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盛り上がりオリンピック

連日のオリンピック盛り上がりは予想以上で愉しませてくれる。柔道、卓球など破竹の勢いもさることがなら、初めて登場したスケートボード、サーフィンなども観ることができた。フェンシングなど過去頂点に立つことがなかった競技でも大活躍である。

インタビューの内容に驚いた人も多かったのではないだろうか。かっての絶叫調はなく、きれいな日本語で理路整然と端的に話す選手が多かった。恐らくトレーニング中には表彰台を目指してのイメージをしており、インタビュー当然あるべしとして作成し自問自答などで鼓舞していたのであろうと思われる。多くの選手は開口一番、開催して頂いて感謝している。この5年間を凝縮した結果だと述べている。リオから来たるべく四年後を目指して体調がピークになるよう積み重ねてきたのが、延長。その間、中止論も持ち上がる空気では、普通の精神力では萎える。この逆境は世界の選手も同じ条件であるが、よくぞ東京大会を信じてやってこられたと感心する。

オリンピック放送の初日に誰の・何の為の大会か?と某放送局は発言した。答えはこの開催期間で十分学んだものと思われるので、パラリンピック終了後に総括の言葉を聞きたいものだ。

誰のため、何のため。 実は3月に筆者は共同通信のインタビューを受けた。

記者:オリンピック開催に対する意見がありますか?

当方:勿論、大賛成!

記者:エッ? ほとんどの人がNoですよ。珍しい人ですね。何故ですか?

筆者:賛成の理由を次のように言った。記者はスマホに凄い速度で記録。

  • 日本も世界も未曾有の精神的落ち込みの中にある。活性起爆剤が必要
  • 前回の東京オリンピックでの日本人の活躍、アベベの裸足マラソンなど世界には多様・多能の人がいることを知った。
  • 東京オリンピック記録映画(市川崑監督)を観ると、例えば男子100mスタート時の筋肉の動き、眼光鋭さなど頂点に挑戦する様を目の当たりにして感動しない人はいなかった。バレーボール、体操、柔道の活躍は記憶と記録に残っている。でも女子110mハードルの依田いく子さんの痛ましいほどの追究した体(テーピング)、国を背負って42kmを走り最後で3位になった円谷幸吉さんの覚悟は現代に欠けている。

悲壮感とは違った形で今回は見せてくれるのではないか。

  • ワクチン外交に努力している(3月時点)ことを評価している。

而して、無観客ではあるが開催された。兄妹同日金メダルは空前絶後の出来事で興奮した。卓球混合ダブルスの準決勝、決勝の大逆転劇はTVであっても興奮させてくれた。逆にメダルに届かなかった選手は1年順延の影響が余りにも大きく影響する種目であったと同情する。打倒日本水泳と頑張って成長した世界の選手に拍手だ。

裏方も実は5年間の業務を淡々とこなしてきた。目立たないが、マリンスポーツの沿岸は東京湾を中心に茨城~湘南地区と非常に広い。この海域のリスク管理を海上保安庁は5年間詳細なロードマップを作成し作戦行動を執ってきた。拠点を横浜に置き活動しているのを知っている。自衛隊の協力なしには運営は厳しいが、その自衛隊も熱海土砂崩落に活動されている。このように競技以外のシステマチックな活動があっての開催ができることを有難く感謝している。まだまだ続くオリンピック、パラリンピック。頑張ろう日本。

最後に柔道で金メダルと獲ったウルフ・アロンさんの中学二年の時の作文を転載する。(写真 左下から右上)

この覚悟を今我々は持っているかを鋭く説いている。有言実行・武士道にも近いではないだろうか。

開会式

スポーツには筋書きがないと言われるが、大逆転の試合などあり、引き込まれる。日本選手の活躍ばかりでなく参加した選手は紛れもなく頂点を極めた人ならではの言葉が発しられ、重ねて感動を与えてくれる。

開会式は一般観客ゼロの静寂な雰囲気ではあったが、入場行進してくる選手の明るい姿に「トレーニングもままならぬ環境のなか、よく来られた」と正直思ったと同時にアレ?この曲ってドラクエ?。道理でノリノリの行進もあった。

ゲーム曲をもってくるとは日本より世界の方がエッ??と思ったであろう。57年前の開会式を覚えているシニア層は古関裕而氏のオリンピックマーチとよく似た行進曲だろうとと思っていただけに意外だったようだ。家族からは日本はゲーム、サブカル、観光で押していくのを主張していると受け取られるだろうとコメントがあった。先端医療・材料・エネルギー、環境、先端モノ作りを組み入れる工夫もあっても良いのでは?とも感想をもらしていた。全くの同感で鋭い解析をする家族にも感心。

演出については普通から辛口まで評価は色々あるが、誰も言及していないのは入場行進の順番だ。あいうえおの国・団体の行進順に何故なんだろうと。普通ならABC順。

筆者の考えは以下のように回りくどいが、こうだ。平安初期までは漢文が主流だったが、中期になると古今和歌集には和文も掲載されるように仮名が発明された。紀貫之の土佐日記でひらがなの文学が登場し、「また男もすなる日記といふものを、女もしてみむとてするなり」と男が女性の立場にたって和歌などと組み合わせてなされたものである。以後、清少納言、紫式部とつづく。ここに日本は女性の立場を1300年前からあるのだとのセレモニーの伏線を敷いたのではと考えた。(和歌なら“いろはに順”でしょと言われるかもしれないが、海外の日本語学習実態からは“あいうえお”が妥当)。

