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出口調査

今回の衆議院選挙で初めて出口調査なるものを経験した。注目選挙区の一つだったのだろうか? 中学校が投票所で、門を出るとNHKと日テレの人が待ち構えていた。一緒に投票に行った家内は手を振って断ったが、こんな経験はなかったので興味本意で日テレの方の調査を受けた。

iPadに質問事項が並んでおりチェックするが、候補者の名前、どこの政党に比例を入れたかの他に項目が多く、後から思い返すと10項目はあったと思う。設問の中には本来あるべき回答項目がなく、2者択一の項目があったので、これは設問自体が違うのではないか、どちらを選択しても偏向になりはしないか?と係の人に質問したら、その場合はチェック無しにして下さいと返答。何だかオカシイと思いつつひとまず回答を終えた。投票に行った時間は昼前だった。

20時のテレビ速報はNHK、日テレをチェック。早くも当確の情報が流れる一方で、政党の当選予想数が出口調査を基に各社報道されていた。その後の実際当選者数とは大幅に乖離している会社がほとんど。なぜ乖離したのか出口調査を実際経験したことから、ありうる原因を考えた。

それは、本来は候補者と政党名だけで十分なところ、財政健全化についての質問など調査項目が多すぎることで、データーを受けた方の整理に時間がかかるのではないだろうか、コンピューターで整理したとしても、チェックを人が介すれば15時頃には調査打ち切りしないと20時に間に合わないだろう。

午前中に投票にくる人はシニアの人が多いのは通説。その人たちの多くは日頃、新聞、TVからの情報を是としている。従って出口調査はシニアの意見を色濃く反映していると考えるのが妥当なところだろうと思う。若い人は外出から戻って間に合う時間に投票行動をすることがあり、ネットからの情報、リアルな社会生活感で投票行動をしたことで実際の当落に反映したのであろう。また、家内がいう「出口調査にはサイレント・マジョリティは応じないものよ」が乖離において的を射ているかもしれない。

これから、一刻を争う当落報道よりは、むしろ、残りのアンケートの内容を解析した方がより国政への反映する機会提供になるのではないだろうか、出口調査も20時までやって、報道するときは15時締め切り時点での当落は〇〇、その後の投票行動により変動します程度に抑えておけばよかったのではないだろうか。どの道 開票3時間もすれば大勢が見えてくるのだから。

それにしても選挙って国民は賢明で上手い差配をするものだと思うことがある。レジ袋有料化を環境大臣だったときに省令で決定し自慢していた○田さん、形成不利と見ると話をしなかった。だが、選挙民は見ていた。落選。宮沢喜一氏が総裁候補になったとき、幹事長の面接試験に合格しないと候補にすらなれない珍事があった。宮沢さんはTVカメラの前で、「大幹事長様・・」と頭を下げた。その権勢を振るった男が小選挙区で落選。昭和の時代はようやく終わった。今回の一刻を争う当落予想風景もいずれ形を変えていくだろう。

 

野球・雑感

大谷選手がMVPを獲得した。遅ればせながら、おめでとう。ファンはホームランを打つたびに“MVP・MVP・・”と叫んでいた。アウエーでも声援を受け、ホームランと奪三振のSHOTIMEを期待される。まさに大リーガー中の大リーガー。何をやってもサマになった。契約金が活躍から随分安くても野球を楽しめることに集中する。その生き様にも共感した。

大谷の最終試合が終わったとき、誰もが今年の野球は終わったと感じたものだ。日本ではまだ野球が続いているのに。

「ビックフライ・・オオタニサーン」もお決まりセリフ。何度聞いても気持ちが良かった。二刀流なんてMLBでは通用しない。バッティングは高校生並みと酷評していた解説者もシーズン始まると早々と白旗を上げた。逆に猛烈な大谷推しに転じた。日本の政治家や官僚の反省しない事例が累々しているだけに、明るい風景に映った。気の毒なのは申告敬遠をした投手。登板を監督から予告されてから、大谷と勝負して男をあげ、契約金に反映させてやろうと、寝ながら考えたに違いない。それが「勝負以前の問題」と烙印を押されては身も蓋もない。何事も統計(スタッツ)で管理される野球より、漫画チックだが投手の魂の球との勝負が見たいものだ。

もし斎藤佑樹が金足農に進学していたら甲子園出場を賭けた県大会決勝で監督は投げさせず肩を酷使することなく、プロで活躍したのではないかと思うことがある。ハンカチ王子、早稲田での活躍ほどにプロでは期待通りとは行かなかった。筆者の仮想モデル(珍説)を紹介する。プロ野球で6日おき(登板22試合)投球数100球だとして10年間では(春のキャンプで、10,000、秋キャンプ5,000)を入れると36,000の投球数となる。中学、高校、大学を入れると50,000球前後と推定される。

人間の体と金属は全く違うが、金属疲労で事故が起きる。負荷応力によりクラック開始点は異なるがSN(疲労)曲線を投手の疲労破壊に置き換えると、時速150kmの直球を10,000球投げ続けると120kmまで低下する。阪急に在籍していた星野投手のように80~120kmでカーブや縦のスライダーを投げることができれば別。捕手は投手の負担のかからない配球が必要で、そこに投げられるコントロールが求められる。名投手には優秀な捕手を必要とする理由だ。斎藤は失敗の原因を解析して将来は指導者として復活して欲しいものだ。

