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セロトニン

2月からの第一波コロナ自粛が5月に解除したかと思いきや第2波。山岳地帯の連続するトンネルのようで、いつ抜け出せるのか、カレンダーは8月7日立秋というのに。コロナに加え熱中症にも気をつけないといけない。 企業ではテレワーク継続、オフィス訪問禁止が続いている。当然、部屋に籠もりきり状態では身体にも影響が出始める。 恥ずかしい話であるが、先日、クルマで久々に近くに出かけた。帰路、右足首に違和感。一旦停車して屈伸運動で回復。初めての経験。アクセル調整はつま先メインの駆動であるが、その連携した上の筋肉がたるんでいるためと推定。あぁこんなところに運動不足が現れるのだと痛感した。

その瞬間思ったのは、脳の本体が指令して動く臓器、出先の神経・筋肉で動くパーツからなる人間にとって、運動不足は生命維持にとって決定的だ。

脳科学者の中野信子さんがTV,ラジオを通じてノルアドレナリン、ドーパミンが興奮・やる気・暴走の脳内物質で、セロトニンはストレスなどの抑制物質であると常に話されているので誰でも知っているワードになった。分子構造はあっけないほど簡単なアミノ酸。

ただせさえ不足勝ちであるセロトニンを増やすにはとweb 検索すると「1.早寝早起き、2.太陽光、3.リズム運動、4.よく噛む、5.グルーミング、6.トリプトファンをたっぷり摂る、7.腸内環境、8.継続」https://www.human-sb.com/serotonin/ と記載されている。

外の疾病原因にもあてはまりそうと言えば元も子もないが、いくつも原因が挙げられると百花繚乱のビジネスのネタとなる。 ジョギングより徒歩散歩が良いとか、1万歩は歩き過ぎ8000歩で十分。かと思えば、シッカリ歩けば1000歩で十分、後ろ歩きが有効。衝撃吸収のジョギングシューズは膝関節防止には良くてもセロトニンは少ない。「そこで、、、、このようなシューズを開発しました!」 的な商品が出てくるだろう。有酸素運動と言われて若い人からシニアが同じエクササイズで良いはずがない。

これに光りをあてた論文が発表された。実に面白いので長文だが引用する。まずは キャッチーな見出しだ。 つい先を知りたくなる。

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衝撃の事実! ジョギング・ウォーキングの効果は、脳への衝撃によるものだった!! 頭への適度な衝撃が脳機能を調節・維持することが明らかになった!!!

澤田泰宏 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所) 病院 臨床研究開発部(研究所併任) 臨床研究開発部長 – 2019年度 掲載日:2020.02.03

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軽いジョギング程度の運動中、足の着地時に頭部に伝わる適度な衝撃により、脳内の組織液が動き、神経細胞に物理的な刺激が加わり、神経細胞でタンパク質の分布が変わることが、大脳皮質における薬剤誘導性の幻覚反応の抑制につながることを発見しました。すなわち、この研究では頭部への物理的な“衝撃”が脳機能の維持・調節に関係していることを、その背景となる分子の仕組みと共に世界で初めて明らかにしました。本成果は、運動時に頭部に加わる適度な衝撃が健康維持・増進効果に重要である可能性を示すものであり、米科学誌『iScience』に掲載されました(2020 年 1 月 31 日オンライン公開)。

  • 軽いジョギング程度の運動を 1 日 30 分間で 1 週間続けたマウスでは、前頭前皮質※1(大脳皮質の一部)において高用量のセロトニン※2により誘導される幻覚反応が抑制される。
  • ジョギング程度の軽い運動をしている動物(マウス、ラット)では、前足が着地する毎に頭部に約 1 G の衝撃※3が加わる。
  • 麻酔したラットの頭部を、1 G の衝撃がリズミカルに加わるように、毎秒 2 回上下動させると(これを受動的頭部上下動と名付けた)、脳内の組織液(間質液4)が秒㏿約 1 ミクロン で主に前後方向に流れ、これを 1 日 30 分間・1 週間続けると、1 週間運動を続けたマウスと同様に、前頭前皮質におけるセロトニン誘導性の幻覚反応が抑制される。
  • 1 日 30 分間・1 週間の運動を続けたマウスと、1 日 30 分間・1 週間の受動的頭部上下動を与えたマウスでは、幻覚反応に関係する前頭前皮質の神経細胞におけるセロトニン 2A 受容体※5が細胞表面から細胞内部に移動(内在化※5)しており、セロトニンに対する応答性が低下する。

 

特に加齢や肢体不自由障害に伴う身体不活動※6 は、筋萎縮や骨粗鬆症といった運動器官の異常の原因となるばかりか、認知機能障害など脳機能の低下を含むさまざまな身体機能低下につながり、健康寿命をおびやかすことが明らかとなっています。運動が脳機能の予防・治療に極めて重要であることはわかっていましたが、運動が脳の健康を維持する仕組みはよく分かっていませんでした。

また、脳に限らず、運動は身体のほとんどすべての臓器・組織において炎症・老化を抑制する効果があることはわかっていましたが、その仕組みもよく分かっていませんでした。

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これは素晴らしい研究だ。これを日常の生活に取り入れるには、ジョギングしなくても階段を歩いて降りるだけでも効果がある。 エスカレーターは上りは利用しても「下りは歩き」 と筆者もこの文献を読み実行している。 居住地・横浜はアップダウンの激しい街であり、仕事場の東京は地下鉄の深さは渋谷30m、新宿40mこれを利用しない手はない。階段はリズム良く1Gを意識して降りるのなら、高齢者予備軍でも可能だ。

会社は社員のジム通いに福利厚生費を払うよりは、ビル階段降りポイント制はどうだろうかと妙なことを考える。来客エレベーターは例外として、社員エレベーターの下りは高速化し階には止まらない。 出勤、ランチの時間帯、エレベーター待ちで長い行列を観る度になんとかできないものか?と考えた答えがこれではややショボい。