森さんの発言が切りとられ、日本は女性は活躍していないとの報道が浸透していたので、そうでは無い、寧ろ女性の活躍はいにしえからあるのだと主張したのだろうと。

漢文から和文に移行することで庶民の識字率が高くなり、独特の文化が養生された。江戸の火消し、歌舞伎の睨みなどの庶民の暮らしを反映したセレモニーと紐付けされているとみた。世界を駆け巡り活躍しているジャズピアニスト上原ひろみとテニスプレイヤー大阪なおみの登場に主役は女性とも言えた。

庶民を熱狂させた野球のスター三人衆の聖火トーチキスも障碍を支え合う姿を凝縮したものだった。医療介護者の皆様によるオリンピックフラッグ行進も良かった。

ワクチン供給先は未曾有の死者数が多い国に優先的に配布される国際常識にしたがい日本はオトナとしての態度で臨み、そして米国でファイザーと談判し確保、そして超多忙な開会式でも追加ワクチン交渉と派手さは決してないが、なすべき事は実行し、更にワクチン入手困難な国を支援するなど、オリンピックを開催するに相応しいことをしている。イケメンの首相だったら、報道も違ったのだろうと余計なことながら思う。

観客ゼロのなか競技する選手に懸命な“おもてなし以上のオモテナシ”をされているボランティアの皆様に頭が下がる思いだ。キャンプ地での交流や、選手村、交通整理、競技場でのサポートなど活動がこれから本格的に報道されることを期待している。既にtwitter では活動状況が多く報じられている。ほっとする。日本の良心が生きていることが分かって安堵するのだ。

直前にトヨタが国内TVでのオリンピック関連CMはしないと発表した。理由は色々あるだろうが、コア視聴が明確なSNSに軸足を移動したのはTV終焉予感になるほどのインパクトを与えた。今後はトヨタイムズでの広報活動を見て欲しいとのことなので観た。昨年2月の労使交渉編であったが、双方の膿を正直に吐露しあう様に驚いた。さらに豊田社長の締めくくりの言葉「従来はIで語る人・縦割り事業部が多かった。これからはYouで語る人になって欲しい」には腑に落ちるところがある。会社の体質改善とオリンピックCMとは一見関係がなさそうに見えるが、相手の立場、心情をよく理解することが成長の基本であることを端的に表現したとするなら理解できる。

今回は選手や関係者との交流はできないが、日本の良さを持ち帰り、コロナ渦が克服された暁には、あの国に行ってみたいと思って頂けるよう応援しよう。

酒提供騒動に思う

お上にもの申すにはDutch Courage(酒の勢いがないと言えない小心もの)であることを予め言っておく。「李下に冠を正さず瓜田に履を納れず、まして法律は犯してはならぬ」のよう教育されてきた。今回の政府による飲食店での酒の供与、飲食店への取引禁止の通達は法律に基づくものか法律に疎いので断定はできないが、通達はインパクトが大きかった。国民の健康第一、医療崩壊しない窮余の一策として考えたとしてもやや無理があるのではないかの印象がある。

口角泡を飛ばすこと無く・高吟しないでオトナとしてお酒をきこしめても感染したエビデンスがあるのだろうか?。それを調査する時間のないことは理解している。ならば厳しく取り締まるより、笑いながら結果として従うような方策が好ましい。筆者のアイデアだが、テーブルに簡易騒音計を置いて「50dbを越えたら、アルコール追加注文は受けません」とすれば、面白がって従うかも。注文はLINEですれば静かな雰囲気で愉しめる。お会計はG0 Dutchでなく個人宛。(Dutch重唱申し訳ないが語源責任は英国ですので、、)

報じられると、早速火の手が上がって気の毒に某大臣独りが吊し上げられた。文系役人のゼロリスク意識と余裕のなさがなせる策上だと思うが、上から目線でなく国民に防止策を募集するなどで運動を盛り上げるようなこともあって良いのではないだろうか。

レジ袋の有料化は利用者(業者も含め)に負担をお願いするのであるから法律の裏付けが必要だったが、ないらしい。それでも環境に対して本当に有効かは横に置いて、極少しでもあるのならと国民の協力意識の流れで有料化が進んだ。それが経験かどうかは否かは知らないが、今回の酒提供にまつわる案件では、レジ袋で協力した国民意識があった前提条件を無視したどころか、悪手とも言える金融機関利用は火に油を注いだ。反発が大きかった。飲食店、酒販売店、酒卸問屋など大被害クレームが報じられると撤回した。アルコール党に限らず、無茶ぶりが通らなかったことに溜飲を半分だけ下げた。後の半分の留飲を下げることができないのは、果たして法律が存在していたのか?である。法律に精通している人の意見を聞きたいものである。ざっくりだが、レジ袋有料化でも利用者に負担をしてもらうためには法律が必要だが、それがスルーして定着したのだから、今回もその線で一つ宜しくと言ったかどうか知らないが、法律を作るのが国会であるが、これに関して声をあげたとは聞こえてこない。

このような事態に備える法体系の整理がまずは必要だ。手続きは面倒だが民主主義が基本であり、参加国民が納得するルールを文書化した法律が必要であることは言うまでもない。アルコールに関しては事前に議論がなされており、、、、のような情報公開があり、事業転換するか、補助金で補填するかの手段を提案してから裁決を図る。これが基本なのだ。

ところで、さわありながら、酒消費用は将来は減少するであろうとみる。

たばこは市場の嫌煙*健康志向により徐々に消費量が減少した。それに伴いたばこ産業も事業転換をしている。超長期的にみれば、アルコール消費も徐々に減少することは予想はつく。人口減少、高齢化、テレワークの流れではアルコール消費量が過去並に戻るとは思えない。人口減少はロボットで代替できる部分があるが、酒も呑まず昼夜働く。無事稼働を願い一升瓶2本が印として呈される事はあるだろうが。

