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AI 時代でも生き残るには

戦後のカストリ酒場と呼ばれた闇市の雰囲気を残す小さなお店の前を通りかかった。屋根の修理だろうか、有に80歳は超えていそうな小柄の作業者が修理の板金製品を持ちながら梯子を登っていく。梯子を支えているのは30歳前後の若者。作業会社の社員だろうが、どうみても梯子を登るのは若い人だろうと思った。

腕がある人なら年齢に関係なく今後も声がかかるだろう。それに引き換えこの若い人は今後のAI時代に果たして職があるのだろうか?余計なお世話だが心配になった。

大型衣料店に入った。レジには人がいない。自動レジを案内する人がいるだけ。品物をレジ横に置いただけで精算表示があり、お金投入するかスマホ決済で終わり。レジ打ちは主婦のパートとして需要があった。それが今や姿を消すことに。指が早いだけではなく、お釣り計算が見事に早いのもパート主婦の特徴だった。でもポイントカードが流通して、例えば1円など小銭分はカードで精算して下さいとお願いすると、パタッと手が止まる人が出始めた。後ろの列に並んでいる人のことを思って、お客さんの方が悪かったと謝る。いつからだろうか。スマホの計算機能を利用すれば事足りるようになってからのことだろうか。多少の不便さのほうが脳の劣化防止には良さそうだ。

AIが発達すると失職するランキング100などの話題は結構ある。子供の教育をどうするか心配な親御さんはチェックするだろう。

ビル・建物の形は一様ではない、メンテナンスする際の足場を作る様子を見ていると、これはロボットではできない。できたとしても人間より時間がかかる。岡林信康の山谷ブルースではないが、「俺たちゃいなきゃビルや道路も出来やしない」。その通り。

小売店販売員が無くなる職業トップらしい。テナントから派遣されている販売員の話によると紳士服売場では1つも売れない日があるとか。並んでいる商品群から最適なアドバイスをしつつ販売するのだが、それだけではE-コマースに負ける。給料が上がらない、懐事情が以前とは違う、そんな経済の中でド派手な服装が流行だとしても来年には着られない。とすると客が買うとすれば・・・と肌感覚で嗅ぎ取り売れる商品を提案することができる販売員ならば生き残れるであろう。難しいのは色調・柄を決めるタイミングは1〜2年前なので当たらないことが多い。販売員とて経済の動き、外国人の流れなど把握する人は残れる。似合う・似合わないのファクターの他に経済傾向も加味して提案するのが必要か。

無くなる職業4位のセールスマンでも同じ。セールスマンの経験から異業種をリンクすることができる企画マンであれば生き残れる。そのためには専門が一つでは成立しない。大学がダメになっている理由はこの専門を深掘りすればいずれ役に立つはずだとの仮説に基づいて研究をしているのが大部分。当たればノーベル賞でよく粘ったと賞賛される。でもほとんどは若い時の業績。隣の研究室とは異なることをするのが仕事とばかり差異化を図る。が、現実に生き残れるのは自分の専門云々を言っている人ではなく、あらゆる面でのエキスパートか異分野をいつの間にか自分のものにしている人材だ。

それには、学校を出て市場で働き、再度戻って違う分野を専攻するなどフレキシブルなシステムが必要だろう。その方が教授も刺激を受けるだろう。因みに大学教授は無くなる職業ランキング67位。歯科技工はどうか。百人百様の患者の状態を最適化するにはAIはまだまだと思うが、考え続けることは必要かも知れない。その時までに他の業態でのAI進捗を学習しておく必要があろう。

固い話になったので、最後は笑い話を。日用品大手のM印の店内をぶらぶら。すると販売員が声をかけてきた。「本部の方ですね」当方「いや、そういうことは言わないことになっていますので」。潜入覆面監査官と誤解されてしまった。それならば、この流れに乗って、広い店内を隈なくみて、靴下を買ってレジへ。セルフレジがあるが、いかにも対面の人をチェックするような視線で精算。ここで先の販売員が近づいてきたので「よかったと言っておくよ」と告げた。この店員がほっとしたところでネタバラシ。その場にいた他の店員一同大笑い。そうか、このような職業もあるのだなと感じた次第。

芋による認知症予防

高血圧を始めいろんな疾病対策として医師、整体師などの各方面から発するyou tube情報が多い。食物(摂っては良いもの、悪いもの)、運動などは共通している。食物では減塩をして、食物繊維の摂取が勧められている。中には面白い実験をしているのもあり参考になる。例えば飲酒につれて排尿の塩分は飲酒前濃度0.9%から徐々に0%になるのは興味を引いた。アルコール度数が高いと体内に塩分が増えても排尿しないとのこと。NaClがアルコールに溶解しないだけの話だが実用ではこの説明で十分だ。但し、この論文を探したが見つかっていないので信ずるも信じないのも自己責任でお願いします。