まともそうな思いは、小学校でもダンスが必須科目になっている理由の一つはこれか??と。 団体規律学習かと思っていたが、次の振り付けを頭に入れて、自分の役割を俯瞰し、かつリズムよく次の隊形を形成する。振り付けの多くは床を蹴ったり、飛び上がったりの1G要素は多い。ミュージックも長い。楽しみながらの頭脳も駆使してのエクササイズである。 気がつかないがセロトニンが増えていると推察される。

だからと言って、5Gかかるジェットコースターに乗れば5倍セロトニン増量なると考える人も出るだろうが、繰り返し継続が重要なのは言を待たない。しかしながら、原因が分かったのなら、ジム、エアロビクス以外の産業が興るかも知れない。それはそれでビジネス可能性が成立するかどうか愉しみだ。ただし3密以後ではある。

海マイクロプラスチックを考える

始めにお断りをしておきます。レジ袋有料化に特段の意見を持つものではありません。環境問題に貢献したいとの皆様と立場は全く同じです。ただ、カーボンニュートラルが目的である植物由来ポリオレフィン(ポリエチレン、ポリプロピレン)であれば海マイクロプラスチックス問題の解決策のように誤解されることもあり、また、生分解プラスチックスであればカーボンニュートラルとマイクロプラスチックス問題も一挙に解決するのでは?との考えも提唱され再びスポットライトがあたっている材料もある。これらを踏まえ海マイクロプラスチックに焦点を当てて自分の頭を整理してみた。

  • 原油由来のプラスチックスとは

原油は(図-1)にあるように重油、軽油、灯油、ジェット燃料油、ナフサ・揮発油(ガソリン)、ガスからなり、さらにナフサは熱分解されて炭素数2のエチレン、3のプロピレン、4のブタンなどが、また亀の甲の形をした芳香族に分類される。(図-2、図-3)大まかにナフサは原油の26%を占めている。

 

 

 

 

 

 

ナフサからの誘導体の比率は自由にコントロールできない。自動車材料でプロピレンの需要が多い場合、自動的にエチレンも増産することになる。逆に言えばレジ袋のポリエチレンを削減しようとすると自動車材料がショートすることになる。大手化学会社では分解触媒の開発により比率を変える試みは継続しているが、実際は大がかりな投資が必要であり、そう簡単にはいかない模様だ。食品容器にはPETやPS(ポリスチレン)もある。これらの主原料は芳香族の誘導体である。芳香族の樹脂は耐熱性があり金属にとって変わる機能があり、自動車の軽量化による燃費向上やハイブリッド、EV車の機構部品向けに貢献している。では、芳香族誘導体の需要が増えたから、どうするか、既にお分かりのように全体のナフサ分解生産を上げる。でもその時にエチレンやPET、PSも増えるのだ。石油コンビナートは超微妙な匙加減に依存している。炭素数4は自動車タイヤの原料。タイヤ増産するとエチレンも増産との関係にある。 全体が幸せに調和するには、エチレンを大量に使用する用途を見つけ、それが、環境にとっても有益であることが極めて重要である。 その候補の一つがパイプ。 地盤が軟弱で地震があっても変形に耐えられ、酸化防止剤など配合しなくても寿命が長い衛生的なポリエチレンパイプを促進する施策を展開すべきである。

  • 植物由来原料のプラスチックスとは

サトウキビを発酵してアルコールを合成。さらにエチレン、プロピレンを合成して後の製造工程は原油由来と同じである。ポリエチレン、ポリプロピレンなどがブラジルで生産さら、日本では双日、豊通により輸入している。

分子構造は原油由来品と全く同じである。 サトウキビ由来なのでカーボンニュートラルを利用しているので環境中の炭酸ガスは増加しない。生産量はサトウキビと発酵能力の制約があり、価格は原油由来並よりは高い。なので、10%、25%を原油由来材料に混合して環境材料としている。

この植物由来のポリエチレンを普及する仕事をフイルムメーカー、商社が粘り強く活動した結果、現在は品不足まで来た。現在はPETも植物由来原料で生産することができ販売されている。エンジニアプラスチックスでは植物由来モノマーであるイソソルバイドを利用したポリカーボネート、ひまし油由来の耐熱ポリエステルなどが市販されている。

尚、ポリエチレン、ポリプロピレンは原油由来品と分子構造が同じであると記載した。では、偽物植物由来ポリエチレンがでる危険性があるが、面白いことに原油の中にある炭素とサトウキビの炭素は同位体の崩壊時間経過が違うことが分かっており、筆者は鑑定したことがある。

 

  • 海マイクロプラスチックス には原油由来と植物由来では違いがあるか?

ぽい捨てされて紫外線に曝されるとポリエチレンは分子が切れて粉々になる。これが海に廃棄されると餌と見間違う魚が口にする。これが問題の一つ。さらに、海の中にある汚染物質がこのマイクロ粉の表面に付着する、これが問題の二つ目。でも考えてみると、原油由来ポリエチも植物由来ポリエチも分子構造は同じなので紫外線での劣化も同じである。 要するにぽい捨てが問題。二つ目の問題は、そもそも海中に流れた汚染物質処理の問題。

 

  • 生分解プラスチックス

使用後に生分解する材料としてポリ乳酸、ポリブチレンサクシネートなどがある。10年前にブームになったが、現在、サイドスポットライトを浴びている。 コンポスターの中に入れ分解促進剤を振り掛けると水や酸素に分解する優れものである。

ぽい捨てだけで分解するかというと、そう簡単ではなさそうで、分解促進剤を振り掛けする工程が必要。 促進剤がなくても良いから分解速度を早くすると今度は製造したペレットから何日までは使用可能と農作物・果物の管理と同じ。 自動車など品質保証が決まっている分野には利用できない。それなりに製品寿命が長くする分子構造や安定化添加剤配合が必要となる。 一方、土の中に入れて分解させると、分解する菌の餌が増えるのではないのか? のような素朴な疑問に対しても答えがあるのか、不勉強ゆえ知らない。 コップの内面コーティングしているポリブチレンサクシネートでは問題が少ないだろうが、ポリ乳酸の大型製品の場合には考えることになろう。 また生分解プラスチックスには原油由来もある。