星稜4番松井が5打席敬遠された。相手は明徳義塾。監督が星稜の山下監督に言った。強打者5番を育成しなかった方が悪い。と。星稜の5番打者はまだ高校生。プロなら仕方がないが高校野球では好ましい発言ではなかった。池田高校の蔦監督は豪放磊落と人情のミックスした味のある人だった。松井と対峙したら投手に敬遠指示するかと聞いてみたいところだった。

プロ野球ドラフト会議で珍しい選手が楽天4位で指名された。離島奄美大島の泰選手(鹿児島神村学園)。島に一人しかいない野球選手。海のタクシー運転手である父親の揺れる船で素振りやシャドウピッチングをして足腰を強化したとのこと。デジャブだ。稲尾投手物語を映画で見たことを思い出させた。小舟の鱸を漕いで足腰を強化し神様・仏様、稲尾様と三原監督を言わせたあの稲尾さん。現在のNPBの選手で話題、華のある選手が少ないこともあるので、是非頑張って稲尾二世になって欲しいものだ。

熱から覚めて

上海の空が以前はどんよりしていた。最近は綺麗になってきたと人から聞いた。地球温暖化ガス(CO2)削減で役割を果たすとの中国政府の肝煎だとのこと。空が綺麗になるのは住民にとって良いことだ。

その一方で、その原因が発電抑制のためだとか。燃料が不足しているとの情報もある。確かに世界でもパンデミック明けの一斉経済復活が急ピッチで行われている。その時のエネルギーは天然ガス,石油、石炭の化石燃料が主役を占める。

1972年当時の石油ショックを思い出す。中東産油国(OPEC)の原油政策に世界は振り回された。あの時の結束は米国のシェールガス産出により緩くなったと思いきや、さすが中東商人。今は原油のありがたみを噛みしめろと言ったかどうか分からないが、原油増産しないとあって、この日本においてもガソリン価格が急騰している。化学工業の原料(ナフサ)も影響受け、最終的には製品価格も上昇するだろう。

化石燃料が産油国に握られているのなら、尚更 再生エネルギーに頼ることに普通は考える。しかしながら、今回のエネルギー不足問題が発覚したことで、頼りになるのは“やっぱり化石燃料が現実的”と気づいた。環境意識先進国欧州では英国が電力不足に陥り、EUでは人気のあるEV車を差し置いてガソリン車の販売が好調だとの情報もある。

あれっ!人気と実態が違う? 日本ではホンダがガソリンエンジン製造工場を閉鎖して全面EVに切り替える作業を実施している。エンジン製造していた会社でもエンジン以外の部品を生産していたことで、工場閉鎖に伴いその他への調達に走らざる得ない取引先など混乱している。当該社員から見ると複雑な思いでことの推移を見守っていることだろう。その点、トヨタはガソリンに限らず、転用できる水素エンジンを含めEV、FCVなど多様なパワートレインを開発している。豊富な資金を有す企業だからできる。そうでない企業は“流行に乗る”こと以外選択肢はない。

ブームは新規技術、新しい用途を開発するモチベーションになるので、これを否定しては発展しない。覚めた途端、全否定・逆方向にいくのは避けたい。覚めた時には、ブームの前提はなんだったかところから見つめることも必要だろう。

OPECが原油価格思いのままのやりたい放題対策として、アルコールをガソリンに10%ブレンドすることで凌ぐことをした。アルコールはとうもろこし由来のバイオ燃料である。ブラジルでは100%アルコールもあった。その時、日本の自動車メーカーはこのバスに乗り遅れないように材料メーカーと共にアルコール併用対応材料の開発をした。燃料パイプをはじめ耐久性試験を実施した。その後、この熱は急にさめた。バイオアルコールの値段が高く、市場性が低く、バイオプラスチックの原料に転換することをブラジルは方針変更した。シェールガスの価格の影響もあった。その間、材料メーカーは努力したものの、文字通り梯子を外された苦い想いがある。

今、急に、地球の温度化と炭酸ガスの関係はそもそも関係あるのか?的な発表が出始めた。仮説から検証して初めてサイエンスになるので、その動きは否定せず結論まで見守ることが重要だ。前提がその後の現実と合わないのなら、その他の因子を探す。地味だがそれがサイエンスの基盤。

コロナ禍中にあって諸説がでた。今、そのピークは過ぎた。このブログでも掲載したが、ワクチンが登場するまで、スペイン風邪当時の対策と全く同じだった。喉元過ぎれば熱さを忘れるの類であろうか。でも諸説の中には見捨てるには惜しいネタもあった。なぜ日本人は他国に比較して“さざさみ”で治ったのか。これは人類にとっても意味のある研究課題だと思う。それこそ狙いがノーベル賞であっても良いだろう。意欲のある医学生の出現が待たれる。エネルギーの多様化と同様、アカデミックも多様性が最後には強い。