大雑把な括りだが女性は年齢を重ねても記憶力は男性より高いと感ずるのは筆者の周りだけではないと思う。男性に都合が悪いことを何年経っても昨日のように指摘する。男性は楽しかったことは記憶にある。いや、楽しくはなくとも経年で美化加工して脳に収納している。昨日の夕食は何だったか瞬間に出てこない筆者にとって興味ある論文が発表された。タイトルにある芋が今回のキーワード。

筑波大学から興味ある論文が提出された「食物繊維を多く摂る人は要介護認知症の発症リスクが低下する」 (筑波大学プレスリリース2022.02.10)

山岸教授の発表の「研究内容と成果」から超抜粋すると秋田、茨城、大阪の3地域の住⺠で、40〜64歳の3739人を21年間にわたって追跡し、その間に発症した要介護認知症をチェック。

食物繊維を多く含む芋類・野菜類・果物類の摂取量により4つのグループに分けた。要介護認知症の発症リスクは摂取量によることがわかった。特に水溶性食物繊維が効果ある。

世界で初めて疫学的に示されたと報告している。

ここからは食品業界の仕事なのだろうが、この摂取量とは一体どれくらいなのだろうか、20年の間には食生活も変化しているはずだ、健康に関する関心も高くなってきた。具体的に何を食すれば良いのか? そこが本当は知りたいところだ。

秋田といえば“きりたんぽ”。野菜・舞茸・牛蒡と繊維が多そうだ? でも毎日ではないだろう。 茨城の“さつまいも”は非常に美味しい。とは言えシュガースイートは高価なので常食ではなかろう。茨城といえば研修の短い滞在だったが寮の食事は豚肉だった。芋なら埼玉だと関東圏どうしの当て擦りも見たいものだ。大阪では昆布だしのうどんが影響しているのか?出汁中の水溶性繊維は?それとも徳島サツマイモにも近い。。。など地域により違うだろう。区分が地域に偏在しているとなれば、それも食品や健康サプリ開発のヒントになる。

できたら「健康のため」と力を入れないで自然で摂取できるような食品が好ましい。一人のための錠剤サプリよりは家族全員が摂れることが良いし、長続きすると思われる。

いずれにしても、食物繊維が便通や腸内環境を整える菌の餌だとの認識から大きく飛躍して認知症予防に役立つとは有意義な発見であり、20年以上のワークを継続されてこられた先生方のお仕事に感謝し、私どもの食生活改善を図りたい。焼き芋はスイーツ化している。遠赤外による焼き芋は口の中でトロける。昭和時代には冬になると壺焼きをするお店(駄菓子屋さん)があった。今で言うインド料理のナンを焼く壺と類似して、中に針金で吊るしたサツマイモはほっくりして美味し買ったのを微かに覚えている。現在の比較的高級スーパーで売られているのは工業的生産だろうが、どの波長を照射しているのか興味ある。男子で焼き芋を買うには抵抗がある人がおられるならば、今はスマホで糖分をチェックできるので、品質管理データ収集と屁理屈をつけて、大いに芋を楽しもう。データ整理も含めて認知症予防なら最高だ。

温暖化・大雪

地球温暖化が太陽系の事情か人間による工業化によるものかは別として、大雪を目の前にすると温暖であることを可視化せざるを得ない。TVでは太平洋側でも寒気弾が入り込むことから大雪になると報道。交通網が混乱することから無闇な外出を控えて在宅ワークを勧めている。オミクロンもピークを超えた今、新ネタとして関東地方の降雪を異常なほどエキサイティングに報道した。降っても10センチ程度であり、一晩で30〜50センチは珍しくない日本海側、滋賀県米原地区の人から見れば何もそこまで大袈裟に取り上げることはないのでは?と思う。大雪であろうが彼らは出勤している。また東京居住の人でも雪国出身者が相当の割合を占めていることからTVに言われなくとも理解しているのではなかろうか。

朝起きると朝食もそこそこに雪かきを始める。汗をかきながら除雪作業すると下手をすれば午前中一杯潰される。下着を交換し昼食を摂って仕事開始となる。筆者が関係する研究場所は東北にあるが、現地からの情報は大体このような様子が冬に繰り広げられる。雪かきには土日もない。なので平日にできない仕事は土日の午後に回さざるを得ない。乾いた粉雪ならば家庭用の除雪機が効くが、水分を含んだ牡丹雪ではスコップの出番となる。利き手によってスコップの方向が決まるので腰の筋肉は一方向に固まる。両手が利き手であれば疲労も軽減されるはずだが、滅多にそのような人はいないようだ。良いこともあると研究員はいう「雪かきは無心でできる作業でもあり微分積分の世界でもあると」小さいところからコツコツと(西川きよし師匠)のようであるが、この人の仕事の仕方も似ている。当方の関西風チャッチャとやる、東京風ザックリ・シノゴノ言わずにやるとは違いがあり面白い。