団体温泉旅行での団体さんが減少し衰退する温泉街が出て久しい。現在の飲食店においてはアルコールで収益を稼いでいた時から次第に美味しい・健康によさそうな料理の添え物としてのアルコールにシフトしていくであろう。呑べいにはやや物足りないと思えるだろう。時代はかわりつつある。フランスのワインの消費量減少は往時より大幅に落ち込んでいる。100年で1/3まで減少し、成人の16%しかいない。(2021年6月19日(土)16時30分バーツラフ・シュミル(マニトバ大 *PRESIDENT Onlineからの転載

主たる原因は健康志向、、間接原因は経済が過去より豊になったことだと思われる。その結果、ノンアルコール飲料にシフトしているとのこと。

 

だが、フランスのワイン販売髙は米国などへの輸出で稼いでおり、以前トップだとのこと。ここに日本の酒造において活躍する方向が見えるのではないだろうか。

従来よりも海外への展開へシフトしつつ、和食とのタイアップして健康・免疫強化をウリに攻めては如何だろう。日本酒は特に発酵化学の宝庫である。宝酒造の酵素蓄積量は群を抜いている。一般に化学反応は高温・高圧条件で製造されるが、酵素のそれは常温~60℃近傍で進む。それも立体規則性などは化学合成より制御がなされている。

サントリー、キリンは健康産業の事業も大きくなってきた。

一方の飲食店は居酒屋からイメチェンしてはどうか。どうするか? シラフではアイデアが出ないので、まぁ取り敢えず。。。。(笑)

ワクチン接種経験・ワクチン効果

コロナワクチン接種真っ盛りである。大規模接種会場や職場での接種ではワクチン品薄状態とも報道されている。それだけ接種の速度が想定より速いことであろう。

コロナワクチン1回目の接種を経験した。接種前夜から持ち物確認を何回もするなど日頃より落ち着かない。家人は前日の夕食において明日は接種の日だから軽めの食事を摂ると言い出したり、なにやら健康診断と勘違いしているが笑えない。みんなどことなく緊張しているのだ。接種会場には入り口、階段、エレベーター各所に市役所の人が配置され、丁寧な応対をしている。受付での書類持参確認が終われば係の人に案内されて注射ブースに入る。健康チェックリストに目を通し医者から接種ヨシの合図で看護師さんが注射。筋肉注射は初めて。注射後は異常の有無をチェックするため15分別室で過ごす。この時の看護師さんの案内など非常に丁寧なことに驚いた。

接種対象者(15分刻みで区別される)の数に対してざっと2倍のスタッフが居られた。現場を知らないと、接種が遅いのか!と思うむきもあったが、このような陣容で対応しているとなると、準備も含め大変なことを実行されていることを理解した。

2回目接種は7月31日。同じ年代層で2回目接種が終わった自治体がある。その知人から2回目の方が副反応がでるので注意と連絡がきた。が、何を注意すればよいのか分からない。1回目接種が終了したとき、看護師さんから飲酒は控えて下さいとのご指導があったので、これは守ろう。

ワクチン接種を65歳以上の高齢者から始めたのには理由がある。ご承知のように、高齢者が感染すると重症化し、医療崩壊しかねないからである。

厚労省のデータ(図-1)によれば80歳以上で陽性感染者の14%がお亡くなりになる(8,223人)。70歳代で5%(3,019人)。これに対して10代から30代は感染しても死亡率0%である。40代以上にワクチン接種を施せば概ね抑えることができる。

 

 

若い人は感染しても免疫力があるのだろう、風邪程度に抑えることができる。とすれば高齢者も日頃からの免疫低下対策をすることになる。今の60~75歳の人の多くは働いている。現役時代から収入が減少したこともあり、比較的高い賃金が得られる建設現場の警備を職とする人がおり、それも深夜の手当が高いことから、無理しての勤務が報じられている。また退職後も引張りダコ状態の高齢者も居られる。いずれも睡眠不足による免疫低下が懸念される。いずれのケースに該当しない人は逆に運動不足による免疫低下もあるだろう。コロナ渦はいろんな社会断面を切ってみせたとも言える。

さて、嘉悦大の高橋教授は面白いグラフを紹介している。(図-2)

それはコロナと自動車事故による年齢別死亡者から何が言えるのかと。

ゼロコロナを絶対視している風潮の世論に対して、若者の自動車事故死亡ゼロにしない限りクルマを停止、生産もまかり成らぬと言うのか?。見事な比較である。とかく狭い視野で見がちであるが、死亡にかわりが無いのだから、その他の災害、疾病、事故、自殺などとの比較の全体で見るべきであろう。その点オリンピック無観客の方針には首を傾げざるをえない。大谷の大活躍はスタジアム全体を感動の渦を生じている。敵将もその渦に巻き込み、そして大観客がそれに酔いしれる。ネクストサークルボックスに立つだけで何かを期待し、それに応える。おそらく観客の応援も大谷選手のパワーを引き出しているのだろう。そんなオリンピックを間近に見られる機会を損失させ、日本人の活性化を高みに持って行けないことは誠に残念である。しかしながら日本人選手はオリパラも含め頑張る姿を見せるであろう。それを見て広い視野で考えることの重要性に気づくことを期待したい。

 

オンライン教育・会議

コロナ渦で新入生になったがキャンパスは閉鎖され、オンライン教育ではや2年以上経過した。授業料返せ!の声もある。愉しみなキャンパスライフが送れない、人脈構築ができない。。。。など不満は多々指摘されている。