  • まとめ

*原料・ナフサ分解による誘導体の比率は大きくは変えられない。

*仮にポリエチレンは要らない、自動車向け材料やタイヤのみ欲しいと要求されてもエチレンがほぼ自動的に生産してしまう。

*なので、レジ袋削減しようとすとレジ袋の同じ原料の他の用途を開発しないとバランスが取れない

*植物由来原料プラスチックスも原油由来プラスチックスも分子構造が同じなので、ぽい捨てすれば、紫外線劣化によりマイクロプラスチックスになる。

*マイクロプラスチックス対策はぽい捨てしない教育問題、マナーが重視される経済的に豊かにすることがポイントだろう

*生分解プラスチックスが大量に使用される場合は大型コンポストのインフラが必要である。 ポイ捨てOKとは分解菌、町の美観からの見方も議論されるであろう。

 

超々臨界火力発電

ついに我が家の照明はLED化工事を余儀なくされた。蛍光灯の水銀問題から国内で生産中止になっていたのは知っていた。早晩、この工事が必要なことは分かっていた。長寿命で低電力消費だから切り替えをとのメーカーの声がある一方で、蛍光灯の取り替え頻度と当時のLEDの価格を比較すると、慌てて飛びつくような話ではあるまい。と構えていたのが正直なところ。

国内の家庭でのLED切り替え率は2107年統計でやや古いが55%なので、恐らく現在は60%を越えているのだろう。量販店でもLEDしか陳列していないので万事窮す。LEDが開発された当時、白色度、暖色度、寒色度などLEDの素子によって異なり、如何に昼の光源と同じになるかの競争がなされていた。 前職のショールーム(LED原料や封止材料開発)ではステーキ肉が美味しく見えるのはドッチ?的な箱をしつらえていた。 ステーキ肉を用意できないときは、手を箱の中に入れてもらうことで代替した。余程のことがない場合は“この手”で対応した。

さて、水銀問題は当然納得していたが、ビル内照明でLED徹底浸透した現在、皮肉なことにオフィスがテレワークは“がら空き”になって照明を消しているか、間引きしているところが目に付く。 極端に言えば「コロナ自粛期間、アフターコロナ新勤務状態」で電力供給が減少したり、

急に増加したりと電力供給サイドとしては表に出ない苦労があり、今でも継続しているのだろうと推定している。 おまけに太陽光発電など再生エネルギーは集中豪雨の毎日で効率が上がらない。 昼でも夜間並の発電パターンでカバーしなければならない。

 

今回のコロナウイルス罹病率・死亡者数割合いはも圧倒的に小さい。しかしながら、決して威張らない。理由が明確でない時に間違っていれば恥になる。それも反映しているのかも知れない。

しかし我が国のエネルギー政策を知らないで発言し、まして国際的な場でするのは流石に拙い。 COP25でK環境大臣がまだ日本は石炭発電を継続し、増強するのか?と質問され、答えに窮したことから、日本ダメとの印象を持たせてしまった。同時に国民にも負い目を持たせてしまった。 「石炭発電」言葉は同じでも「State-of-the-Art Thermal Power Generation」 であり、そのプロセスは「先進超々臨界圧火力発電」を旧装置を置き換えて行く。と説明すれば、興味を引いたかも知れない。 そもそも、これが何か分かっていなかったと悪いが想像する。各国のエネルギーは下記の通りで、決してキレイゴトでは済まない事情を抱えているのだ。

 

ドイツは石炭発電は2038年には停止すると発表しているが、隣のフランスの原発を利用することで成り立つ話である。 石炭も原発もやめろと言うのは暴論であることを知るべきであろう。原料が石炭であれ、液化天然ガスであれ効率が非常に高い先進超々臨界火力発電に置き換えるのが現実的なエネルギー政策である。

 

では、日本だけが先進超々臨界火力発電が可能であるかを簡単に説明しよう。

基本原理は蒸気でタービンを回す。水はご承知のように1気圧100℃で液体から水蒸気になる。超々高圧の35MPaで700℃の条件では気体のようで気体でなく、液体のようで液体ではない“臨界状態”になる。これをタービン室に誘導してタービンを回転させることで、入力エネルギーに対して48%前後の効率で発電ができる仕組みである。従来に比較して圧倒的である。 ここでは日本の材料メーカーのチカラが設計を支えていることが分かる。

即ち、超臨界状態ではタービンの金属は腐蝕が激しい。また高温・高速でタービンが回転することで、回転軸はクリープ破壊となる。 まして超々臨界状態である。そこで、この開発については平成22年から企業連合軍で分担し開発とイジメテストを繰り返した。

 

 

クリープイジメ実験のデーター例

 

 

最後に。

日本には蓄積された材料開発と実用評価技術インフラがあり、冷静に解析する技術者が日本のもの作りを支えている。 今回紹介のLEDについては企業内研究者がコツコツと開発したものであり、超々臨界タービンも同じである。今回紹介の事例で全てではないが、環境改良には、いきなりの王手はない。藤井棋聖の2億手先読みアルゴリズムを学び継続進歩を続けることか。将棋にちなんでSilver Bullet(一発で効く簡単な薬)はない。

 

3Dプリンターと都市防災

まずはこの作品を見て欲しい

 

建築モデル作成で有名な株式会社BENAの作品である。会社のある板橋地区の3Dプリンターによる都市モデル。カラー着色の3Dプリンター。首都高5号線の橋脚、道路上のクルマ、ビルの窓まで詳細に再現されていることは驚きである。1.2m四方に亘って忠実に民家も含め再現していることに驚きが重なる。3Dプリンターが出現する前は手作りの紙や粘土で作成していておりペイントも含め長時間の忍耐作業を必要としていたが、3Dプリンターであれば昼夜厭わず稼働することで遙かに短時間(この作品の場合は一週間前後と聞いているが)で仕上がっている。板橋、成増地区に詳しい人ならば、病院や区役所など直ぐに分かるだろう。そして災害があれば避難場所はあの空間だとすぐ分かる。 同社のWEBにも代表的建築物の作品があるので参照願いたい。