でも、降雪はもう沢山だ。今後どうなるのだろうか。温暖化で海の温度が高くなると上空の飽和水蒸気量は増える。それが大陸からの乾燥した強風に煽られたり、さらに水蒸気と接触すると降雨・降雪となる。

図は大雪注意報(神奈川は警報)が出された温度を衛星からの観測である。日本海の越前岬沖の温度は6℃と思っていたより高温だ(図1)。6℃の時の飽和水蒸気は0℃付近より約1.6倍含む事になる。(図2)。

 

これに新雪のマップを見ると大陸付近と日本陸上(山岳)に降雪している。(図3)

大陸付近は乾燥空気が吹き荒ぶことで雲から雪になっているのだろうが、日本に近い日本海では降雪がなく、白山、立山連峰、アルプス連峰で吹上られての温度低下で降雪になるメカニズムは理解できる。

対策はないものか。飽和水蒸気も上空では過冷却状態だろうから、何か氷結する核剤を散布すれば雪となるはずだがコスパが課題だ。良い知恵がない。発明したら少なくともイグノーベル賞ものだ。どなたか挑戦しませんか?

大雪で可視化されたものがもう一つある。それは地方自治体の懐事情。すなわち除雪費用が捻出できなくて、住民サービスの低下を余儀なくされていることだ。除雪車はなかなか来ない。雪が降らない永田町において経済健全化(増税)vs.積極財政との議論も地方で行なってみてはどうか。我々庶民ができることは返礼不要のふるさと納税。

好感持てる頭の良い人

かなり強い雨が降っていた。歩道には傘をさして先を急ぐ人々。日常の情景だ。その時、ドサッと前を歩いていたご婦人が倒れ顔面制動した。その時、さっと駆け寄った女性が倒れたご婦人を抱え上げ、もう一人は持ち物を、そして小生ができることは傘を差し出して皆さんが濡れないようにするだけだった。高齢になると段差と言えないようなギャップでも転倒することがある。ましてスマホを見ながらではなおさらである。メインで助けた女性がみんなにご協力ありがとう的な笑顔を投げてきた。なんて素敵な人だろうか。平素から優しく、行動ができる人であろう。思いがけないことが起こっても平静にアクション取れ、何事もないように去って行く。カッコいい。本当に人として持つべき頭脳と精神のバランスが取れた人の所作なのだ。何か助けを求めるような事態になった場合でも、多くの人が無償で助けるだろう。その意味において本人は意識しないだろうが頭が良い人である。

「頭の悪い人、良いように見せる人vs. 頭が良い・見える人」をYou tubeで発信した人がいた。この人の言う「頭が悪い、良いように見せる人」は無愛想、真面目な表情、ジェスチャー使わず、専門用語・横文字を多用 新しい話・皆が知らない話をする。ここまでは何となく解る。特に若い学者に多いような気がする。

「素早く行動する人は頭が悪い」とこの人は断定している。これは間違。経験不足と見た。飛躍する話題であるが、先日も東レが樹脂材料の燃焼試験ULを長年誤魔化してきたことがわかった。東レ全体から見ると些細な話だが、ことは会社全体の信用に関わる。不都合なことは素早く対応しないと会社の命運にも影響するのだ。

さっさとアクションしないと顧客を苛立せるが、全く逆だと好感を持つ。先日、取引実績がない会社のwebの問い合わせ欄にコンタクト希望を入れた。その1時間後に電話がきた。Web経由では早くて3日後が多い。クイックアクションされるところを見ると、相当ユーザーの信頼を得て儲かっているのでは?と開口一番話すと、先方は明るい声で対応してきた。ビジネスではクイックアクションは褒め言葉と受け止められているのだ。この会社では適用しうる製品はなかった。ありそうな他社を紹介してもらったが、迅速対応と他社を紹介するこの会社になんとなく期待感があって、紹介された会社にはコンタクトしなかった。その後、自社開発するからと返信があった。クイックアクションはビジネスでは有力なツールなのだ。