教員はオンラインとなると従来の教材をデジタル仕様に再編(寧ろ)新規作成する必要がありオーバーワークになっているN高校のような情報もある。

大学においては普通の講義よりインプットされる知識の濃度は濃いの良い面もあろうが、あくまでも一方向性が強い。定期的面談はあるようだが少ない。逆に時間に余裕があるので自分のやりたい事ができるメリットはあるとの説明もなされている。

日経2021年5月26日の記事に、【有名大卒脅かす学びのデジタル証明の未来】として、角川ドワンゴ学園が運営する通信制の「N高等学校」は、2020年度の卒業生約4300人に「電子卒業証書」を発行した。高校や大学、社会人の学び直し(リカレント教育)を含めて学習履歴をデジタルで証明する技術が日本でも広がり始めており、習得した知識やスキルを「見える化」し、実力本位の学習へと導くからだ。

自宅がキャンパスでオンラインの一面は上記のように納得できる。これによると知識とスキルの両方を習得できるとあるが、スキル習得はどのようにしてなされるのかについてはこの記事では見当たらない。

医学部があれば入学しようかな。手術はロボットになるから執刀熟練度は問われない? 複雑な症例もAI診断でこれからは人間が判断するより正確かもしれない(勿論冗談)。顔つきや動きに現れる情報などから患者が口にだしていう症状とは違うと見破るのも医者として必要なのであって完全な置き換えは不可能だ。その感性を磨くにはオンライン教育は可能であろうか。医学に限らずどの分野でも言えそうだが、答えは卒業性が中堅に活躍する時まで待つことにしよう。

世界にはこの両方を既に実践している大学がある。ミネビア大学である。大学キャンパスを持たずオンライン教育を徹底し、世界7カ国にて合宿を行うなかでface to face のリアル討論を実施し、多種多様な考えがあることを学ぶ。また、地元企業、NPO法人で実習することでインプットされた知識がアウトプットの行動に通用するか否かを極めるシステムの様だ。(東洋経済7月2日号下線部引用)

日本もそうだが、米国の大学の授業料は非常に高い。奨学金がないと苦しい。昨年の米国大統領選挙においてサンダース候補が奨学金返還無用の政策が反響を呼んだことがあった。その高い授業料をもってしても実際、教育成果についての大学側の評価と実業界の評価には大きな乖離が指摘されている。オンライン教育の傍ら彼らは1年次にはサンフランシスコの学寮に滞在し、この都市のさまざまなプロジェクトに参加する。2年次前期はソウルに移る。後期はハイデラバード、3年次前期はベルリン、後期はブエノスアイレス、4年次前期はロンドン、後期は台北である。4年間で世界を二周くらいしながら、異なる社会文化的、政治的環境のなかで、実践的なプロジェクトに関与することを通じて学びを深めるのである。 と記事紹介があった。

教授・指導教官との生の接触により得られる薫陶や学生交流を通じての人脈形成はその後の人生には非常に重要である。ZOOMやTEAMS会議では本音が話しづらく、テレワーク会議で決定したように見えて、実行の速度が遅いと感じているのは筆者だけではないだろう。エモーショナルな部分が伝達しえないからだ。Face to Face の有効性を改めて重要と認識させてくれたのはコロナ渦の良い面かも知れない。尚、お断りしておきますが、ZOOM会議は便利なのは間違いない。先日、出張が先約で変更できない状況下で、後から別の会社とのZOOM会議の案内がきた。重複だ。どちらも断れない案件。出張先の企業のご高配で別室でZOOM会議してはどうかと提案があり、本当に助かったことがある。出張先の企業様とは初顔合わせで仲介者から人柄・性格は聞いてはいたものの、緊張されていたようでした。ただ駅でお会いするなり仕草と口調で一気に和み打ち合わせも順調。その雰囲気はZOOM会議ではかなり難しい。仲間内ならよいが。

さて、理系(医学、歯科医師、歯科技工、工学、農学)は実験が必要で、原理原則を身を以て体験する。歯科大学のYou tubeで石膏の膨張を計測しグラフを作成する様子を見た。石膏に加水して泥漿を作成して型に流し込むと膨張する。その様子を観察してエクセルに纏める作業である。この時、新入生として石膏って膨張するのだと体験し、だとすると後のモデル作成においても、それを勘案しなければ、、、、と理解が進む。オープンキャンパスに偶々参加してみたところ、石膏を切削するコンペが行われていた。同じ石膏でもカービングの腕で仕上がりが異なることを学んだのだろう。

工学部出身でも半田ごてを使ったことがない人がいると聞いて驚いた。付き合っている会社の開発中堅者の多くは子供時代にラジオ、模型飛行機、ラジコン、パソコン自作の人が多く引き出しが実に多い。その引き出しは決してデジタル由来ではない。引き出しの少ない人が検索したデジタル情報は、それ止まりでその先の応用が利かないので相談相手にはならない。

なので、初めからデジタル証明の大学には行かずに、従来通りの大学を経たたうえで社会で実践するなかで不足していると思われる知識、スキルを補完する目的で利用した方が本人の爲、強いては企業の爲だと思われる。その時両方の大学が存続する理由になると思われる。結論は「古くて新しい融合」

 

水素エンジン本命か

このブログでも水素エンジンもありうると記載したことがあった。元々水素エンジンを検討していたのは日本人で武蔵工業大学の古濱教授だった。これをマツダがロータリーエンジンに適用すべく工夫改良を重ねた。最もポイントとなったのはガソリンは流体であり、水素はガス流体であること、燃焼ポイントが水素は早めになり制御が非常に困難であることに尽きた。今、マツダはロータリーエンジンの熱烈なファンに答えるべく部品在庫をPRしているが、水素ロータリーエンジンは見送り、会社としてはEVに舵を切った。