現在の喫緊の課題は洪水、地震、津波、火災などの被害を最小限に抑える国土・都市設計である。 対策案が発表されると地域でのヒヤリングがなされる。その時は平面図での説明であるだけに真剣味が不足していることは否めない。この3Dプリンターで例えば球磨川流域を作成して、山側から定量の水を流し込んだ場合、洪水までの時間、範囲がどうなるか、知事、住民に見て貰い理解することで、経済的・人名的損失は最小限にできるのではないか。 頭の中で想像するより、コンピュータグラフィックでプレゼンされるより、遙かに説得力がある。 都市でも昨年の多摩川越水問題。住民の景観が堤防強化では損なわれるとの反対意見があり、施工しないままになっていた。その時に3Dプリンター模型で越水すると被害が拡大することでone for allだと理解させることができたのかもしれない。

友人から信玄堤の話を聞いた。武田信玄の治水方法であるが、堤の一部を越水するようにしている。 上流からの下流への流量削減と流速のセーブの為である。 現在なら、適切なところにダムを造るand/or 切れても被害が最小限になるように河川を設計する(実際一部はなされているが)ことになる。

東京駅から皇居に向かってのデザインが随分変化した。昔は駅・大丸ビルがで~んと構えており、海からの風がストップしていたが、両サイドに高層ビルを建て中央を空けることで風がとおり、丸の内側の温度が灼熱から緩和することができた。 都市にとって温暖化とは都市発熱と風の通り難しに大きく依存する。 打ち水だけでは済まない。 3Dプリンターで作成して風洞実験して「風、熱流の流れを見える化」することで建築制約、都市集約デザインをすることで無駄な電気エネルギーを削減することができるだろう。 北区、足立区、葛飾、江東区などの東部地区の洪水問題、世田谷地区密集住宅街の防火問題などは、地域住民の個々の事情があって、中々動かないテーマであるが、その解決に3Dプリンター都市・国土モデルは有益ではなかろうかと強く思う。

因みに、和光市の理化研、商工会と3Dプリンター活用企業のメンバーが研究会を構成してソフト、ハード、材料、マシンなどのついて研究開発事業を推進している。BENA社そして筆者も会員である。(過去のブログで和光市民祭りで作品の一部を紹介したことがあるので参照願いたい。

先日。日経は「自治体の9割、浸水危険地域でも住宅立地 転出に遅れ」を報じている。

自治体の都市計画では水害や土砂崩れで危険だから「居住誘導区域」を推奨しているが、その誘導区域が危険である割合いが高いとのこと。いやはや、これでは移住したくなる動機は小さい。 仕事を求めて都会に来る。マイホームを建てるには資金面で建築する地域はあまり選べない。無理からぬところである。 東京も徳川家康が城を構えるまで人が住める場所は青梅や日野の武蔵の国。河川を付け替え、干拓をして土地拡大してきた。

最後に干拓ついでに横浜も。明治になり新橋―横浜に汽車が開通した。その終着駅の横浜は当時は海の中。東神奈川あたりから海の上を鉄橋で桜木町まで線路が敷設されていた。 6月に桜木町に新駅ビルができ、復刻実寸汽車が展示されている。みなとみらい散策のついでに寄ってみては如何でしょうか。これも3Dプリンターで製作できる日は来るだろう。

樹脂成形とジルコニア焼結に共通するものは

他山の石・対岸の火事・人の振り見て我が振り直せ・・・子供の頃から親・教師から言われきた。企業活動においても他山は参考になる。良い意味では切磋琢磨。悪い意味では他企業の失敗の轍を踏まない。 自動車は約80万点の部品からなり、どの一つに欠点があってもトラブルの元になるだけに、品質管理には厳しい。トヨタ品質管理はISOより厳しくレベルが高いことから傘下企業は勿論、材料メーカーも同様の品質管理意識が徹底している。

御三家の一つデンソーが燃料タンクの中に内蔵する燃料ポンプのインペラー(回転部品)の品質管理に手落ちがあって340万台のクレームを受けた。2200億円の損失計上して惨憺たるIR発表となった。走行中に燃料切れで停止のトラブルと報じられている。材料は燃料に強いPPS(ポリフェニレンサルファイド)。射出成形により溶融して金型に射出し冷却して取り出して製品としている。 寸法や重量などは成形毎に工程管理されているはずで、抜き取り検査として強度や複合材料の存在形態など測定している筈である。その範囲では全く異常がないことで合格品として継続納入していたと推察される。

 

PPSに限らず、樹脂は溶融され極めて小さいゲートから射出圧力で充填され溶融温度より低い金型表面温度と接触して流動して形になり、冷却時間の中で固まる。 下線部の成形の条件が常に制御されていることが必要である。 厄介なのはどれかの条件が外れていても見かけは同じ製品に見えてしまうことである。 製品の引張り強度試験では分からないのが今回トラブルの原因とみている。今回のインペラー製品は使用中に寸法が変化してホルダーに接触した。では何故寸法が使用中に変化したのか。 材料屋の目では射出成形中の残留応力・残留歪みが解放したこと、それに結晶化が促進したのではないかと思われる。 金型温度、成形サイクル、ゲート位置の取り方、冷却温度パターンが初期のころの設定から変わったのではないか気になる。

残留応力の測定は金属では広範に利用されており、トヨタ圏の企業には装置が導入されていることは知っている。が、樹脂となると導入例は少ない。

筆者は樹脂の残留応力について種々検討して解決するべき材料特性と成形条件について特許を出願し登録されている。 フルデンチャーを樹脂で一気に成形するケースが来るかどうか分からないが、その時は利用できる技術ではある。切削調整にも可能な材料としている。