頭が良い悪いのは想定質問を考える余裕の有無、アドバイスする仲間の有無、自分の能力を冷静に分析するかしないか。これらは単独か若しくは複合の結果だ。

頭が良い・見える人は 余裕があり、メリハリが効き、ジェスチャーが多く、楽しそうに話す、聞き取りやすい声で話す。と言った。これは素直に同意だ。身近に見本がいる。6年前のプレゼンテーションを忘れない。原稿を最後まで推敲しストップウオッチ片手にリハーサル。普通はこれで準備万端としてプレゼンの順番を待つところだが、その人は当方から離れた席に移動してアナウンサーがする本番前の滑舌訓練をしているのだ。これには驚いた。そこまで徹底するのかと感心した。プレゼンテーションの相手に伝わって初めてプレゼンと言えるとの理解が徹底しており、見えないところで努力しているのだと知った。これを考え実行できるのが本来は優れた頭脳を持つプロ。プレゼン10分、質疑5分のところ、プレゼンは時間通り、質疑になると、それまでの発表では審査員1〜2名の質問に対して7名全員からの質問が投げられた。理解され共感を得た。

日頃の生活での風景で見る好感がもて頭が良いなぁと思う例は、 1)路上で白杖を持って歩行している人が大丈だろうかとそっと眺め、本当に必要な時はエスコートする 2)食べながら話をしない 3)立ち歩きで物を食べない 4)電車の入り口でガンとして動かないようなことはしない 5)電車では妊婦さんに席をさっと譲る 6)何にでも“ありがとう”と言う。 7)色んな話題をポケットに入れてウイット・冗談の味付けをして会話が楽しめる人 8)電話・メール・Lineへの返事の早い人。結論はマナーの良い人。いつも100%できているとは言えない筆者に対して「思うだけなら誰でもだ!実行しろ!」と天の声。ありがたく頂戴して実行しなくては。

揚錘蓄電

太陽光発電は夜間には発電できない。そこで昼間の余剰電力を何らかの形で蓄電することが必要で、このブログでもLiバッテリー、揚水発電、フライングホイル、圧縮空気での保存を紹介してきた。この3者の中ではイスラエル企業が実用化しているプロセス:圧縮空気として保存し、圧力を放出しながら小型水力発電機を作動させるのが最も安価で優れていると報告した。

ところが、思わぬ伏兵が現れた。揚水発電は余剰の水を昼間に元のダム湖に戻しておき、必要の時に落水させて発電するものであるが、水の代わりに錘を余剰電力で巻き上げておき、必要な時に落下する時のウインチの回転(モーターの回転)により発電をする仕掛け。いわゆる位置エネルギーを利用しての蓄電。気がつかなかった。そんな手があったのか。揚水はダムがあっての前提だが、これだと普通の場所でも可能だ。一種の巨大倉庫のような設備があれば可能だ。圧縮空気タンクを地下埋設する必要はないが、錘が落ちてくる時の音・振動対策が特に都会では必要だろう。

言われて気が付くまさにコロンブスの卵だ。欧州では既に実用化に向けて試験装置が稼働しているとの情報がある。文献によれば重さ3.6 トンの錘を100mの高さからつるべ落としをすると1k Whの電力が得られるとのこと。(日経クロスネット 9月抜粋)

つるべの数、高さ(深さ)、錘の重量などが蓄電量の変数となる。欧州では炭鉱の廃坑を利用することや、巨大倉庫の中につるべ落としを設営することも考慮中とのこと。見逃せないのが、そのコスト。それもあって、将来の蓄電法の割合は図のようになるとの予想がされている。圧縮空気の蓄電を国内複数の企業群に紹介したが、興味を示すところはなく、Li電池が主流だとして見向きされていない。ところがこのグラフを見ると半信半疑でも良いから準備する必要はあると思うがどうだろう。

 

揚水の代わりに揚錘(同じヨウスイと読むには日本人は得意なはずだが)とはまさにコロンブスの卵。冗談半分だが、小学校の雲梯で降りる時にウインチを回転させて「ハイあなたは○W発電しましたね。とか言えば興味を持つかも知れない。

筆者は子供の頃、夏休みの自由研究で句碑のコピー(拓本)を集めていたことがある。加賀千代女の「朝顔やつるべ取られてもらい水」を見つけた。草ボウボウの茂みの中にある状況を写真に収めた。先生から高度成長時代には俳句する心の余裕もなく草取りもしないことが何より物語っていると指摘されたことを覚えている。綺麗事は言わないが自分も企業成長に傾倒まっしぐらだった。

今、「つるべ」がESGの投資対象になるとは、一旦高度成長をすぎて、ここに戻ってきたのかと千代女は言っているかも知れない。重力蓄電は環境にとって良いだろう。疑うことは少ない。だが、ちょっと待てよ! その蓄電の行く先は本当に環境に、しいては人に優しいのか? パッと咲き誇る朝顔を見て取水を止めたように、流されてはイケナイように何らかのストッパーを必要とする。高度成長で大気汚染などの歪みを生み出し、反省し改善を継続してきた日本人ならでは気づくことある。それを強く意識したい。

