはアフリカの言語でかなりを占めるフランス語となると、面食らった。彼ら彼女らが頼りにしているスマホはフランス語表示。発音を聴いても、文字を見ても、直ぐには分からない。しどろもどろで対応した。街の表示も英語・フランス語・スペイン語だけで良いのかも知れない。中文は略日本語で十分。彼らは日本の何でも興味を示したが、面白いのは電柱に貼られている表示。海抜*m 、住所、避難場所指示、宣伝パネルなど撫で回しながらワイワイ。当方の日頃の感覚との違いが分かり納得。電柱は都市風景を壊すとか、道路交通に邪魔とあって電柱地下埋設が進行中(極めて遅いが)であるが、進めば逆に殺風景になったとの声が聞こえそうだ。

 今回の会場となったパシフィコは展示場と大会議場からなる設備ではあるが、大会議場といえども今や世界規模の会議としては小さくなってしまった。展示場はお隣の東京ビックサイトが南ウイングを新設したこともあり、小規模展示場に成り下がってしまった。今回の会議も展示場を仕切って利用したが、いささか見栄えが良くない。そこで、パシフィコに隣接して北ウイング(名称はノース)を急遽建設中、かつホテルも建設中で来年オープン。あとは、どのような会議体を誘致するか民間出身の女性社長の腕に期待したい。

今回、展示場に入るにはQRコードを読み取り、ダウンロードして必要項目を記入して受付に渡す仕組みになっていた。スマホがないと入れない。筆者もやってみた。だが、、、、アクセスが集中するので次ぎの工程に行かないで立ち往生。結局、名刺だけ渡してなんとか対処してもらった。通信インフラの遅れが指摘される。新設設備が完成するころは5G元年。こちらも急ぐ必要がある。

 (観光都市横浜喫緊の話題)

横浜市政を揺らしている問題はIR(カジノ)誘致問題。反対の言い分は良くわかる。博打もどきで家庭崩壊や風紀の乱れは避けたいとの主張だ。

一方横浜の国際貿易港の地位は国内5位に転落(イメージでは2位だと思われているが)福岡や名古屋港の後塵を拝している。国内産業基地としての価値が低下しているから当然である。

幸なることに横浜と羽田は狭い海を挟んで目と鼻の先。羽田国際線ターミナルから外国人パスポートを持った客人だけ特別のボートで山下埠頭まで運び、日本人は参加できないようにすることで可能性はあるように考えるが如何か。

横浜の中心部に関内駅がある。 明治の貿易地域として“関”の“内側”の特定場所を指定し川を仕切りに関外(今の伊勢佐木町)の歓楽街と分離していた。通行するために吉田橋があり、山の上から外国人の振る舞いをチェックしていた。横浜には昔の知恵があるのだから有効に利用してはどうか。

また横浜から羽田には蒲田経由の面倒なアクセスよりは、長期的には直結アクセスを建設するぐらいの大きな構想が必要だと思うがどうだろう。

決断と分かれ目

今週に入り朝の温度が過ごしやすくなり、公園のセミの鳴き声も変わってきた。残り僅かな時を懸命に生きた証拠を残そうとしている。なんだか共感するところある。一方、街ではデパート、専門店からの特定顧客向けと称するバーゲンが始まった。秋物でも対象としているには10月からの消費税アップ対策がある。バーゲンは週を挟んで何度も開催。よほど落ち込みを気にしているのだ。

コンビニでは形式10%にするが、特定カード使用の場合は即値引きとする方針とあって、実質消費税は消費者への影響を小さくする工夫がなされている。 その他の業界も同様の対策があるとすれば消費者は良くても、税務署には10%を支払う業者の立場はどうなの? と長期的経営は大丈夫?と心配になる。 どこかの国のように企業の資金繰り→人員整理→失業者増加→社会不安 とならないようにだけはしたいものだ。 市場活性化・脱デフレ対策とあって銀行の日銀マイナス金利政策をまともに食らって人員整理、支店統合などは他人事ではない。

商品ライフが昔は30年説だった。今は10年すら怪しい。大企業もうかうかしていられない。 内部蓄積を大事に保管している時ではない。気がついたら出番のない札束になっていることもありうる。 スケールは小さい話題であるが、樹脂フィルム製造業が国内の最大の樹脂使用業界であった。一方、樹脂材料の製造プロセスは新触媒、溶剤を使わない環境対応プロセスに変換された。ただ、欠点があった。この新プロセス品はインフレーションフイルム(溶融樹脂を空気で膨らませるフィルム製造法の一つ)製造するときに、外観がおちつかず(ムラが発生)、溶融している樹脂が膨らむ前に腰砕けしてしまうトラブルが発生した。