トヨタ及びトヨタグループはガソリンで開発したエンジンに上記の短所の改良を織り込んで水素エンジンを開発し、世間の注目を最も浴びるレーシングに打って出た。2021年5月、富士スピードウェイで開催された「スーパー耐久シリーズ」の第3戦となる24時間レースで、トヨタは排気量1.6L直列3気筒の過給水素直噴エンジンを搭載した「カローラスポーツ」で見事に完走した。過酷なモータースポーツのレースにおいて、水素エンジンの搭載車が完走したのは世界初である。(日経クロステック21.06.17)

富士スピードウエイで開催されたレーシングに挑戦し32周見事完走した。水素ボンベをMIRAIより倍増し車体重量は200kgも重い、かつ水素チャージのためのピットイン回数はその他より2倍とかかり、部品不具合調整に時間を要するなど想定トラブルは折り込み済みであっても狙い通り“驚いた”が正直な感想だ。

 

 

 

 

 

 

筆者は技術的なことは分からない。だが、水素エンジン推しの理由は

  • エンジンに関わる雇用がEV化により失業(国内雇用喪失500万人(豊田自動車工業会発表))は日本経済に深刻な打撃を与える
  • EVは本当にLCA(原料採掘からバッテリーまでのトータル環境負荷が大きい。採掘国を巡るトラブルも予想される
  • EVよりチャージ時間が短く、長距離走行が可能

などであるが、反対意見は 水素ステーションが少なく利便性がない に集約されるであろう。ただ、これはガソリンスタンドがそのまま切り替えられる訳では無い。自動車の水素ボンベ内圧は70MPa でこれも高圧だが、水素ステーションでは87MPaが予定されており、エネオスは従来のガソリンスタンドを改造することを発表しているが、政府の後押しもあるのだろう。

今、国民は安定雇用を求めている。コロナで落ち込んだ経済に更なる失業者増加で、少ないパイを競うことを願う。なので、本音は水素エンジンなるものが実用化するなら、それに越したことはないと考える。

企業で安直な収益改善はリストラ。これを現場で実施する上司は大抵性格が穏やかで、常日頃から信頼を寄せられている。その人がノルマをもって対処するのは本当に神経がズタズタになる。で、ノルマ達成の後は自分も退職する人の複数の人間を知っている。あれはやりたくないし、あの光景は見たくない。

ここに来て、EV一辺倒だった欧州が水素エンジンの開発に狼煙を上げた。これは驚いた。ディーゼルで大失敗した逆風をEVで切り替えしに成功し、逆にハイブリッドを追い落とすべく動いていただけに、拍子抜けの感がある。さてはEVはフォークボールでストレート方針と思いきや世論を躱す玉だったか。でも確かメルケルもエンジン雇用問題は以前口にしていた。ハイブリッドでも名実主導権を日本に獲られ、EVバッテリーは中国依存は拙いとドイツ及び周辺国で製造するとの情報もあるなか、水素エンジンが本格化したら、それももとの木阿弥になりかねない。少なくとも開発を余儀なくされた事情があるのだろう。

ここで、EVのLCAの記事があったので紹介する。

 

EV生産に伴う炭素排出量*出所:独フォルクス・ワーゲン*VWの「ID3」 **バッテリー生産のための 再生可能電力を含む。

 

 

スウエーデンの水力発電利用してのLCAだが、それにしてもバッテリーの比重が大きい。対比すべき水素エンジンのLCAはデータはあるかも知れないが、今は得ていない。

リチウムバッテリのリチウムはチリ及びアルゼンチンの鉱山で採掘されており、価格が安定しないで高騰傾向にあるのは、メーカーとして落ち着かない。

欧州の水素エンジン開発状況を付記しておく。

BMWはX5を試作し走行テストを、ランドローバーも続いている。ボッシュなど部品メーカーも開発に参加。先日フランスのロンバードは500馬力、804Km走行のセダンを発表した。ローマ法王が水素エンジン推しの話も伝わっている。真贋は分からないが、パワートレインが必ずしもEVで決定しないことは確かな模様だ。

水素の課題はコストであるが、2021.1.04日経クロステック記事によるとこれまで、グリーン水素には前のめりな見方とは別に冷めた見方もあった。それは、グリーン水素のコストを懸念する見方だ。グリーン水素はほんの3年ほど前までは10米ドル(約1000円超)/kg以上で、米国での天然ガスの価格の5~10倍と割高だった。大量の水素確保はまずは安い褐炭の改質で、というNEDOの方針もこうした背景から立てられたようだ。

2年ほど前からグリーン水素の製造コストは急速に下がり始めた。2018年には8米ドル/kg、2019年には5米ドル/kgと低下。2030年には2米ドル/kg前後にまで下がるという予測も出てきた。これは、NEDOが2030年に褐炭の改質で実現を目指す「30円/Nm3(約3米ドル/kg)」というブルー水素の価格をグリーン水素が下回ってしまう。2050年には1米ドル前後/kg(10円/Nm3)になる見通しで、天然ガスの最安値に並ぶ。

デジタル署名 (副題タイヤ耐候性劣化)

先日、タイヤ交換をした。領収書には収入印紙。5万円以上だと金額により収集印紙を貼附する決まり。タイヤ4つ交換した金額12万円なので収入印紙は200円。一本毎に購入すれば不要だが、大人げないので一括で払った。5万~100万円未満までは200円。不動産取引などでの1億円では10万円。どのような収入印紙か見てみたいものだが縁が無い。