崩し文字と発音

前橋に行くべく格安切符をJRみどりの窓口で購入した。申し込み用紙に駅名、列車名、時刻など記入し窓口に渡した。駅員さん黙ってしまった。俯いて2分。駅員さん顔を赤らめて曰く「この字はなんて読むのですか?」。ハッと気がついた。つい崩し文字で記入していたのだ。でも高崎経由○橋のところは前橋しかないだろうにと思いつつ、「楷書で書かなかった方が悪い」と謝った。

スマホには崩し字はないからなぁと思いつつ、核家族でないから高齢者が書く文字を見ていないのだと。街で見かける暖簾にある崩し文字は読み飛ばしているのだろう。パソコンの前のワープロが出始める頃から請求書は手書きがなくなった。現在はパソコンであるが出荷記録と紐付けされて発行されている。

それ以前は手書き。月末になると膨大な請求書と封筒宛名書きを手書きする商店を見ていた。小さな商店でさえだから会社では尚更の事務処理労力があったと思う。検算は暗算が好ましかった。その時の文字はスピード勝負なので崩し文字が多い。中には正規の崩し方ではなく、独自書式?の文字もあったが、受け取る方もそれで不便だと言うことはなかった。

今、“あんざん”と打ち込むと“安産”がヒットしてくる。“暗算”でさえ使用頻度が少なくなってきた。三丁目の夕日の当時、算盤、習字、ピアノ、日舞を習う塾があったが、やがて進学塾と英会話塾が大きな比重を占めるようになった。英会話は人気があった。将来の就職に有利と考えたのであろう。

筆者は中学1年の時、夏休み集中英語学習に学校から行かされた。外人教師からアメリカの代表的な名前の名札をつけられた。違和感と抵抗感があり、辞書を引きひきながら親から貰った名前で呼んでほしいと文書を書いて渡した。そんな訳で英会話は上達しなかった。外人教師から指名される頻度がグッと低下したのだ。(と苦しい言い訳)。長じて、会社で外国からのお客様が研究所に来られる時の挨拶文は依頼されることがあった。中学時代の出来事が役に立ったのかも知れない。

ある米国の学会で発表することになった。米国では学校で習ったイギリス風英語は地域によってはさっぱり通じないことを経験した。受付のお嬢さんから「この人何言っているのかわからない」と指摘された。このお嬢さんの発音は崩し文字のように聞こえた。筆者の後ろにいた老紳士が「この人の話はわかる。それは。。。」と通訳していただいた。他民族国家で出身地のお国ことばに加え米国の地域による修飾で多様な言葉の崩し連結(リエゾン)であることを知った。それなら独自の崩し英語ではどうかと試した。

リズムとイントネーションがそれらしくさえあれば変な方言だとして通じる、分からない方が悪いと開き直った。明治の留学生の辞書にあるカタカナ英語は崩し口語。文字からの英語教育よりは現実的だったのだ。桂文珍の落語に登場する老婆がアメリカでバスから降りる時には“揚げ豆腐”と言えば良いと笑わせるところがある。アイ・ゲット・オフではバスは止まらないだろう。

話は脱線した。話を戻して、駅員「新幹線は東京からで・・」当方「いや大宮と書きましたけど」。もう駅員は完全に動揺している。気の毒なことをした。蕎麦屋、寿司屋などで見かける崩し文字・変体仮名など読めると格好が良い場面は多くはないが、その場でさりげなく対応できると大人の気品を感ずるのは事実ある。ある人は大人の色気とも言う。

崩し文字に出会った時にAI翻訳で調べて知識として加える。些細なことだろうが親交する幅が広がる可能性がある。第一楽しいではないか。と偉そうなことを言っても古文書を読解できるには程遠い。博物館では楷書の解説文を読んでいる自分。他人のこと言えない。

地球温暖化予測でノーベル賞を受賞した眞鍋氏は“好奇心第一”と話された。陽の目を見るかどうかに関係なく継続するタフネスさも重要だろう。日本の大学の細々たる予算は研究継続できない状況にある。日頃の水遣り・栄養が重要だ。ある日突然変異して研究が成功した例はごく僅か。地道な支援が重要であろう。

それには崩し文字だの、崩し話し言葉を含むコニュニケーションスキルも必要だ。

炭酸同化作用vs.火山噴火

トンガの海底火山噴火の以前にブログ原稿を仕上げていたが、事情は一変した。

ブログ前半は平穏な時に書いたものである。*印までの少々のお付き合いをお願いする。

炭酸同化作用は小学校で教えられた。植物は空気中の炭酸ガスを気孔から吸収し、水と光により酸素と有機物を生成する。いわゆる光合成である。だから植物、林、森、山林を大事にしましょうと教わった。小学校の高学年になると葉の気孔は裏側にある理由は雨に濡れて塞がらない、炭酸ガスの比重は重いので下にあると聞いた覚えがある。随分、昔のことなので不確かではあるが。