備えあれば

先日(7日)の東京北区から千葉を震源とする地震(5強)は長い周期で揺れた。道路や建築物の倒壊など目に見える被害はなかった。報道では舎人ライナーの脱線が報じられたが怪我人なし。申し訳ないが安堵した。

ところが、その後にJR蕨変電所から発災し、山手線、京浜東北、宇都宮線、湘南新宿ラインが終日運転見合わせとなった。変電所では臨時の設備点検をしたが異常は認められなかった。と報告した後に発災。トランス室からの火災が濃厚と見られている。トランスの絶縁油はシリコーンだと思われる。難燃性はあるが不燃ではない。映像で見る火炎は燃えたのはシリコーン油だろう。 山岸、須川 電学論B 126巻12号(2006)によると変圧器の火災原因と進展の様相を紹介している。

 

燃えた物質はシリコーンだが、引火の原因はなんだろうか? そこがポイント。

経年劣化の一言で済まされない。例えばコイルが地震の振動で変形したのではないかなど、この図の進展様相を参考に検証が進められるのであろう。明日の事故防止への貴重なサンプルであり、迷惑した23万人への義務でもある。

発電所からの15.4万Vを変電所で2.2〜6.6万Vに変換し、さらに電鉄用変電所で電車用の直流変換及び電圧変換をする。(直流1,500V)。今回はこの電鉄用変電所が発災した。 話は飛躍するが、再生エネ発電の比率が高くなると電車は走行できるのであろうか? 電気に疎いのでわからないが、せいぜい600Vの太陽光発電を直流電車1,500V, 交流電車20,000Vにするには相当の昇圧変電所が必要だろう。変電所としては上げたり下げたりの二重設備が必要で、かつ変動対策として大型リザーブ電池を抱えることになるのだろうか。

骨太のインフラ・製造を稼働する電源は化石燃料、原電(核融合を含め)に頼らざるを得ない。太陽光再生エネルギーの役割はサブにとどめておくのが無難。「明日は雨模様なので電車は間引きします。EV充電スタンドも制限します。テレワークして下さい。製造は晴れた時までお待ちください。」なんて冗談でも想像したくもない。小型原電、小型核融合発電など海外で実用化されている、もしくは研究中の案件があるが、原電で痛い目にあった日本ならではの基準で開発を進めてほしい。地道だが備えあれば憂い無し。

一方、地震翌日の首都高はノロノロ程度で道路閉鎖はなかった。コロナ明けの経済活動活発化によるものか?と一瞬勘違いした程である。

ふと思ったのは、神戸震災、3.11大震災を経験し高速道路の橋脚には炭素繊維や抗張力鋼板によるベルト補強などが積極的に施工されたお陰で大禍なかったのではないだろうか。橋梁、トンネルなど長大建築物の探傷技術も進んできた。ハンマーで叩く、超音波を当てるなどの一方で、深さ方向に浸透能力の高い中性子探傷装置の小型化も理研で開発されている。実に目立たないが交通インフラが破壊されて受ける経済的損害を未然に防止する意味は極めて高い。野球にちなみに“セーブ賞”を授与しては如何であろうか。裏方は目立たなく、あって当然と思う空気感がある。太陽光パネルを屋根に乗せることを行政が指導するとか情報があるが、南側の屋根に重いものを乗せると筋交や壁で南側を補強した家にならざるを得ない。地震に耐える重心対策である。南向きでありながら小さい窓のデザインは居住者にとって好ましくはないだろう。 思いつきは戸建て住宅の倒壊に繋がることを建築家は警告している。謙虚に耳を傾けるべきであろう。軽量のペロブスカイト太陽光発電を地道に開発してきた日本の大学及び企業が陽の目を見る時がきた。まさに備えあれば憂なし。

地上波・紙媒体とネット

このタイトルはもはや陳腐化している。

電車の乗客の様子を見れば約10年前から一気に変わってきた。スマホ操作80%、読書・新聞5%、寝ている10%、その他パソコン操作5%が一般的な分布ではなかろうか。新聞をタブロイに折り畳んで読んでいる風景はもはや絶滅危惧種だ。鉛筆で熱心に記事に線引きをして、いかにも風体を見なければどこかの研究者と未間違うJRA馬券売り場近くの公園風景は依然としてあるが。電車内で見る紙媒体では来日された人の日本語学習帳、小学生が参考書とタブレットの両方眺めて宿題をしている風景が目立つ。週刊誌も滅多に見ない。電車の週刊誌中吊り広告がなくなった。時代が変わった。

ただし、スマホ、タブレットでも新聞社の電磁媒体を読んでいるので、新聞離れしたとまでは言えないが、宅配新聞、駅売新聞が減少すると、やがて電磁媒体の内容は量・質ともに変化するだろう。

TVが存在する家庭を含めてどうか。総務省が発表した資料によればTV視聴よりネット時間が逆転したとニュースがありHPをチェックした。これが実に面白い

図―1 年度別全年代変移図 ネットの急進により令和2年ついにTVを逆転した

 

平成24(2012年)から8年の極めて短時間に逆転。

 

 