歯科から将来の外科への適用では失敗は許されない。 成形サイクル短縮を軽々に適用して目の前の“合理化”を追うことは、なおさら厳しく、合理化と真逆なことも勘案して取り組む誠実さが要求される。

さて、ジルコニアである。 メタルに代わって安全性、強度、審美性に優れた材料である。ジルコニア正方晶系の結晶単体では非常に硬い靱性を高め、切削性を改良することからイットリムを2~5%配合して調整している。結晶系もイットリウムが配合されることで安定な領域を占め、広い範囲で硬さ、透明性が変えられる特性が発現された。イットリウム配合のジルコニアをプレス成形してディスク状にして販売されている。コスモサインは世界トップブランドと技術を誇る東ソーの粉末からなるディスクを単層の時代から現在の3D-proに至るまでのAidite製ディスクを販売している。切削加工したのち焼結工程を得て製品となるが、ここでの注意点は焼結温度までのステップワイズ昇温パターン、焼結温度とホールド時間、及び冷却パターンである。イットリム配合ジルコニアは焼結温度により密度が異なること、結晶粒界におけるイットリウムの存在濃度が変化することから、焼結作業には注意が必要。しかしこの重要なポイントを抑えて無駄な時間をトリミングすることで合理的な速度で焼結が可能となる。コスモサインが1月より販売開始したAidite焼結装置CAMEOにはカーボンシリケート加熱ヒータ-を採用していることも焼結作業時間短縮に寄与している。CAMEOの動画を作成You Tubeに投稿して頂いた技工所の作品をご覧いただき、是非のお問い合わせについてはコスモサインはお待ちしています。  図はイットリムの存在パターンについて(東ソー技報63巻2019より抜粋)

球磨川集中豪雨と為政者の決断

この度の熊本・鹿児島・佐賀・長崎・福岡における線状降水帯豪雨による被災に遭われた方々に衷心よりお見舞い申し上げます。 先祖代々の土地・家を守ってこられたご高齢の方の落胆・悲哀をTV等で見る度に、心が痛みます。 濁流が鉄骨製の橋を岸から剥ぎ取り流出する様は筆舌に尽くしがたいものでした。 

熊本県樺島知事は言う「ダム無し治水が悔やまれる」と。ハテサテ、どこかで聞いた台詞だとお気づきの方も多いと思う。直近では北陸新幹線・車両基地が長野千曲川の氾濫により水没した。12全車両廃棄処分。千曲川は演歌歌手がのどかに歌い上げる題名の雰囲気があり、氾濫するとは思わなかった。治水にもダムかダムに依らない方法か?と問われれば、後者が可能であれば、それは好ましいが、ダム回避決定した当時の田中知事(小説家)は後者をとったが、その結果は大被害をもたらした。 

ラグビーワールドカップの最中に関東地区は豪雨に襲われ、開催が危ぶまれたが新横浜地区は競技場の1階及び地下の巨大な遊水池に助けられて無事開催継続することが可能となった。東京も数カ所に巨大な遊水地下構造体の建設したことも精神的安定に寄与した。但し抜本的には上流の利根川の八ッ場ダムが完成してほぼ空っぽ状態だったので警戒水位を越えることはなく、下流ではダムがあって良かったとの声が大きかった。

無論、ダム無くても関東平野の水量は数センチしか上がらないとの計算も反対する人々から異議が唱えられていることは事実である。だが、昔は田んぼが保水能力があるが、都市化に伴い減少すると水の流れは(折からの線状降水帯・異常気象のせいもあって)急峻・増水になることは間違いがない。

八ッ場ダムにストップをかけたのは民主党政権時の前原国土交通大臣。地元住民の反対の声を聞いて、なるべくダムに依存しない治水をと訴えたが、妙案がなく、時間だけ無駄に過ぎ、野田政権で復活したことは記憶に新しい。 当時「コンクリートから人へ」と政権党は謳った。だが「命を守るコンクリートを悪と見なして人命を奪った」それが政治結果。 野田があの党にいて最悪を回避できたのは奇跡としか言いようがない。彼は評価に値する。 今回の都知事選挙で東京都の災害対策に具体的に触れた候補者がいたであろうか? 避難困難な荒川区、足立区、墨田区、北区をどうするのか?危険度マップはある。しかし特別警戒情報を流すだけが対策とは熊本と同じレベル。石原都政が蓄財した資金の使い方がオカシイ。金は活かして遣うべきである。

 言いたいことは大局からの視点で判断することが為政者には求められる。 海のマイクロプラスチックス云々はそれ自身取り上げるのは悪いとは言わないが、濁流で建築物や生活物質が全部海に流出することの環境破壊はマイクロプラスチックス問題を遙かに超えている。石炭発電は悪だと決めつける前に現在の日本の火力発電の効率はどうか調べた上で、水力発電のハイブリッド化を狙い、治水は何よりも人の命を守り環境問題にも貢献する。

 熊本県がダムなし治水の構想をどこまで検討したか、部外者が知らないので申し訳ないが、政治は結果責任である。悔やまれるならその前に行動するのが為政者である。会社であれば、そのような言い訳は誰も聞いてくれない。 知事が学者、アカデミズム、評論家出身は兎角結論が遅いか、方向違い傾向にある。PDCAがある(Plan Do Check Action)。口が悪い連中ならPDCAではなく、PPPPPいつまでもP)だと言うだろう。そうかもしれない。 

現在の会社でこれを信用している社長・社員はいない。 Doが先にないと置いてきぼりになる。 でも、この説をオカシイと言うなら、ソニー、ホンダ、の会社設立当時はこれだった事を考えると実は本筋なのだ。 ソニーの場合は手に半田ごて、ホンダの場合はスパナを手に昼夜邁進没頭した。