今、温暖化対策として脱炭素(炭酸ガス抑制)に向け一斉に動き出している。植物の言葉・発言を聞く手段を今は持っていない。あるとすれば、順調に育っている。萎びて枯れている。のYes, Noの結果でしか判定できない。

一方、植物工場が登場して20年以上経過した。張り切り過ぎて計画が甘く失敗に終わった事業もあれば、着実に進めている企業がある。“工場”と銘打つからには、品質管理が重要である。効率良い生産性のために、水質、水量、炭酸ガス濃度、風量分布、温度管理、光照射の波長とその分布、病原菌などサイエンス要素が満載で、かつ農業エキスパートの知恵も必要とする。

では、炭酸ガス濃度は植物工場ではどうなのか? ネット検索したところ植物工場建設会社 https://i-m-a.jp/?page_id=966)には工場内の風の分布にもよるが大凡1,000ppmが最適濃度だと記されている。次から次へと炭酸ガスが流れる風であれば700ppmでも生育するとのこと。

今、地球の炭酸ガス濃度は400ppm。植物に発言権があるとすれば、「窒息しそうなので、もう少し増やして欲しい」「野菜や豆も、植物を餌にしている肉も口に入らないぞ。」と優しい囁きから、脅しまであると想像した。

*以下、この調子で書いたが、アップする段階で発生したのがトンガ海底火山噴火である。火山灰は成層圏まで達したことから地球全体を覆うことになるとの解説がなされている。工場の屋根に遮熱塗料を施して工場内の冷房省エネを図ることが20年以上前から施工されているが、この塗料の中には鹿児島・桜島の噴火で採取されたシラスバルーンが含まれている。今回のトンガ火山灰も同様だとするならば地球は遮熱・遮光される。0.5℃は低温化するのではと言われている。過去に事例がある。タイ米を食べたあの時である。1993年の噴煙による凶作でタイ米を輸入したことがあった。

そこで冒頭の植物の光合成である。光量減少、低温化となると植物は成長しない。植物成長に影響するCO2濃度について、従来通りに規制することにストップがかかることも予想される。3〜5年後には元通りになると推定されるのでCO2増加を野放しにすることはないが、その間を活かして、より実効ある技術開発をしたいものである。少なくとも太陽光発電は主役にはならないことは明らかになった。名脇役にするにしてもリサイクル環境を整えてからだ。BEVよりガソリンエンジン延命の方が賢いかもしれない。電力インフラが不十分の食料補給地域が凶作に見舞われたら、BEV推進をしている国に対して素直にはなれない。全ての人が困難な時でも等しく負担する、少なくとも気遣いをすることは当然だろう。

地球は人の頭で考え・対策できるようなシロモノではない。自然を頭では理解しているつもりの人間に噴火は「奢るな人間、本当の自然を正しく見ろ!」との警告だとしたら謙虚に聞き入れて本物の対策をすることだろう。

無意識の固定観念

親子四人が電車に乗り込んできた。1歳 4歳 7歳に母親。降りるまで1時間ほどかかるから今のうちに宿題をやったらと母親は長女に話しかけ、素直にカバンからノートを取り出して始めた。素直な子だなとトイ面の座席から眺めていた。そこから意外な展開に。宿題の内容は母親の車両の1/3の範囲の人には聞き取れるような声でわかった。形の違う長方形が2つある。これを本棚に収めるにはどうすれば良いか? 方眼紙に答えを描くのだができない。

母親は“ここがタテで、ここがヨコで、これが奥行き” 。“これをこうすると これがタテで。。。。”  長女はますます混乱して、宿題いやだと言い始めた。もう読者はお分かりになったと思うが、長女は長方形のそれぞれに固有の名前がついており、方向を変えても名前は変わらないと信じている。ああこの子。本当は頭がいいと思った。親はなぜ子供が理解しないのか、それがわからない。

でもこれを笑えないのは大人も同じ。1970年当時にFortranの初心者向けプログラミングとしてBASICがあった。例えばA=A+1 がわからずに、縁がなかったと諦める人が出たのだ。自分はプログラミングできなくても世間を渡れると妙な理屈をつけて。今、小学校でプログラミングが必須科目になっている。妙な区切りをつけた一人・筆者には、その事情が理解できない。量子コンピューターのプログラミングには携わることは1億分の数人だろう。原理を理解していれば十分だと思うが如何か。