次に年代別に見ると

50歳以上はTV優位を占めているが、10代から30代はネットが圧倒している。10代〜40代はネットがメイン。50歳代からTVメインとなる。TVのコア層は50以上でありCMはこのコア層対象商品になる。10〜40代のコア層はネットにシフトしているのでTVで商品CMしてもチグハグになる。

トヨタがTVでもクルマのCMを削減しているのは、確かに高齢者に購買を迫るのは無理があると見ているのだろう。番組内容云々の前に時代が変わっていたのだ。

それにしても新聞は減少している。新聞の良いところは注目記事のほかに目を転ずれば意図しない記事を目にすることができることである。でもネットでは関連情報や他の人はこれも見ているとして拡張するので、間に合っているのかも知れない。少々寂しい気もする。

その他 総務省の報告書では以下のことも表記されている。

【連絡方法:若年層は電話を利用しない】

固定電話やスマホでも電話で直接声を聞くことが少ない。特に若年層は電話をしない。新入社員が電話に不慣れだとの話は聞くが、職場で電話の掛け方、受け方をOJTしないといけない時代になってしまった。FAXは日本しか残っていないと揶揄されている。確かに固定電話や複合複写機に併用されているが、紙での自動アウトプットがなくディスプレーにfaxありと表示されても見逃す。即時性を求めるなら受発注でもLineでくる時代だ。

【連絡はネット利用】 LINE, You tubeが圧倒している。Twitter, インスタ、他もある。いずれも自分の世界からの選択された情報だと言えなくもない。フェイクが入り込む余地はあるが、玉石混交の中には隠れた真実があるとしたら、それを見つけるレベルが必要だ。

今回の自民党総裁選挙ではネットでのアンケート結果と新聞社(系列TV)の世論調査とは大きく違った。ネットは若者、新聞(TV)は固定電話に出られるシニア層だからと普通に理解した。新聞TVで国民人気ダントツの候補者はネットでは別の候補に圧倒的に差をつけられた。

しかしながら、世論調査の仕方が違う結果だとアンケート専門家からの指摘があり納得した。即ち新聞(TV)では男女、年齢、など区分をした上で整理しているのに対し、ネットではオープン型アンケート。瞬時に大量のデーターが集積できる強みがあるが、複数のアカウントを持って投票している人を排除できない。

毎日新聞がネットでアンケートを開始したが、途中で多分気がついたのであろうか中止した。オープン型でなく、新聞(TV)と同じくネットでもクローズ型に技術的に可能であればより真実に迫ることができるがどうだろう。

そういえば、先の米国大統領選挙においてフェイクニュースのワードが踊った。

大手新聞社の報ずる情報は無条件に受け入れがちな日本と違って、米国では「その見方もあろう」的に重きをおいていない。支援者が家庭訪問して議論する風景を見る。その時に重きをおく議論ネタは身近な話題で、新聞ありきではない。地区のコミュニティが崩壊している日本から見ると羨ましい。

TV不振の理由の一つはコンテンツの陳腐化。旅番組、大食い、クイズばかりで飽き飽き。クイズ番組で活躍する若者が難関大学に入るまでに育てた親を不憫に思うようでは如何なるものか。視聴率は取れないだろうが小説や古典の朗読+風景を組み合わせたシリーズを企画すれば根強い聴取率は取れるだろう。

歴史物で識者が持論を討論する様子には結構ファンはいた。刹那的コンテンツはほどほどにして人生に必要な教養、芸術、笑の魅力を掘り起こすこともあるのではないかと思う。

マイクロプラスチック

亀の胃袋にレジ袋があったことから海マイクロプラスチック問題が浮上した。レジ袋有料化による消費行動抑制に始まり、最近ではプラスチックを使うなとまで発言した環境大臣。否定・制限では社会は衰退するのが常。このブログでプラスチックがなくなったらどうなるかについて記載したので重複しない。衣服で許されるのは木綿、ウールかシルク。スポーツが可能なのはシルクまわしの相撲ぐらい。靴を履くスポーツは全部ダメ。クルマでは鉄と木のボディに木製タイヤと幌。塗料もプラスチックなので塗装をしてはいけない。電池があっても配線はできない。電線被覆はプラスチックスだ。電子回路基盤もプラスチックなのでスマホ・パソコンもない。北海道の乳製品は国内物流できない。レトルトパックはない。毎日3度3度の原材料からの料理で働く時間が制限され収入減。住居もLED灯りがなく断熱材もない。まるで江戸時代。プラスチックなしでは現代生活はできないのだ。

冒頭の海マイクロプラスチックスは大量生産、大量廃棄されるプラスチック製品がマナーなく捨てられ、光と酸素により分子量が低下するかand/or 物理的に破砕されて微細化したものである。文献(Natureダイジェスト8月号)を見ると研究室で取り上げられている樹脂は発泡ポリスチレンがメインでそのサイズは0.5~20μm であり球状が多い。サイズの理由は肺に刺さって癌を発症したアスベスト(0.1~10μm)を考えたと思われるが、アスベストが問題になったのは針形状(長さと直径の比であるアスペクト比が大きい)にあることを忘れては困る。海を調査した文献数の多くは、100~5,000μmの樹脂破片及び繊維との報告がある。研究室で魚に食べさせて実験していることと実態は大きく異なることが注目される。元々、10μmを肉眼で見えるわけがない。なのでサイズが大きいものがやがて風化して微細化するであろうとの仮定に基づいている。微細化すると孵化したばかりの幼生は餌と間違え飲み込むことで餓死か大きく生育できないとの説明がなされている。