 今は、スパコン富岳もあれば、3Dプリンターがあり容易に災害シミュレーションが可能である。

筆者は和光の理化研をメンバーとする3Dプリンター研究会に属している。仲間の会社では詳細な都市を3Dプリンターで再現している。 それをみるにつけ、この3Dプリンターを急峻な日本の山岳及び扇状地帯における流水拡散状況、地盤への水の浸透モデルに利用できれば、恐らく具体的に誰にも理解できる対策案が提示でき、政策の迅速な施行ができるのではないかと考えている。如何だろうか。 

昨日、東名高速を社用で走行していたら、追い越し車線を災害救援と表示された陸上自衛隊独特の塗装された頑丈な大型トラック複数が西に向けて走っていった。思わず手を自然と振った。感謝・感謝である。

 

石鹸の驚き殺菌作用

お店によってはアルコール殺菌と検温の両方をしないと入店拒否されることがある。昨年末から6ヶ月の間、手の皮膚はアルコール殺菌、泡ハンドソープなどでの洗浄頻度が急増している。一般医院が患者激減で経営が苦しいなか、増加しているのが皮膚科。皮膚の表面が脱脂されることにより手荒れ、ガサガサ、水疱などの治療が多いと聞く。市販の塗り薬で対応するも、塗り方が適切でないと正常な部分が逆に冒され拡大するに至って皮膚科を訪れるとのこと。

こんな時に「アルコールアレルギーのお客様には******」を勧めるようなお店があれば、お客様の立場を理解しているとして、買う動機のボルテージは高くなるだろう。極端だが画一的なアルコールしか眼中にないような店には、商品やサービスを期待はしない。

筆者は注射や採血時にはアルコール脱脂綿より、クロルヘキシジングルコン酸塩をお願いしてきた。早口言葉的で最後まで言うと看護師さんの当方を観る眼が違ってくる。(多分変人だぁ!と)。注射程度で赤くなったり、痒みが発症する程のアルコールアレルギーではないが、看護師さんとの会話目的が半分の理由。脱線ついでに、採血では静脈を探すが、静脈が細いか内部に存在すると看護師泣かせで、筆者はそれに相当する。健康診断時に一発で当たると凄いと褒め、何回でも刺したり抜いたりの繰り返しの看護師には激励して、心配無用、既に赤外線を利用した静脈位置測定装置があるので何れ普及するとか、また唾液からも現在の採血に代わる分析が理論上は出来ているので、採血の腕を磨く必要はないなど会話をしながら採血が終わるのを待つ。隣では筆者が終わるまでに3人は終了している。(注:唾液からの成分分析精度は血液の1/1000なので本格実用化は先)

上記で「******を勧める」とあるが、さりとてクロルヘキシジングルコン酸塩は普通はない。それではどうするか。基本は石鹸による手洗い。手洗い動画はピコ太郎さんら芸能人により衆知徹底広報がなされた。石鹸での手洗いによる殺菌はザックリ言えば洗濯の原理と同じである。

今回の新型コロナウイルスを対象にした研究ではないが、インフルエンザのウイルスに対して普通の石鹸が非常に有効であるとの報告が北九州市立大学、広島大学、および石鹸メーカーから発表された。(引用:日経 山根真一)

インフルエンザウイルスの表面(エンベロープ=外殻)は、脂質二重膜で覆われている。つまり、これらのウイルスは1ミリの1万分の1という極微小の「脂くるみの玉」とみたてると、洗剤の界面活性剤は布に染み込んだ脂汚れを引き剥がすが、ウイルスの外殻も脂なので同じようにその脂を引き剥がす。洗濯と理屈は同じ。その様の動画がある。米国の蛋白質構造データバンク(日本支所は大阪大学蛋白質研究所)が製作したものでTVで宣伝される界面活性剤による洗濯や食器洗いのイメージと同じである。

米国の蛋白質構造データバンクが製作した動画「Fighting Coronavirus with Soap」の一部を図示した。

 

ところが、昔ながらの自然素材無添加石けんは通常のハンドソープの100倍以上の対ウイルス殺菌効果があることから、単なる洗濯原理ではなく、別のメカニズムがあると先述の研究者らは突き止めた。

自然素材無添加石鹸には「オレイン酸カリウム(C18:1)」を含有しており、ウイルスと「静電的相互作用」して棘を抜き取ることで殺菌効果が大きいと結論付けている。この結果を実験で観察するには界面活性剤が吸着するときに発熱するか、急熱するかの超微量カロリーメーターが開発されたことが大きい。詳しくは引用文献を参照されたい。

自然素材石鹸は共同研究会社のシャボン玉石けんから求められるが、日本で最初にフランスから石鹸がもたらされ国産化した当時は現在の合成界面活性剤は存在していなかったので、玄武石鹸なども広い意味で自然素材無添加石鹸に該当するのだろう。現在も玄武石鹸はあるが業務用なので、手洗いに適用は要確認。

もとより、石鹸は手の正常な脂質を除去することから、手洗いの後はハンドクリームを塗ることが必要であり、これが医療従事者にとって手洗いの頻度が高いだけに厄介である。

さりとて、樹脂製の薄い手袋を終日装着していると蒸れて異汗性湿疹になりかねないし、手袋の内面に滑りをよくするための無機フィラーが配合されていると、それによるアレルギー反応をもたらす。(手術室で使用の手袋は滑り剤は配合されていない。空中に飛散することを回避している、)

筆者はここに新しい需要がありそうだとみており、いずれの開発アイテムに取り上げている。当然のことながら歯科、歯科技工も対象としている。さて、その秘密は?