消費税にすっかり慣れてしまったので、収入印紙の目的は何だったのか、消費税と別にしないと行けない理由はなにか明快な説明資料を見たことが無い。収入印紙税が導入された明治6年には消費税は無かったのだから尚更だ。市民レベルでは頻度は高くないが、企業となると収入印紙の金額は馬鹿にならない。

一方、デジタル署名により契約文書などには収入印紙は不要だ。紙なら必要で、デジタルでは不要。その理屈は理解できない。デジタル署名システムが普及するに従って、紙由来の収入印紙からの国庫収入は規模が小さくなり、発行管理の手間を考えるといずれ消滅するのではないかと想像する。そのデジタル署名だが、取引相互の会社・個人がデジタル署名の証明(鍵など3点セットが事前に準備されいることが条件であり導入には面倒この上ない。ビジネスチャンスとばかり仲介業者が出始めている。そこは有料。庶民レベルではデジタル署名は素通りすることが予想される。

話はわき道にそれるが、ワクチン予約をパソコン、スマホでと投げ掛けても電話に頼らざるを得ない人が多いのも事実。そんな人でも銀行通帳が紙だと収入印紙が必要で、デジタル通帳であれば不要と聞けば、そんな時代かと悟ることになるだろう。以下は言い訳だが見逃せない。パソコンは都度バックアップする必要があり、量子コンピューターでの乱数発行でもない現状レベルではハッカーに破られる危険もある。銀行オンライン取引ではタイムを打ち込むが、暫く使用していないと初期化をしての作業となり、これも便利なようで不便。

このデジタル署名が持ち上がるころ、某社の課長から契約押印の件で当方が迫られたことがあった。契約書類をPDF化してメールを送信された。既に社印は押印してあり、当方でプリントアウトして押印しPDFで送り返すようにと。これがデジタル時代のやり方だと主張された。これは拙いと返答した。それでも粘られて往生したことがあった。その後の顛末は彼の名誉のため記述しないが、今頃は勉強しているはずだ。

さて、このブログの読者はクルマに関心が高いので、何故タイヤを新品に交換しなければならなかったかを紹介する。タイヤの一般的寿命は走行距離5万キロ、5年と言われている。

当方の利用パターンは長距離はクルマ、短距離は電車・徒歩。コロナ渦もあってクルマは車庫(屋外)に置きっぱなし状態。定期的点検でタイヤのサイドウオールにクラックが入っていると指摘された(4年目)。左右のタイヤでは大陽がよく当たる側のタイヤ。専門家によると耐候性劣化とのこと。ゴムに加硫剤とカーボンを配合して架橋体を形成してタイヤは製造する。カーボンは耐光劣化性く電力ケーブルの外皮はカーボン3%配合ポリエチレンである。タイヤにはそれ以上の濃度が配合されているのでマサカと思ったが冷静に考えた。

劣化にはケミカル劣化と物理的なクリープ破壊があるが、今回の事例はタイヤ交換をせずに、かつクルマの荷重が同じ部位に負荷をかけていたことから、この2つの因子が複合して亀裂に至ったものと考えた。クルマを使わない=劣化しないと思い込みが間違っていた。

メーカー装着のタイヤは外国製なので、ここは国産品を買い求めて装着。走行具合を確かめたいが、コロナでは不要不急のドライブは遠慮しないといけないので当面お預けだ。

でも、自動車はデジタル化が進んでいるが、タイヤ劣化も何らかの自動検出装置があってパネルに警告がでるようになると便利だと思うが如何であろうか。無茶な高速ターンや煽りをする度に寿命インジケーターが減って行くようなモノができれば、抑止力になるかも。

デジタルは便利と評価されるから浸透する。さて元に戻って、契約云々で最も時間を要しているのは相互が満足するように調整するところであり非常に重い。書類原案・修正、妥協の工程はTeamsといえど安全ではなく、Face to Faceでないと落としどころから決着(show down)のタイミングも計られない。デジタル署名だけを推進しても仕事量は減らないと思うのが厄介だ。

超過死亡率

世論は、とりわけ高齢者になるほどTV、新聞のマスコミを通じて意見・感情を形成しやすい。オリンピック開催に関する意識もつい先日までは開催反対の意見をする人が多かった。根拠は毎日報道される感染者数と対になっている医療圧迫の報道である。数字がゼロにでもならないと安心できないのであろう。それがどうだろう、マスコミは反対色濃度を徐々に変えつつある。風は開催の方向に吹き始めた。マスコミの実施する世論調査は異なるものの、変化の兆しが見えてきたことは確かだ。これにはにワクチン接種の医療従事者が感染する人数が極端に減少したこと。ワクチンが十分確保されたこと、接種率の急上昇などが要因としてある。勿論、本当に開催したら報道しない訳にはいかない事情がマスコミにはある。流れの回路弁を調整し始めたのであろう。

最近、超過死亡率なる言葉を知った。厚労省HPでも記載があるが、海外との比較を英国BBCが報道しているので紹介する。https://www.bbc.com/japanese/video-53124856

超過死亡率とは、過去5年間平均の死亡者数に対して、コロナやパンデミックの死亡者数の増加とある。

アウトブレークから8週間(2020年)のデーターであるが、コロナで直接死亡した人数+パンデミック人数(コロナ処置医療崩壊で治療できずに死亡された)

 

 

米国、英国が約20%、イタリア17%、フランス10%、カナダ、ドイツが5%とすさまじい惨状であったことを物語っている。日本の年間死亡者数は137万人なので、仮に米国並みの20%増となると164万人であり27万人の日本の中核都市1つが消える規模だ。実際のところ日本は-1.4%と減少している。コロナ渦にあって死亡者数は減少した。驚きませんか? これを皆様はどう考えるでしょうか。