だが、その仮定が合理的か否か考えてみる必要がある。光劣化は対象物の表面積に大きく関係する。微細になれば表面積が大きくなりかつ活性化されるので劣化速度は加速度的に速くなる。

プラスチックと一括りにはできない多くの種類がある。ポリスチレンはエチレンとベンゼンが反応したスチレンモノマーが連結した構造であり酸素、カルボニル、カルボン酸、窒素誘導体を含まない非極性材料である。レジ袋も高分子高密度ポリエチレンであり(骨の代わりに体内に入れるほどであり生体にとって害を及ばさない材料なのだ。)微細物を飲み込んでも排出される説がある。 一方、極性高分子は酸素、カルボニルなど、またオレフィンでも分岐した分子(三級炭素)を含む材料(ポリプロピレンなど)は光・熱劣化が早い。筆者は思うに、劣化しなかった物は確かに海に漂流するが、PM2.5に比較してどうなのかなど定量的に取り扱うことが重要であろう。

議論しても行動を伴わないと解決しない。PETボトルをPETボトルに再生する企業は今までの協栄産業に加え、超大型プラント建設を発表した豊田通商の動きは歓迎できる。PET材料輸入商社としてトップであるが、国内環境はもちろん、原料生産国の経済発展に資することも含めて良いことである。また廃プラを油に戻す油化は小規模ではなされてきた地域があるが、今回、コンビナート規模で実施するとの発表が三菱ケミカルからあった。鹿島コンビナートは国内最大規模の石油化学コンビナートであるだけに良い影響が出ることを期待したい。同社は約30年前から九州、四日市事業所でのリサイクル事業を展開している隠れた静脈産業支援企業でもある。PCB(ポリ塩化ビフェニル)は不燃の熱媒体として以前は利用されていたが、粉ミルク製造過程で混入するトラブルをきっかけに電気絶縁体(例えばトランスなど電気製品)に適用されず廃棄することになったが、廃棄の技術がない。それを救ったのが三菱ケミカル(当時三菱化学にあった別目的)の超臨界熱分解による無害処理だった。

自社製品でもないのに請け負ったのは、化学産業へのリーダーとしてのあり方を見せたといえよう。この処理は2024年までとしていたが、冒頭の責任大臣は延長をお願いしている。三井も言わないと片手落ちになる。三井化学は欧州で生産されるバイオナフサを石油由来のナフサに混合して従来通りの石油化学誘導体を製造することが可能と発表し、大阪事業所から導入することが開始された。バイオナフサの混合割合分については100%バイオ製品として届ける仕組みで、既にBASFは実用化している。バイオナフサを石油由来ナフサに20%配合して石油化学誘導体を製造すれば、20%は完全バイオ材料と認定する仕組みである。三井化学へのバイオナフサ取引は豊田通商。環境をビジネスに直結するにはスピードが重要として動いていることがわかる。

キャッシュカードor現金

駅近に新規オープンしたハンバーガーショップがあり入った。注文のタッチパネルが4面あり、メニューを選びキャッシュカード、クレジットカードで多くの人が精算していた。打ち込めばカウンター上部のディスプレーに注文番号が表示され、やがて受け取り枠に表示される仕組み。どこでもお馴染みの風景となっている。タッチパネルには順番待ちの列。

カウンターには従業員が対面で注文を受けるコーナーがあり、不思議無なことに人が行列を作っていない。妙な気分だが、そちらで注文し現金で支払った。オールドタイプなやり方だ。今時、現金で支払うのは時代遅れなのだろうか。結論は“時代遅れ感70%、様子見30%”。

政府がキャッシュレスを推進した理由は消費税アップ対策として優遇策を講じた背景がある。促進にはポイント還元は大きく作用したのだろう。Pay Payの100億円還元セールをはじめに、①還元ポイント及びその後の特別セールは魅力。②コロナ禍もあり現金にはなんとなく他人の菌が付着しているかも知れないとして敬遠 ③小銭は重い ④支払い時にお釣りがスマートにもらうために、小銭を付け足して渡すことは苦手 などの理由でキャッシュレスカードは便利だ。

交通系カードのようにカードをかざす決済もあればスマホでQR読み取りスマホの中で精算する方式もある。QRの操作ができないと今や牛丼も食べるのにも往生する。このブログでもスパゲッティ屋に入ったらメニューをQRコードで読み取る店を紹介した。これが、今や精算も行うことになった。恥ずかしながら、直近では祇園祭の仮設店舗にスマホを置き忘れたことがあり、慌てて引き返したウッカリミスをやらかした。戻らなかった時はスマホの無効処理をすれば解決することは分かっているが、それ以来QRコードスマホ精算は気が進まないようになってしまった(時代の落伍者?)。