 

ドライブレコーダーとAI事故処理

不幸な煽り運転による犠牲者が発生以後、ドライブレコーダーを取り付ける車が増えた。後方を記録するのもある。 何らかの煽り運転や交通事故に遭遇してしまったときの証拠画像としては有力であることは間違ない。 しかしながら、交通事故の場合の多くはドライバーの死角からいきなりクルマが飛び込んでくる瞬間で、何がなにやら分からない状態で、お互いの責任を巡って言い争うになるか、保険が下りるにしても時間がかかる。

で、筆者は知らなかったが、この事故に対してドライブレコーダーは事故の15秒前から記録されていることと、その時のクルマのGPSデーターから位置情報を特定し、地図上で双方のクルマの位置関係・信号記録などから、事故発生をパソコン上で再現することを東京海上日動火災は発表した。 多くの事故例をAIに取り込んで深層学習の成果だそうだ。実用化は始まっているようだが、もし事故が発生したら20分後には、どちらのクルマに責任があったか、双方にあるとしたら何割かなど算出するとのこと。(Automotive 7月より抜粋)。

カーナビ、スマホによるGPS記録が充実していることに加えて、ドライブレコーダーの普及があって可能になった。 過去、不幸な事故があった。また、事故処理によっては重い責任を冤罪罪的に負ってしまったことも中にはあった。それを解決するならば大いにAI適用に賛成だ。

 

 

 

 

 

 

 

 

思うに、

自動車保険会社は自動車保有台数の減少に伴って、契約者が減少していると容易に推察される。一方で、オンライン契約だと割安! とか、乗った距離数で保険料設定! 夜間休日でも交渉可能! とあの手この手で勧誘している。 レンタカーやシェアカーでの事故発生した場合は修理期間短縮などを考えると、なにより事故責任の明確化と保険金支払い期間短縮が望まれる。 格安云々よりはこちらの因子が大きく、このビジネスは伸びるのではないかと思われる。 利用者としてはドライブレコーダー取り付け車向けは、格安にしてもらえないだろうか。 筆者は無事故無違反でゴールド免許を保持しているが、万一事故に巻き込まれた時に責任が10%以下と判定されたら、救済ゴールド制にならないかなぁと横着にも考えたが甘いか。冗談はさておき、AI偏重では問題がある。 それは、事故車がどうしてそのような行動をしたのか?の解析には有効ではないのだ。

自動車機構内トラブルが発生して暴走したのか、急にストップしたのは電気系統や燃料系統にトラブルがあったのか? それともタイヤトレッドが摩耗していたのか。。。など物理的な因子に加え、ドライバーの体調(持病・飲酒・薬物)(借金・家庭内DV・仕事の失敗など心理面)も関係している。そうなると、責任加重は変化する。性善説のドラーバー同士の事故とは限らない。 保険会社でAIの陰でリストラされる調査員がいるとすれば、寧ろ、こちらのプロになる教育を施して強い現場情報を加味されることが好ましいと考える。シニア向き職業である。如何であろうか。 

マスクとエコバッグの汚染とは

NHKでマスクの外し方を観た友人から「NHKのニュースで、マスクの外し方を説明していたのだが、「マスクの前面は汚れているので、必ず紐を持って着脱してください」と専門家が仰っていた。でも、マスクの前面が汚れているくらいだったら、外に面している衣服は全部汚れていることにならないか?シャツでも、パンツでもみんな駄目じゃん。そこまで気にしないといけないのか?マスク以外の衣服はどうすりゃいいのかな?」と友人からのメール。

マスクの表面の面積に比較すれば、衣服・鞄などにコロナ菌がより多く付着するはず。MSC Software傘下のソフトウエアクレイドル社がCFD(数値流体力学)ソフトscFLOWを用いて嚏による微粒子の飛散を計算し発表している。マスクなし、袖で口をカバーした場合、マスク有のそれぞれの飛沫が空気中でどのように飛散・拡散するか計算している。マスクの有無で相当違い、袖で口を押さえたところで変わりなし、それよりマスクは抑制されることが分かった。しかしながら、それでも飛沫は飛散・拡散している。相手のマスクというより衣服に接触・沈着することが多くみえる。

 

 

 

 

付着するかどうかはコロナウイルスの帯電列がプラスなのかマイナスなのかによるが、コットン、ウール、ポリエステル、ナイロンの天然・合成繊維は帯電・電荷が異なる。また歩行や電車内などでの摩擦により帯電量も異なる。子供のころ塩ビシートを擦り合わせて頭髪などにあてて髪が逆立つことなど遊びながら帯電(静電気)を知った。暫くするとコロナウイルスを付着させない電荷の反対繊維の衣服や、繊維表面をコーティングするスプレーを見つけることになろうかと。先のメールの相手には、帰宅するやシャワーを浴び、アンダーは即洗濯、衣服はスチーム処理を勧めた。 かくいう筆者は衣服のスチーム処理は1回/週程度なので、友人に勧めておきながら反省した。

因みにプラスに帯電するのは毛髪、ナイロン繊維、ウール、シルクでマイナス帯電するのはポリエステル繊維やウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレンなどである。眼鏡レンズがガラスならプラス、ポリカーボネート製ならマイナスと別れる。ゴーグルに利用しているシートはポリエステルかポリカーボネートなのでマイナス耐電する。

ウイルスの表面が蛋白質だとするとプラス帯電だと思われる。考えてみると衣服の素材ではナイロン減少、シルクはもとより少なく、ポリエステルがメインで裏地ウレタン糸のスパンデックスが多い。吸着しやすいのかも知れない。

 

米国ではエコバッグを止めてポリ袋を復活させたとのニュース。その理由がなんとエコバッグは洗わないので不潔。コロナウイルス対策には清潔なポリ袋が適している。それが理由。日本では7月からコンビニも有料でエコバッグをお持ち下さいと周知徹底を図っている。いや持ってますと答えると「ありがとうございます」と言われる。環境意識がある企業のバスに乗り遅れないとのことであろう。ここに落とし穴があると衛生面では日本より劣ると潜在的に観ていた米国が考え実行するとは思わなかった。

日米まるで反対である。筆者は従来からポリ袋が環境及び経済にもベターだと主張していた。その理由は別のブログに掲載した。今回の米国のエコバッグ廃止の理由が衛生面からとは気がつかなかった。家庭にはエコバッグが幾つかある。使い古したモノもある。でも洗ったか? アルコールスプレーしたか? と言われれば、自分はしなかった。マスク不足の時はマスク再利用の為にあれほど念入りにしたのに。