話は転じて、大企業で定年を迎え、再就職やコンサルをする人が増えている。年金支給開始までの稼ぎはもちろん、その年金もあてにならないとなると少なくとも70歳まで継続を希望することになる。だが、大企業同士の合併でもみ○ほ銀行のように時間がものすごく長く、被害を出しながら継続している典型的事例がある。一方で大企業から中小企業へのシフトとなると、長年ついた垢(常識と勝手に解釈している)を本人は無意識に主張しているシーンをよく見聞きする。シフトした会社も高齢化が進んでおり、同じような年齢(経験の差)同士で理解し合うのは困難だろうと思う。

脳細胞は毎日寝るたびに更新されているはずだが、この垢だけは残るのか、残そうと必死にバックアップしているのか脳科学専門家に聞いてみたい。バックアップは男の方が女性より容量が大きいのか、こだわりが強いようだ。女性は過去より明日に重点をおくのに対して、男はそうではない。町内会長でもいいから名誉が欲しい生き物。

体の健康のためならウオーキングや各種エクササイズをみなさんは実践されておられる。だが、精神的な更新はウオーキングだけでは不足。比叡山延暦寺の千日回峰行なら別だが働きながらでは無理。とすると座る・座る・座る・只管打坐が必要な時代になってきたのかなと思うこの頃。

そういえば高校時代に永平寺でのミニ修行の行事参加があった。スティーブ・ジョブズなど新世界を切り開くリーダーは禅を重視している。永平寺において3時半起床、掃除、座禅などは記憶に残っているが、2日や3日では禅が分かるはずもない。しかし、今にして思うと人生の先で必要となるであろう“固定観念という垢を落とす”ことの重要さを教育の場で教えられたのは確かに貴重だ。今こそこの類を含む教育の国債を発行してはどうだろう、恐らく何十倍ものリターンが期待できるだろう。その場合でも単なるプログラミングができる、英語が話せるようなものではないことは勿論だが。

今年の目標 “精度”

年末年始・いやその前のクリスマスパーティを含め1ヶ月は特に女性による調理やもてなしには頭が下がる思いだ。男も料理をする時代になったものの、テキパキとおせちを作るとなると邪魔者になる。大掃除をやることで存在感を僅かに示すだけとなる。だが、ちょっと待って欲しい。大掃除をしながら、この作業をしなくても済む方法はないだろうか?と考えるのもありではないかと考えるならどうだろう。例えば窓拭き。戸建ての2階の窓なら普通に拭ける。一方、超高層マンションとなれば、それはできない。内側と外側に磁石のついた器具を利用している人もいるだろうが、プロ並みの仕上がりには到底及ばない。超高層マンションならずとも、デザイナーマンションと称する建屋は清掃に適しているとは縁遠いものだ。筆者と仲間は秘策を思いついた。今年はこの秘策を表舞台に出すことを一つの目標にした。目標も精度よく明確に。朧げに2030年とは言わない。

いくつかのテーマを新年にあたり掲げた。共通するテーマは“精度”。受注〜出荷〜アフターフォローとして精度ある対応とは何だろうか。日頃のお客様からの声に精度よく反映させることに尽きるのだが、それを精度よく受けて行動に移すことを肝に命じて。

以前のブログで歯科技工の工程はいくつかのユニットから構成されており、各工程での公差(誤差)の累積がトータルの公差(誤差)になることを紹介した。そのための各ユニットの精度を上げることが重要である。単なる仮定の計算であるが、工程1の公差が20%だとして、工程2の公差も20%であるとしたとき、工程2終了後の累積公差は?と統計処理の専門家から問われた。20+20=40%の最悪ではないが、現実は二乗和平方根の28%が最もありうるとのこと。その公差は工程数が増すにつれて大きくなることは間違いない。

工程1が印象採取にあり、その精度は石膏の膨張率に依存しているとした場合、膨張率の低い石膏グレードを選択することになる。できれば膨張も収縮もしない0%がベストだ。実際の石膏技工に筆者は疎いので的外れかもしれないが、モデル作成時のノコギリ切削、カービングにおいてひび割れ、クラックが起きないこと、水に何度もつけての切削は面倒なのでしないなども含めた目標を置いた。それなら膨張率0%、切削・カービングが容易で切断面がピカピカの光沢を持ち、かつ圧縮応力が低下しないようなものができないか高硬度汎用石膏をベースに実験したことがある。結論は実験室ではあるが出来た。一丁目一番地の精度改善としては候補技術になるだろう。

本年はその他の工程・製造における精度改良材料が可能か検討することになろう。“なろう”と精度がない表現は許されないので期中での見合いで再掲する。

話は転じて、高名な陶芸家から年賀状を頂いた。そこに書かれていたのは“感覚の世界”に生きる芸術家の矜持・考え方が表現されていた。それも突き詰める精度。技術とは対極にある世界であるが共通するものがあると鈍い頭脳でも理解した。一見、芸術は精度・公差とは無縁であると思っていた自分は無知だと教えられた。追い求めギリギリまで追求して到達した世界観を陶芸で表現しているのだ。