マスク、手洗いの生活習慣、三密、言われなくとも自粛をする国民性で、この成績だとすれば驚嘆ものである。基本には医療レ大きいな要因ではある。今回のG7でも各国からオリンピック参加の声を頂いたが、超過死亡率マイナスになっている国だからこそ胸を張って開催できるし、その国を見てみたいと思うのは普通だ。恐らく大会が始まれば、開催して良かったになるであろう。

選手の皆さんと直に接することはできないが、そこはSNSなどで素早く伝わり、制約が解除されたら日本に行きたいと思う人は以前より増加するであろう。そこを期待したい。

もともとオリンピック開催の権利を一種の入札的な活動で獲得し実行するとの契約を交わしている。ビジネス面でみれば契約は粛々と履行するのが原則。パンデミック条項が入っており、今回の諸事情が該当するならば別であろうが。契約書の内容に言及した情報は開示されていないが、開示すれば理解できないレベルの国民はいないはずだ。日本は清潔だけでなく、約束を守る爲に努力を惜しまなかったと後世に残るオリンピックとなろう。

 

ワクチン接種と街の雰囲気

厚労省発表の新規陽性者数は6月7日時点で図の通りで全国では1人/10万人、東京では1.7人/10万人となっている。陽性者数で表すとまだ多いと思うが、10万人当たりの比率で表現すると定性的なフィーリングより少ないことが分かる。 感染1人が何人を感染させるかを表す実効再生生産数は全国平均で0.76、東京、大阪は0.84,0.74と1以下であり収束に向かっていることは明らかだ。(コロナ勃発時は欧州の2.5で計算していた。ロックダウンが憲法上できない国にあって1以下になるとは国民の清潔生活・衛生観念に負うところが大きい)

地方自治体の首長やマスコミは人流は増加しているとして安心はできないとの警告を発し続けているが、どの実効再生生産数になれば種々の制限が解除になるのだろうか。鳥取、島根の0.3前後までだとするとまだまだ気を緩めてはダメだ。しかしプロ野球では人数制限はしているが観客を入れている。クラスター発生の報告はない。本拠地 福岡0.6,広島0.57 大阪0.73 愛知0.73 神奈川0.92 千葉0.93 埼玉0.85 宮城0.991。 楽天とソフトバンクのオーナーがオリンピック反対を言うのが実効再生生産数を根拠とするならば1に近い土地ではしないとするのが筋が通る話だ。やるならその地域に重点的にワクチン投与をするのがありうる政策ではないか。

オリンピックは予定通り開催される模様である。この実効再生生産数を見るとワクチン接種が加われば安心度は高くなり開催可能性は高いとみるのが普通だ。課題は接種の速度だ。ワクチンの手当を巡って、日本は遅いと非難するむきがある。世界の感染者数の人口比を計算すると図のようになった。

コロナ感染者が世界一少ないのは桁違いに日本である。米国は人口の10%が感染している(人口3億人として3000万人)のに対して、6%前後の国、2%でこれから伸びそうな国(インド)などが見て取れる。日本は0.6%で76万人である。かつ下火に向かいつつある。

ワクチンの配布はシビアな国を優先するのは当然なので、日本の確保は後回しになるのは国際協調の面から当然である。それを非難はできない。最悪の国を差し置いて確保したら恨まれるのは必定だ。それでもワクチンは確保できた。通常の予約システムで投与されるファイザーに加えて、臨時の大型接種会場が設営されてモデルナ製ワクチンの投与が開始された。

近くの大型接種会場までは駅から送迎バスの乗り場まで老人がわかり易いように大きな文字で道路にテープ貼りなどによる行先表示をし、かつ役所の人が総出で駅の改札から案内・介護をしている。駅周辺では多くの超高年齢層が一気に街に出てきた感がする。同時になにやら街の雰囲気が緊張からやや解れ始めたような雰囲気もした。決して緩みではないが、接種を受けたご高齢者の会話が明るいのだ。電話での通常の予約が取れなかっただからこそ安堵したのだろう。

日本はイザとなったら底力を発揮する。ワクチンが確保できるや否や接種すべく予約開始。でも、予約はスムーズではなかった。となると自衛隊にお願いしての集団接種を東京、大阪に設定。それでも不足とあらば企業、学校職場での接種と急拡大だ。企業規模1000人以上を対象としており、不公平だとの声があるが、河野大臣の説明では取引先も含む、(その家族も)とあったので、そこは上手くやりなさいとのことだろう。

このように、今までの遅速を回復すべく力の入れ具合が尋常ではない。ワクチン接種に多大な協力している医療従事者に感謝だ。安い手当で重労働の自衛隊医務官には感謝しても足りない。

次の2つの図はコロナウイルス(COVID-19)予防接種 – 統計と研究 – データの世界 (ourworldindata.org)https://ourworldindata.org/covidvaccinations?country=JPN~FRA~DEU~GBR~USAから主要国をワクチン接種投与推移を国を抜粋して表示した。(6月7日付)

感染者の多い国から先にワクチン投与が実施されていることが分かる。

この図では100人当たりの接種数を表しているが、日本は4月25日からの高齢者対象接種が開始されるや否や急上昇である。投与量は英国に追いつく直前である。7月末までの65歳以上の接種完了に加え大規模接種会場の増設、会社・職場での接種が開始されると恐らくこの図の上位に出てくるものと思われる。