今までは利用者の立場で書いたが、店側の事情はどうだろう。戸越銀座はすっかり庶民の街として有名になってしまった。この商店街に導入されれば、一つのモデルとしての評価が定まる。時の首相が視察に訪れるとあって導入を急いだ。幟もあちこちに目立った。だが中には冷静なお店もあった「決済手数料ゼロの間はいざ知らず、決済手数料がかかれば、小さな店では厳しいかなぁ」との意見を聞いた。

今、これからその手数料が現実化しようとしている。日経ビジネス5月の記者コメントに「Suicaなど交通系電子マネーは3.25%、楽天ペイは3.24%。今年有料化を予定するLINE Payは10月から2.45%、メルペイは7月から2.6%となる。5月には未定だったPay Payは10月に1.6~1.9%を予定」とある。お店がキャッシュカードに支払う手数料であるが、回り回って商品の値段に反映させるので現金支払いの消費者が払うことになる。キャッシュカードを使えば還元ポイントがある分緩和される。(消費者はチャージにキャッシュカードに紐つけるクレジットカードからもポイントがつくことでなおさら痛くはないのだろう。)

キャッシュカードからお店に支払われるタイミングは即金ではない。1〜2ヶ月後に振り込まれる。その間でキャッシュフローに窮するお店があると思われる。さりとて、即金のカードにデビッドがあるが、店によりけりでこれも万能ではない。QRコードも同じく決済手数料が無料から有料への動きのようだ。お店としてはQRコード方式が便利。印刷したシールがあれば済む。読み取り装置を購入する必要がない。

庶民的な戸越銀座では、大雑把であるがキャッシュカード3割、現金7割のようだ。キャッシュカード別ではPay Payが6割を占め、残りをdカード、楽天Pay ,au などとなっている。総需要が伸びない中、現金がカードに移行したとしてもパイの食い合いになるのでキャッシュカード会社は大変だろう。熾烈な競争しても生き残りをかけるのは、巨大なマーケットなので、たとえPay Payの3年間赤字が1900億であっても、下りるに降りられない状態になっているのだろう。単なる手数料だけでは厳しいと思う。シニアが言った「パソコンで検索すると、関係しそうな商品が帯のところに出てくる。キャッシュカードでは使用履歴からお勧めメニューが表示されそうだ。ダイエットの意思が弱体化するのではなかろうか?」と。ダイエットかどうかは別としてカード会社にはAI情報が集約されることは確かだろう。そのデーターを利用しての新ビジネス展開はありうる。そこが手数料より付加価値がありそうだ。医療関係とりわけ健康食品にそのAIが利用されると面白い、シニアが長寿を希望するなら◯◯がお勧めですと。カード会社は一旦入手したAIデータを有効に利用するはずだ。これが狙いと思う。

なお、高山市を中心に出回っている「さるぼぼコイン」はふるさと納税的で地域活性の意味があるので、これはこれで利用意味はあると思う。単なる現金の替りではなく楽しさも加わる。ネーミングもよろしいのではないでしょうか。カヤックの仕掛けている「まちのコイン」も面白い。ボランタリー活動など人と人の繋がり、結果として地位域活性につながる仕組み。鎌倉で実態を見てこよう。トータルで現金はまだ主流ではあるが、コロナ禍による清潔感の向上意識もあり、徐々に切り替わるのであろう。

一方で新紙幣の先端印刷テクノロジーは残しておきたい。そして年配者は囁くであろう「ただほど高いものはないぞ」。それが冒頭の30%を占めている。ITに弱いシニアは言うだろう 「スマホでapple store やiTunes ,amazon のPOSAギフトカードを購入するときは現金しかダメだろうが… 」 いや、ごもっとも。

タバコの煙にもppmの魂?

ポリフェノール・ポリフェノール健康にはポリフェノール含有食品。 TVやネットで見聞きしないことはない。健康の内容についてポリフェノール効果を文献にした数を調べた文献がある。

ポリフェノールに関して45,382件も発表されている。何に効くのか調査資料から抜粋した。癌8,738  糖尿病3,103  アルツハイマー1163 高血圧807  パーキンソン502 動脈硬化448  鬱病359  他に目の病気、歯周病等なんでもあり状態。ウコンのクルクミンも取り上げられており全部で17,162  朝鮮人参(ジンセン)10,927 とこれも多く癌、糖尿病に関する文献数が多い。(抜粋文献 石浦章一 現代化学9月号「食べ物の有効を調べる」から)

石浦氏は医薬品と食物と混同してはいけないとコメントしている。想像するに医薬品の代わりになるにはポリフェノール含有食品で賄えば満腹以上の摂取になるだろう、ワインであると酔い潰れて副作用も出るだろう。ポリフェノールと言えば無条件に良いイメージがある。あくまでも定量的な判断が求められる。

一方、圧倒的に悪いイメージの筆頭はタバコ。最近コロナ禍の中で緩み勝ちになり路上喫煙を見る。紫煙を燻らすなんて上品とは誰も思わないどころか蔑みの視線を投げかける。あの煙と一緒にウイルスが伝播すると思うとゾッとするとの危険予知もあり遠ざける。電子タバコでも同じで同情は誰もしない。