今、脱カーボンとして、火力発電ダメ、原発ダメ、太陽光・風力も頼りにならない、ガソリンエンジン廃止と論ずる人の勢いは強い。しかし全部ダメダメとなった世界を想像出来ない人はどうやら昨年末で置いてきぼりになったと言えそうだ。最近のCO2回収火力発電、モジュール小型化原発、太陽光・風力エネルギー保存の新しく安価な方法、バイオガソリン・水素エンジンなど解決策が提案されているこの頃風景が変わりつつある。日頃、ギリギリ・ミリミリの考え方・技術など精度を追求開発しているからこそ表舞台に出すことができる。

正月3が日は国の祝日。祝日を増やそうとした時に候補になったのは聖徳太子が制定した十七条憲法発布の日(4月3日)。筆者の誕生日なので、いつも気になる憲法である。“和を以って貴しとする”は誰でも知っているが、相手の名誉を尊重し、決して貶すことなく議論を徹底的にしなさいと説いている。 由利公正の五箇条の御誓文の“万機公論に決すべし”と合い通ずるところがある。

精度ある議論を尽くし決まったら即行動に移す。新年にあたり“本年の目標は精度”と肝に命じた次第。

名刺データの移行

2021年も暮れゆく12月29日。本年最後のブログとなりました。コロナ禍にビジネスもプライベートも混乱しつつ、明るい時に戻ることを期待しつつ生きた年と後年記憶されるだろう。ビジネスでの出会いが制限された年だったが、新規に出会って名刺交換をした人は210人。2020年も199人なのでコロナ禍において活動程度は同程度だったと言える。いずれも外出規制が少し緩んだ時に集中した月日と対比している。

皆様は名刺交換されたら処理をどうされているだろうか。スマホで撮影。iPadなどに収録。クラウド業者にアップする。エクセルで整理、データー管理ソフトを利用、名刺をアイウエオ順に並べてファイルなど新旧のやり方がある。一旦始めたら、途中での変更はなかなかできない。

年々、記憶が曖昧になってきた。データーから名前で検索するにしても、名前があやふや。会社名も途中で変更になった事例が多い。オフィスの移転もある。そこで検索で一番利用しているのが備考欄の案件キーワード。流石にこれはクラウド名刺業者には渡せない。

若い頃はMacを利用していた。Macと相性が良かったのがファイルメーカーだったので採用。手持ちの名刺を移動時間など利用してインプット。郵便番号を打つと住所も出てくる便利なものだった。電話とFAX番号しかなかった当時から携帯は会社と個人、メールアドレスも会社と個人など枠がどんどん増加したが都度レイアウト変更で対応できたのも都合が良かった。

当時のMacは銀行取引ができなかったのでwindowsに切り替えたが、windows版ファイルメーカーを利用していた。今年の7月にwindows機は酷使が祟って疲労困憊で発熱しやすくなったので修理。その間、エクセルで出力してMacで利用していたが、検索が面倒なので、ファイルメーカーソフトをMacに入れた。そこまでは順調。ところが、データーをwindowsからコピーする段階でうんともすんとも作動しないトラブルに見舞われた。

ソフト提供会社資料には無料相談がついているとあったので電話した。結論は当方のやり方であっている。再度トライ。だが動かない。相談には有料だが実際の操作を面談しつつ教えてくれるとあったので、これを申し込んだ。返事は、簡単な操作は電話で十分だからとつれない返事。「有料は高レベル案件対応です」とまで言われて、IT音痴のレッテルを貼られた気分。

パソコンのハード販売ならセンターで丁寧に教えてくれる(やって頂くに近い)のに対し、ソフト販売では無理だろうと思いつつ、諦め半分でコーヒーを淹れて休憩。

15分後、デスクに戻るとダウンロード表示(輪)の色が濃くなって、何やら時計の針のように動き出した。長年の顧客を哀れに思ったのであろう。

待つこと5分でデーター移行終了。単純だが嬉しくなった。懐かしい人に会えた気分。でも待ち時間15分を普通は「うんともすんとも」と受け取るだろう。電話対応の説明でもデーター容量が大きいとダウンロードは時間が掛かりますとアドバイスさえしてくれればと思ったが、なかった。

それを言わずに「稼働しました」とお礼の電話をしたが、5whyを聴いて次に繋げないのは残念。それこそ自社の管理ソフトに記録して欲しいものだ。

どれだけの容量かといえば写真などはなくテキスト文字だけだが1G。この数字は営業職であれば普通だろうが、一介の技術屋にしては多い。文字通り多くの皆様に支えられてきた証でもある。これを恩としてお返しできることを念じつつ2022年に繋げたい。