北九州では第2波、東京では歓楽街で発生が報じられている。横浜では神奈川県から安全とのお墨付きが店頭に表示されている居酒屋、レストランは三密対策されており、往時の賑わいとはなっていないが、皮肉なことに、お墨付きがない店では客が密集して大声が外まで聞こえてくる始末。いずれ第2波が来るか。勝って兜の緒を締めよと古人は戒めた。今はまだ完治までの途中なのだ。

結論先送りテレワークの熱力学

三○総研勤務の人に言わせると「アフターコロナと言っても、元に戻るだけ」と言われたことがある。そんなことはないだろう。テレワーク導入企業が増え、不要な人材も抽出され、折からのデフレ恐怖で、リストラ、事業変換を迫られて変わらざるを得ない。大方の人がこのような見方である。筆者も3ヶ月に及ぶテレワークを與儀なくされた。移動時間がないこともあり便利だと初めのころは思った。だが、解除後の今になって考えるに、この見方は一部の業種は適合しても、多くの業種では違うのでは?、又ビジネスの規模に依っては違うのでは?との結論に至った。冒頭の三○総研の人の言うとおりだ。では何故そう考えたのか。

圧倒的に異なるのは テレワークでは仕事に必要な活性化エネルギーが不十分であること。

これに尽きる。言い換えると「テレワークを通じての情報を聞いて発熱しない。平べったい受け取りの聞くだけの割合いが多く、盛り上がりに欠ける。」相対する人・人集団と直接会うことのメリットは情報交換だけでなく、より良いソリューションに導くための、一見無関係で価値がなさそうな意見も、肌感覚でおおおっ!とセンサーが働くことがある。何より、やる気を評価できる。相手もこちらの本気度、熱意を計測している。 

TV会議はスイッチを切って終わる。会議のあとの雑談や本当の腹の探り合いは全くない。効率が本当によいのか、多分結論まで時間を要すことになるのだろう。実際、この自粛期間中は何も決まらなかった。知らないでいる不安を取り除くためのTV会議だと極論を言えばそうなる。 大きな決断のビジネスでは結論先送りでなかなか決まらない。 踊らない会議・決められない会議。200年前ウイーン会議のデジタル版

 

経済学者が唱える理論とおりに社会は動かない。学者は社会構成メンバー(国民)の方が間違っていると言うだろう。本当か? 複数の大学の経済学部の先生方の講義を聞く機会がある。企業分析が聴衆にはわかり易いとあって例題に挙げて講義される。しかし先生方が研究対象に取り上げた企業はそのタイミングでは成長しており理論では更に伸びる筈だった。それが講義を聴く時には真逆になっており、聞いている方が白けることが小生の場合は多い。(そうでない学者の講義を聴いていないので暴論をお許し願いたい)

経済の素人の筆者が暴論を許されれば心理学や自然科学の方が適合するのではないかと思った。「自然科学」では広すぎる。生物・数学・物理化学など多々ある。そこで一つだけに絞るとすれば、熱力学であろう。

 毎日料理している人は言うだろう。当たり前だ。小豆を水に浸けておいても餡にはならない。加温(熱エネルギーを与え)して柔らかくして機械的にすりつぶすことで練り餡、こし餡ができると。その通りで、エネルギーを与えないと新しいステージには移らない。

化学反応・光反応などは熱及び光のエネルギーを利用している。(図参照)

 

仕事に置き換えて、個人、個々の組織が基底状態にある時に距離が近くなるほど、熱量は高くなる。(正確に言えば、距離が離れるほど熱は伝達し難い)一般的に距離の2乗に反比例して熱伝導は低下する。 テレワークは見かけ上は距離=ゼロに近いのでエネルギーは高くなる筈だが、意識距離はそうはならない。平熱が若干上がるか変化しない程度。それが筆者の3ヶ月の経験。 熱力学でもう一つ見落とせないのがエントロピー。厳密な定義は別にして超簡単に言えば

 熱変化量=温度xエントロピー変化量 

 エントロピーは系の複雑な動き度合い。系を社会とした場合、自粛要請で動きが抑制されるとエントロピーは小さく活動エネルギーは小さい。これは今回、身をもって経験した。激しい動きがあれば熱変化量は大きい。経済もおなじ。

 地方自治体で給付金や補助金を出すにも蓄財量が少なく、ない袖は振れない状況に対して東京は余裕の8000億円をどーんと出した。出し過ぎて残額は500億円になったと贅沢な話。人口、交通インフラ、夜の接待も含めエントロピーでみると東京はダントツ。もろ経済にも反映している。経済活性化には人間の活動活性化させるのが必要だ。下手に閉じると経済は死滅する。 今回のコロナ渦において死者数は医療従事のご努力で抑えることができた。感謝大である。一方で、その他の疾病、交通事故、災害、自殺など全部の死者数は対前年、ここ5年平均より低い。為政者も含め視野は二次元なので経過時間見合いでの自粛発出タイミングになる。しょうがない。でも、四次元の数式解析があれば違っていたのかも知れない。 いやいや四次元なんぞ小難しいこと言わなくてもK値が有効だと阪大・中野教授(物理)が提案して注目を浴びている。

話はエントロピーらしく、あちこち話題が飛ぶ。

人間は蛋白質・脂肪・炭水化物・微生物及び水からなる生物である。ここでエントロピー抑圧を継続するとどうなるか? 材料分野の言葉でいえばクリープ現象が起きて、エントロピーが低くても各臓器が「これでいいや的」になってしまう。肉体的、精神的の両面において。心理面でみると鬱の原因になると筆者は考える。自粛期間中に書物など読む機会があった。個々の基底エネルギー準位は高くなった。今度は人と人と近距離で交錯させることでエントロピーが高くなり、各自が蓄えたエネルギーを合わせて高い励起状態になり新規ビジネスなどに繋がればよいのではと期待される。 結論:テレワークは補助的に利用するのがよかろう。