フィルム業界は、こんな樹脂なんか使えないとして原料メーカーにクレームをつけた。原料メーカーはお客様は神様だとして、コストアップ覚悟で対策品を出した。

一方、インフレーションの装置メーカーは、これからの材料が新プロセスがメインになるなら、それにあう機械を作ることに方針をとった。結果、この装置は中国や東南アジアで採用され、それをしなかった日本の業界はあっという間に追いやられた。

新規装置に投資せず、材料メーカーに甘えて生きてきた業界の生きる道は行き止まりだった。レジ袋、プラ包装汎用製品の多くは輸入に切り替わった。今、リサイクルの声があがっているが、製造での利益を取った海外企業ではなく、日本では補助金(税金)をつかってリサイクル対策をしないといけない立場に追い込まれた。 国内インフレーションフィルムメーカーは紙袋にも押され気味で、材料メーカーに相談しているが、材料メーカーは軸足を汎用フィルム向けには既に置いていないので素っ気ない態度。ポートフォリオで言うところの第4象(撤退)に位置づけている。 高付加価値に資源・人材を有効に利用する方針に変更している。 ポリエステルフィルムでは液晶フィルムは手許に置くが、その他は同業他社に売却している事例がある。世界トップのPETフィルムメーカーだった三菱ケミカルでさえ規模メリットもはや無しと判断。帝人も東洋紡に売却した。東洋紡は汎用PETに付加価値を付ける技術開発を地道に取り組んできているだけに今後のお手並みが注目される。 三菱も帝人もメディカル、自動車など高付加価値分野に重点をおいている。

連続している日々において、今が進路変更のタイミングと推し量るのは容易でない。サラリーマン社長は任期中を大過なく過ごすことが社員雇用でも重要と意識している。簡単に非難することはできない。 これが創業者なら孫の代まで、次世代の芽を育てないといけないとの意識は強い。人の意見を腰を低くして聴いて電光石火の手を打つ。そんな経営者を筆者は複数知っており納得することがある。人材も財産として80歳以上の社員も雇用している。その人たちの腰は曲がっていない、明るい顔で仕事をされている。 知っている企業の一つはIOT機能充実の国内拡充を終え、これから海外に出るという。恐らく、言語は日本語のみ生活してきた人ばかり。 昔、日産が英国拠点を作ったときに社員選抜するにあたり「あなたは日本語が話せますか?」と人を喰った質問をしたことが有名。語学のみできても仕事は別では困る。

でも、現在はこの質問は有効となった。簡単な翻訳はポケットトークなるデバイスが登場している。また文書作成については統計機械翻訳からAI(ニューラル機械)翻訳になりスムーズになってきた。因みに、コスモサインはオフィスを移転した。この紹介記事を最近のGoogle翻訳に当てはめてみた。

【日本語】

コスモサイン合同会社はオフィスを川崎から品川へ引越をして、19日から営業を開始した。アクセスは五反田駅、不動前駅、そして戸越銀座駅から徒歩7分である。戸越銀座はユニークなお店が長さ200mに亘って多数あり、非常に活気がある庶民の街である。食べ歩きを楽しみにする人も多い。

【英文翻訳】

CosmoSyne LLC moved its office from Kawasaki to Shinagawa and started operations on the 19th. Access is a 7-minute walk from Gotanda Station, Fudomae Station, and Togoshi Ginza Station. Togoshi Ginza is a very lively town with many unique shops over a length of 200m. Many people look forward to eating around.

【中文】

CosmoSyne LLC将其办事处从川崎迁至品川,并于19日开始运营。

从五反田车站,不動前车站和戸越銀座车站步行7分钟即可到达.

戸越銀座是一个非常热闹的小镇,拥有许多独特的商店,长度超过200米。 很多人都期待着吃饭。

筆者はこの中文が正しいかどうか分からないので、これを英語に翻訳した。まぁ分からないことはないので通用するのだろう。 よほどのプロでないかぎり、語学マスター時間を外の案件に振り向けることができる。日本の底力をより発揮できる時がきた。