ところが! タバコの煙物質がコロナウイルス感染抑制 ニュースがある。

意味は違うが一寸の虫にも五分の魂なのか? 文献を紹介する。

関西医科大 広島大学  掲載Scientific Reports論文タイトル: Inhibiting SARS-CoV-2 infection in vitro by suppressing its receptor, angiotensin-converting enzyme 2, via aryl-hydrocarbon receptor signal.著者名: Keiji Tanimoto*, Kiichi Hirota, Takahiro Fukazawa, Yoshiyuki Matsuo, Toshihito Nomura, Nazmul Tanuza, Nobuyuki Hirohashi, Hidemasa Bono, Takemasa Sakaguchi

(要旨を転載)新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)がヒトに感染する際に利用する受容体の構成蛋白質の一つACE2量が芳香族炭化水容体(AHR)を介して低下する機構を明らかにしました。

AHRを活性化する様々な化合物(薬)によるACE2発現抑制を確認しました。それら化合物の中で、食物などに含まれるトリプトファン代謝物や既存の胃潰瘍治療薬による細胞への新型コロナウイルス感染抑制効果を確認しました。

一般的にタバコ煙成分は新型コロナウイルス感染症の病態悪化を促進すると考えられますが、ウイルス受容体の構成蛋白質の一つACE2発現量にどのような影響を及ぼすか不明でした。そこで最初に、タバコ煙成分をヒト細胞に処理して、ACE2遺伝子発現量の変化を観察しました。その結果、驚いたことにタバコ煙成分はその濃度依存的にACE2発現を抑制することが明らかとなりました。

 

安直にタバコを吸っていいのだと短絡してはいけません。あくまで抽出物の話。一寸の虫にも五分の魂とはいうが、煙では五分では多すぎるのでppmの魂とした。

また、トリプトファン含有食材としてwebには主に、「豆腐・納豆・味噌・しょうゆなどの大豆製品、チーズ・牛乳・ヨーグルトなどの乳製品、米などの穀類などです。 その他、ごま・ピーナッツ・卵・バナナにも含まれています。」と記載があるが、それも冒頭に記載したことを考慮にしての話だと考える。

Macintosh/Windows/Mac

はじめにお断りしておきますが、パソコンは今でも素人レベル。立ち上げた画面に¥マークの後に命令文を入れて、、、、の88、98時代は、アイコンから立ち上がる方が楽だとしてMacintoshを選択した。マウスではなくトラックボールが可愛かったのも理由の一つだった。

月次報告書や稟議書などは会社の定型フォーマットで提出したが、週報など縛られない時はDTPソフト(Desk Top Publish)を用いて新聞スタイルで提出していた。スポーツ新聞のようなド派手な見出しと写真・図表満載。時には号外も発行して地味な研究職にあってはユニークな色を出していた。文系経営者から新聞方式は分かりやすいと評価を得て一人悦に入っていた。理系経営者はさぞ苦虫を潰していただろう。

Macintoshはその後iMacとなりボンダインカラーのスケルトンボディとなると速攻切り替えた。アイコン、画像編集、透明な付属品など時代の先頭を走っていた。スティーブ・ジョブズの生き様や見えない回路でも美しさを希求するやり方に共感した。

ところが、ビル・ゲイツのWindowsがMacと同機能で売り出し、あっという間に市場を席巻したのはご承知の通り。銀行のオンライン取引は当時のMacはできないとあって、Macからwindowsに切り替えざるを得なくなった。それから幾数十年。Windows一筋。個人ユースの利用したパソコン累計15台。現在のPCはインテルcore i7 SSD搭載だけに圧倒的な速さでサクサク動く。だが酷使したのが裏目に出て発熱が激しく、パソコンの下に冷却ファンを設置しても効果が小さく、連続仕様に耐えられなくなった。ある日パソコンからキーンと悲鳴が聞こえ停止。修理に出すことにした。ファンの故障だと良いがと念じつつ。

実は、その1週間前に家族の2台のiPadのうち1台をMacBook Airへの切り替えを考えていた。スマホ、iPad ,MacBookとデータ連携もよく同じアイコンなので気に入るだろう、ダメならMacへの郷愁もあり自分が利用すれば良いとして、最安価機種(8GB)を購入していた。Windows修理の間、急遽このMacBook Airを借用することにした。

そこで驚いたのは、最安価機種ではあるが、処理速度が抜群に速い。インテルCPUからMac独自のM1チップ搭載に切り替えた効果であるとのことだが、冷却ファンがないにも関わらず発熱しないのも好ましい。マイクロソフトのOffice365もMacで動く。windowsで作成したクラウドに上げていた資料はMacで利用できるのは、修理を待っている身にはありがたい。右クリックがない(トラックパッドで2本指押し)、ショートカット、コピペの仕方など指使いがwindowsで慣れていると戸惑いはあるものの、徐々に慣れてきた。

さて、脈絡なく書いてきたが、ある人に言われてハッとした。

*iPhone , iPadは既にパソコン並み機能を有しているが冷却ファンはないよ。

*パソコンの処理量はiPadより多いが、M1チップ搭載CPUにおいて8GBや16GBで画像編集などしない汎用の利用にはファン無しで十分適用できる。と

今まで、パソコンが上位にあり、スマホは下位であるとの思い込みをしていた。それが スマホやiPadで培った技術でパソコンを救済している逆転現象になっていることに驚いた。昔のMac愛好家にとってはまさに浦島太郎的である。