米国テキサスでは接種率がまだ40%台にもかかわらず、マスクなしで活動を開始しており、米国全州の中では抜きん出て経済活性化が顕著となっている。ロックダウンが続くカリフォルニアなどから移り住む人も増加しているようだ。やはり明るい雰囲気でないと経済は回らない。そうなりつつあると街の雰囲気から感ずるのは筆者だけではないだろう。

コロナ発生当初 日本の富山製薬のアビガンが治療薬として注目を浴び政府も買い上げた。さらには中外製薬のアクテムラも話題に。今どうなったのか知りたい。北里大のイベルメクチンは承認すべく治験数積み増しするにも病院では手が回らない状態のままでサスペンドされ、ワクチンを緊急承認して現在に至っている。混乱している時は仕方が無いとしても、落ち着いたら、次回もあるとして地道に効能の蓄積をして欲しいと思う。

話は飛躍するが、エーザイのアルツハイマー新薬(アデュカヌバム)がFDAで条件付きながら認可された。一旦落選していたが、効果の見直しなどを経て認可されたのは大いに参考になる。厚労省も年内には承認する動きのようだ。製薬・ワクチンなどの承認過程は厳しさは当然だが、全体の幸福との天秤で判断することに変わりつつあるのではないかと筆者には思えるが如何だろうか。

さあ経済を廻そう!温泉考

ワクチン接種を65歳以上優先にした理由は、罹病したら重症化して医療設備が圧迫するからである。地方自治体によって接種率がまばらであるが、対象年齢を低い層にシフトするところも出てきた。7月末までに少なくとも65歳以上は接種を終えるとの政府目標が予定通り進むことを期待する。

優先接種で重症化を回避できた“恩”を“経済で返す”ことが好ましい。寿命50年時代の論語曰くの40にして迷わず、、、を現代の寿命にあてはめると「64にして惑わず」だそうだ。今の定年に相当する。シニア層は(平均ではあるが)若い人より余裕ある生活を送られているはずだ。経済を廻す主役を演じて欲しい。

シニア層に相応しいアイテムの一つは温泉。

温泉地の選択は、①非日常の土地 ②風光明媚 ③山海珍味 ④温泉の質 ⑤プチ贅沢のなどではなかろうか。今ならインスタ映え。④の温泉の質については、温泉の脱衣場に掲げているパネルで初めて水質を見るのが普通だ。それでは実に勿体ない。

筆者も不勉強で知らなかったが、「温泉科学」のジャーナルが発行されており、日本温泉科学会全国大会が開催されている。その学会で公開されている講演文献を手に入れた。タイトルは「温泉の医学的効果とその科学的根拠」とある。温泉科学J. Hot Spring Sci.70 197 (2021)

タイトルから想像するのはは、昔の白黒写真にみる逗留湯治のイメージ。転地療法兼温泉による効能による治癒を目的として自炊していた風景が漂ってくる。その昔は武将の傷を治癒するための秘湯があったことからしても休養・保養・治療として温泉は利用されていた。サイエンスの根拠があるはずだとして、タイトルの科学的根拠を期待して文献をみた。

狭義の温泉療法として、温熱作用 物理作用(浮力・水圧・粘性抵抗)、化学・薬理作用及び飲泉があり、特にこの文献では温熱作用を特筆している。

温熱作用は①疼痛緩和 ②筋・関節拘縮改善 ③血行促進 ④免疫力増強 ⑤タンパク修復機能 が挙げられている。 ①~③までは常識だが、④⑤はへぇ~だ。

文献図-2 全身浴中と出浴後の深部体温変化。塩化ナトリウム>二酸化炭素>炭酸水素ナトリウム>>水道水

文献図-3 塩化ナトリウムの濃度との関係。濃厚な程 効果ある。

文献図-5 免疫機能(NK細胞活性)変化。塩化ナトリウム 効果あり

文献図-6 蛋白質修復機能 塩化ナトリウム 効果あり

測定方法を知らないので文献をコピペしたが、望むらくはデータ-数を多くした方が説得力は増すのではないかと思う。

話は転じて、水道水であろうが、日本人はお風呂でないと体力回復した気がしない。シャワーでも体の表面は洗い流せても気分は回復したとは感じない。西洋医学主流の現代において温泉科学学会が活動継続する中で、何故だろうかと新しいメスを入れることで新らしいサイエンス・テクノロジーが見つかる可能性はあるだろう。

 

温泉と医学では草津にベルツ記念館がある。ドイツから明治政府が招聘した医者。温泉の効用を(皮膚病治療)発表している。ただし、彼は欧州の先進的サイエンスを日本に植え付けるミッションでありながら、「日本は表面だけを刈り取る。その根本を追究しない」と批評もしている。この言葉があてはまる発展途上国は当然だが、先進国のつもりの勘違いの国もある。今の日本は産官学しないと大学維持ができない状態であり、基礎研究は甚だお寒い状況にあるのでベルツの指摘は今も残念ながら当てはまる。

基礎研究と大上段に振りかぶらなくてもネタは幾らでもある。例えば、温泉が免疫に効果的だと分かったならば、日本の温泉地で働く人のコロナ感染状況を調査してみる。何か特異性はあるのかないのか。温泉従業員のコロナ発生確率(人口比)を纏めることで、何か見えないか?と仮説をおいて検討するなどは如何であろうか。3密ではないところが温泉だ、、、など初めから決めつけないことが肝心。

シニアは退職した人も、まだまだ現役並以上の能力があり、時間がある分、このような仮説から新事業を生むことで経済を廻すことも希有ではない。

そうだ、温泉に行こう! そして自分に相応しい経済を廻し方をを考えよう。