PCの市場は圧倒的にwindowsが占めている。ところが、スマホ、iPad分野はMac。今回Macを触ってみて、スマホとの連携が凄いことになっていることがわかった。ミラーリングが実に面白い。ソフトではwindowsに比較して負けてはいるが、スマホによるPCユーザー囲い込み戦略は見事だ。

ぼーっとしていてはチコちゃんに怒られそうだが、これは他のことにも通ずるものがあると思う。逆に言えば、急に表に出てきたことを驚くのではなく、その準備に何を実行してきたか、それを見せてくれたMac/windowsの変遷だった。修理されたパソコンを昨日受け取ったが、今度はMacに慣れた指がギコチナイ。頭と指の刺激は○○防止に良いとのことなので両方に付き合っていくことにした。

クルマのセキュリティ

たまたま見たTVのニュースに車の盗難報道があった。この種のネタは過去色々あった。だが、今回の監視カメラの映像は従来とは違うやり方だ。のちにYahooニュースで「CANインベーダー」と呼んでいることを知った。

キーレスエントリーがどのクルマにも採用されているので、多くの人はキーを自宅に保管する時には電磁波シールドのある金属容器に収納されていると思われる。裸で置いておくと微弱な電波を増幅して盗難する輩がいると知ってのことだ。当方もそれで良いと思っていた。しかし、先日の監視カメラ映像では、クルマのバンバーを外してパソコンを接続して巧妙にデーターを書き換えて盗難する監視カメラ画像が報じられていた。従来のイモビライザーだけでは厳しいとの声があるようだ。

こうなると高級車を所有する人は安心できない。当方は言うまでもなく関係がないが、気になる。

クルマは電子部品搭載移動体と化している。パソコンを購入すれば必ずセキュリテイソフトを入れるが、クルマはさてどうなっているのか? テスラ車はキーフォグがなくてもスマホで作動するようだ。そのスマホがハッカーされたら?と余計な心配をする。

2022年から車両監視サービスが強化され、車両メーカー+ソフトメーカーがそれぞれタッグを組んで進めるようだ。

(図―1)にあるように、クルマの差異化にセキュリテイの性能競争が加わった。(日経Automotive 9月号)

ソフトは国内ではNTTが名乗りをあげているが、パソコンなどのソフトで培ったノウハウを活かして海外勢力が攻勢をかけている。それにしてもイスラエルがドイツ、日本へと食い込んでいるのは驚く。軍事産業の成果なのか、優れた頭脳集団なのか、それとも政府のベンチャー投資政策が功を奏しているのか。いずれの因子も絡んでいるのであろう。

さて、そもそもどこがハッカーされるのか(図―2)に示すように、外部の要因が多い。

 

今までクルマ1台についてのセキュリティを書いてきた。ふと三年前の北陸における大雪で車列が一斉に動くことができず、物流に大混乱をきたしたことがあったことを思い出した。もしハッカーが日本の幹線道路走行の車列に一斉攻撃をした場合、道路は閉鎖状態になり、経済的打撃となる。クルマは自動走行などCASEが進めば進むほどハッカーに脆弱になることは避けねばならぬ。ドイツではレベル4の略自動運転が認可されたが、ユーザーが求めるのは、本当は新世代CASEであろうか? クルマって意のままに操作して見知らぬ所にまで行くことができる楽しみがある部分を削いでいる感もある。

そういえば、高齢者のブレーキ、アクセルの踏み間違い事故が多発した時、ディーラーの人から、高齢者はマニュアル車を運転すれば良いのではないかと言われたことをこのブログに書いた。そうか、その考えだと、クルマってエンジンかモーターの駆動部とタイヤ、そしてハンドルとカバーする覆いがあれば十分なのだ。まるで馬車のようだが。

カーナビが導入されてから地理音痴が増えた。歩いていてもスマホのルート案内を眺めながら下向きで歩いている人が多い。事前に地図を頭にインプットしておくとか、道に迷ってもあれこれ考えることで神経ニューロンが新しく成長し、接続することがあるかも知れない。ニューロンが枝を伸ばす様子を撮影できる時代。この方面の医学研究が進むことが予想される。

今のクルマは駐車時において、あたかもクルマの上から見ているような画像を見ながら所定のゾーンに駐車することができる。また自動駐車機能もある。ドアを半開きにしながら白線を確認してのバック風景は見ない。おそらく20年前のクルマを今の人が運転したら枠線からはみ出た駐車や、助手席の人が誘導する光景になる。人間らしいといえば人間らしい。運動神経も試されていた。

欲望のエントロピー拡大がもたらす将来は必ず反作用があることを、地球温暖化などに鑑みて考えることが重要かもしれない。チャップリンが見ていたら格好の喜劇ネタと思うだろう。とはいえ、技術の進歩が人に幸福をもたらすことはある。そこの見極めが重要であり厄介な課題に現代人は当面している。